題「新婚生活」 | |
剣八と一護が結婚して、二人は正式な夫婦となった。 式の後、剣八は一ヶ月の休暇を取った。総隊長は何か言いたげだったが斜め前に立っている卯ノ花隊長から無言の圧力を感じ、渋々だが許可した。 一ヶ月も休暇を貰ったが二人は何をするでもなく平穏な毎日を送っていた。 朝一番に起きた一護が居間にある火鉢に火を熾し部屋を暖め、朝食の用意を始める。 朝食が出来上がる頃には鉄瓶に湯が沸いている。 食卓の用意が出来てから剣八とやちるを起こし、二人が食卓に揃ってから熱いお茶を入れる。 「冬の寒さも厳しくなってきましたね」 「ああ、そうだな」 香ばしいお茶を食後に啜りながら剣八と話をする一護。やちるは既に出掛けている。 「もうそろそろ炬燵でも買うか・・・」 「こたつとはなんですか?」 「ああ、知らねえか。この卓袱台に蒲団被せて中が温もる様になってるやつだ」 と大雑把に説明する。 「そんなものがあるんですねぇ」 と感心したように頷く一護。今まで炬燵など必要としなかった。寝て起きてすぐに隊舎に行っていた。 今ではこうやって寛ぐ時間が出来た。 「昼過ぎにでも買いに行くか?」 「はい。楽しみにしています」 昼過ぎに家具屋に出向き、商品を見ていたが剣八の身体に合う物が無かったので特注になった。 「到着するのは明日だそうです」 「また来るか」 「そうですね」 と家に帰っていった。 家に帰ると剣八は縁側で爪を切っている。 パチン、パチン、と小気味いい音をさせている。 「おい、一護ヤスリ」 「あ、はい」 仕上げのヤスリをかけている間に一護は足の爪を切っていく。 「あんま深く切るなよ」 「はい」 シャッシャッとヤスリを掛けるとフッと息を掛けた。 「剣八様、耳掃除でもしますか?」 「そうだな、頼むか」 縁側に座った一護に膝枕され、耳掃除をしてもらう剣八。 「あ、大きいのがある」 カリカリと耳の中を掻いてはごみを取って行く。 左右の耳が終わると、 「ふっふー!」 と息を掛けられて終わりだ。 「あ〜、スッとしたぜ。ほれ、お前もしてやる」 「そんな俺は」 「良いから来い」 少し強引に引き寄せると膝枕をしてやり耳掃除をしてやる。 「お返しだ、気にすんな」 「は、はい」 (つってもそんなねえのな・・・) 右の耳を掃除してやるとフルフルと一護の身体が震えているのに気付いた剣八。 (なんだ、痛いのか?) と思いつつ中程をカリッと掻いてやるとビクン!と身体が揺れ、 「は、はぁぁ・・・」 と息を吐きながら、剣八の着物を握り締めている。 (こいつぁ・・・) 剣八はニヤリと笑うと少し奥で耳かきを小刻みに動かした。 「ひゃ・・・!ゃ、ぁ・・・」 (そういやこいつ、ココも感じんだったな) もう耳が真っ赤になっている一護。その耳に、 「ふうっ・・・!」 と息を掛けてやると、 「ひゃう・・・!」 と声をあげてしまった一護。 「あっ!」 と口を手で押さえるがもう遅い。 「部屋に行くか・・・?」 と低く耳元で囁いてやれば、潤んだ目で見あげて、 「はい・・・」 と頷く一護がいた。 一護を抱いて寝室へと消えた剣八。そこからは甘い啼き声しか聞こえなかった。 翌日、炬燵を取りに行く時間までに家の掃除と洗濯を済ませ、一護が割烹着と姐さん被りという姿で庭掃除をしていると、 「おう一護、隊長居るか?」 「こんにちは、一護君。お土産あるんだけどお邪魔してもいいかい?」 「まぁ、斑目様、綾瀬川様。どうぞ、剣八様でしたら居間の方にいらっしゃいます」 「そう。あ、はいこれ。おまんじゅうだけどね」 「まぁ!ありがとうございます!」 一護は二人を玄関まで案内すると、 「どうぞ、上がって下さい。今お茶を入れて参ります」 「おう、隊長!お邪魔しやっす!」 「お邪魔します」 二人は居間へ、一護は台所へと足を進めた。 「おう、一角と弓親か。なんか用か」 「いえいえ、新婚家庭の様子を見にちょっと」 「ケッ!良い趣味じゃねえか。・・・まぁ丁度いいか」 「なんすか?」 「ああ、後で炬燵買いに行くから付いて来い」 「それって・・・」 「荷物持ちですか?」 「察しが良いな、良い部下を持ったもんだ」 と意地の悪い顔で笑う剣八だった。 「お待たせしました。剣八様、お二人からお土産におまんじゅうを頂きましたのでお茶に致しましょう」 「おう」 四人分のお茶と菓子盆に盛られた饅頭を卓袱台に乗せる。 「お二人ともお元気そうでなによりです」 「あぁ、一護。こいつらがよ、炬燵買いに行くのに付いてくるんだと」 「え、よろしいのでしょうか、お忙しいのではないですか?」 「構わねえよ、こいつらがきてえつってんだ。甘えとけ」 「はい、ではお言葉に甘えます」 と丸め込まれた一角と弓親だった。 「さ、どうぞ。お菓子もお食べ下さい」 「あ、うん。ありがと」 「おう・・」 「ほれ、お前も食え」 がさがさと包み紙を剥くと一護の口に持って行く剣八。 「あむ、美味しいです」 「ん」 一護が食べた残りを食べる剣八。 「剣八様、お口に付いています」 「んあ?」 「ほら、ここに」 一護の指が剣八の頬に付いた菓子の欠片を取ると、そのまま自分の口へと入れてしまった。 (甘ッ!) (覚悟はしてたけど、予想以上に甘かった!) 新婚夫婦の甘い空気に当てられながらお茶を飲み干す二人。気のせいかお茶も甘く感じられた。 「あ〜、その、もうそろそろ行かねえっすか?」 「そうそう!冬は日も短いしね!」 「おう、そうだな。行くか」 「はい」 (早く終わらせて帰りてぇ・・・) (右に同じく・・・) 夕方。 「たっだいま〜!いっちーお腹空いた〜!ご飯なあに〜!」 「お帰りなさいませ。今日はすき焼きですよ」 「わーい!お肉いっぱいある?」 「はい、お野菜もありますよ」 「卵も〜!」 「はい、ご飯もたくさんありますからね」 「わ〜い!」 と居間に入るやちる。 「わ!炬燵だ!炬燵がある!なんで!?」 特注の炬燵に入った剣八が顔をあげた。 「おう、帰ったか。朝寒いだろうがよ」 「そっかぁ!あ、つるりんとゆみちーも居た。なんで居んの?」 真新しいふかふかの布団に入ると二人に質問する。 「炬燵買いに行くの手伝わせたら一護が飯食ってけって誘ったんだよ」 少しぶっきらぼうに新聞を読みながら答える剣八。 「ふうーん。いっちーのご飯食べられるなんてツイてるね!」 「そっすね」 「ええ」 あの後、規格外の剣八にあった炬燵を見つけ出し、家に運ばされ、組み立てるのまで手伝わされた一角と弓親。 組み立てた後に一護に夕飯に誘われたのだ。 和やかに食事は進み、剣八と一角が飲み交わし、やちるが食べている横で一護が始終優しい顔をしていた。 「やちる様、お弁当が付いてますよ」 「え?どこどこ?取って取って!」 「はいはい」 ツイッと指で取るとパクリと口に入れる一護。 「ありがとー!」 ニカッと笑ってまた食べる。 「綾瀬川様、おかわりはいかがですか?」 「え、イヤもうお腹いっぱいだよ。ありがとう」 夜も更け、一角と弓親が帰ると後片付けをする一護。 洗い物を済ませ居間に戻るとやちるが炬燵で寝てしまっていた。 「まぁ、やちる様」 「むにゃ・・・」 「風邪引いちまう。蒲団に入れてやってくれ」 「分かりました」 小さな体を抱き上げるとやちるの部屋へと運んだ。 一護が居間へ戻ると剣八が、 「もう寝るか」 「そうですね」 炬燵と火鉢の始末をして風呂に入り、二人で眠った。 横で寝ている剣八が、 (炬燵でヤんのも良いよな) と不穏な事を考えているとは微塵も気付かない一護はすやすやと眠っているのだった。 次の日の昼過ぎ、一護が炬燵でうたた寝をしている所に剣八が入って来た。 「なんだ、寝てんのか・・・」 炬燵の天板に突っ伏して寝ている一護の背中が寒そうだ。 「ちっ、風邪引くじゃねえか」 と舌打ちしつつ、ドカッとその後ろに座り自分に凭れさせる。 「ん・・・ん、ふ」 くてんと剣八の首元に寄りかかり眠る一護。 (炬燵・・・、一護・・・) シュンシュンシュンと火鉢の上の鉄瓶から湯気が出ている。あどけない顔で寝ている一護の顎を持ち上げると口付けた。 「ん、ん、ふぁ・・・ん」 まだ起きない一護の着物の袷から手を差し入れた。 「ん・・・」 胸の小粒を指の腹で捏ねて転がす。 「ん、ん、やぅ・・・」 炬燵の中でもじもじと膝を擦りわせる一護。着物の上から中心を撫でる剣八。 「はあっん!・・・あ、剣八様・・・?どうして・・・あん!」 するすると何度も中心を撫で続けるうちに頭を擡げ始めた一護自身をキュッと握り込むと着物の裾を割って手を差し入れた。 「あ!ああっ!け、剣八様!だめ、です!ここは、あ!」 「気持ち良くしてやるから良い子にしてろ」 「あっ!」 胡坐を掻いた足に一護を乗せると素早く下帯の中に手を入れ直接触る剣八。 「あ、ああ!や!や!ダメです!」 「つってももう濡れてんじゃねえか」 くちゅ、と先端の窪みを指先で弄るとどんどん溢れては蜜が幹を伝う。 溢れた蜜でしとどに濡れた蕾は易々と剣八の指を飲み込んだ。 「んあ!あ、ああ!」 グッ!グシュ!と中を掻き混ぜながら前を扱く。 「んっ!ンンッ!ぁ!もう、ダメ!あ!あーッ!」 とぷっ!と剣八の手の中に吐精した一護。 「ん、ん、あ、はぁ・・・ん」 くたぁ、と力の抜けた身体で凭れて来た一護の腰を持ち上げ、ひくひくとヒク付く蕾に怒張した自身を宛がう。 「あ、や、だめ・・・、ここじゃ、だめ・・・!」 着ていた着物はもう帯だけで留まっているだけの状態で、そんな姿で見上げてくる一護に更に煽られた剣八。 浮き出た肩甲骨に甘噛みしつつ、ゆっくりと挿入してきた。 「あ、あああ、だめ、だめぇ・・・!」 甘い声で啼きながら炬燵の天板を掴んで快楽に悶える。 「なにが、駄目なんだ?ん?」 じゅぷ!と奥まで突くと耳元で囁く。 「あ、やあ!剣八様ぁ・・!んああ!あ!あ!」 もう理性も蕩けてしまった一護が口付けをせがんできた。 「ん、ん、ちゅ、あ、ん!」 剣八の顔を引き寄せ口付けを止める気配を見せない一護の向きを向かい合わせにし、抱き寄せた。 「あ、ん、んん、ん!ん!」 すりすりと自分の腹に一護が自身を擦り付けてくる。 「ん、あ、剣八様ぁ・・・もっと、もっと奥に・・・」 「クッ!この!」 「あ!ああっ!ン――っ!」 ずぶずぶと最奥まで納めるとグチリグチリとのの字を書く様に前立腺を責め立てた。 「あ、ああ!ああ!んやあぁあ!」 背を撓らせ喘ぐ一護。 「や、や、ああ、ん、ん」 すぐさま抱きついて密着するが、前立腺を抉られる度に背は反ってしまい、いやいやと顔を横に振る。 「んだよ、どうした?」 「あ、あ、やです、離れたく、ないのに、んああ!そ、反ってしまい、ます」 「く・・・!この!」 そのセリフに剣八は一護の身体をぎゅう!と抱きしめ下から突き上げた。 「んああーー・・・ッ!」 夕方。 「たっだいまー!いっちー!ご飯なに〜!」 「お、お帰りなさいませ。きょ、今日は外に食べに行こうと剣八様が」 「そうなの〜?」 「ああ」 「そっかぁ!どこかな?・・・あれー?炬燵のお蒲団が変わってるー?」 ひくり!と一護の肩が揺れた。 「あ、あー・・・、ちぃとな茶ぁ零したから洗濯したんだよ」 「そ!そうなんです!」 「ふーん。ま!いいや!早く食べに行こう!」 「おう」 「はい」 二人の薬指に光る指輪に気付いたやちるが、 「あー、指輪〜!あたしもあたしも〜!」 と一護から贈られたベビーリングを首から下げて3人仲良く外食を楽しんだ。 余談。 この日から暫く炬燵を見る度に赤くなる一護が居た。 そんな一護を見ながら夜の夫婦の営みは激しくなったとか・・・。 終 11/12/31作 新婚夫婦の巻でした。いつもとあんま変わんないね! お次は炬燵かがりでお楽しみでしょうかね(笑) 今回の被害者は一角と弓親でした。ご愁傷さま! 12/01/09加筆 エロを大幅に加筆しました。炬燵布団のうわ掛けはこの後予備を数枚買ったと思われます。 |
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