「プア君が男の子だったらなー……」
 「……は?」
 「男の子だったらっ……、プア君の口元の食べこぼしをひょいぱく! とか、曲がったネクタイを直してあげるとか、そんなやり取りが目の前で起こったら! すごくイイ……!!」
 「……」
 「でもふたりは親友で、イア君は親友にありえない感情を抱いて悩み、手を出すわけにもいかず悶々と……!!」
 「もしかしてカオンさん、そんな本を出そうとしてたり」
 「シリーズ4作目を書き終わったところですが何か!?」
 「うわもう出してた!」
 「フェリス君も出てるよv」
 「やっぱりか」
 「ヘタレなイア君が可愛くてついいたずらしちゃう感じで」
 「……」

 興奮気味のカオンに生温かい視線を向ける。

 「プア君にも何かしようとするフリしてイア君にはっぱかけたりとか」
 「キミは許可も取らずに何してくれちゃってるんだい……」
 「事後承諾でひとつ」
 「イアはきっと無理だよ?」
 「わかってるよ、だから内緒でやってるもん♪」
 「……」

 ダメだこれ。

 「フェリス君がいつもイア君で遊んでるからつい書きたくてたまらなくなっちゃうんだよー?」
 「俺のせいですか」
 「鬼畜攻×ヘタレ受」
 「人を勝手に鬼畜にするなっ!」
 「プア君達の場合はヘタレ攻×天然受」
 「ヘタレねぇ……ヘタレだけどイア君はツンデレだよ?」
 「……!!?」
 「でしょ?」
 「えっと、えっと、クール攻×ツンデレ受……!」
 「……ていうか、俺はもうイア君がいないとダメな体だから」
 「え、え、逆!!?」
 「俺がどうしたって?」

 割って入ってくるイア。

 「な、なんでもな…!! 乙女の会話です!」
 「こいつも乙女か」
 「うん、実は私、乙……」
 「気色悪いんだよ!!」

 殴られた。

 「じゃ、じゃあねっ! 私急用思い出した!」

 逃げるようにばたばたと走り去っていくカオン。
 ……。
 もしかして。
 何か俺、……墓穴を掘った気がする。