題「誕生日の出来事」愛の営み
 一護の場合。
剣八に押し倒された一護は口付けをせがむ様に剣八の首に腕を絡ませた。
「結構乗り気じゃねえか、お前もよ」
「偶には良いだろ?・・・ん」
 剣八を引き寄せ口付ける。そんな一護に応える様に口付けを深くする剣八。
「ん・・・ふぅ、ん、ぁ、ん、ふ・・・」
 ちゅ、と離れると一護の首筋に吸い付いた。
「あ!んん!」
 きゅう!と吸い付き、赤くなったそこに舌を這わせていく。
いつもより丁寧な愛撫にもどかしく腰を捩る一護。
「ん、剣八・・・」
「うん?」
「何か、いつもと違う・・・」
「良いから、任せとけ」
「うん・・・」

 一護の全身に愛撫を施し、ながらも肝心の中心には指一本触れない剣八に焦れた一護が抗議した。
「な、なんで・・・、も、もう!」
「限界か?一護」
「うん、うん!もう、来て!」
 蕾を解していた剣八はそこから顔を離すと、両手を伸ばして自分を求める一護の手を自分の首に誘導した。
「行くぞ」
「う、うん・・・!」
 ぬぷぷぷ・・・!と貪欲に全てを飲み込んでいく。
「ん、んああぁあ・・・!」
 中を満たされていく充足感に我慢出来ずぴゅくぴゅくと吐精した一護。
「入れただけだぞ?ん?」
「だぁってぇ・・・!んあ!」
「くく!可愛いな、お前はよ」
 全てを収め、一護が達しても剣八は動かず、髪を梳いてやったり、キスの雨を降らせた。
「ん、ん、なに?どうしたんだ・・・?あん・・・」
 剣八の長い髪が肌を擽る度に中を締め付けてしまう一護。その度に脈動する剣八をより感じてしまう。
「ん!あ、ああ・・・、剣八、剣八・・・」
 口付けをせがむ一護に応え、深く口付ける剣八。
「ん、ふ、んく、ん、あ・・・」
 その間も剣八の大きな手は一護の身体を撫で、髪を撫でた。
「一護・・・、一護、愛してるぞ」
 と甘く低い声を耳に注がれ、きゅん!と締め付けた一護。
「ん!あ?あ、ああ・・・!ああンッ!ンンッン――っ!」
 ビクン!びくん!と絶頂に達した一護。
「んあ、はぁ、はぁ、あ、いや、ま、また!なんで?剣八!動いてなッ!ああっ!ああっ!」
 そんな一護の頬を撫で、流れる涙を唇で吸い取る剣八。
「怖くねえ、怖くねえ、俺が居るだろう、ん?」
「で、でも!こ!こんなん!はじ!初めて!やあぁあ!」
 ぴゅくん!と吐精する一護。剣八は一度もイッてない。
「もう動いて!おかしくなっちゃうよぉ!」
「しょうがねえな、もうちっと見てたかったがよ」
「ばかぁ・・・」
 望み通り動いてやり、この後何度も一護をイかせ、何度も一護の中に注ぎ込んだ。

「あ・・・あ・・・、もう、出な、剣ぱちぃ・・・」
 薄くなった一護の精を見ながら、
「限界までやりたかったがなぁ」
 と笑う。
「も、もう、限界だ・・・!ばか!」
「俺がイったら終いにしてやるよ」
 そう言うと一護を追い詰め、自分もイった。
「んああぁあ・・・!」
「う、くう!」
 ぴゅ、と透明に近い精を吐き出すと奥に感じた剣八の熱を受け止め、一護の意識はそこで切れた。
「おい?気絶したか?ま、いつもよりイってたしな」
 ずるりと自身を抜き取ると、ごぽっ!と中から白濁が溢れ出てきた。
「ん・・・ふぁ・・・」
 ふるっふるっと身震いする一護を抱き、風呂へと向かう剣八。
いつものように清めて、湯船に浸かっていると一護の眼が覚めた。
「ん・・・」
「起きたか?」
「・・・うん」
「もうすぐ夕方だ」
「そか・・・」
 すり、と猫のように剣八の胸板に顔を擦り付ける一護。
「出るぞ」
「ん・・・」
 いつもより腰は痛く無かったが、疲労度は変わりなかった。
着替えて一服すると料亭を出た。

「あ、ケーキ、買わないと」
「ああ、そうだったな」
 と店に行き、チョコレートクリームのケーキをワンホール買って帰った二人。

 家の縁側では一護の膝枕で寝ている剣八が居た。
「髪、伸びたよな・・・」
 サラサラと指通りの良い髪を梳きながらぽつりと呟く一護。
「ああ」
「相変わらず綺麗な髪だよな」
「お前もな」
 剣八が手を伸ばし、一護の頬を撫で、髪を梳いていく。
「ん・・・気持ちいい・・・」

 夕日が地平線に沈みきる前に蛇尾丸が青陽を背中に乗せて現れた。
「一護、青陽を連れてきてやったぞ」
「あれ?蛇尾丸?虎白はどうしたんだ?一緒じゃなかったのか?」
「あいつは・・・ちょっと事情があってな・・・。そのうち帰って来るだろう」
「あいつ・・・帰って来たらお仕置きだな。ああ、蛇尾丸。ありがとな!」
「いや、いい。我等も青陽と遊べたからな」
「バイバイ、蛇尾丸たん!またね〜!」
 一護の抱かれて蛇尾丸に手を振る青陽。
「しょうがねえお兄ちゃんだな。ケーキは残してやるか。さ、青陽はお母さんと一緒にケーキ食べようなぁ〜!」
「うん!」
 家の中に入り、3人で誕生日ケーキを食べた。
冷蔵庫の中には、やちると虎白の分のケーキが取り置かれていた。

 虎白の場合。
真っ暗な意識がゆっくりと浮上していくのを感じた虎白。覚醒するに従い、下肢が生温かい事に気付いた。
「ん・・・」
(あったけぇ・・・。気持ち良い・・・?)
何故?と頭を起こし下肢を見ると誰かが股ぐらに顔を埋めていた。
「な!何やってんだ!てめえ!ん・・・!」
「あ、起きたのかい?まぁまぁ、気にしないで」
 ぺろりと先端を舐める。
「んッ!やめろ、離せ!」
「んー?気持ち良くなぁい?」
 グチュ、と湿った音が響いた。
「あ!う・・・」
 後孔にはすでに指が入っていた。
「て、テメェ!抜けよ!くそが!」
 じたばたと藻掻くが無駄な足掻きだった。
「気持ち良い事するだけだよ、怖くない怖くない」
 愛撫を続ける京楽。
「う、あ、や、やめ・・・!」
 ひくひくと慄く先端に吸い付いた。
「いやだ!あ、ああ・・・!」
 とうとう京楽の口内に吐精してしまった。

 羞恥と悔しさで震えていると、
「結構濃いね。自分じゃしないの?」
 と全てを飲み下した京楽が言った。
「離せ・・・!」
「どうして?気持ち良かったでしょう?」
 グチッ、と指を動かす。
「ね、ここ・・・、何本入ってるか、分かるかい?」
「し、知るか!やめろっつってんだろ!」
 まるで威嚇する猫の様に怒りながら京楽の顔を引っ掻く虎白。
「いたた!痛いよ、止めなさいって」
「お前がヤメロ!」
 なおも引っ掻いてくるその手を掴むと器用にも片手と口だけで、帯で纏めて括り付けた。
「このやろ!あう!」
「ココも、もうそろそろ良いかな?」
 ぐちゅぐちゅと解している指を抜くと、
「これが何か知ってる?」
 と虎白の目の前にチューブに入ったピンク色のジェルを出した。
「・・・一護達が使ってるヤツだろ、それが・・・!」
「ちゃんと使ってるんだね。優しいねぇ剣八さんたら。でもこれはちょっと違うんだ」
 蓋を取るとそのジェルを虎白の中に注入していった。
「う、うあああ!や、や、つめた・・・!」
「すぐ熱くなるよ・・・」
 京楽の言う通り、中はすぐに熱くなった。そしてジンジンと疼いてきた。
「な、なん、だ!これぇ・・・!」
「んー?媚薬入りジェルだよ」
「び、媚薬?」
「おや、知らない?」
「し、知るか!そんなもん!んあ!?」
 疼きが痒みに変わってきた。
「あ、あ、あ、やだ!なんだこれ!いやだッ!」
 ゆらゆらと揺れる腰を押さえ、中指をヒク付くそこへと埋めていった。
「あ、ああぁああ!」
「熱い、それにキュウキュウ締め付けてくるよ」
「や、抜け・・・!」
「抜いても良いの?このままじゃ辛いでしょ?」
 クイッと内壁を軽く引っ掻くと跳ねる虎白の身体。
「んあッ!こ、この・・・!」
「んふ、敏感」

 グチュグチュと卑猥な音を響かせ、奥を攻める京楽。
「ん、ん、く、うう・・・!」
「ね、もう3本入っちゃったよ、指」
「し、死ね・・・!」
 未だ正気を保つ虎白に溜息を吐く京楽。
「驚いたね、この媚薬を使って未だ正気が有るなんてね。普通はもう何も考えらんないのに、ましてや君、虚でしょ?欲望に忠実で快楽に弱いはずなのに」
「虚、だから何だ・・・!」
 震える足で蹴りを入れるが簡単に防がれてしまった。
「おや、いけない子だね。お行儀の悪い子にはお仕置きが必要だね」
「な・・・?」
 言うや虎白の昂ぶる中心の根元を腰紐で括ってしまった。
「う、うああ!ほ!解け!ちくしょ・・・!」
「だーめ・・・」
 ずるりと指を抜くと怒張した自身を虎白の蕾に宛がった。
「あ、や、止めろ・・・!やめ・・・!」
「ふふ・・・」
 ぐ・・・!と腰を沈めて行く。
「うああ!い、痛ぇ!ちく、しょう!」
 ジェルの助けも借り、ずぶずぶと飲み込んでいく。
「く・・・!」
「う、うあ・・・!」
 全てを納めきるとそのまま動かなくなった京楽。
「?」
 ふっ!ふっ!と荒い息の中、何なんだと思っていると内裡の疼きが蘇ってきた。
「ん、んあ、あ・・・!」
 どくどくと脈打つ動きがそれを助長させる。
「あ、あ、か、痒いぃ・・!も、う!動け!」
「ん?動いて良いの?」
 耳元で囁かれ、コクコクと頷くしか出来ない虎白。
「じゃ、お言葉に甘えて・・・!」
 ずるる、と(きわ)まで抜くと最奥を穿った。
「あ、ああぁ、ああっ!!」
 グチュグチュと奥を穿ち、前立腺を見つけてはそこを抉った。
「ひッ!ひゃああッ!ああ!ああ!いや!そこッ!だめ!嫌だ!いや・・・!」
「嫌?でもココ、気持ち良いでしょう?ね?」
 ゴリゴリとそこだけを刺激し、前を握り込む。
「んあああ!もう!イく!」
「ホントだ、もう前もヌルヌルだねぇ・・・」
 くちゅくちゅ手筒で扱いては先端を親指の腹で刺激した。
「あッ!ああっ!も!もう!」
 きゅうぅう!と後ろを締め付ける虎白。その締め付けに自身を解放する京楽。
「っくう!」
「んああっ!やああああっ!」
 中に熱い飛沫を感じて虎白も限界に達したが戒められた前からは白濁が少し溢れただけだった。

 あく、あく、と酸素不足の魚の様に口を開閉させる虎白に口付ける京楽。
「ん、んん・・・、ふ、うう・・・」
 力の入らない虎白の舌を絡め取り、吸い上げ、甘噛みし互いの混ざり合った唾液を啜り、また虎白に送り込んだ。
「ん、んく、はあ!はぁ!はぁ!あ、う・・・」
 ひくひくと収縮を繰り返す虎白の中で復活する京楽。
「あ、あ、もう、い、やぁ・・・」
 力なくいやいやと首を横に振る虎白。
「ゴメンね。僕まだ収まりそうにないや・・・、それに君もまだ、ココ、収まらないでしょう?」
 ずちゅ・・・、と動くと、
「ひッ!いや!いや!もうやだぁ!」
「ふふ・・・可愛い・・・」
 生理的な涙に濡れた虎白の顔に口付け、流れる涙を舐め取った。

「や、や、も、イク、いか、せて・・・!」
「だぁ〜め!もうちょっと頑張れるでしょ?」
「も、やあぁあ!」
 身も世も無く首を打ち振り、懇願する虎白。
「も、もう、やだ・・・おかしくなる・・・やだ、いや・・・」
 戒められた両手で顔を覆い、啜り泣く虎白のその戒めを取ってやった。
「しょうがないなぁ、じゃあね、僕を抱きしめてくれたら、ココも解放してあげる」
 縛られて色が変わってしまっている虎白の中心を撫であげる。
「ひぃン!あ、あ、あ・・・」
 ぐすっ、と鼻を鳴らしながら両手を京楽の首に絡め、抱き寄せる虎白。
「う・・・、う・・・っ」
「ふふ・・・」
「や、やくそく・・・!」
「あぁ、うん」
 漸く虎白の戒めが外された。
「あ・・・、はぁ・・・、ひぁあああっ!」
 息を吐く暇もなく抽挿を始める京楽。
「ああっ!ああっ!いやっ!嫌ぁっ!」
「どう、したの?もう、出せるでしょ?」
「あッ!あッ!やっ!あ、ああ・・・!ああぁああっ!」
 どくどくと今まで戒められていた反動で大量の白濁を吐き出す虎白。
「いやぁ!とまんない、止まんない!」
 びゅるびゅると長く続く吐精に京楽がそこを扱く。
「いやだっ!ああ!あ!あ・・・!」
「僕、も!」
 達して敏感になった虎白の中に灼熱の塊を吐き出す京楽。
「ひぁああ!や、もう、出な・・・ぁ」
 かくん!と意識を飛ばしてしまった虎白。
その身体を抱きしめながら京楽もそのまま寝てしまった。

「う・・・」
 十数分か数十分か、目が覚めた虎白。
「おれ・・・?」
 朦朧としている頭で周りを見回すと隣の男を見つけて思い出す。
「・・・!」
 幸い相手は寝ているようだ。今のうちに逃げよう。
自分の死覇装を掻き集め、襦袢にだけ袖を通すと逃げようとしたが腰に激痛が走り動けない。
「〜〜!!」
「どこ行くの?」
「ッ!」
「まだ夜だよ」
「知るか!俺は帰るんだよ!」
 じりじりと後ずさる虎白の足首を掴み引き寄せる。
「うわっ!」
「だ〜め。朝まで一緒。ね?」
「は、離せ・・・!」
 ぐいぐいと押し退ける虎白。
「あんなに乱れてくれたのに・・・。切ないねぇ」
「知るかよ!離せ!」
 真意の読めない笑みが、虎白の恐怖を煽る。
「・・・聞き分けのない子には、お仕置きだねぇ・・・」
「ひ?」
 再び気絶させられた虎白だった。
夜明け前にも目が覚め、脱走を試みるが失敗した。京楽曰くのお仕置きで三度(みたび)、気絶させられた。
三度目の気絶した虎白を風呂に入れ、事後処理をした京楽。

 翌朝、目が覚めると京楽は既に出廷していた。
急いで着替えると痛む下肢を叱咤しながら脱兎の如く出て行った。
ほうほうの体で漸く一護の元に帰り着いた虎白。

 帰りの遅い虎白に一護が呆れているとガタンと音がして虎白が帰ってきた。俯いて壁伝いに歩いている。
「お前、なんでへろへろなんだ?」
「・・・一護ぉ〜・・・」
 ふらふらと一護に近づくとはふりと抱きついた。
「お、おい!?」
「一護・・・・俺、喰われた・・」
「・・・は?」
「俺、虚なのに・・・喰われたっ!」
 いつもはキッチリ着込んでいる死覇装の、乱れた項からキスマークが見え、虎白の様子から喰われたと言う意味が判った剣八。
「誰にやられた?」
「髭面の酒臭せぇオヤジ」
「京楽か。つーかお前ぇ京楽に付いていったのか?」
「んな訳あるかっ!・・・・・酔い潰れて起きたら喰われてたんだよっ!」
 剣八に食って掛かるが、ずるずると蹲ってしまった虎白。
「〜〜〜;腰が痛てぇ・・・ケツが痛てぇ・・・」
 状況が判って溜息しか出ない2人。
「疲れたから、帰る、ぞ・・・」
 それだけ言うとふわ・・・、と消えた虎白。
暫くは出て来なかった。






11/08/28作 おまけと言う名の本編です。夫婦より虎白の方が長くなってしまいましたね。(^^ゞ
京楽さんはこれからも虎白にちょっかい出します。セフレとなるか恋人となるかは未定です。
でも虎白にはちょっと悩んでもらおうかなと思ってます。
「なんで俺を誘うんだ?」「お前(死神)が俺(虚)を愛する訳ないのに、どうせ遊びなら、他の死神にすれば良いのに」とか。


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