題「うたた寝」
 定期報告の日。剣八に会いに来た一護は、その剣八が討伐で居ないと聞かされた。
「つまんねぇの・・・」
昼間はフラッと歩けば気の合う連中と話をしたり、稽古をして時間を潰せるが、日も暮れてくるとそうもいかない。
しょうがないので剣八の部屋で帰ってくるのを待つ。
待ってる間に色々と用意をする一護。着替えや風呂の用意や簡単な食事の用意。

それでもまだ帰って来ない剣八。
「遅いな、あいつ・・・」
そう言いながら居間で本を読んでいた。

ボーン、ボーン、と柱時計が午後八時を告げた。
「寒・・・」
寝室から剣八の着流しを持ってきてそれに包まった。時々剣八の帰りが遅い時など帰りを待っている間やっている行為。
着物からは剣八の匂いがして安心出来た。
「ん・・・、やっぱ大きいな・・・。剣八のばか・・・」
丸くなりながら呟いているうちに睡魔が訪れ、眠ってしまった一護。

十一番隊。
「お疲れ様です!更木隊長!!」
「おう、俺ぁもう帰るぞ」
首をゴキゴキ鳴らしながら帰る剣八。その肩にいつも乗っているやちるは居ない。
「あれ?副隊長どこ行ったんスか?」
「あ?さっき松本から連絡きてそっちに行ったぞ」
と答えると、
「ああ、そうなんすか。ではお疲れ様です!隊長!」
「おう」

ああ、疲れた。さっさと湯に入りてェ。などと考えながら帰宅すると奥の部屋から灯りが漏れていた。
「あん?誰か居んのか?」
居間の障子を開けると目に入ったのは、猫の様に丸くなり寝ている一護だった。
「う、お・・・」
しかも良く見ると自分の着物に包まっているのだ。自然弛んでしまう口元。
足音を立てず、スッスッと中に入ると一護を起こした。
「おい、起きろ、一護。こら、帰ったぞ」
ゆさゆさと肩を揺さぶると、
「ん・・・、うぅん・・・、けん・・・ぱち?」
「おう、さっさと起きろよ」
「うん・・・」
寝起きなので素直に言う事を聞く一護に、
「俺が居なくて寂しかったか?」
と聞いた。
「・・・へ?」
「こんなモンに包まって寝るくらいだ、さぞかし寂しかったんだろうな?」
ツイッと着物を引っ張ると、漸く自分が剣八の着物に包まって寝てしまっていたことに気付いた一護。
慌てて顔を赤くしながら、
「バッ!何言って!違うわ!寒かっただけだ!」
ニヤニヤ笑う剣八にはまるで通じず、頭をポンポン撫でられながら、
「分かった分かった、寂しがらせて悪かったな」
と言われる始末。
「違うつってんだろ!馬鹿っパチ!」
「もう良い、腹減ってんだ飯」
「うう〜。勝手に食えば!?」
「なんだもう用意出来てんのか」
卓袱台の上には冷めてしまった野菜炒めと味噌汁が置いてあった。
ひょい、と摘まんで食べる剣八。
「ふん、さっさと食って風呂に入るぞ一護」
「ふん・・・その前に着替えろよ」
「風呂に入るんだ、そん時に着替える。先に飯食わせろ」
「へーへー」
保温してあったご飯と温め直した味噌汁、野菜炒めは少し残念だけどそのままで・・・。
「いただきます」
一護が言えば剣八も箸を伸ばす。
「だいぶ上手くなったな」
「そ、そうか?」
「ああ」
そんな会話をしながら食事を終え、一護が片付けをしている間に腹も落ち着き、風呂に入る用意をする。
「おい、お前も入っちまえよ」
「え・・でも疲れてんだろ?」
「どうせ軽い運動もするんだ、構やしねえよ」
「あほ・・・」
素直じゃない一護は渋々と言った体で一緒に風呂に入った。
「なぁ最近討伐増えたのか?」
「ん?ああ、少しな。雑魚ばっかだけどな」
「ふうん・・・」
「お前が心配するこっちゃねえよ。だてに隊長名乗ってねえんだ」
「うん」

風呂から上がり寝室へ行く二人。
「ん・・・」
トサッと押し倒される一護に口付ける剣八。
「ん、んん、ふっ、ん・・・ぁ」
ちゅ、と離れると剣八は、
「なぁ、寂しかったか?一護」
「う・・・」
「なぁ?」
長い指で頬から順に撫でて行き、胸を這う。
「ん!」
帯を解き寝巻きを脱がせていき、スリスリと胸の小粒を擦りながら問い続ける。
「言えよ、一護・・・」
耳元で囁かれる声に身体を震わせる一護。
「ふぅん・・・っ!あ・・・!」
「ん・・・?」
ちゅ、と耳朶を舐め、耳介を甘噛みしていく。
「ひん!んん!さ・・・」
「ああ・・・」
「さみしかった・・・よ」
剣八の首に腕を回して肩口に顔を埋めて見られない様にして答えた一護。
「いい子だ・・・」
さらり、と髪を梳くと本格的に愛撫を始めた。

首筋に顔を埋め、脈動を唇で感じながら赤い華を散らしていく。
「んあ!」
跡を舐めながら鎖骨を甘く噛んでは、その歯形にチュッチュッと吸い付いていく。
「ん、ん、剣、八・・・」
するすると手が脇腹を撫でながら下肢へと辿りつく。
「んっ!あ!」
緩く勃ちあがっていたそれを軽く扱く。
「ンッ、んっ、やッん!」
くちゅくちゅと音が響いて先走りが溢れては剣八の手を濡らしていく。
「は、溢れてんぞ・・・一護」
「や、見んな!ばか・・・!」
クリッと先端をくじれば声が上がる。
「あうんッ!」
次の瞬間には口に含まれた。
「あう、ああ・・・」
くちゅくちゅ、ちゅう、ちゅる、ちゅう!
「んああ!やぁあ・・・」
もう袖しか纏っていない腕で剣八の頭を押さえる一護の手は震えていた。
ぢゅうっ!と強く吸えばあっけなく果てた。
「ああん!」
次の瞬間聞こえた、ゴクリという音に顔を上げる一護。
「バッ!またお前・・・!」
「は!いつもながら濃いなぁ?お前のはよ」
口の端を舐めながら言うと今度は奥にある蕾に舌を這わせ始めた。
「や!やあ!それ、ダメェ・・・!」
背を撓らせ快感に打ち震える一護。
くにゅう、と長い舌を入れて来ては出す、を繰り返した。
ちゅぷちゅぷと奥に唾液を送り込み、解れたそこから顔を上げると自身も寝巻きを脱いでいき、熱く滾ったモノを宛がった。
「あ・・・」
「行くぞ、一護」
「ん・・・、きて・・・」
両手を差し出す一護。その手を取って首に導いてやる。

ぐぷぷ・・・、と一番太い雁首が過ぎれば後はずぶずぶと最後まで飲み込んでいった。
「あ!あぁん・・熱い・・・」
ギュッと抱きしめる力を強める一護。
「そうか・・・」
剣八は一護の腰を掴み直すと本格的に抽挿を開始した。
ずるる、と抜くと奥まで勢いよく貫いた。
「んああんっ!あっ!あっ!やッ!ああっ!すごッ!善い!良い!剣八!」
ぐりゅっ!と前立腺を抉れば喘ぎが大きくなった。
「ひゃああンッ!あうっ!あうっ!うぅっ!だめ・・・!イク・・・!」
「イケよ、好きなだけイかせてやる・・・!」
ぐちゅう!と奥を突くとびゅく!びゅく!と一護が達した。
「あ!ああぁあ!あ・・・ん・・・」
「俺はまだだぞ、一護・・・」
「う、うん・・・」
未だ中で息づいているそれを動かす剣八。
「んはッ!ああ!」
全てを納めた状態で腰をグラインドさせる剣八。
「ひッ!ひぁああ!ああ!やんん!ひ、拡がっちゃうよぉ・・・!」
「良いじゃねえか、俺だけだろうが・・・」
「だ、だけどぉ!んああ!」
「なんだ?物足りねえか?」
ふっ!ふっ!と息の荒い一護が、
「う、うん、奥、奥まできてぇ・・・」
と誘われれば断る道理もない。存分に奥を突いては啼かせた。
「ああンッ!いい!もっとぉ!剣八、好き!好きぃ!ああぁあん!」
きゅうぅうと締め付ける一護の中に注ぎ込んだ剣八。
「く・・・!」
「んあ!あ、熱、い、けんぱちの・・・」
そう呟くと意識を飛ばした一護。
「一護・・・」
気絶した一護の目元に口付けし、清める為に風呂へと運んだ剣八だった。

翌朝、一護が起きると剣八は既に出廷した後だった。
「めし・・・食ったかな・・・?」
と身体を起こそうとしたが、腰に痛みが走り、再び蒲団に戻った一護はそのまま二度寝した。

隊舎では剣八が昨日の一護の様子を惚気ていた。
「へえ・・・一護君が隊長の着物にですか」
「可愛いとこあんじゃねえか、あいつも」
ご満悦な顔の剣八だったが、やちるの発言に固まった。
「いっちー剣ちゃん待ってる時っていつもそうだよ?知らなかったの?」
「なに・・・?」
「いっちーはバレてないと思ってるけどね。丸見えだもん!少しの間剣ちゃんの着物を着てね、脱いだ後はキレイに畳んでるの見たことあるもん」
がたん!と椅子から立ち上がると、
「後の仕事はテメェらでやっとけ」
「了解」
「一護、大丈夫かね・・・」
「平気でしょ、隊長も壊さないよ」
「それもそうだな〜」
心得ている二人の部下はさっさと書類仕事に取り掛かった。やちるはどこかへ遊びに行った。

「なんでぇ、まだ寝てんのかよ・・・」
すう、すう、と眠る愛し子の髪を梳いてやると、微笑んで擦り寄って来た。
「可愛いな、お前はよ・・・」
その隣りに寝転ぶ剣八。
数時間後、目覚めた一護がびっくりして剣八を起こせば、滅多に見られない優しい顔で、
「飯でも食いに行くか?」
と言われた。
「う、うん。てかお前仕事は・・・?」
「なぁに、昨日寂しい思いさせちまったからな。埋め合わせだ」
「寂しがってなんか・・!」
意地を張る一護。
「早く着替えろよ」
そんな一護をあやしながら、その日一日、一護を甘やかす剣八が居た。








10/12/6作 第154作目。あまあま剣一。久々に普通の剣一を書いた気がする・・・。
ネタ提供は読者様です。可愛い一護をありがとうございますv





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