シークレット
#7
私たち3人は、着替えをすませて…。うん、面倒だけど、ちゃんと着替えはした。
さすがに、女の子モードで外を出歩くのはまずいと思うし、そもそも、禁止なんだって。
意気揚々とはまさにこの事だろう、って様子の貴子ちゃんにくっついて歩いてる、ちょっと不安そうな二人。
はたから見ると、一体どんなグループに見えるかな。
部室から少し歩いて、駅前に着いて、でも駅には入らない。
何となく覚えがある道を通って、覚えのある建物の前。
…こないだの、ラブホテル。
「ちょっと聞いてみるね。3人でもいいかって」
貴子ちゃんは、一人で中に入っていった。
僕と幹夫は、なんとなく距離をあけて、そっぽ向いて、他人のふり。
すぐ、貴子ちゃんが手招きしてるのが見えて、二人ともまわり見回して…急いで中へ。
「今回は特別に、3人使っていいって。次からは割増って言われたけど」
…いいんだろうか?
男どうし、そこまではまだいいとして、明らかに未成年、それどころか、今回は3人…。気にしても、しかたないんだけどね。
こないだよりも、少し豪華な部屋だ。
ベッドも、部屋自体も、テレビも、前より少し大きいかんじ。
「じゃあ…また、着替える?」
意外にも、最初にこれを言ったのは、貴子ちゃんじゃなくて、幹夫だった。
言い終わるやいなや、「行って来るね」って、幹夫はバスルームへ。
「ねえ、みきちゃんって…学校では、どういう感じ?」
「うーん…」
「大体でいいから」
「勉強はできる方。できる方というより、上位。で、大人しいというか、真面目そう」
そう聞いて、貴子ちゃんは、おかしそうに言った。
「ふーん…じゃあ、ちょっと驚くかもね。やっぱり楽しみ」
ほどなくして、幹夫は、みきちゃんに変わって、出てきた。
入れ替わりに今度は貴子ちゃんがバスルームへ。
「ねえ、貴子と…したの?」
「…うん、こないだ」
「そう」
みきちゃんは、なぜか笑顔で、とんでもない言葉を続けた。
「悔しい…ものすごく、悔しい。だって貴子、私の恋人なのに…」
笑顔でこんな事言われたら、驚くというか、なんというか。
みきちゃんは、そんな僕をじっと見てる。
貴子ちゃんが出てきて、交代で、僕が着替えにいく。
みきちゃんの様子、態度が、気になってしかたないけど…。
今日は3人とも、うちの学校の女子の制服。
見慣れてるし、初めてじゃないけど、袖を通すたびに、なんかドキドキする。
これ着て登校したらどうなるかな、大変なことになるかな…なんて、そんな事考えながら、着替えた。
着替え終わって部屋に戻ると、もう、「始まって」いた。
予想とは反対に、服の中に手を入れられて、かわいらしい声を上げているのは…、
みきちゃんの方だった。
みきちゃんは必死に顔を近づけて、キスをせがんでいるようだけど、貴子ちゃんはそれをよけて、みきちゃんの頬を舐める。
私が帰ってきたことに気付いて、貴子ちゃんは、まるでカレラさんみたいに、すごく意地悪そうに笑った…。
「あ、戻ってきた。こっちおいでー」
私はまるで吸い寄せられるように、二人の所…ベッドの上へ。
「驚いたでしょう? みきちゃん、こういう時は、こんななの。前は違ったんだけど、最近はすっかり受け身になっちゃったよね」
「言わないで…」
「だから私が、練習中ってわけ」
貴子ちゃんは、今度は嬉しそうに笑ってる。
「ユウちゃんも、みきちゃんの事、好きなように触ってあげてね」
そうは言われても、さすがにちょっと気後れしてると、みきちゃんは
「何も、してくれないの…?」
なんて、悲しそうな顔で言ってきた。
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