The peaceful town 〜後日談〜


 あの時受けた背中の傷もだんだん治りかけてきた。
 そんなある日の夜。
 見舞いに来る人たちもいなくなり、俺は少し眠くなってうとうとしていた。

 ―――ああ、仰向けに寝たいよぅ…(笑)。

 「………バカだな、お前は……」

 不意に頭の上で声がした。
 目を開け、まわりを見る。

 「…シャドウ」

 シャドウがベッドの隣に立っていた。

 「良かった…いなくなっちゃったのかと思ってたよ」

 あれから一度も姿を現さないから…。
 俺はそう言って笑った。

 「…俺は…」

 シャドウが口を開く。

 「いなくなったり、しねぇよ」
 「え?」
 「ずっとお前のそばにいてやる…」
 「……」

 そっと、俺の髪を撫でる。
 そしてシャドウは、顔の半分を隠していた眼帯を外した。
 俺と同じ顔。
 ただひとつ、緋色の瞳を除いて。

 「また、あいつが現れたら…今度は…今度こそ、俺がお前を守ってやる」
 「……」
 「あんな医者なんかに負けてたまるか」
 「……ふっ」

 かわいい。
 俺はつい吹き出した。

 「笑い事じゃねえ。…チッ」
 「……」

 シャドウがくるりと背を向けた。

 「俺は…お前に縛られてるんじゃないからな」
 「…え?」
 「お前が罪悪感を覚える必要は無い。俺が勝手にお前のそばにいるだけなんだから」
 「…ありがとう、シャドウ…」

 シャドウはそのまま姿を消してしまった。

 「『シャドウ』なんて名前は正しくないね…」

 『the person who defends myself』

 「期待、してるからね。守護者サン☆」






シャドウがかわいそうだったのでフォローしてみました…(笑)。
英語は適当なので気にしないでください。つっこまないでください(笑)。