題「嫉妬」一護side
 剣八に現世での滞在任務が言い渡された。
期間は一ヶ月。特別な任務で他隊の女性隊士を伴っての任務だった。

この話を聞いた時、誰もが違和感を持った。
『何故女性同伴なのか?何故一護ではないのか?』と。

治療云々と云うのならば一護が適任であるし、暴走も抑えられそうである。
身の回りの事にしても全て出来る。
そして、彼女は四番隊でもなく、三番隊の席官であると言うだけである。

極一部の者だけが知っていた。
最初は同伴に一護が挙げられていた事。それに異を唱えたのは一番隊の男と三番隊の女であった。
『恋人と一緒など、公私混同ではないか』
『それに正式な死神ではないと聞いた』
『そんな人物を連れて行って何かあっては問題になる』
などと言いがかりも甚だしいが、確かに一護は正式な死神ではないので三番隊の女が同伴となったのだ。

そんな事は知らない一護と剣八。
「一ヶ月も剣八様と離れるのは初めてです。不安ですけれど頑張ります」
と不安げに揺れる目をしながらも、健気にもこう言った一護を剣八は任務のその日まで離さなかった。

「ふっ!あ!ああ!剣、八様!もう!」
「くっ!」
ドクリと奥に熱いものを放たれる。それと同時に一護も達した。
「あ、ああ・・・」
はぁ、はぁ、と息を整えている一護に、
「まだだ・・・!」
連日連夜、一護を抱き続けている剣八。
精も魂も尽き果ててしまいそうな一護とは対照的に、自らの精を限界まで一護の胎内(なか)に注ぎ込んでいく剣八。
「もう・・・、もう、むりです・・・。入らな・・・ひんッ!」
剣八が腰を揺らす度に先に放った精が溢れ出て、一護の内腿を伝い落ちる。
後ろから貫かれている一護の体から一度抜き、反転させると覆い被さってもう一度その中に自身を納めた。
「あ、ああ、ん」
全てを納めると、そのまま体を起こし対面座位で繋がった。
「んああっ!あ、あ、お、奥にぃ・・・!」
「一護・・・!」
いつもならもう解放してくれるのに、いつになく貪欲な剣八の顔を薄眼を開けて見た一護。
そこには息を荒くし、余裕を欠いた表情の剣八が居た。
常に無い剣八のその表情に、一護は無意識に腕を伸ばして剣八の首に抱きついた。
「剣八様・・・けんぱちさま、剣八、あっ!」
いきなり突きあげられ言葉が切れる。
「ひん!あ!あ!剣八さ!ああ!剣!八!ん!んん!」
わざとだろうか?と考えようとしても次から次へと快感を叩きこまれ何も考えられない。
「は!あぁ、ん!ん!ん!」
知らぬ間に勃ち上がっている自身を剣八の腹に擦り付け、さらなる快感を得ようとしている一護。

いつの間にこんなにも淫らになったのか。だがそう仕込んだのは紛れもない自分なのだと言う満足感。

「一護・・・!」
ぐちゅぐちゅと響く卑猥な水音に煽られ、一護を追い上げていく剣八。
「あっ!ああっ!あうッ!あうッ!やっ!もう、もう!」
「イけ・・・!俺もイく・・・!」
「ひあ・・・!んあぁあ!あーー・・・っ・・・!」
一護の白い首が限界まで反った。まるで自身に捧げられるかのようなそれに噛みつく剣八。
「あううっ!」
「くぅッ!」
その刺激でさらに締め付けられ、一護の最奥に精を注ぎ込む剣八。
「あ、あ、あ・・・熱い・・・!」
血の滲んだ噛み跡に舌を這わせ、血を舐め取る剣八。
「暫くは消えねえな・・・」
「あ・・・、剣八様が帰られる頃までですか・・・?」
「さあな・・・。その前には消えてんじゃねえか」
ちゅ、と吸い付き、一護の髪を掻き上げ汗で髪の張りついた額に口付けた。

気付けば外はもう白んでいた。
剣八は一護を抱きかかえ、風呂へと連れて行く。
風呂から上がり、新しい蒲団で一緒に寝る。
「本日、行かれるのですね・・・」
「んな顔すんじゃねえよ・・・。すぐに終わらせて帰ってくらぁ」
安心させるように、大きな手で一護の背中を撫でてやる。
「はい、お帰りをお待ちしています。帰ってきたら美味しいご飯をご用意いたします」
(飯よりお前が良いんだけどよ・・・)
「ああそうだな・・・」
二人に睡魔が忍び寄り、束の間の眠りに落ちた。

翌朝。
出廷ギリギリまで二人きりでいた剣八と一護。隊士達も心得た物で誰も邪魔しに来ない。
二人で朝食を取り、剣八の着替えを一護が手伝った。
「結構目立つな・・・」
「はい?」
鏡に映った一護を見ながら呟いた。
「首だ。見てみろ」
「あ!」
昨日剣八に噛まれた所が赤く腫れ上がっていた。
「どうしましょう?包帯を巻くと言うのも大袈裟ですし・・・」
と悩んでいると、
「これでも巻いとけ」
と手拭いを投げられた。
「風邪でも引いたつっときゃ大丈夫だろ」
「そうですね」
声も掠れているので大丈夫だろう。その白い手拭いを首に巻き、用意が整った剣八と一緒に出掛けた一護。

隊舎の庭先では既に相手の女性隊士が来ていた。
「更木隊長、これから一ヶ月よろしくお願いします」
「おー」
何か媚を含んだ声音と視線は鼻につくが、どうでもいいと剣八は一護に、
「じゃあ行ってくんぞ」
言った。
「行ってらっしゃいませ。お早いお帰りとご武運を」
と頭を下げる一護に、
「おう!」
と返し、現世へと赴いた。
「剣ちゃん行っちゃったねー」
「そうですね・・・」
剣八が消えた空間を見ながら返す一護。
「ま、すぐ帰ってくるよ。大丈夫さ」
「そうそう、帰って来たら宴会でもするか?」
と弓親や一角も楽観している。

そして一護は普段と同じ暮らしを始めた。
始めの一週間は変わりなかった。
「後三週間・・・」
キュッ、とカレンダーに印を入れていく。
このページが終わったら、剣八が帰ってくる。
どんな料理を作ろうか?
怪我などしていないだろうか?
現世ではちゃんとご飯を食べているだろうか?
と心配は尽きない。

そして二週間め。
一番隊まで書類を運んでいた一護は不意に呼びとめられた。
「はい?」
「十一番隊の一護さん、ですよね?」
「そうですが、貴方はどちら様ですか?」
知らない男に呼び止められると封筒の様な物を渡された。
「これを呼んで返事をください」
「なんですか?これ」
「手紙です」
「はあ。・・・?」
何故俺に?
カサカサとその場で開けようとした一護。
「ま、待って下さい!ここでは、自分の部屋とか・・・!」
「はあ?では後で読みます。用はこれだけですか?では失礼します」
その日の仕事を終え、部屋に帰り、シャワーを浴び、一息ついた頃に手紙の事を思い出した。
「あ、そうだ。手紙読まなきゃ」
やけに分厚いそれを呼んで行くうちに顔が曇っていく一護。
そこには一護への想いが書き綴られていた。その数およそ20枚。
「な、なんだろう、この人・・・!」
何だか怖い。でも俺にはもう剣八様が居るのだからこの人には応えられない。明日きちんとお断りしよう。
そうしてそのまま眠った一護。

翌日。
昼休みに一番隊へ行くと昨日の隊士を探していると向こうからやって来た。
「ああ、来てくれたんですね!」
「はい、お返事は早い方がよろしいかと思いまして」
「そうですか。で、貴方のお答えは?」
何故か断られるとは思っていないようだ。
「お気持ちは嬉しいのですが、俺には心に決めたお方が居ますので貴方の気持ちにはお応えできません。申し訳ありません」
「それは更木隊長の事ですか?」
「貴方に言う必要は無いと思いますが?」
「だって、ふふ!その人は貴方を?」
「好いて下さっています」
にやにやと嫌な笑みで話し掛ける。
「本当かなぁ?でも今他の女の人と任務に出てるんでしょう?大丈夫なの?」
「・・・何がですか?」
「男と女がひと月も同じ空間に居るんだから、何か間違いが起きても不思議じゃないって事ですよ」
「な・・!」
「それに貴方、男でしょう?」
「そうですよ」
「男同士って、ねぇ。僕は元から男が好きだけど、更木隊長はそんなの聞いた事が無いんですよねぇ」
「だから・・・?」
「やっぱり女が良いって目が覚めるんじゃないんですか?ひと月も離れると・・・ね」
「そんな事・・・!」
そこで昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った。
「おっと。時間ですね。ま、僕の事考えておいて下さいよ。待ってますから」
そう言うと隊舎の中へ入っていった。
取り残された一護は言い様のない不安に襲われていた。
どうやって帰ったのか覚えていないが自分の部屋に居た。

剣八様・・・!そんな事ない、剣八様は俺を好きだと言ってくれた!愛していると、言って下さった!

「早く帰ってきて・・・、ひと月は長いです、剣八様・・・」
その日から不眠に陥ってしまった一護。

三週間め。
見た目にも不眠と分かるほどに今の一護の顔色は悪かった。
「どうしたんだい?悩み事でもあるの?」
「綾瀬川様・・・いいえ・・・」
「う・そ!一護君は嘘が下手だね。そこが可愛いんだけどね。で、何があったの?」
「綾瀬川様・・・!いいえ、やはり自分で考えます」
仕事を終え、部屋へ帰る一護。
「ふう・・・!ああ、剣八様。お元気だろうか?お声が聞きたい・・・!」

剣八様、剣八様・・・!

剣八を思いながら自分の首に残る噛み跡や所有印の跡を指でなぞるうち、下肢が重い熱を孕んできた。
「あ・・・、や、ん・・・」
剣八が辿った跡をなぞっていく。
(剣八様の舌・・・、剣八様の指・・・)
いつしか一護はゆるゆると頭を擡げている中心に恐る恐る指を絡めた。
「ッぁ・・・っ!」
ビリビリと電気が走った様な快感が走り抜けた。
最初は遠慮がちに、次第に剣八の指の動きを思い出し、のめり込んでいく。
「ん、ん!は、あ!ど、しよ!止まんない!」
くちゅくちゅと先走りで淫らな音が響いている。
「も、う、だめ・・・!」
不意に耳元で剣八の声が聞こえた気がした。

イけよ・・・。

「ふあ・・・!」
びくびく!と揺れる腰。

我慢すんな、ほれ、イけ・・・。

先端に爪を引っ掛けると、ぴゅくん!と吐精した一護。
「あ・・・、はぁ、はぁ、あ、イっちゃった・・・」
気持ち良いのか、悪いのか良く分からない気持ちになった。熱が醒めてくるとより顕著になった。
急いで風呂に入り体を洗い流した。

そして明日には剣八が帰ってくると言う日。
何を食べるだろう?肉が良いだろうか?疲れているのなら野菜も要る。
剣八が無事に帰るのを心待ちにしている一護。

翌朝。
隊舎ではやはり皆が浮き足立っていた。
「いっちー、やっと剣ちゃん帰ってくるねぇ!」
「そうですね。お怪我などされて無ければ良いのですが・・・」
「あはは!ホントだね〜!」
昼が過ぎ、隊士達がざわつき出した。
「隊長のお帰りだ!」
その声に全員が外に出た。

「おう、帰ったぞ」
「お帰りなさいませ!更木隊長!」
「おう」
元気そうなその姿を見た一護は安心した。その次の瞬間、剣八の後ろから女性隊士が出て来た。
腕を組みそうな距離。
まるで夫婦のような・・・。
更木様・・・?

「あ〜、疲れたぜ。ったく」
のしのしと隊首室へと向かう剣八の後を追う隊士達。
皆より遅れて隊首室に入ると三番隊の女席官はまだいた。
見ていたく無くて給湯室へ行くとお茶を入れる一護。
「お茶をお持ちしました・・・」
「おう」
「あら、有難う」
ずず・・・、とお茶を飲む剣八と女。
一護は自分の席に戻り、書類整理に没頭する。

「・・い、おい、一護。おい!」
「はい!」
「目ぇ開けたまんま寝てんのか?」
「いえ、失礼しました。何か御用ですか?」
「おう、この書類やっといてくれ」
「書類?」
「この任務の報告書だ。お前の方が・・・」
「嫌です」
「あ?」
更木様と他の女性が暮らした任務の書類なんか書きたくない・・・!
「更木様とその席官様とご一緒にお書きになった方がよろしいのではありませんか?」
「ああ?」
「俺は書類を運んできます」
ガタン、と席を立つとそのまま一番隊へと書類を運んで行った。
「なんだ、あいつ?」
何が気に入らねえんだ・・・?
「隊長・・・、デリカシーが無さ過ぎです。一護君の気持ちも考えてあげて下さいよ・・・」
「そうだよ剣ちゃん!いっちーが可哀そうだよ!ずっと剣ちゃんの事待ってたのに、知らない女の人連れ帰って、その仕事の書類書いとけって!」
「女ぁ?ん?誰だ、お前」
「な・・・!今まで任務でご一緒でしたでしょう?」
「あー、そうなのかよ。もう終わってんだろ、自分の隊に帰れよ。邪魔だ」
ひらひらと犬を追い払うように手を振る剣八に激昂した女は出ていった。

一番隊。
「書類をお持ちしました」
「はい。御苦労さまです」
書類を渡し帰ろうとする一護をあの隊士がまた捕まえた。
「こんにちは」
「・・・こんにちは」
そのまま帰ろうとする一護の後を付いて歩き、
「やっぱり、何かあったんですね?」
「なにがです?」
「ふふ!女と出来てたんでしょ?あの隊長、なんでも良いんだなぁ〜」
ぴくん!と反応する一護。
「ねえ?いい加減僕に乗り換えません?」
「は?」
「だって、一緒に居てももう終わりでしょ?」
何を言っているのか理解できない・・・。
「更木様が女の人を好きになり、俺に興味を示さずとも、俺は貴方を好きにはなりませんよ」
「・・・どうして?」
「だって、俺が好きなのはたった一人だけのあの方だけなのです。あの方が誰を好きなろうと関係ありません。俺があの方を愛しているのだから」
きっぱりと言うと、
「そう言う訳ですので、さようなら」
とそのまま毅然と隊舎に戻っていった。

でも、本当にあの方が俺を必要にしないのであれば・・・、俺はただの土塊(つちくれ)に戻ろう・・・。

そう思いながら隊舎に着くと剣八は居なかった。
「お帰り、一護君。隊長なら一番隊だよ」
「そうですか。入れ違いになったようですね」
「みたいだね。ね、一護君何に悩んでたのさ」
僕には言えない?と言われ、もう終わった事だと割り切り、
「実は、他隊の方から恋文を頂きまして・・・」
「へえ!で?」
「俺には更木様がいらっしゃいますのでお断りしましたがしつこくて・・・」
「災難だね。で、終わったのかい?」
「はい。先程も言われましたが俺の気持ちは変わりませんから」
「だよね」
「あの・・・女の人は?」
「帰ったんじゃない?見ないけどね」
「そう、ですか」
仕事も終わり、部屋に帰る途中で一護は剣八を見つけた。
「剣八さ・・・ま」
その横には件の席官が居た。
「おう、今帰りか?」
「あ、はい・・・」
不躾に自分を見てくる女に戸惑いながら、一緒に歩く。
「どうした、機嫌ワリィのか?」
「いいえ?」
こっちを見もしないであからさまに機嫌の悪い一護。
「おい、こっち見ろ、一護」
有無を言わせない声で言われて剣八を見る。
(う・・・っ!こいつ!)
拗ねたように眉根を寄せ、口を尖らせ、上目遣いで見上げる一護に欲情する剣八。だが隣の女が邪魔だ。
「では俺はこれで・・・」
「おい、飯は・・・?」
「更木様、私が案内しますわ」
「あ?別に・・・」
「失礼します・・・」
とその場を離れる一護。
(嫌だ・・・!一緒に居たくない!どうして、こんなに苦しくなるんだろう?)
たった一人、知らない女が居るだけで・・・。

「夕飯は・・・要らないや」
早々にシャワーを浴びた一護。
「ふう・・・」
腰にタオルを巻いただけの姿で髪を拭いながらベッドに座る。
「はあ・・・!今頃何処に行ってるのかな・・・」
(あの女の人と一緒なのかな・・・?)
もう跡も分からなくなった、噛み跡に触る一護。
「跡、皆消えちゃった・・・」
ぽふっ!と後ろに倒れるといつかのように自身を慰め始めた。
「あ・・・、ん、ん、ッ」
もう帰ってきてるのに・・・。近くに居るのに・・・!更木様はもう俺を必要とは・・・。
「お楽しみか?一護・・・」
「ひ・・・?あ、更木様?ど、して、ここに?あ!」
きゅ、と握り込まれ、身を竦める一護。
「は!御挨拶だなぁ、おい。それと、名前」
クチッ!と先端を捏ねる。
「あう!あ、あ、や!」
「毎晩一人でやってたのか?ん?」
「あ!あ!や!あ!」
「言えよ」
「し、してな、ああっ!」
「ふうん・・・ま、すぐに分かる事だがよ」
そう言うや手筒を激しく上下に動かした。
「やあぁ!ああ!あ!あ!んああ!」
どくん!と吐き出されたそれは濃く、どろりとしていた。
「は、はあ、はあ・・・」
「嘘じゃねえみてえだな」
べろりとその白濁を舐め取る剣八。
「どう、して、ここへ・・・?」
「あ?ひと月もおあずけにされたんだぜ?変な女に付き纏われて、やっと来たらテメェは一人でお楽しみだしよ」
「ひあ!」
「いい加減触らせろ・・・、限界だ」
「ふ・・・っ!剣八様、剣八様ぁ・・・!」
剣八に抱き付いて泣き出した一護。
「剣八様、もう、一人にしないで、ください・・・、怖かった、です」
「あの男か・・・?」
「な、ぜ、それを・・・」
「さっき一番隊で絡まれたんでな。人のモンに手ぇ出すなら覚悟でもあんのかと思やぁ尻尾巻いて逃げやがった」
「あ・・・、剣八様、愛してます・・・!」
「俺も愛してるぜ。お前だけな・・・」
深く口付ける。深く、深く。
「や・・・、女の人の匂いがします・・・」
脱いで・・・、と剣八の死覇装の腰紐に指を掛ける一護。
「ああ・・・」
全て脱ぎ、遮る物が何もない状態で抱き合う二人。

「ふぅん!あ!剣八様ぁ・・・」
「は、ちぃと狭くなったか?」
「あん!い、意地悪です・・・」
「くく!お前が俺以外に抱かれてないって証拠じゃねえかよ」
一護の中に全てを納め、動かない剣八。
髪を撫で、額や、こめかみにキスを繰り返し、体を大きな手で撫でさすってやる。
「ん、ふ、あ、気持ち、いい・・・」
自分の中でどくん、どくん、と脈打つ剣八自身を締め付けてしまう一護。
「あ、ああ!」
ギチギチと一分の隙もなく締め付け、括れや浮き出た血管の形まで手に取る様に分かってしまう。
「う、動い、て、剣八様、あ!変です、いや、いや、なに?なに?やぁあ、ああぁああぁああーーッ!」
びく!びく!という剣八の脈動(みゃくどう)だけで達してしまった一護。
それどころかその波は収まる気配を見せなかった。
「やあぁあ!もう!もう!ああ!ああ!やあぁん!んん!んん!も、お願いです・・・!うごいてぇ・・・」
「イきっぱなしか?一護」
「ひう!ああンッ!やっ!やっ!あーーっ!」
ぴゅくぴゅく!と精を吐き出す一護。
「は!気持ち良さそうだなぁ?一護」
きゅっ!と乳首を摘まむと背を撓らせ、また達した。
「やあぁあん!けんぱ、ち!あん!」
「なあ、なんで、俺を避けた?」
「ひあ?」
「お前、俺の事を避けてただろ?あの女と一緒の時は特にだ」
ぬっ!と奥を突く。
「あんッ!な、なんだか・・・!」
「ああ」
「すごく・・・いらいら、して・・・!見て、いたく!なかった、んああ!」
「は、なるほどな。可愛いヤツだなぁ・・・」
「は・・・?ひぁあっ!」
一転して一護の腰を掴むと激しく奥を穿つ剣八。
「あぅ!あう!また!ああ!ああ!んあーーッ!」
そのまま気絶した一護の中に精を注ぎ込んだ剣八。
「ふうっ!」
一護を風呂に入れ、ベッドに寝かせる。

「う、んん・・・」
「起きたか?」
「あ、剣八様。あの・・・」
「うん?」
「お帰りなさい・・・」
「ああ・・・」
「あのう・・・」
「ん・・・」
「どうして、俺は剣八様が女の人と一緒に居るとイライラしたのでしょうか?良く分からなくて、気持ち悪かったです」
「そりゃ嫉妬だ。好きなやつが知らねえ奴と一緒に居たらそうなる」
「人間だから・・・、ですか?」
「ああ」
「良かった・・・」
安心した一護は剣八の腕の中で久し振りに深い眠りに就く事が出来た。

翌朝の朝食は一護のお手製だった。
塩むすびと味噌汁に玉子焼き。
「何もなくて・・・こんなものしか出来ませんが・・・」
「構わねえよ、お前の飯が良いんだよ」
指に付いた飯粒を舐め取りながら一護を抱き寄せた。
「あ・・・」
「昨日のあれで済んだと思っちゃいねえよな?まだまだ足りてねえぜ?」
その後も、ひと月分を取り戻す勢いで剣八に抱かれた一護は仕事を休んだ。







11/10/24作 漸く書けた書けた。当初はもっと昼ドラみたいにドロドロしてました。しかももっと長い・・・!
一護初めての嫉妬でした。後、初めての一人H。若干(若干?)剣八も嫉妬してる様にも思える・・・。
11/10/25加筆。


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