題「眠り姫」
 一護の精神世界で斬月は澄んだ空を見上げていた。
不意に服を軽く引っ張られ、振り向くと天鎖が立ってこちらを見ていた。
「どうした・・・?」
「・・・・・・」
何も言わない天鎖は斬月の腕をグイッと引いて座らせた。
されるがまま、冷たいコンクリートの上に胡坐を掻いた斬月の足の中に座る天鎖。
「どうした?寂しかったか・・・?」
もそもそと座りの良い位置に落ち着くと斬月に背を預けた。
斬月はそんな天鎖の旋毛を見降ろしながら髪を梳きながら耳に唇を寄せ、
「黙っていては分からん・・・。折角一緒に居るんだ、声を聞かせてくれ」
と静かに囁いた。
「ッ!!」
ピクッと小さな身体を揺らし、首を後ろに傾け斬月を見上げた。
「・・・斬月」
「うん?」
顔を下に向けると白く細い手が伸びて斬月の顔を引き寄せると口付けた。

チュッとリップノイズを残して離れるとサングラスの奥に光る目を見つめながら、
「・・・私が好きか?」
と訊いた。
「どうしたのだ?何かあったのか・・・?」
「別に・・・」
ふいっと視線を逸らせる天鎖の様子を見ながら外の気配を探ってみる。
(なるほどな・・・。一護があ奴と一緒に居るのか・・・)
外に居る一護が剣八と逢瀬を楽しんでいた。
幾分もじもじと落ち着かないのは外からの干渉を受けているからか。
「天鎖・・・」
「ん・・・」
斬月も大きな手の平で天鎖の頬を包むと口付けた。
「ん、ふっ!んぁ、ちゅっ、ちゅく、んく・・・」
角度を変え、深くなっていく口付けで混ざり合った互いの唾液を飲み干す天鎖。
「天鎖・・・」
名を呼びながら襟元から服の中に侵入する斬月の手が控えめながらも膨らんでいる天鎖の乳房を包み込んだ。
「ンッ!」
やんわりと優しく揉みながら、白い耳を食んでいく。
「んっ!あ、ぃゃ・・・」
柔らかな乳房の頂点にある小粒がその存在を主張しているのが手の平を通して伝わる。
それをキュッと摘まむと天鎖の背中を電気が走ったかのようにビクビクと撓る。
「あっ!やっ!やだ!」
その感覚を逃がしたくて膝を擦り合わせる。
「・・・少し大きくなったか?」
「〜ッ、ばか・・・!」
顔を俯かせ、耳まで赤くなっている天鎖の項にカプッと噛みついた。
「ひぅっ!」
ビクビクッ!と跳ねる天鎖の項に付いた歯形を舐める斬月。
「は・・・!あ、あ・・・」
そのまま首筋に顔を埋め頸動脈に唇を這わせ、薄い皮膚からドクドクと脈動する太い血管の動きを堪能すると吸い付いて赤い跡を散らしていった。
「あ、あ、あぅ!」
するするとコートの裾をたくし上げ、白く形の良い足を露わにしていく。
「ん・・・」
斬月の膝の中で、次に来る行動にもじもじする天鎖。
「ふ・・・可愛いな・・・」
「か、可愛くないッ!ひゃん!」
滑らかな内腿を撫でる斬月の武骨な指が淡い茂みを這うとそこはしとどに濡れていた。
「まるで泉の様だな、天鎖?」
「ひ、ひんん・・・!」
くちゅくちゅと優しく撫でながら指を一本ゆっくりと入れていく。
「あ、ああ、あ・・ん」
そこは熱くぬかるんで斬月の指を食い締める。
「どんどん溢れてくるな・・・。はしたない子だ・・・」
こめかみに口付けながら囁き、
「服が濡れてしまうな・・・」
と天鎖の着ている物を全て脱がせた。

「ん、ふうぅ・・・」
ふるっふるっと震える天鎖の中から指を抜くと着ていたコートを脱ぎ、冷たいコンクリートに敷いた。
「このままでは負担が掛かるだろう」
そこに天鎖を横たえた。
「斬月・・・」
サングラスを外している斬月の名を呼ぶ天鎖に覆い被さり、深い口付けを交わす。
「ん、ん、ぁ、ん、んん」
細い腕を絡ませ己を求める天鎖に斬月も同様に天鎖を求める。
くちゅ・・・、と音をさせ唇を離すと透明な糸が重力に従いプツリと切れ、天鎖の濡れた唇に滴を落とした。

充血し赤くなった天鎖の唇を舐め、
「天鎖・・・」
と名を呼ぶと天鎖の膝を抱え上げ身体を二つに折ると未だ濡れている秘所に顔を沈めた。
「あ!やだっ!」
ふっくらとした肉唇を斬月の熱い舌で舐めあげていく。
「んぁあっ!あ!あ!やあぁ!」
ぬるぬると奥から溢れ出る愛液が天鎖の下肢を、斬月の顎を伝い滴り落ちる。
「ふ、ふぁ、あ!や、だめ!だめ!」
真珠の様な華芯を舌で転がすと達したのか、軽く痙攣している。
くちゅり、と指を入れ中にあるしこりを擦りあげると、
「き!ああぁあ!ああ、ああ・・・っ!」
敏感になっていた天鎖は、ぷしゅっと潮を吹いて達した。
ガクガクと震える下肢から顔を上げ、口を拭うと天鎖の腰を抱え直し、熱く滾る自身を宛がった。
「あ・・・、まって・・・」
達したばかりで息も整っていない天鎖が懇願する。
「無理だ・・・」
グッと中に押し進める斬月。
「ああぁああんっ!」
身長差で最奥まで貫かれた天鎖。あくあくと酸素を求めて口を開閉させ斬月に縋りつく。
「・・・!天鎖・・!」
ギリギリまで抜いて奥まで貫いた。何度も繰り返すと締め付けて来た天鎖。
「うあっ!あ!あ!やっ!斬、月!イク、また!あぁ!はっ!んんーっ!」
背を撓らせ、汗ばむ斬月の背に爪を立てながら達した。そのキツイ締め付けに斬月も熱の塊を注ぎ込んだ。
「ふぅああ・・・、あ、熱い・・・」
ビク!ビク!と痙攣する天鎖が身体から力を抜いて四肢を投げ出した。
「はぁ、はぁ、ん・・・」
いつもは平らな薄い下腹部が今は少し膨らんでいるのを見ながら背に手を差し込み、起き上がらせる。
「ふ?うあっ!あ、あ、ふ!深・・い!くるし、よ・・・」
はふはふと息を乱しながら斬月の首にしがみ付く。
「・・・まだ収まらん・・・!」
「ふぇ?あ、あん!奥、すご、い!ん!ん!」
ぐりぐりと斬月の肩口に額を押しつけながら喘ぐ天鎖。
そんな天鎖の頭を撫で、顎を掬い口付ける。
「ん、んふ、は、あ、んん・・・っ、ふっ、はぁ」
ぽろぽろと生理的な涙を零しながら、自分に腕を絡ませて来る天鎖が愛おしい。
「斬月、ひっく、ンあ、んっ、んっ、っく、斬月・・・!」
ちゅ、ちゅ、と斬月の胸や鎖骨に口付けては甘噛みを繰り返す天鎖。
「なん、だ・・!」
「届、か、ない!これ、嫌!」
「なに、がだ?」
ゆさゆさと揺さぶられながら、
「斬月、の!顔が、遠、い!やだ!」
と伝える。
「天鎖・・・!」
斬月は天鎖を押し倒し、顔を近づけて、
「これで良いか・・・?」
と訊いた。
「う、ん・・・」
きゅうう、と抱きついてくる天鎖の奥を突く。
「あん!奥、良い!あう!あう!斬月!斬月!」
「天鎖・・・っ!」
口付けしながら天鎖の小さな身体を抱きしめ、二人同時に絶頂に達した。
「っふ!んんン――ッ!」
「う、く!」
どくどくと最奥に全てを注ぎ込んでいく。
「ざんげつ・・・、あったかい・・・」
「天鎖・・・?」
舌足らずな声に天鎖の顔を覗き込むと意識を失っていた。
「・・・やり過ぎたか・・・?」
一人呟く斬月が居た。

「ん・・・」
髪を撫でられている心地よい刺激で天鎖が目を覚ますと隣に上半身が裸の斬月が座って撫でてくれていた。
「目が覚めたか・・・?」
「あぁ・・・。上着くらい着ろ・・・」
目元を染めながら言うと、
「上着?あぁ、すまんな。今、眠り姫が使っているのでな・・・」
と返って来た。
「・・・眠り姫・・・?」
身体を起こして自分の身体の下にある物に気付いた。
「〜〜!誰が眠り姫だ!誰が!」
「お前だろう。良く眠っていたぞ」
「この・・!もう知らん!」
立ちあがり斬月のコートを持ち主にぶつける。
「服ぐらい着たらどうだ・・・」
「お前が脱がせんだ!」
「同意の上だ・・・」
顔を真っ赤にさせる天鎖に服を着せてやる。
「まだ身体が辛かろう。休んでいろ・・・」
と腕に抱かれる天鎖。
「やり過ぎたのはお前だろう・・・」
「そうだな。お前相手に加減が出来んのは悪い癖だ・・・」
「も・・黙れ・・・」
熱の引かない顔を隠す様に斬月の胸にくっつけて知らぬ間に眠ってしまった天鎖。
「やはり眠り姫だな・・・」
と天鎖が起きていたなら激昂しそうなセリフを呟きつつ腕の中の小さな頭を撫でてやる斬月が居た。








11/06/13 琴香さんに捧げた初の斬天です。天鎖ってにょたが似合うと思うんですよね〜。
ちっぱいで!




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