題「人魚の嫁入り」18
 白が護廷にやって来てからというもの、一護は京楽邸に足繁く通っている。
やはり双子である弟の事が気に掛かるのか、昼過ぎから夕方まで入り浸っている一護。
それが気に入らない剣八の機嫌は悪くなる一方だ。その鬱憤を晴らすかの様に稽古に力を入れるので隊士達はボロボロである。

 弓親と一角が飲み屋で愚痴っていると居合わせた乱菊が、
「そんなにひどいの?」
と聞いてきた。
「あ〜、昼間は一護が居ねえもんだからよ。討伐がありゃマシなんだけどな」
「でも一護君の気持ちも分かるみたいでさ。ほらお互いに離れ離れになっちゃったじゃない?」
自分と重なるんじゃない?と弓親は言う。
「ああ・・・、ねえ」
う〜ん、と3人が頭を捻っている。もうこれ以上可哀そうな怪我人を出したくないのだ。

「あ!そうだ!あたしに良い考えがあるわ!明日には更木隊長の機嫌も直ってると思うわよ!」
と云うと自分の飲み代を二人に押し付け帰っていった。
「あの女・・・、どんだけ飲んだんだよ!」
「まあ彼女の云う通りになれば良いけどね」
「まぁな」
と杯を傾ける二人だった。

 翌日、京楽邸から帰ってくる一護を捉まえた乱菊。
「いっちご!」
「あ、乱菊さん、こんにちは」
「こんにちは。弟のトコに行ってたの?」
「うん!白はまだ自分で歩けないからね」
「そう、でもあんまり白にばっかり構ってると更木隊長拗ねちゃうんじゃない?」
「え?」
「最近ず〜っとほったらかしじゃないの?大丈夫?」
「あ・・・」
思い当たる節があるのかオロオロとし出した一護。
「どうしよう・・・」
「そんな事だと思ったわ。大丈夫よ、一護!ほらこの着物あげるわ」
と風呂敷に包まれた着物を一護に渡す乱菊。包みを開ける一護。
「わぁ!綺麗な着物〜!こんなに綺麗な着物貰っちゃっていいの?」
「良いの良いの!コレ着た姿を更木隊長に見せてあげたら大喜びよ!」
バチン!とウィンクを寄越す乱菊。
帰ったら早速着てみようと思った一護。

「ただいま〜!」
「お帰り、一護君」
「ただいま、弓親。あ、ねえねえ!剣八は今どこに居るの?」
「隊長だったら隊首室じゃないかな?」
「そう!解った!ありがとね!」
パタパタと走って部屋に帰ると着ていた着物をバサバサと脱ぎ散らかした。
「えへへ〜、綺麗な色〜」
と目の高さまで持ち上げた着物に袖を通し、帯を締めた。
「ん〜、ちょっと長いかな?」
と広がる裾を見ながらも、
「まぁ良いや!早く剣八に見せようっと!」
急いで部屋から出ると、小走りで剣八の待つ隊首室へと急いだ。

「うおっ!」
「ちょっ!」
「ぶっ!」
何故か廊下で擦れ違う隊士が顔を赤くしたり、前屈みになったり、鼻血を出しているのを不思議に思いながらも一護は隊首室の扉を開けた。
「剣八!」
「おう・・・!ああ?!一護!テメェなんつー格好してやがる!」
「え?似合わない?」
「そう言う問題じゃねえ!」
小首を傾げる一護の格好、それは青い(うすもの)を一枚纏っただけの姿だった。
「しかも下帯もしてねえじゃねえか!まさかそのまんまで此処まで歩いて来たじんじゃねえだろうな・・・?」
「ううん!走って来た!」
「・・・そうか」
怒っている剣八には気付かず、傍まで行くと、
「乱菊さんがね、この着物着て剣八に見せたら喜んでくれるって教えてくれたの!最近ずっと白のとこに行ってたでしょ?」
「ああ、そうだな・・・」

 確かに、青い羅は白い一護の肌を美しく見せている。だが、この姿を他の男に見られた事に腹が立った。
「・・・嬉しくない?」
うる・・・と目に涙を溜めて問うてくる。
「・・・いいや、良〜く似合ってるぜ」
ひょい!と膝に乗せ、頬を撫でて口付けてやる。
「ん・・・良かった・・・」
一護が安心した瞬間、耳元で低い声で囁いた。
「でもな・・・?こんな格好を俺以外の男に見せたのは許せねえな・・・」
「え?」
剣八の顔を見た一護は驚いて息を飲んだ。ギラギラと獲物を見つけた猛獣の様な目をした剣八が居たのだ。
「お仕置きだ・・・一護」
「お、お仕置きって・・・!」
一護の脳裏にいつかのお仕置きが過り、サァッ!と血の気が引いた。
そんな一護を羽織で包むとガタン!と乱暴に椅子から立ち上がると、
「暫く部屋に誰も近付けるな」
一言云うと一瞬のうちに消えていた。
「やれやれ・・・、アレが乱菊さんの言ってた名案ってやつかい?」
「ま、確かに機嫌は直るかもな」
「お風呂の用意しとこうか・・・」
「だな・・・」

 部屋では蒲団の上に乱暴に下ろされた一護が声を上げていた。
「きゃんっ!」
風を含んだ羅の裾がふわりと広がりまるで水の中に居る様だ。
「け、剣八・・・?」
「一護・・・」
怯える一護に圧し掛かる様に覆い被さった。
「ったく、おめえはよ・・・。何で俺に怒られてるのか分かっちゃいねえんだろうな・・・」
「お、怒ってるの?どうして・・・?」
「どうしてだろうなぁ・・・」
ゆっくりと羅の袷を開いていく。
「綺麗だな・・・」
「あ・・・うん・・・」
大きく熱い手の平が一護の胸を撫で回す。
「は・・・ん、んん・・・」
薄く開いた一護の口を自身の唇で塞ぐと深く口付けた。
「ん、ん、んぅ・・・」
歯列をなぞり、上顎をぞろりと舐め上げてはねっとりと舌を絡ませた。
「ん、んくぅ、ん、ん・・・」
互いの混ざり合った唾液を啜り合い、くちゅ、と音を立て口付けを解いた。
「あ、は、はぁ、はぁ・・・」
「一護・・・」
「くぅん・・・!」
耳元で囁かれたと思ったら耳朶を舐められ、じゅぷりと耳穴を直接犯された。
「ひぃん!や!や!あぁん!」
じゅっ!と吸い付かれると、ガリ、と噛み付かれた。
「あうっ!」
「くくっ!」
至極楽しそうに喉の奥で笑う剣八が首筋に顔を埋め、キツく吸い付き赤い跡を付けた。
「あう・・・」
ちゅ、ちゅ、と吸い付いては赤い花を散らしていく。鎖骨に辿りついた。
なだらかな曲線を描く骨に沿って舌を這わせ、カシリと甘く噛んでいく。
「あん・・・」
ふるっふるっと震えながら剣八の髪をくしゃくしゃにしていく一護。
青い生地の下から桜色の小粒が見え隠れしているのを見つけた剣八は、そこを口に含んだ。
「あぁンッ!ンッ!ンッ!剣、八ぃ!」
ちゅ、ちゅう!と音を立てながら舐めてはもう片方を捏ねていく。
「やあぅ!あ!あ!き!気持ち、い!よぉ!」
「そうかよ・・・」
充分にそこを堪能した剣八は下肢へと目標を定めた。

 まだ緩くしか頭を擡げていない中心を口に含んでは丹念に愛撫を施していく。
「あ!あん!剣八のお口、熱いよぉ!」
敷布を握り締めては背を反らせ、快感に泣いている。
「あ!あ!イク!も!イッちゃう!」
一護が達する寸前に、剣八はその根元を紐で括ってしまった。
「きゃああん!なっ!何でぇ!痛い!痛いよぉ!」
「云ったろ?お仕置きだってよ・・・」
「あ、あ、あ・・・」
ぴくん、ぴくん、と脈動と共に揺れ動く一護の中心からは透明な体液が溢れている。
「ん、ん、くううん・・・!」
「くく・・・!可愛いなぁ・・・?」
青い羅の下から伸びる白い足、その付け根には解放を求めて涙を流す一護の分身。
「この羅も良っく似合ってんぜ?ほれ、お前の白い肌が透けてて綺麗だぜ・・・?」
するすると太股を撫でていく剣八。
「ひっ!ひぃン!」
ビクビク!と過敏に反応を返す一護。
「ああ、ああ、こんなに濡らしちまってよ・・・」
ヒクヒクと先走りを溢れさせる鈴口に唇を落とすと、じゅうっ!と吸い上げた。
「ひゃあう!」
「おっと、こっちも可愛がって欲しそうだな?」
と慎ましやかに隠れていた蕾に舌を這わせていく。

 膝裏に手を差し入れ、一護の身体を二つに折るとヒクつく蕾を愛撫していく。
「っああ!」
ぴちゃぴちゃと態と音を立てて舐めては、尖らせた舌を捻じ込んでは唾液を奥へと送り込んだ。
「あっ!あっ!いやっ!いやっ!もう!イか、せて!お、ねがい・・・!」
一護の懇願に、ぷちゅ、と顔を上げると意地の悪い顔で、
「駄目だ」
と一蹴した。

 ぐちゅぐちゅと3本の指で中を解していく。
「あ!あ!も!やあぁ・・・!」
ヒクッ!ヒクッ!と揺れる身体はもう既に何度か達している事を如実に物語っていた。
仰向けだった身体はうつ伏せの腰だけを高く上げた格好になっている。
「は・・・、もう奥までトロトロだな・・・」
「あ、あうぅ・・・」
中を解していた指をずるりと抜くと、痛いくらいに滾っている自身を蕩けたそこへと擦り付ける。
「あ、あ・・・」
「行くぞ・・・」
ぐぷぷぷ・・・と熱杭を沈めていく。
「あ・・・!ああぁああ!」
きゅうきゅうと締め付けてくる一護の胎内に持っていかれそうになりながらもそれに耐え、腰を掴み直すとズンッ!と根元まで納めた。
「ッ〜〜!カハッ!あっ!やッ!いやあッ!もう!解いてぇ!」
未だ戒められている下肢からはトプトプと白濁が溢れるだけで吐精の形跡は無い。
ぬるぬると先端を弄ってやると身も世も無く(かぶり)を振ってはポロポロと涙を零す。
「言っただろ?お仕置きだってな。まだまだこれからだ・・・」
グリ・・・!と先端に爪を立てるとより一層、中の剣八を締め付けた。
「ひぎぃ・・・!い、いたぁ・・・あ!ああ!」
「動くぜ・・・!」
一護の腰を掴み直すと奥を目指して突いた。
「ああっ!あっ!きゃっ!きゃふ!ひゃううっ!ひく!ひっちゃう!もう!もう!らめえぇ!」
「くッ!」
どくどくと最奥に熱の塊を注ぎ込む。
「ひッ!ひっ!あ、あついぃ・・・」
「一護・・・何で俺が怒ってるか、解ったか・・・」
「わ、わかんなぁい・・・な、なんれ、おこってるのぉ・・・?」
ヒクン!ヒクン!と震える身体の向きを変え、正面から抱きあう。
「お前が!俺以外の!奴に!」
「あうっ!ううんっ!あああっ!」
「肌見せたり!無防備だからだ!」
「ひっ!ひゃあうっ!そ!そこらめぇッ!」
ぐちゅぐちゅと奥と前立腺を抉ってやる。
「分かったか!」
「うん!うん!わかったぁ!あ!あ!も!いかせ、てぇッ!」
もう色が変わっている中心の紐を千切り取ってやった。
「おらッ!これでイけんだろ!イキやがれ!」
さっきより激しく前立腺を押し潰され一護は溜まりに溜まっていた精液を弾けさせた。
「んんんんッ!んああぁあーーッ!」
その瞬間の快感に意識を飛ばした一護。
「くぅッ!」
剣八も最後の締め付けに持って行かれ、最後の一滴まで注ぎ込んだ。
「っはぁ!はぁ!イッテェな、思いっきり引っ掻きやがったな」
一護の意識が飛んでいる間に風呂に連れていく剣八。

「ん・・・ん?」
「おう、起きたかよ」
「んあ、剣八だ・・・、あ、お風呂」
チャプン!と尾ひれで水面を叩く一護。
「・・・で、ちゃんと覚えたのかよ」
「う〜・・・」
「う〜、じゃねえよ。女房の裸見られる旦那の気持ちも考えやがれ」
ペチン!と指で額を叩かれた一護。
「剣八は、俺の裸を誰かに見られるのが嫌なんだね」
「ああ、誰にも見せたくねえよ」
「ふうん・・・。俺達、海の中じゃ裸だから分かんなかったや。ごめんね」
「分かりゃ良い・・・」
「うん。あー、白にも言っとかなきゃな〜。京楽さんも怒りそうだよね」
「あ?なんでアイツが・・・、まさか・・・」
「多分・・・だけど。白も浮竹さんトコの池が好きみたいだし・・・」
「ああ・・・言っといてやれ」
「うん」

さて、あの二人の進展は如何に・・・?


第19話に続く



12/05/05作 大分時間が掛かってしまいました。お仕置き第2弾!
白ちゃんは色恋に疎い気がしますが、気付くと動けなくなりそうですね。




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