題「誕生日の贈り物」
 その日の朝、一護はいつも通りに剣八の隣で目を覚ました。
「ん、ん〜〜!剣八、朝だよ。起きて」
「あ〜もう朝かよ・・・」
「うん、俺朝ご飯の用意してくるからね」
と着替えて台所へ行った。

その目を離した隙の出来事だった。

朝食が出来たのにまだ顔を出さない剣八。様子を見に行くと寝室には居なかった。
「あれぇ?どこ行ったのかなぁ?」
と居間へ戻る途中、やちると弓親、一角と会った。
「おはよう!いっちー!」
「おはよう一護君」
「おっす!一護」
と大きな荷物を持ちながら挨拶した。
「おはよう!あのね、剣八見なかった?お部屋にも居ないの。ご飯冷めちゃう・・・」
少し困った様に呟くとやちるが、
「ねえねえ!いっちー今日お誕生日でしょ?」
と聞いて来た。
「え?うんそうだよ」
「だからね、あたしからのお誕生日プレゼント!受け取ってね!」
とん、と荷物を床に置く。
「これ俺にくれるの?」
ときらきら目を輝かせている。
「もちろん!君だけのだよ」
「わあ〜。開けても良い?」
「どうぞ!」
しゅるり、と大きなリボンを解き箱を開けるとそこには大きな獣が居た。

「・・・」
「・・・剣八」
「さっすがいっちー!すぐ分かったね」
「そりゃ、でも、なんで?どうして・・・?」
のそり、と箱から出て来た剣八は大きな狼程の大きさの狐の姿だった。
不機嫌なのか眉間には深いしわが刻まれていた。
「あの、怒ってるの?剣八」
ふん?と鼻を鳴らすと一護の指先を舐めた。
「違うよ一護君。いきなり副隊長に薬を飲まされたからだよ」
「そうなんだ」
じっと見つめ合う剣八と一護。
次第に俯いてふるふると肩を揺らす一護。
「怒っちゃった?」
不安気に尋ねるやちる。
「す・・・」
「す?」
「素敵!剣八カッコイイ!わあ〜!わあ〜!おっきい!綺麗!俺のとと様も同じくらいおっきかったのかな?ううん!きっと剣八の方が大きい!」
あまりの喜び様に驚く面々。
「かか様?どうしたの?早くご飯食べよ〜」
「とと様は?」
「あ、ごめんね」
と振り向く一護の陰から見えた姿に声をそろえる双子。
「「とと様!」」
「さすが・・・。分かるんだ」
と弓親。
「どうしたの、とと様」
黒い耳や尻尾を撫でる朔と十六夜。幾望を舐める剣八。
「俺の誕生日プレゼントだって」
と頬を染めながら教えた。
「いいな〜」
「えへへ。今日はずっと一緒だよね!嬉しいな!」

ニコニコ笑いながら食事を終えると一護は縁側で剣八の毛繕いを始めた。
「綺麗な毛皮・・・」
うっとりとしながら黒銀の毛を梳いていく。
相変わらず不機嫌な様子の剣八に一護は、
「ちょっと待っててね」
と言い置き部屋に行くと着物を脱ぎ、片付けると狐の姿になった。

『剣八』
『あ?なんでぇ、お前もそのカッコになんのかよ』
『うん。いいでしょ?』
『ああ・・・』
二匹の狐が縁側で寄り添い昼寝を始めた。
「仲良いですねぇ」
「なぁ」
「んふふ!良かった!」

昼寝から目覚めるとお互いの毛繕いを始める二人。
ペロペロと毛皮を舐め、ハグハグと首の後ろを甘噛みしては舐め整えた。
『ん、ん、気持ちいい・・・俺も・・・』
剣八の喉の下から舐めて背中、顔を舐めて行った。
それを見ていた面々は・・・。
「なんか・・・ね」
「毛繕い、だよな?」
「ねーねー、あたしも見たいー!なんで目隠しするのー!」
「あ!押し倒した!」
「まだ舐めてる・・・」
やばいよ。とやちる共々奥へと引っ込んだ。

『もうすぐ夕飯だから用意しなきゃ・・・、暫く人に戻るね』
と言って部屋に行くと剣八も付いて来た。
「なんにしようかな〜?いつもどおりで良いかな?」
と着替えていると庭から乱菊に呼ばれた。
「あ、乱菊さん!どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ!あんた、今日誕生日でしょ?だからケーキ持ってきてあげたのよ!」
と大きな箱に入ったそれを差し出された。
「わあ!大きなケーキ!嬉しいな!ありがとう!」
礼を言うと乱菊は帰っていった。
夕食後に子供達と食べようと冷蔵庫で冷やし買い物へ行った。

夕飯が済み、ケーキを食べ、子供達が眠ると一護と剣八が風呂に入った。
毛皮を丁寧に洗うと湯に浸かると早々に出て、寝室へ帰った。

蒲団の上で、
「いつ元に戻るのかな?明日かな」
『さあな・・・』
と長い鼻を一護の首筋に押し付け匂いを嗅いではペロペロ舐めた。
「あ、ん・・・くすぐった・・・」
とさり、と押し倒され袷を乱しては、フンフンと鼻を鳴らした。
『脱げよ、破いちまうぞ』
「もう、ばか・・・」
素直に寝巻きを脱げば全身を舐めてくる剣八。
「あ、あ、や、そんなとこまで・・・っ」
反転させられ、背中を舐められるとびくんっと過敏に反応した。
『ククッ、お前の身体は素直だなぁ』
「あう・・・」
項から背骨に沿って下へ下へ降りて行く。一護は枕に顔を埋め耐えている。自然高く上がる腰。
「ん!ふ、くぅ・・・ん」
双丘に辿り付き、まるい尻を舐めていると次に期待する一護の腰が揺らめいていた。
『慌てんなよ・・・』
と言いまだ下へ行く。
太ももの付け根からふくらはぎ、そして足先へと。
熱く長い舌が足指に絡み付き音を立てて離れて行く。
「やぁん!そ、それやだぁ・・・!」
背を丸め啼く一護。
『そうか?じゃあこっちにしてやるよ』
とその身体の下に潜り込むと硬くなり上を向いている一護の中心をパクリと咥えた。
「ひゃんッ!あ、あ、ばかぁ・・・」
ふるっふるっと震える一護。あっけなく白濁を吐き出した。
「ん、ああ・・・あん・・・」
はあ、はあ、と息を整え、余韻に浸る間もなく次の快感に襲われた一護。
「きゃあん!や!や!そこ、だめだったらぁ!」
獣の長い舌が一護の蕾を這いまわり、双珠を舐めしゃぶり追い詰めて行く。先程達したばかりの中心は硬さを取り戻し、滴を垂らしている。
『ククッ!なんだもう硬くなってんな』
べろりと舐め上げ今度は舌を捻じ込んできた。
「ひ!ひんん!あ!あ!や、ぁ!舌入れちゃ、だめぇ・・・!」
『きゅうきゅう締め付けてくんのにか?ふん、解れたな、力抜けよ』
後ろから覆いかぶさると長大なソレを一護の中に納めて行った。
ぐぷぷ、と音が聞こえそうなほど貪欲に飲み込んでいく一護。
「あ、ああん!熱い、熱い、剣八の熱いよぅ・・・」

全てを納めると剣八は一護の項に噛みつき抽挿を開始した。
グッグッと奥を、前立腺を突きあげる度に嬌声をあげる一護。
「あっ!あっ!はあっん!んん!善い、剣八、気持ち良い!」
グッ!グッ!グシュ!と濡れた音が響いていた。
「あっ!ああっ!イク!イク!ああっあーーっ!」
『ぐッ!』
二人同時に達したが一護に納まった剣八は萎える事なく一護を攻め立てた。
「あ・・・?」
ふと、一護は違和感を感じた。
萎えることなく一護を攻める剣八自身がいつもと違う。
「あ?や、やだぁ!剣!剣八ぃ!おっきい!あんん!何これぇ!」
根元に瘤の様な物があり、抜けない様になっていた。
『あん?お前と離れねえ様になってんだ・・・ろ!』
ズン!と奥を突き、新たに精を注いでいく。

どぷどぷと人の時とは違う量に一護は啼いた。
「あうん!あっあんッ!来たよ!剣八の!熱い!はぁあん!い、いつもより、多いよぉ!」
『ハッ!ハアッ!ハアッ!まだ終わんねえぞ、一護・・・』
ぐつり、と奥を突けば、
「ふあん!も、もうお腹いっぱいだよぉ・・・」
と一護が啼く。ぴくっぴくっと震える一護の背中を舐める剣八。
「きゃう!も、もう・・・」
『まだ締め付けてくんじゃねえか、まだいけんだろ?』
「ばかぁ・・・あ!」
『お前も狐なんだからココがどうなってるかぐらい知ってんだろ?』
「は、ん・・だ、って俺、他のオス知らないもん・・・。剣八しか知らない、もん・・・」
その言葉に更に大きくなった。
『・・・お前時々すんげえ殺し文句言うよな・・・』
「ふあ・・・?」
ぐちゅ!と前立腺を抉るように突けば、中に出した白濁が泡立って一護の滑らかな肌を伝って滴り落ちる。
「んあ!あ!アンッ!やあぁ!で、出て来たよぅ!ひ、ひぃああん!あ!ああ!あーー・・・っ!」
ぴゅくぴゅくと薄くなった精を吐き出した。

何度もイかされ、耳と尻尾が出ていた一護。
「も、う・・・ダメ、ぇ・・・」
と力尽き、今の剣八と同じ狐の姿になった。
ふっ!ふっ!と息も荒い一護に、
『まだだ、まだ終わんねえぞ』
と耳に吹き込まれたセリフ。
『ヒン!も、むり・・・だよお、おね、がい・・・』
耳を寝かせ懇願する一護。
『ちっ!しょうがねえな、次で終いだ』
『ん、うん・・・』
今まで噛んでいた項を舐めていたかと思うと今度はもっと深く噛んで離すまいとした。
『きゃうん!ん!ん!そこやぁ・・・』
『嘘付け、ここも好きだろうが・・・』
ごり、と骨が鳴った。
『あうん・・・!』
背を撓らせ腰を突きだす一護。その拍子に更に奥まで突かれてしまった。
『はあん!うごいて・・・、ね?けんぱち・・・』
大きな尻尾がゆらりと振られた。
『今日は我儘だな、ん?』
ぺろりと大きな耳を舐め上げ、くつくつと喉で笑った。
『だって、今日、俺の誕生日だもん』
『ちげえねえや。行くぜ、一護』
金色の狐を組み敷く黒い狐。荒い息遣いが耳を掠める度に剣八を締め付ける一護。
グチュグチュと中から溢れた白濁でお互いの毛並みはしとどに濡れそぼっていた。
『はっ!はっ!ああっ!あっ!イク!も、出る!出ちゃう!あ、ああ!ああっ!あーーっ!』
きゅうぅう、と締め付けると一拍遅れて剣八も中に注ぎ込んだ。
『く、う!』
『あ、う、お腹、熱い・・・』
ずるり、と抜き取るとトロトロと中から白濁が溢れだした。いつもより多いその量に苦笑しながら剣八が声を掛けた。
『おい、早く出さねえと腹下すぞ』
『ん・・、ちょっとまって・・・』
ふっ!ふっ!と息を整えていると、意地悪く、
『早くしねえと、吸いだすぞ?』
耳元で囁かれた。
「ばかぁ!」
真っ赤になって起きるとよろよろと風呂場へ向かう一護と剣八。
事後処理を済ませ、湯に浸かるとうつらうつら舟を漕ぎだす一護。
『おら、こんなとこで寝んじゃねえよ』
「ん・・・も、出る」
『おう』
自分の髪を乾かすと剣八の毛皮を乾かす一護。
「ん、きれい・・・」
ふか、と顔を埋めては擦り付けた。

翌日もまだ狐の剣八は一護と縁側で昼寝をしていた。
金色に光る毛皮の狐を抱き込むように眠る黒銀の狐。悠然と身を起こし、尻尾を揺らめかせた。
それに気付いた一護が後ろを見る。その毛並みを舐め、甘やかす剣八が居た。






10/07/17作 第144作目。え〜、白にぃ出てませんが、乱菊さんや京楽さんのお祝いを一身に受けています。
Happybirthday!一護。遅れたけどね。

10/08/12に加筆修正。



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