題「熱病」白の場合 | |
一護が倒れた時を同じくして、白もやはりインフルエンザによって臥していた。 「うう〜・・・!春水〜」 白も一護と同じく、耳が出てしまっていた。恐らく尻尾も出ているのだろう。 「はいはい、ここに居ますよ〜。だから言ったでしょ?予防接種受けなさいって」 「だって・・・」 「うんうん、怖かったんだよね。子供達は大丈夫だから、君は自分の身体を心配しなさいね」 良い子良い子と頭を撫でてやる京楽。 「う〜、頭痛いぃ〜、寒い、ぞくぞくする・・・」 「寒いの?じゃあ、まだ熱が上がるかも知れないねぇ・・・」 冷たい手拭いを額に乗せられ息を吐く白。 「まだ悪く、なんのか?俺、死ぬんじゃ・・・」 熱で紅潮した頬に潤んだ瞳で見つめられ、危うく押し倒しそうになったが堪えた。 「馬鹿な事言わない!弱気になっちゃ駄目だよ。病は気から。大丈夫だよ、ちゃんと治るよ。卯ノ花さんもついてるんだからね」 と大きな手で白の頬を包むと安心したように眼を閉じた白。 「もっと熱が上がったら、解熱剤をあげるから今はゆっくりおやすみ・・・」 「ん、寝る・・・」 白が眠ったと聞いた子供達は少し安心した。だが夕月が泣きそうになりながら、 「ママの所に行きたいです・・・」 と京楽に言った。 「駄目だよ。夕月にうつったらママ泣いちゃうからね。お姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒に居てくれるかな?」 「あうう・・・、ママぁ・・・」 やんわりとだが窘められ、落胆する夕月。 「にぃちゃ・・・」 夕月はウルキオラの膝に乗ると、ぐしぐしと顔を胸に押し当てた。小さい体で丸くなり、母が居ない不安をやり過ごそうと一所懸命だ。 「夕月・・・。大丈夫だ。母上には父上も卯ノ花様も居るだろう?すぐに治してくださるから・・・」 夕月の頭を撫でてやりながら慰めてやるウル。 「だから、泣くな。良い子だから・・・」 「ふぇ・・・、あい」 こくん、と頷くとそのままお昼寝に入ってしまった夕月だった。 「風邪引いちゃうわ・・・」 と朝月が毛布と半纏をウルに渡した。 「ありがとう」 「私の妹でもあるんだしね。でも助かったわ、大泣きするんじゃないかと思ったもの」 眠っている夕月の髪を撫でる朝月。 「そうだな」 と話していると誰かがやってきた。 「は〜い」 朝月が出ると七緒が立っていた。 「こんにちは、七緒さん。どうかしたの?」 「ええ少し、隊長呼んでくれるかしら?」 「うん、とと様〜ぁ!」 とたとた走って行くと部屋の前で止まり、中に居る京楽に声を掛ける。 「今、七緒さんが来て呼んでるわ」 「そう、すぐ行くから離れてなさい」 「うん」 朝月が離れると部屋から出る京楽。すぐに七緒の元へと向かう。 「どうしたの?七緒ちゃん。何かあった?」 「いえ、お見舞いの品と、朽木隊長からの打診です」 「ああ、ありがとうね、朽木君から?」 見舞のリンゴを受け取ると話を聞く。 「はい、朝月ちゃん達を朽木隊長のお屋敷で遊ばせてはどうかと・・・。やはり閉じこもってばかりだと気鬱になるだろうと」 白哉なりに心配しているようだ。 「そうだね、彼なら子供達も懐いてるしね」 と言葉に甘える事にした京楽。 「さ、ちゃんと暖かい格好してね」 襟巻とコートを着せてやり、後を七緒に頼んだ。 「パパ・・・、ママちゃんと治るですか?」 「大丈夫だよ!ちゃんとお薬も貰ってるからね!夕月は気にしないで、お姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒に楽しんでおいで」 「・・・あい。行ってきます」 「うん、行ってらっしゃい。ああ、七緒ちゃん」 「はい?」 「ありがとね」 と何かを含んだ礼を言えば肩を竦めて、 「白さんをよろしくお願いしますね」 と言われた。 「あはは〜、了解」 子供達と七緒を見送ると、リンゴを持って台所へと消えた。 「白、入るよ?」 返事は無い。中に入ると息を荒くしながら眠っている白が居る。 「白、白、起きて」 「うぅ・・・ん、な、に?」 「うん、七緒ちゃんがね、お見舞いにリンゴを持ってきてくれたんだ。摩り下ろしたんだけど・・・食べられる?」 ふるふると首を横に振る白。 「水分取らなきゃ駄目だよ、ちょっとだけ」 白の身体を抱き起こすと自分に凭れさせ、リンゴを口に持って行く。 「ん・・・」 こく、こく、と少しずつだが飲み込んでいく。 「も・・と・・・」 「うん」 果汁だけを掬って口に含ませた。 「熱、下がらないね・・・。苦しいよね・・・」 「ん」 ふっ、ふっ、と息をする白。朝より熱くなっているようだ。 「白、お薬使う?」 「くす、り?」 「熱を下げるお薬だよ。すぐに良くなって楽になるから、ね?卯ノ花さんがくれたんだよ」 「う・・わかった」 頷いた白を蒲団に横たえる京楽。 「あのね、お薬って座薬なんだけど・・・」 「な、に、それ?」 「お尻に入れるお薬」 その言葉を聞いた途端に目を見開く白。 「な・・・!やだ!そんなん!やだぞ!」 「暴れないで!身体に障っちゃうよ!」 「こっちくんな!誰がそんなモン入れるか!」 大人しくさせようと覆いかぶさる京楽の身体を拳で殴るが力が入らなかった。 「痛いから、止めなさい、こら。痛!いたた!白!」 今度は爪を立てては嫌がった。京楽は顔から着物から覗いている胸元までを引っ掻かれてもその手を離さなかった。 「離・・せ!この!」 ドカッ!と蹴りが腹に入った。 「ぐっ!」 力が弱まった瞬間に京楽の下から抜けだし、這い出る白。 「くそ!」 障子の所まで逃げた所で足首を掴まれ、引きずり戻された。 「うぅっわ!」 京楽の腕の中に抱きこまれた白が逃げようともがくと耳元で囁かれた。 「・・・逃げないで、白・・・お願いだから、僕を一人にしないで・・・」 「春水?」 はぁ、はぁ、と荒い息で京楽を見上げると、苦しそうな切なそうな顔をしていて息を飲んだ。 「お願いだから、嫌かも知れないけど・・・。この薬だとすぐに効き目が出るから、ね?」 白の髪を撫でながら、額にキスをした。 「ん・・・」 「インフルエンザは怖いんだよ・・・。合併症で命を落とす人だっているのに・・・。君が居なくなったら僕はこの愛をどこに向ければいいの?」 「しゅん・・・」 「君への愛は・・・、誰にも受け止められないんだ・・・」 ぎゅう、と抱きしめる力を強める京楽。 「もう、我儘は聞いてあげない。予防接種を受けてたらこんな事にはならなかったんだ。こんなに君を苦しませる事にならなかったのに・・・」 腕の中でくたり、と力を抜いた白が、 「ゴメ・・ン・・・、分かった」 「良いの?」 「や・・だけど・・・しゅんすいが、泣くの、もっと嫌・・・」 「ああ、白。ありがとう」 触れるだけの優しい口付けをした。 「ふぅ、ん!」 「ちょっと我慢してね?」 白の腰を持ち上げ、寝巻きの裾をたくし上げる。 「ん・・・」 外気に晒され、ふるりと震える白。 「んふふ〜、可愛いお尻だね。丸くて美味しそう」 チュッとキスをすると、 「や!なに、すんだよぉ」 「ちょっと解さないと痛いからね。すぐ済むさ・・・」 「いゃ・・・!」 淡く色付く蕾に口付けると、ちゅ、ちゅ、と吸い付き、熱い舌で舐め出した。 「あ、あ、やん!も!ばかぁ・・・ん!」 ひくっ!ひくっ!とヒク付くそこに指を一本入れると食い千切る勢いでキュウキュウ締め付ける白。 「嬉しいけどね。今度僕が入った時にお願いね」 「ば・・か・・・!う!」 ちゅぷ!と指を抜くと、 「お薬入れるからね」 「あ、や・・・」 尻尾をクルンと巻いて足の間に挟んで拒んだ。 「だぁめ。そんな可愛いことしても止めてあげないの」 キュッ!と尻尾を掴んで引き離す。 「きゃう!」 (うう・・・!何だいコレ。新しい拷問じゃないの・・・。こんなに可愛い白が居るのに!) つぷ・・、と座薬を中へと押し込んでいく。 「やぁ、冷たい・・・、やだ、やあぁ・・・」 ぬぷぷ、と押し出されない様、奥まで挿入すると、 「はい、お終い。頑張ったねぇ」 「しゅ、しゅんすい・・・」 「ん?」 「ひっ!ひっ!もう、やだ!」 「な、なにが!?」 「体、変!む、むずむずする!」 いやいやと枕に顔を擦り付ける白。なんの事は無い、白も生殺し状態だったのだ。 「ん、ゴメンね。でも最後まで出来ないから、一度イっとこうか」 言うや、コロンと身体を反転させると、しとどに濡れている蜜壷に顔を埋めるとべろりと舐め上げた。 「へ?ひゃぁん!」 どんどん溢れてくる愛液を啜りながら、華芯を転がし啼かせた。 「元気になったら沢山愛してあげるから・・・、今は我慢してね」 「やあぁ!しゅん、すいの、ばかぁ!」 白い太股で顔を挟まれた京楽が武骨な指を中に入れ、しこりを擦りあげた。 「きゃ!きゃあん!あ!ああ!も!もう!ふあぁあっ!」 プシュッ!と潮を吹いて達した白は意識を失い、くったりと蒲団に身を沈めた。 「起きたら、怒られる・・かな?」 熱い湯で絞ったタオルで身体を拭いてやり、着替えさせて綺麗にしてから寝かせてやった。 翌日には熱は引いたが、むくれている白が居た。 「ど、どうしたのかな〜?白は」 「・・・ふん」 こっちを見てもくれない。 「どうしたの?かか様。機嫌悪いのね」 「うん、まだ入っちゃ駄目だよ。ウィルスは残ってるからね」 「はぁ〜い。ま!とと様が居れば大丈夫ね」 と子供達は部屋に近づかないでいた。 「し〜ろ、リンゴ食べよ?もう食べれるよね?」 「・・・・・・・」 「ねぇ、何怒ってるの?それともまだ辛いのかい?」 「・・・あんなもん入れやがって」 「だぁってしょうがないじゃない。アレが一番効くんだもん」 「だ、だからってあんな・・こと・・・」 「毎晩してるじゃない」 「違う!アレとは違う!バカ!」 蒲団に潜りこんで出て来ない白。 「やれやれ、確かに愛の営みじゃないけどね。君が楽になるのなら、少しでも痛い思いをしないで済むのなら僕は何でも出来るんだよ。だからさ・・・」 ポンポンと蒲団の上から頭を撫で、 「早く顔を出して下さいませ。月読命よりも美しい僕の女神様」 「〜〜!!ばかっ!」 憎まれ口を叩きながらも白の手は京楽の着物を掴んで離さなかった。 「腹減った・・・春水の作ったお粥食べたい・・・」 「今すぐ持ってくるよ」 京楽の作ったお粥を膝に抱かれながら、食べさせてもらう白が居た。 終 11/06/28作 171作目。白ちゃんの場合でした。どっちの旦那も女房様には弱いみたいですね。 白ちゃんは全快したら京楽さんから絞り取ってるかも知れません。(ナニを?) 京楽さんは多分後で白哉にお小言貰ってると思う。白を病気にさせたって。 逃げた白も悪いし逃がした京楽さんも悪い。五分五分ですかね? |
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