題「夕涼み」
 じりじりと射すような日射し、流れる汗、眩暈がするほどの声で鳴く蝉。
「あ〜、あちぃ・・・」
制服の襟から風を送っても正に焼け石に水。なんだか余計に暑くなった気がする。
半袖から覗く腕は日に焼け、隠れている肩と少しだけ色が違う。
汗を吸った布が張り付く不快感に堪えながら家路を急ぐ。

明日から夏休み。課題を持って行けばいつもより長く泊まれるだろう。何より現世のこの酷暑は耐えられそうにない。
「そんなわけだからよ、しばらく頼むぜ!コン!」
死神化してコンと入れ代わり、後の事を頼む一護。
「へいへい、いってらっさい」
窓を蹴り、外へと飛び出した一護。

瀞霊廷に着くと、こちらも夏だが現世よりは涼しいと感じるのは緑が多く、アスファルトが無いせいか・・・。
「おーす、来たぜ」
勝手知ったる十一番隊。縁側に行くと珍しく剣八が髪を下ろしていた。
「あれ?今日非番か?」
「まぁな、こんだけ暑くて仕事なんかやってられるか」
「お前の場合いつもじゃねえか」
「うるせえ」
「・・・涼しそうだな」
「まあな。一緒に入りてぇか?」
ちゃぷ・・・、と足元にある水の入った盥を示す。
「暑いしな・・・」
水は光を反射して剣八を照らしている。藍の着流しに白地に黒で模様の施された角帯、裾は濡らさない様に太股まで露わになっている。
「んな物欲しそうな顔で見てんじゃねえよ」
くっくっと押し殺した声で笑う剣八。
「なッ!見てねえよ!」
ムキになって否定する一護。
「良いから、こっち来いよ」
と足の間に一護が入れるスペースを作り、笑ってこっちを見ている。
「暑いからだからな!」
とそのスペースに収まる一護。
「分かった分かった」
横に置いてある桶には氷と一緒にガラスの酒器が刺さっており冷酒が用意されていた。
「あ〜〜、冷てぇ〜、気持ちいい〜」
「しっかし、泥まみれになったガキみてえだな、おい」
日に焼けた一護をみてそう言った。
「うっせえよ!日焼けなんだからしょうがねえだろ!俺だって焼きたくて焼いた訳じゃねえよ!ったく!」
ひりひり痛いんだぞ、とむくれている。

暫くするとそこを一角が通りがかった。
「おう、うるせえと思ったら来てたな一護」
「おう、こっちのが涼しいからな〜」
と答えると、
「二人でくっついてるのをみるとお熱く感じるのは俺だけかねぇ?」
とからかわれた。
「うううっせえな!じゃあ見なきゃいいだろ!」
「へいへい、お邪魔虫は退散しますよ〜っと忘れてた。コレやるわ」
と差し出されたのは丸いギヤマンに入った金魚だった。
「どうしたんだ、これ?」
「ちょっとでも涼しくなろうと思って買って来たんだよ、ホレ聞こえんだろ」
と親指で外を示した。

〜 きんぎょ〜え〜、金魚。金魚いらんかえ〜、きんぎょ〜え〜きんぎょ〜 〜

と金魚売りの声が響いていた。
「へえ・・・」
と頷いて受け取った一護。
「サンキュな」
「おう、じゃあな」
と立ち去る一角。
一護はその容れ物を額に当て冷たさを味わい、金魚を盥に放してやった。
「かわいいな・・・」
と呟き、後ろの剣八に凭れる一護。

 陽も傾き始め、涼しくなると剣八の動きが怪しくなってきた。
「ちょ・・、こら、やめ・・・」
「良いだろうが、もう誰も来やしねえよ・・・」
と一護の首筋に顔を埋める剣八。その手は一護の太股を這っている。
「ん・・・!やっ!」
小麦色に焼けた足と袷から覗く肌に煽られる。
「んあっ!」
項に軽く歯を立てられた。
「や、だ・・、風呂入ってねえもん・・・」
「気にしねえよ」
べろりと項を舐め上げ答える。
「ひぅ!」
「お前の匂いだな・・・」
耳の後ろに鼻を付け囁いた。
ふるふると小刻みに震える一護。
「あ・・・ん・・・」
「一護・・・」
後ろから一護の唇を塞ぐと、ぬるりと舌を滑り込ませ深い口付けで酔わせていく。
「ん、んふ・・・、くふぅ・・・」
くたりと力の抜けた一護を抱え上げ、氷の入った手桶を持って後ろの寝室へと運び込んだ。

「ンッ!」
とさっ!と押し倒された衝撃で声が出た。
シュッと燐寸をする音と硫黄の匂いが鼻を掠めた。行燈に火が燈された。
「一護・・・」
圧し掛かる剣八の手が一護の死覇装の腰紐を解いていく。
「あ・・・」
「綺麗に焼けたもんだな」
と胸を撫でまわす剣八。
「ん!そう、か?学校、で、水泳の授業があるからな、あ!」
スリ、と胸の小粒を撫で、片方を口に含んだ。
「あ、ああ、ん・・・」
上衣を脱がせ、袴も脱がせていく。一瞬剣八の動きが止まった。
「な、に?」
「・・・いいや、やらしいなと思ってよ」
「? あっ!」
一護が身体を起こし見てみると、そこには・・・。
「くっきりとまぁ・・・」
日に焼けた肌と真っ白な肌が目に飛び込んできた。
授業で水着に隠れている所だけが眩しいくらいに白いままだった。
剣八の長い指が境目をなぞり遊んでいる。
「や!やめ!」
ビクン!と反応する一護。下帯も外すとほのかに朱が注した。
「尻もそうなのか?」
と反転させると短い抗議の声が上がったが無視した。
丁度えくぼの所で境目が出来ていて、そこを舌でなぞっていった。
「や!やあぁ!剣八!やめ!」
「こんないやらしい身体になってるお前がワリィ。ゆっくり堪能させてもらうとしますかね」
と引き締まった白く輝く丸い尻を撫でまわしては吸いついた。
「くう!ッのあほ!」
「これだけで前、勃たせてるお前に言われたくねえなぁ?」
きゅ・・・と一護の中心を握り込むとトロリと蜜が滴った。
「ん!んん!ああっ!」
かろり、と桶の中の氷を一つ手に取り口に含むと一護の背骨に沿って滑らせた。
「ひぁあ!冷たッ!な、なに!」
つつつっと冷たい氷が溶けながら背中を愛撫していく。初めての感触に戸惑いながらも快感を拾って行く一護。
「ひっ!ひあ!やぁ!あん・・・」
氷が溶け、その水が脇腹を通っていく。背中の氷と共に剣八の髪も一護の背中を擽っていく。
「ひん!やだぁ・・・」
ふるっ、ふるっ、と震える一護の身体。その下の密やかな蕾を氷で擽る。
「ひぁあぁ!」
キュッと窄まる蕾の中へ小さくなった氷を捻じ込んだ。
「やあぁあ!つ!冷たぁい!だ、出せよ!」
嫌がる一護の声に聞く耳を持たず小さい氷をクプクプと入れていった。
ぴちゃり、と蕾に冷たく柔らかい舌を感じた。
「や、や、やだ、やめて・・・」
「聞こえねえ・・・」
くちゅくちゅと濡れた音を響かせては舐めていく。襞の一本一本を数える様に舐めては、限界まで伸ばし入れていった。
「やあぁん!そ、それ!んああ!」
ぬちゅぬちゅと抜き差しを繰り返すときゅううと締め付けられた。奥を掻きまわすようにしてやると、ぶるっと震えて一護が達した。
「んああっ!」
ぱたた!と精を吐き出した一護が、
「ね・・・、もう、きて・・・」
と腰を揺らして剣八を誘った。揺らす度に奥から雫が滴った。

一護の身体を仰向けにさせると白い下腹部に吸いつき、赤い花を散らせていった。
「ん!あ!あぁ!」
少し大きめの氷を手に取ると一護の唇や、首筋を滑り乳首を転がすと高い声があがった。
「ひぃンッ!やッ!やッ!」
へそを撫で、日焼け跡の境をなぞるとビクンッと身体が跳ねた。
「あっ!あっ!も!や・・・」
残った氷も中に入れ、長い指を根元まで入れると中を探る様な動きを始める。
「ん、ん、はぁ、や、あ、あ、あ、あんッ!」
「ここだな」
と指先に当たったしこりを指の腹で撫でる。
「んやあ!な!なに?ンあっ!あっ!あっ!」
くちゅくちゅとそこだけを弄り続ける剣八。
決して激しい動きではない。円を描く様にしこりを押し揉んでいく。指の動きと冷たい氷が奥に入っていく感覚。
「ん、ん、ふあ!ああ!ああっ!やだっ!変ッ!あっ!ああ!いああぁあーーっ!」
ビクン!ビクン!と跳ねる一護の身体。深い絶頂なのだろう、呼吸もままならないようだ。
「あ・・・あ・・・な・・・ぁ・・あれ・・・」
ひく!ひく!と未だ震える一護に剣八が、
「ドライオーガズムだ。出さずにイッたんだよ。深いだろう?女はこんくらい感じるらしいぜ」
チュッと額にキスをして一護の腰を抱え直す。
「次は入れるぞ」
「ふ・・・、うん、いれて・・・」
ひくん、ひくんとヒクついているそこへ滾った自身を擦り付け、奥へと沈めていく。
「んあ!あ、ああ、あ、ああ・・・」
ぐぷぷぷ、と貪欲に全てを飲み込んでいく一護。プチュッと中の水が溢れ出た。まだ中にある氷があらぬ所を突いてくる。
「・・・!全部、入ったぞ・・・」
「ん!うん!お、奥まで、剣八居る!」
自分の中でビクンビクンと脈打つ存在が愛おしくて目の前の身体に縋りついた。
「は・・・、お前の中ぁ、冷てぇなぁ」
「熱い、けんぱち、あついよぉ・・・」
ぴゅく、ぴゅく、と剣八の脈動だけで達してしまう一護。
「んだよ、動いてねえのにもうイッちまってるのか?」
「だ、だって・・!剣八、熱くて、おっきい・・・ンあっ!」
「可愛いコト言ってんじゃねえよ!手加減出来ねえだろうが!」
「ひん!良い、よ、いっぱいイかせて、いっぱい突いて、いっぱい中に出して」
「覚悟しろよ・・・」
ずるる、と一番張り出た所まで抜くと一気に奥まで貫いた。
「んああん!か、かはっ!ああ!剣八ぃ・・・!」
ガツンガツンと奥を突いては、入り口でヌプヌプと出入りを繰り返した。
「ひゃ!いひゃあ!ああん!それやだぁ!あ!あ!奥ぅ!奥にちょうだいぃ!」
泣きながら懇願する一護の腰を持ち上げると素早く枕を宛がい、丁度蕾が天を向く様にすると奥を目指して腰を沈めた。
「うぁあぁンッ!あうっ!あうっ!あぁあっ!けんッ!剣ぱちぃ!んあ!あっあっ!イク!またイッチャう!んんんあっ!」
カプリと剣八の肩に噛み付く一護。その中心からはトロトロと白濁が溢れていた。
「ンッ!んッ!うう!ンはっ!あっ!ああ!ああ!あーーーっ!・・・ん」
剣八の背に爪を立て、仰け反ってイク一護。
「くう・・・!」
その締め付けで一護の最奥に熱を注ぎ込んで行く剣八。
どくどくと注がれるその熱さに身震いする一護。
「んああ・・・熱い」
「一護・・・」
口付ける剣八の口の中には氷が入っており、冷たい水が一護の喉を潤した。
ずるん、と引き抜くと中から溢れだす欲望の白濁。
「んふ、ぅ・・・」
「風呂行くぞ、一護」
「うん・・・」
寝巻きを掴んで脱ぎ散らかした死覇装で一護を包むと浴場へ向かった。

髪や身体を洗い終え、湯船の浸かっていると剣八の指がまた一護の身体をなぞりだす。
「ん、んあ・・・もう、むり・・・」
「ふん・・・、明るいとこで見るのも良いモンだな」
と日焼けの境目をなぞりつつ呟いた。
「すけべ」
「言ってろ。明日も楽しませてもらうぜ?一護」
「どすけべ」
「お前もな・・・」
風呂上がり、褌姿の一護に欲情した剣八がそこで襲ったのは言うまでもない。


蒲団の上、夜風に吹かれながらやっぱりこっちは涼しいと一護は思った。
ちりーん・・・、と軒先の風鈴が鳴ったのを眉を寄せて一護が言った。
「・・・風鈴、外せよ・・・」
「あん?」
「夜の風鈴は縁起悪ぃんだよ・・・」
「ふうん・・・」
と言われるままに外してやった剣八。
外からは冷たい風とリーリーと聞こえる虫の音が穏やかに聞こえていた。







10/08/29作 148作目です。一護の日焼け跡に興奮する剣ちゃんでした。 
褌と日に焼けた肌と白い肌にコ―フンしたと思いなせぇ。
氷プレイ入れるの忘れてたーーっ!
10/08/31に加筆修正。氷プレイ入れましたよー!

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