題「大好きな・・・」後編 | |
夕刻、定時であがった剣八とやちるが帰って来た。 「たっだいま〜!」 「帰ったぞ」 とたたた!と奥から出て来た青陽が満面の笑顔で二人を出迎えた。 「ねーた!おとしゃん!おかえりなたい!」 「ただいま!青ちゃん!」 「おう、帰ったぞ。青陽」 片腕で青陽を抱き上げる剣八。 「きゃ!きゃ〜!」 「お帰り!お父さん、やちるお姉ちゃん!ご飯出来てるぞ」 「わーい!」 剣八から青陽を受け取ると着替えてくるように促す一護。 夕飯も青陽は剣八の胡坐に納まって食べさせてもらっている。 それを見てちょっともやもやしている一護だった。 「ん?」 そんな一護の様子に気付いた剣八が一護を見る。 「な、なんだよ?」 「別に。妬いてんじゃねえかと思ってよ」 「ば!誰が!妬いてねえよ!馬鹿!飯食ったら青陽風呂に入れてくれよ!」 「ああ、分かった」 「良いな〜青ちゃん、剣ちゃんとお風呂だって!」 「やちるは俺と入るか?」 「いいの?!」 「ああ、一緒に入ろうぜ」 「わ〜い!」 青陽を風呂に入れてやる剣八。 「おら、頭洗ってやるからこっち来い」 「うん!」 わしゃわしゃと大きな手で青陽の頭を洗ってやる。 「あわあわ〜!」 「ほれ、流すぞ」 桶で何度かお湯を掛け、綺麗に泡が無くなると体を洗ってやり、一緒に湯船に浸かる。 「い〜ち、に〜ぃ、さ〜ん・・・」 小さな指を折りながら数を数える青陽。 「じゅう!じゅういち!じゅうに、じゅうさん、じゅう〜・・・」 「十四だ」 「じゅうし!」 「十五」 「じゅうご!」 そんな調子で30まで数えた二人。 「もう良いだろ、上がるぞ」 ざばっ!と湯船から出ると脱衣所から一護を呼んだ。 「一護!出るぞ!」 「おう、今行く!」 一護が現れて青陽を受け取ると剣八はもう一度風呂に入った。 「ちゃんとあったまったか〜?」 「うん!さんじゅう!」 「さんじゅう?三十まで数えたのか?」 「うん!」 「そっかぁ!えらいぞ、青陽」 フワフワのバスタオルで髪と体を拭いてやりパジャマを着せてやる。 「さ、お父さんが出てくるまで待ってような〜」 「うん!」 風呂上がりにフルーツ牛乳を飲ませてやりながら剣八が上がるのを待った。 「出たぞ、お前等も入って来いよ」 「あ、うん。やちる!」 「はーい!」 剣八の胡坐の中に納まっているうちにこっくりこっくり舟を漕ぎだした青陽。 「んん〜・・・」 「眠ぃのか?風邪引く前に寝るか」 「ん〜・・・」 ほわぁ・・・と欠伸している青陽を抱いて部屋に連れて行き、蒲団に寝かせてやった。 ポンポンとお腹の辺りを撫でてやるとすぐに寝てくれた。 「おい、居るんだろ?」 誰も居ない虚空に話しかける剣八。 「・・・んだよ」 白い人物が浮かび上がってきた。 「一護の事だよ。分かってんだろ」 「ああ、まぁな。あんたがガキばっか構うから拗ねてんぜ?」 くくっ!と笑いながら青陽の隣りに座る虎白。 「・・・ガキは見ててやるからよ。可愛がってやれよ、明日非番なんだろ?何か浮かれてたぜ?」 「ふん、泣かすなよ」 「お前が言うな。これから王を啼かすクセによ」 「違ぇねえ」 笑いながらそう言うと夫婦の寝室へ行く剣八。 「ったく、バカップル夫婦め・・・」 すやすや寝息を立てている青陽の隣りでゴロリと横になるとそのまま寝てしまった虎白。 「あれ?青陽は?」 風呂から上がった一護が剣八に聞いた。 「寝かしつけた」 「もう?早えな」 「今日は色々歩いたり大泣きしたから疲れたんだろ」 「そっか、そうだな」 ガシガシと髪を乾かす一護。 「・・・・あのさぁ」 「ん?」 髪を乾かしているタオルを被ったまま一護が、 「明日、お前非番だよ、な?」 と話しかける。 「ああ・・・」 「その、最近忙しかったし、昨日も・・・、遅かったし・・・」 「何だよ・・・」 「だから、その〜・・・、だぁ!もう!」 剣八の寝巻きの袷を掴むとぐいっ!と引き寄せ、口付けた。 「ん・・・、もう、分かんだろ?・・・青陽ばっか構いやがって・・・」 ぷうっ!と睨んでくる一護。 「やっぱ妬いてんじゃねえかよ」 「うっせえ・・・俺だって、お前が好きなんだからな!」 真っ赤になって言うと、喉の奥で笑いながら剣八が一護を押し倒した。 「そこまで言やぁ上等だ・・・。可愛がってやんよ」 「あほ・・・!」 「ん、んふ・・ふぅ、ん・・・」 深く口付けられ一護から甘ったるい声が漏れる。剣八の長い舌で口腔内を貪られる口付けが一護は好きだ。 「あ、は・・・、あぅ」 飲み込み切れなかった唾液が口の端から首筋へと伝い落ちた。 「は、あ・・・あぅ」 チリッとした痛みに後を付けられたのだと知る。 「ん・・・っ!あ!」 グイッと一護を起こすと後ろから抱き込み、耳を舐め上げ両方の乳首を刺激する。 「ん、ん!ひぁ・・・!あん!」 スリスリと勃ちあがった乳首を撫でながら、項を舐めては吸い付き歯型を残した。 「いや、あ!ひぁっ!ん!ンンッ!」 浴衣を脱がしていくと現世の下着を付けていた一護。 ボクサータイプの下着の中で窮屈そうに頭を擡げているそこは既に濡れて染みを作っていた。 「クックッ、もう濡れてんなぁ?」 クチッと先端を弄るとビクン!と揺れる身体。布の上から形をなぞり、揉みしだく。 布越しの刺激にもどかしそうに腰を揺らす一護の下着の脇から手を入れるともうグチャグチャだった。 「ああ・・・!」 熱くて大きな手に直接触られて更に透明な液を溢れさせる一護。 「随分敏感だな?胸だけで下までぬるぬるだぞ」 くちゅ、と一護の中心の先端を親指の腹で撫でてやる。 「あ!あん!ん!お前が、こんな身体にしたんだ、ろ!」 「違えねえ」 くっくと笑いながら乳首にカリッと歯を立てた。 「ふぁんッ!」 とくん、と溢れる蜜を塗り込め、手筒を上下させる剣八。 「あ!あ!やっ!ああ!あっ!ダメ!イク!」 ぴゅくん!と剣八の手の中と下着の中に吐精した一護。 「あ・・は、はぁ、はぁ・・・あ・・・」 「おうおう、やらしいな。糸引いてんぞ?」 「も、やぁ・・・脱ぐ・・・!」 「もう脱ぐのかよ?」 グチャグチャの下着を脱ぎたいと訴える一護を無視して、そのまま指を蕾の周りに這わせた。 「ひん!や、やだ・・あッ!ああ!」 先走りと吐き出した精で易々と指を飲み込んでいく。 「んあ!ああ!ああ!ひッ!ひゃあんッ!」 「ここだよな」 コリコリとしこっている前立腺を攻めていく。 「やッ!ああんッ!ダメ!ダメ!また!イク・・・!」 剣八の肩口に頭を擦り付け乱れる一護。 「擽ってえよ、一護」 反らされる白い首に舌を這わせ、流れる汗を舐め取った。 「も!おねがッ!剣八が欲し・・の!入れ、て!」 「一護・・・!」 グイッと下着を剥ぎ取ると一護を押し倒し、ヒクつくそこへと滾る自身を宛がった。 「あ・・・」 「んな嬉しそうな顔すんじゃねえよ・・・」 一気に奥まで貫いた。 「ッあーー!あ!あ!けん!ぱち!善い!善い!熱い!ん!んんん!」 「ッ、入れただけでイッてんじゃねえよ・・・!」 「だって!」 ずるるる、と引き抜くと最奥まで突くのを繰り返し、一護を啼かせた。 「あ!あ!あ!はッ!んあッ!あぁッ!」 「は!また勃ってきたなぁ・・・」 つつ・・・と下から上へなぞりあげた。 「ふぁッ!や!だめ!んあッ!あー・・・っ」 「く・・・」 一護がイくと遅れて剣八も中へ注ぎ込んだ。 「はっ!はぁ!はぁ!はぁー、はぁー、・・・っと・・・」 「ああ?」 「剣ぱちぃ・・・もっとぉ・・・」 「く!この!」 「んああ!おっきくなったぁ」 「当たり前だ!このッ!」 今度は腰を回してある一点を刺激し続けた。 「ああ!やあ!そ、それダメェ!おかしく!なる!おかしくなるからぁ!」 「はっ!なっちまえよ」 俺が居ると、言外に滲ませる。 「んあ!あああ!やぁああああ!あう!」 「まだ早い・・・」 達しそうになった一護の根元を抑えると身体を反転させ後ろから覆いかぶさった。 「あう・・・!」 ずるる、と引き抜く度に先に出した白濁が溢れて一護の太股を伝い落ちて行く。 「ひ、ひあ、ん!あんッ!あっ!奥!すご・・・っ!」 ぐずぐずと奥を突かれ、目の前がチカチカと白く光って来た一護。 「もう!だめ!イク!剣八!もう!」 「ああ・・・!俺もだ!」 「ひンッ!あああっ!あーーっ!あ、あ、熱い・・・!」 「くぅっ!」 二人同時に達すると蒲団の上に倒れ込んだ。 「ハッ!ハッ!一護、一護・・・」 「ん、んあ、剣八・・・ん・・・」 深く口付け合うと、カクン!と一護が陥落した。 「・・・風呂に入れるか・・・」 敷布で一護を包むと風呂まで抱いて行った。 洗濯機に敷布を入れると洗剤を入れスイッチを入れ、風呂に入った。 事後処理をして、湯に浸かる。 一護の身体には至る所に所有印があった。 「ふ・・・ん」 指でなぞりながら満足げに息を吐く剣八。 風呂から出ると洗濯も終わっていた。 「後はこれをコッチに入れりゃあいいんだな」 と乾燥機に放り込み、スイッチを押してそのまま部屋へと帰った。 翌朝。 「腰が・・・」 一護が起きた頃はもう既に昼近かった。 「おい一護、飯」 「ああ、今作るから・・・」 「もう出来てんぞ」 「え?」 「良いから来い」 居間に行くとチャーハンが並べられていた。 「美味そう」 「うまそー!」 青陽の隣には虎白が座っていた。 「あ、来てたのか、虎白」 「・・・あ〜、まあな」 やちるは既に仕事に行っていたので4人での食事になった。 食事が済むと一護は洗濯を始めた。 「ん?」 乾燥機から敷布が出て来た。 「これって・・・」 昨日の・・・と理解した途端に真っ赤になり、急いでそれを干しに行った。 他の洗濯物を干しているうちに虎白はどこかへ行ってしまい、青陽は暇になった。 縁側で昼寝を決め込んでいる剣八を見つけた。 「おとしゃん!遊ぼ!」 ユサユサと揺さぶっても起きる気配は無く、青陽は剣八の胸の上に乗ると顔をバンバン叩いて起こした。 さすがにこれには起きた剣八が薄目を開けて青陽を見ると、襟首を掴んで懐に抱きこんで横になった。 「お前も寝ろ、寝る子は育つってな・・・」 「うう?」 ぽんぽんと背中を叩いているうちに、すぅ、すぅと寝てしまった青陽。 「っあ〜〜!洗濯終わりっと!剣八はまた昼寝かぁ?買い物に付き合わせるかぁ」 と剣八昼寝の定番の場所に行くと寝ているのを発見した。 「お〜い、剣八!寝てねえで買いもんに・・・」 寝ている剣八のお腹の所で寝ている青陽を見つけた。微笑ましい光景に微笑を浮かべる一護。 それでも夕飯の買い出しに行かなければいけないので剣八を起こすと、 「お前も運動のし過ぎで疲れてんだろ・・・。寝ろ・・・メシは外で食えばいいだろ・・・」 と抱きこまれてしまい、結局、青陽を挟んで川の字で昼寝をした3人だった。 終 11/06/22作 日常風景でした。ネタを提供して下さったライさん、ありがとうございます。お気に召して下さったらどうぞお土産にして下さい。(ライさんだけですよ) 大好きなパパとママ。お姉ちゃんとお兄ちゃん。 大好きな旦那様と愛息子。 大好きな女房と息子。そんな感じ。 |
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