題「揺り返し」
 剣八と一護が仕事に復帰した一月。
溜まった書類を片付ける為に討伐は回って来なかったが、一護が傍に居るので剣八の機嫌はそう悪くはならなかった。
以前のように書類仕事をしていく一護。
「あ・・・、これ、もう期限が切れておりますがどうしたら?」
「ああ、良いから処理してくれ。向こうも分かってっから」
と額に手拭いを巻いた一角が応える。
「分かりました」
数日は稽古にも顔を出さず書類と格闘した剣八、一角、弓親、一護。
漸く書類の山が半分になって来た頃、一護の様子がおかしい事に気付いた剣八。

 いつもより口数が少なく、頻繁に隊首室の外へと出ては戻るを繰り返している。
(なんだ・・・?)
一護に分からないように観察していると、チラチラとこちらを見ては少し目を潤ませ、
「は・・・」
と小さな溜め息を吐いている。
(なんだありゃ・・・)
もじもじと膝を擦り合わせては小刻みに震えているようだ。
(気分でもワリィのか?)
その内、背筋にゾクゾクッとしたモノがかけ抜け、
「んんっ!あ・・・!」
と声を上げてしまった一護。
「ん?どした、一護」
と一角が声を掛けた。
「い、いえ!なんでもありません!お茶を淹れて来ます!」
と逃げるように給湯室へと駆け込んだ。

(ど、しよ・・・!どうして、こんな!)
一護は自分の身体の奥がひどく疼いているのに困惑していた。
(お、おうちでは、こんなコト無かったのに!)
やかんを火にかけながら蹲る一護。その内、自身が兆している事に気付いてしまった。
「どうして・・・!」
と呟いた時、背後から声がした。
「何がだ?一護」
振り向くと、そこには剣八が立っていた。
「けんぱちさま・・・!」
「気分でも悪いのか?さっきから出入り繰り返してんだろ、風邪か?」
ふるふると小動物のように震える一護に近寄り、頬に手を添えた。
「ひゃぁ、ん・・・!」
「!」
「あ!や!ンッ!」
その声を聞いた次の瞬間、一護の身体を引きよせ強引に口付けた。
「ん、ふ!ん、ん!」
しゅんしゅん!とやかんから湯気が立ち上っていた。
「あ!やぁ・・・!」
顔を真っ赤にして座り込む一護。
「どうした?さっきから・・・」
一護が袴を上から押さえている。
「まさか、お前・・・」
いやいやと顔を横に振って答えない。
「一護?ちゃんと言わねえと・・・」
一護の袴の脇開きから手を差し入れ、尻を撫でる剣八。
「やぁ!だめです!剣八様!」
「お前がちゃんと言わねえからだろ」
する、と下帯を避けてひっそりと息衝く蕾を指の腹でクニクニと揉みこんだ。そこは既にぬるぬるとしていた。
「なんだ?さっきの口吸いでイッちまったか?」
「や、やめ・・・!」
「お〜い!一護〜?まだか〜?」
「あっ!!」
一角がお茶の催促をしている。
「剣八様・・・!お願い・・・!ッ!」
つぷ、と指が中に入って来てはぬぷぬぷと出入りを繰り返す。
「じゃあ言え」
「それが!俺にも分からない、のです!きゅ、急に!その、身体の奥が、・・・疼い、て・・・どうして?」
涙目で見上げてくる一護に我慢出来なくなった剣八がやかんの火を消し、一護を抱き上げると給湯室を出た。
「隊長?一護君どうかしたんですか?」
と弓親が聞いて来たので、
「気分が悪いらしい。奥で寝かせる」
「あ、はい」
「ああ」
そのまま奥にある仮眠室へと入って行った。
「なんだ?どうした?」
「一護君気分が悪いんだってさ」
「あ〜、そういやぁさっきから様子がおかしかったな。風邪か?」
「さあ?」
残された二人は黙々と書類を片付けた。

 その頃仮眠室では・・・。
「剣八様・・・」
姫抱きにされた一護が蒲団の上に下ろされた。
「一護、お前欲情してんだよ・・・」
「そ!そんな!だってまだお昼過ぎなのに・・・!」
「こないだまでずっと家に籠ってただろうが・・・。その揺り返しが来たんだろ」
「ゆ、揺り返し?」
「ああ・・・」
ぴちゃ、と耳朶に舌を這わせる。
「んや!あ、あ・・・」
深く口付けると一護の舌を絡め取った。上顎をざら付いた舌で舐め上げては強く舌根を吸い上げた。
「く、くふぅん!ふあ、あ!」
早々に一護の死覇装を脱がせていく剣八。一護もまた剣八の腰紐を解いていく。
「一護・・・?」
「ん、剣八様・・・」
どうするのかと見ていると、袴を寛げ下帯から剣八自身を取り出すとその先端へ口付けた。
「・・・・・・」
「ん・・・、ふう・・・」
くちゅ、と奥まで飲み込んで愛撫するとすぐに大きく形を変えた。
「ん、んん、は、あ・・・剣八様・・・」
ぴちゃぴちゃと溢れる体液を舐め取り、その赤い舌先にとろりとした糸が伝っていた。
「!っく!」
括れた部分を丁寧に舐められ剣八の腰が揺れた。
「あ・・・剣八、様・・・?あっ!」
いきなり蒲団の上に四つん這いにされた一護の袴と下帯を一緒に脱がされた。
下帯は先程放った精に塗れており、それを潤滑代わりに滾った自身を埋めていった。
「あ!んあぁああっ!」
「くうっ!」
一ヶ月の間、朝となく昼となく夜となく睦み続けていたお陰で難なく受け入れる事が出来た。
「動く、ぞ!」
「は、い、んああ!」

 部屋の中には二人の息遣いと、一護の艶声、そして淫猥な水音が響いていた。
「あ、あああ!うあ!はっ!あ!けん!ぱち、さま!んああ!」
「は!はぁ!一護・・・!」
髪を掻き上げ、項から耳まで吸い付いて跡を付けていく。
「ああっ!やっ!」
蒲団に付いている一護の両腕を掴んで引き起こすと、そのまま胡坐の中に抱きこんだ。
「うああっ!いやぁああっ!あ・・・あ・・・あ・・・!深、ふかぁい・・・!ん、んああ・・・」
そのまま下から突き上げていく。
「あ!あう!あっ!ああ!」
ぽろぽろと涙を零す一護の頬を舐め、身体の向きを変える。
「うあっ!」
背面から対面へと体位を変えると、その胸の小粒を口に含んでは甘噛みを繰り返した。
「ひぃ!あ!あん!そこ、はぁ!」
「良いんだろ?きゅうきゅう締まるぜ?」
もう片方をクリッと摘まむとキュウン!と奥が締まる。
「んああ!」
「くく、ココだけで達っちまいそうだな?」
突き上げをやめ、執拗に乳首を責める剣八。
甘く噛んだり、やんわりと舐めては吸いあげた。
「いやぁン!あ!あ!アン!」
突き上げが止められ奥が疼くのか、自分で腰を揺らしては奥へと飲み込もうとする一護。
その痴態を目を細めて見ながら、もう片方の乳首をクリクリと摘まんでは爪を立てた。
「きゃう!あ!ああぁああんっ!」
仰け反り、達してしまった一護は剣八の腹に白濁を撒き散らした。
「あ、は、はぁ、はぁ、あ・・・」
剣八の顎にまで飛んだ自身の精を舐め取っていく一護。
「ん・・・、剣八様・・・」
ちゅ、ちゅ、と舐め取った後、剣八が腰を揺さぶった。
「ひあっ!」
「一護、まだ仕事中なんでな、後は家で可愛がってやる」
「あ!ひ!あーーッ!」
「くっ!」
「あ!ああ!あう!ッあん!あん!」
はあはあとお互いの荒い息遣いで部屋が充満していく。
「あ、も、もう、だめ・・・!けん、ぱち、さま!」
「ああ!俺もだ・・・!」
両手両足を使って剣八の身体に抱き付いてくる一護の腰を強く掴み、最奥を穿つ。
「あっ!ンぁああッ!」
一番敏感な個所を突かれて一護が達した。それに一拍遅れて剣八も達し、その最奥に熱情の塊を全て注ぎ込んだ。
「あ、ああ・・・」
達した余韻と注がれる熱に酔いしれていると、
「ちょっとは落ち着いたか?」
と聞かれた。
「・・・あ、はい・・・でも・・・」
「でも?なんだ」
「もっと、ずっと、こうして居たいです・・・」
繋がったままの状態でそんな事を囁く一護に我慢が出来るはずもなく。
「お前は・・・。ここで終わらせてやろうとしたのによ」
ずるりと楔を抜くと小さく喘ぐ一護。
「今から家に帰ってお前が気絶するまでヤッてやる」
「あ・・・」
その言葉に真っ赤になる一護。
さっさと着替えると、一護に着物を適当に着せると羽織で一護を包み、即行で家に帰ったのだった。

家では剣八の宣言通り、気絶するまで抱かれた一護が寝ていた。

仮眠室の片付けはなんとなくこう成るだろうと予測していた弓親によって片付けられていた。
彼の給金が増えている事に気付いている者はそう居ない。






12/02/25作 ひと月ずっとエッチしてたと思うんですよね〜。後、年末年始は繋がって過ごしてたハズ!
そんな快感の揺り返しが仕事中に来ちゃった一護でした。

5/29加筆


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