僕の名前は、ポチです。前は別の名前があったかもしれないけど、もう忘れちゃいました。
自分がどこで生まれて、年はいくつなのかも、よくわかりません。
いつかは、10歳だったと思います。でも、あの時から何日たったのか、それとも何年もたっているのかわからないから、やっぱり、よくわかりません。
ここがどこかも、よくわかりません。窓はなくて、いつも薄暗い明かりがついているだけです。空気はいつもなまあたたかくて、時間も季節もわからないんです。
僕には、いつのまにか、ご主人様がいました。僕よりは年上だと思うけど、大人にはなってなさそうな気がします。ごはんを持ってきてくれたり、遊んでくれたり、すごく優しいんです。
ごはんと言えば、おなかすいた…。ご主人様、早くこないかなあ…。
僕が食べるごはんは、ドッグフードなんです。…はじめは、ものすごくイヤだったんですけど…ほかには何もくれないから、いつのまにか食べられるようになりました。慣れると、けっこうおいしいんです。
「ごはんだよ」
僕は、いいと言われたとき以外は、立って歩いたり、手を使ったりしてはいけません。なんでかはわからないけど、そう決まっているんです。
四つんばいになってごはんを食べます。慣れるまでは、むせちゃったりしたけど、もう平気です。
ごはんを食べた後は、注射をします。ちょっと痛いけど、そのお薬を打たないと、病気になってしまうそうです。
「今日のは、いつもと違う特別な薬だよ…」
なんだろう、と思ってると、ご主人様は話を続けました。
「元気が出る薬だよ。ちょっと、子供には強いかもしれないけど」
注射はきらいだけど…言う事をきかないと、お仕置きされます。何日もごはんをくれなかったりとか…。
「じゃあ、そこ座って…ううん、おすわりじゃなくて、普通に座っていいよ」
僕がおしりを床につけて、ぺたんと座りこむと、ご主人様は、僕の両手を後ろにまわして手錠をつけました。
僕のフトモモの内側を、ご主人様が綿でふいています。いつもはヒジの裏側とかなんだけど、たまにこうやって、場所を変えてくれます。針が刺さる瞬間、僕は目をつむりました。こわいから…。
「いつも、よく我慢できて、偉いね…」
ご主人様が、僕の頭をなでてくれました。
…なんだろう…なんだか、変な感じになりました。頭がぼーっとして、ちょっと気持ち悪くて…あと・・・僕のちんちん、痛いくらいに大きくなってきちゃいました。
僕のちんちんが大きくなってきたのを見ると、ご主人様は、うれしそうに言いました。
「なんだか、変な感じでしょ。こうなってる状態のちんちんを触ると…」
触られた瞬間、体中に電気が走ったような気がしました。やっぱり僕、変になっちゃったみたいです…。なんだろう…。
…手錠、外してくれないかなあ…さわりたい…
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