題「夜桜」 | |
「花見?」 「ああ」 瀞霊廷に報告に来ていた一護は会うなり剣八に言われた言葉を聞き返した。 「なんで?」 「てめえ言ってただろうが、こっちの連中が散々自慢するってよ」 「あ?あー、うん言ったけど・・・」 季節は春―。花も咲き綻び、桜も満開の頃、一護は忙しく学業に、虚退治に、報告にと走り回っていた。 なのにだ。こっちで顔を合わせる知り合いの死神はどんだけヒマなんだよ!と言いたくなるほどに一護にこう言うのだ。 「今頃は桜が見頃だな、酒でも飲んで花見でもするかぁ」 「いやぁ昨日は楽しかったぜぇ。お前も来れば良かったのによ」 と言っては去っていくのだ。一護にしてみればどうでも良かったが、あまりにもうるさいので苛々して剣八に愚痴をこぼしてしまったのだ。 「俺は忙しいんだよ!花見自慢してるヒマがあったら仕事すりゃあ良いじゃねえか!」 「行ってもしねえ花見の話されたってつまんねぇよ・・・」 と最後の方は弱々しく呟く程度になっていた。 「あれ、覚えてたのかよ・・・」 今更ながら言われると恥ずかしい。 「今日は泊れんだろ?」 「でも、もう散ってんじゃねえの・・・?」 嬉しいけど、もうそんな感じだ。 「気にすんな、行くのか?行かねえのか、どっちだ?」 「行きたい!」 「よし、準備すんぞ!」 「え!今からかよ!」 もう陽は傾いている時間だ。 「時間が惜しけりゃ、急げ」 「お、おう!」 準備と言っても既に用意されていたようで、何人かの隊士が荷物を持って待っていた。 「あ、剣八は着替えたんだな」 「まあな、おら行くぞ」 「あ、ああ・・・」 髪を下ろし、鶯色の着流しを着た剣八と何人かの隊士を引き連れ出掛けた一護だった。 「お風呂の用意・・・、要るよねぇ・・・」 「ああ、確実にな・・・」 何処か遠い目をする弓親と一角が呟いた。 「なぁどこら辺なんだよ」 「もうそろそろだ、黙って付いてくりゃいい」 「へーい」 流魂街の山奥まで連れて来られた頃には、陽は既に沈んでいた。 「遠いんだよ!最初に言えよ、馬鹿八!」 「うっせえよ。おう、てめーらはもう良いぞ」 「はい!失礼します!更木隊長!」 と言って隊士達は帰っていった。 「え?おい、あいつら帰んのかよ」 「当たり前だろうが」 隊士達が二人の為に敷いた上等の緋毛氈に座り込むと酒やお重の中身を食えと差し出してくる。 「ありがと・・・」 「ふん・・・、いいから桜でも見ながら食え」 「うん、綺麗だな・・・」 溜め息交じりに見上げた桜。樹齢何百年の大木の桜は風が吹く度にさらさらと花弁を降らせた。 「ん、美味いなこれ」 腹が減っていたのかぱくぱくと食べて行く一護を見ながら剣八は酒を呷っていた。 「あ、徳利最中だ」 ひょいと手を伸ばし食べて行く一護。 「なあ、その酒って美味いか?」 「あん?飲んでみるか」 「お、おう・・・」 く・・・、と一口飲んでみる。 「あ、飲める、結構美味いな」 とくぴくぴ飲んでいく一護。 「調子に乗ってると二日酔いになんぞ」 「んー」 一頻り、飲み食いした後、ほろ酔いになった一護が剣八の胡坐の中に納まりながら桜を見上げていた。 「あったけぇ、桜は綺麗だし、来て良かった・・・」 「そうかよ・・・」 「剣八、ありがとな」 と振り向いて頬にキスをした。 「・・・一護」 する・・・と死覇装の袷に手を入れ、一護の胸を撫で回す剣八。 「ん・・・!」 酒に酔ったせいかうっすらと汗を掻いている一護の肌はしっとりとして吸いつくようだ。 「あ、ん・・・、剣八の手、熱くて気持ちいい・・・」 潤んだ瞳で見上げてくる一護の顎を取り、深く口付ける剣八。 「ふ、ん、ぁあ、ん、ん、くふ、ん・・・」 ぴちゅ・・・、と離れると潤んだ一護の目には満月が映り込み、橙の髪もその光を反射していた。 「一護・・・!」 剣八は一護を押し倒すと腰紐を解き、袴と下帯を取り払っていった。 「あ!や・・・あう!」 首筋に顔を埋め、吸いつき赤い跡を付ける。そこを舐めてはまた新しい跡を付けて行く。 「あ!あ!ひっ!いああ!」 胸の小粒を摘まみ上げると片方を口に含んだ。 「熱い、剣八のおクチ、あついよ・・・」 ぴく、ぴく、と震えながら剣八の頭を押さえる腕に力は入っていない。 ちゅ、と口から出すと赤く色づいて妖しく光っていた。 「くく、他も食わせてもらうかね・・・」 と腹に舌を這わせては、脇腹を甘く噛んだ。 「はあんッ!んん!やあぁ」 「いやって言う割にゃ、ここは嬉し涙流してるがなぁ?」 きゅ、と一護の中心を握ると舐めあげてから口に含んだ。 「やああん、あ、あ、剣八ぃ・・・」 ちゅ、ちゅ、と吸いながら剣八が思い付いたように、 「おい一護、お前上になれ」 と言った。 「ふぇ?なに?」 快感に蕩けた頭は回転していないのか、大人しく起き上がる一護。 「良い子だ・・・そのままな・・・」 「?」 死覇装の上だけを着た一護の下に寝転ぶと、ぐい!と一護の下肢を引いた。 「あ!ああ!や!やだぁ!」 漸く気付いた一護は暴れるがガッチリ腰を掴まれて動けなかった。 「こら、暴れんな、一護」 「ああ!そんなトコで喋んなぁ!」 一護の太腿の間には剣八の顔。いわゆる顔面騎乗位・・・。 外で、こんな・・・。ガクガクと震える足の間で剣八が愛撫を再開させた。 「やあぁ!ああ!ああ!剣!剣八ぃ!」 蕾から、双球を舐めて転がし、会陰を尖らせた舌でチロチロと舐めて一護を啼かせた。 「あ!あ!そこやだぁ!ああん!」 次第にヒク付いてきた蕾にねっとりと舌を這わせ、ぐっ、と中へ押し入れた。長く肉厚の舌が蠢き、 「いや!やだぁ!出ちゃう!ああ!出ちゃうのぉ!もうやめてぇ!」 いやいやと激しく首を横に振る一護の先端からは止めどなく先走りが溢れ、自身を濡らしていった。 「じゃあ、イッとくか?」 熱い吐息が触れたかと思うとアッと言う間に口に含まれ、きつく吸われ呆気なく果てた一護。 「くううっ!ああ!」 ビクッ!ビクッ!と揺れる身体を支えると、 「ほら・・・、そのままだ、入れてみろ・・・」 「あ・・・あ・・・」 「ほら、来いよ・・・」 着物を全て脱いだ剣八の逞しい身体を照らすは月明かりと松明の赤い灯り。 こくり、と思わず喉を鳴らす一護。 綺麗、だ・・・。 「ん、剣八・・・」 隠しようも無く、屹立している剣八の中心に手を添え、自分で導く一護。 ひたり、と宛がうとゆっくりと体重を掛け中に納めていった。 ぐ、ぐぐ、ぐぷん!と太い部分が通ると後は奥まで、全てを納めきった一護。 「あ!はあ!ああ!剣八・・・」 「ハッ!全部入ったなあ・・・、膨らんで、形が浮き出てんぜ?お前のここ・・・」 若干膨らんだ一護の下腹部に指を這わすと、手の平でグリ!と押した。 「ひっ!やあぁああん!ハッ、ハッ!だめ、だめぇ・・・」 「なんだ感じんのかよ、前から垂れてんぜ・・・?」 剣八は蜜の滴る先端に細い指先を絡めるとクチュクチュと音を立て、その蜜を擦り込んでいった。 「んは!やあ!イ、イク!イクからダメェ!」 「イケよ、我慢するこたぁねえぜ」 「うあ!ああっ!イクッ!ああっあーーっ!」 クリッと先端に爪を捻じ込むとビクビクと身体を撓らせ果てた一護。 「く・・・!締め付けんなよ・・・、今度は自分で、動け、よ・・・!一護」 「う、うん・・・!」 震える腕を剣八の腹に付き、ずるり、と抜くと、ぐぷん!と奥まで納めるのを繰り返す一護。 死覇装を噛みながら声を殺し、剣八の上で踊る一護。 「ん!くふ!んふっ!ンッ!ンッ!」 ぐっ!グプッ!ずる!ぐぷんッ!ズルッ!グチュッ! 「あっ!あっ!善いっ!ンッ!んッ!」 「おい、ちゃんと見せろよ、一護」 「ああ、ん!あん!剣八!あ!あ!」 仰け反りながら見せつける様に上下する一護の身体・・・。 淫らな音を響かせ踊る一護を見上げながら剣八は後ろにある桜の樹を見た。 月と松明に浮かびあがった桜と桜吹雪の中、黒い装束の一護はその肩に花弁を積もらせながら快楽を追っていた。 「あ!も!もう!だめえ!」 「イケ・・・」 静かに言うと細い腰に手を伸ばし剣八も下から突き上げた。 「ひああっ!あっ!あッ!イク!イク!ああっ!あ―――ッ!」 仰け反りながら、果てた一護。ぐらりと倒れそうになった一護を抱きとめた剣八。 「おっと、一護・・・綺麗だな、コレも脱げよ・・・」 と死覇装の上を脱がせた。 「あ、あ、はぁ、はぁ、剣八・・・気持ち良くなかった・・・?」 「あ?」 「だって・・・、イッてない・・・」 「これからだ・・・、焦んなよ・・・」 と額に口付け、対面座位で抱き合いながら、一護の最奥を突いた。 「ああっ!ふ!深いよぉ!」 「ッ!良かったじゃ、ねえか、よ!」 「あん!ああ!剣八!剣八!ん!綺麗・・・」 ちゅ、ちゅ、と鎖骨に吸いつきながら一護は囁いた。 「一護・・・」 一護の後頭部に手を添え、深く口付けながら奥を突く。 「ん!ん!んぅ!あ!イク、また・・・!」 「イケよ、俺もイッてやる・・・!」 「う、うん!あう!ああっ!あ――・・・!」 「くうッ!」 どく!どく!と熱を注いで行く剣八。 「ああ!剣八の熱い・・・」 ごぷっ、と溢れるほどの量。 「もっと・・・ぉ、剣八ぃ・・・」 「あぁ・・・、気絶してもちゃんと連れて帰ってやるから安心しろや一護」 「うん・・・」 とさ!と押し倒し、両足を肩に掛ける。真っ赤な緋毛氈が一護の白い肌に映えて艶めかしい。 「んん!あ、さっきより、は・・・!奥に・・・」 「くく!抜けなくなるかもなぁ?」 「ずっと・・・?」 「ずっとだな」 「それでも・・・いい・・・」 ふわ、と腕を回して抱きつき囁いた。 「一護」 「剣八、きて・・・、もっと、一番奥まで・・・」 「・・・ああ!」 今まで来たこともない奥に剣八の熱い杭を穿たれ、喘ぐ一護。 「あぁッん!いい!気持ちいい!剣八!剣八・・・!」 ぴゅく、ぴゅく!と吐精した一護。 「一護・・・」 ぐいっ!と抱き起こすと身体の向きを変え、背面座位に変えた。 「あう・・・!んん・・・」 「なんだ、良いとこに当たったか?ん?」 「ばかぁ・・・」 はふはふと荒い呼吸の一護の膝に手を差し入れ、身体を持ち上げる剣八。 「あ、ああ・・・、ああんッ!あ!あ!やあ!イク!イッちゃう!」 ぐぷ!ぐぷ!ぐちゅん!と濡れた音が響き、爪先を反らせながら震える身体。 「イケ!好きなだけイキャあいい!」 「んあっ!ああっ!あーーっ!」 ぴゅくんッ!と白い精が赤い敷物に放たれた。 「くっ!」 どくっ!と中にも出され、溢れるそれも白いシミを作っていった。 「くくっ!見ろよ一護、お前の出した白いモンとコレの赤が綺麗だなぁ?」 「んあ・・・、きれい・・・?」 とろん、とした一護の目は松明の揺れる灯りで揺らめき、思わず引き込まれそうになった。 パチッ! と松明が爆ぜた。 「ん・・・、あ」 その音にも敏感に感じている一護。今度は後ろから覆いかぶさった剣八だった。 「一護・・・」 耳元で囁きながら一護も耳朶に舌を這わせ、耳穴を犯した。 「ああっん!やぁん!」 一護の腰を掴むと最奥をめがけて穿った。 「ひぁあん!ああっ!ああっ!お、奥ぅ!剣八が!来てるよぉ!」 「そう!かよ!」 「ああん!イッチャう!剣八!イッチャうよぅ!」 「イケよ!色無くなるまでイキやがれ!」 剣八は一護の汗を掻いて貼り付いた背中の桜の花びらを舐め取っていった。 「はぁあん!や!や!らめぇ・・・!」 きゅううと締め付けて一護は果てた。一拍遅れて剣八も一護の中に注ぎ込んだ。 「あああん!いい・・・、あつい・・・」 「くく・・・、まだ終わんねえぞ、一護」 「ふぇ?あ・・、ああっん!」 二の腕を掴まれそのまま後ろに引き倒され、背面座位へと持って行かれた。 「イヤああンッ!奥がぁ!深いよぉ・・・!」 ぴゅく、ぴゅく、とそれだけで達してしまった。 「気持ち良いか?一護」 後ろから一護の顎に手を置き、振り向かせる剣八。 「んあ・・・、う、ん・・・、気持ちいい・・・、剣八が居るの・・・、あつくて、おっきい、んん!もっと奥まできて?」 「ああ・・・!泣いて気絶するまでヤッてやる・・・!」 「ああん・・・、らいすきぃ・・・、けんぱちぃ・・・ふぁッ!」 一護の膝裏に手を差し入れ、ゆっくり持ち上げると、ゆっくり、と奥まで納める剣八。 「あああん、あああ、んあ、んああぁん」 その度にトロトロと吐精する一護。 「善いか?一護」 「いい・・・、んああ!あん!もっと、もっとぉ!」 じれったいほどの快感に咽び泣く一護。 きゅっ、きゅっ、と締め付けては剣八を悦ばせた。 「くくく、我慢出来ねえか・・・、しっかり掴まってろよ一護、飛ばされんなよ・・・」 剣八は一護の身体をこちらに向け、向かい合わせになると一転して激しく奥を打ちつけた。 「んあーーッ!ああッ!ああっ!剣!剣八ッ!イッチャうっ!ヤッ!やあぁッ!あうっ!あうっ!うぅっ!うああーーっ!」 ガクガクと震えながら達した一護の最奥に、灼熱の塊を叩きつけた剣八。 数え切れないほどに達し、数え切れないほど剣八の熱い精を受け止めた一護は糸が切れた様に気絶した。 「ん・・・」 さらら、さらら・・・という音と冷たい風が顔を撫でる感触で目が覚めた一護は剣八の腕の中で眠っていたようだ。 「あ・・・、剣八、風邪引くぞ・・・」 ゆさゆさと起こすと、 「ひでぇ声だな」 「お前のせいだろ」 「まあな、コレはお前のだがな」 あちこちにある白いシミを指して笑う剣八。 「〜〜!剣八!」 すっ、と手が伸びて来て一護の頭を撫でた。 「あ、なに?」 ハラハラと何かが落ちて来た。 「あ・・、はなびら・・・」 「まるで雪だな・・・、埋まっちまいそうだ・・・」 「そうだな・・・」 見渡せば赤い敷物が薄紅色の海の様になっていた。風が吹く度に花弁が音を立てていた。 (さっきの音は、コレかぁ・・・) 一護が剣八の隣に寝転んだ。 「なんだ珍しいな・・・」 「・・・なぁ、ここで埋もれちまおうか?」 「・・・一護?」 「二人分隠すのに、どれだけの花弁が要るんだろうな・・・」 「どうした?」 「何でもない・・・」 幻想的な空間と桜の香りに酔わされたのか、いつに無く儚げな一護。 「帰るぞ、一護」 「うん、花見、連れて来てくれてありがとな剣八」 適当に着替えさせると、荷物も適当に纏めて松明の処理を済ませ隊舎に帰る二人。 風呂に入り、部屋に戻ると、 「ふん、匂い・・・取れたな・・・」 「は?」 「何でもねえよ、寝ろ」 「うん、お休み剣八」 剣八の隣で落ち着く所を見つけると眠った一護。眠れるまで剣八は一護の髪を撫でていた。 終 10/04/13作 140作目です。 ん?ちょっとシリアス風味になっちゃいましたね。 敷物は当然使い物にならないので剣八が捨ててます。 嵐さんからのリクエスト『二人っきりのお花見、etc・・・』 嵐さんへ、リクに沿ってますでしょうか?お持ち帰りは嵐さんだけ!お願いします。 10/04/16 加筆修正しました。 |
|
文章倉庫へ戻る |