題「毛繕い」子猫編
 縁側で昼寝をしてたら一護が乗っかってきやがった。何だと思って目を開けると手にブラシを持ってやがった。
「んなーう」
「んだよ・・・、毛繕いしろってか?弓親がいるだろが・・・」
ふわぁああ・・・、と欠伸をして懐を掻きながら言うと、
「んや〜う!なあう」
ぐりぐりと頭を腹に擦りつけて来やがった。
「ちッ、しょうがねえな。てかお前やるトコ殆んど頭だけじゃねえか」
「にゃぁ〜う」
胡坐の上に乗っかってすっかり準備万端の一護は尻尾をぷらぷらさせて待っている。
「ったく・・・」

さく、さく、と髪を梳いて撫でつけていると、コックリ、コックリ、と舟を漕ぎ始めた一護。
「こら、人起こしといて寝るヤツがあるか」
「んにゃ・・・」
くあぁああ・・・。と欠伸をする一護。もぞもぞ動くと俺の膝に顔を擦りつけて舐め始めた。
「おいこら、何がしてぇんだ?お前は」
むにむにと揉んでは舐めている。

項の髪も丁寧に梳いて終わりにしようかと思ったが悪戯を思い付いた。
「おら、一護。尻尾も出せよ」
「ん〜」
ひょい、と持ち上げる尻尾にブラシを通すとぴくんと身体が揺れた。
「な、なあう?」
「こら、やりにくいから動くんじゃねえよ」
ガシッと尻ごと尻尾の付け根を掴んで動けねえようにして、付け根の毛から先までを梳いていく。
「んん、やぁあん・・・」
尻尾の先がピクッ!ピクッ!と揺れる。
「にゃう、にゃあうう・・・」
その内、尻尾が左右に振れ出した。
「どうした?一護。毛繕い出来ねえだろうがよ?ん?」
「や、やあう・・・」
こちらを振り向いた一護の目は潤んでいた。
「終いにするか?それとも蒲団で続きやるか?」
「・・・なあう」
ぺろり。と唇を舐めてきた。それが返事。

俺は一護を抱き上げて後ろの自室に連れていく。

「さてと・・・今度は身体の隅々までやってやるよ」

一護・・・。

ちりん。と鈴の音と共に障子は閉められた。

後に聞こえるは、子猫の啼き声だけ・・・。







10/03/12作 第138作目 短ッ!んでやっぱエロに行くのがウチの剣八。まあ、春だし?いいかなって・・・。






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