題「嫉妬」剣八side | |
まだまだ残暑の厳しい日が続く中、隊首室で一護とやちるが何かを食べていた。 「あ!剣ちゃーん!」 やちるが剣八に気付き、手を振ると後ろを振り返った一護。 「あ、更木様。お帰りなさいませ」 「ああ、何食ってんだ?」 「アイスキャンデーという物をやちる様に頂きました」 その手にはミルクキャンデーがあった。 「ふうん・・・」 「とても冷たくて美味しいんです!更木様も如何ですか?」 「俺はいい。おい、垂れてんぞ」 一護の手を指差す。 「あ!いけない」 つ・・・と下から上へと舐め上げる一護。 「ん・・・」 それを見た他の隊士達がざわついた。 「あ、指にも・・・」 ぺろりと指を舐め、アイスを口に入れる。 ざわつく隊士に、無防備な一護に少しイラつく剣八。 「・・・さっさと食っちまえ、休憩終わっちまうぞ」 「あ、はい!」 しゃくしゃく!と急いで食べ終わると手を洗いに行った一護。 「あれは無いよな」 「際どすぎるよな」 と話す隊士を睨むと部屋を出ていく剣八。 「一護」 手を洗い終わった一護に声を掛ける。 「あ、更木様。どうかされましたか?ん・・・!」 言い終わるなり抱き寄せられ口付けられた一護。 「ん、ふ・・・ぅん!」 強引に歯列を割り舌を入れる。冷たい一護の舌を絡め取る。 「ひぅ、ん!ん、ん、くふぅん・・・」 いつもより熱く感じる剣八の舌に思考が蕩けていく一護。その舌を味わうと漸く一護を解放し耳元で、 「人前であんな顔すんじゃねえ・・・」 と囁いた。 「は、は、は・・・、あ、んな顔?」 「今度教えてやる」 「はあ・・・」 そう言うと踵を返し去っていく。 仕事を終え、帰宅する一護。 今日は剣八もやちるも出掛けているので一人で食事する予定だ。 「何にしようかな」 夕飯と朝食の分の買い物に行く。 野菜やパンなどを見ていると声を掛けられた。 「おっす!一護!今日は一人か?」 「阿散井様、檜佐木様、吉良様。こんばんは」 「おう」 「今晩は、一護君」 挨拶を交わす。 「何買ってんだ?」 「今日の夕飯と明日の朝食の分を」 「へえ。お前も自炊してんだな。俺も料理は得意なんだぜ」 「そうなのですか。初耳です」 少し立ち話をしていると恋次の腹の虫が鳴いた。 「おっと!ワリィ」 「いいえ?」 「阿散井君今日も稽古張り切ってたのかい?」 「まあな!」 「しっかし、給料日前になると安くて腹いっぱい食えるとこ無いかって探しちまうよな」 「先輩はいつもじゃないっすか」 「だよね」 「てめえらな!」 そんな3人を見てくすくす笑う一護。 「良ければ俺のうちで何か食べて行かれますか?今日は一人なので寂しいと思ってたんです」 と言えば、 「良いのかよ!一護の飯は美味いって草鹿副隊長がやったら自慢してるよな!」 「だな!行く行く!」 「遠慮なしだね・・・」 「吉良様もどうぞいらして下さいな」 と誘う一護。 「では何を作りましょうか?」 「俺ウィンナー食いてえな」 「俺は辛くなきゃ良いぞ!」 「洋食和食は何でもよろしいですか?」 「おう!構ねえよ!そこまで我儘言わねえよ」 「当たり前だよ・・・」 さりげなく突っ込むイヅル。 「ではウィンナーとジャガイモと玉ねぎと・・・」 ポイポイかごに入れていく。 「カゴぐらい持ってやるよ」 ひょい、と恋次が一護が持っていたカゴを持った。 「あ、ありがとうございます」 「気にすんな、美味いモン食わせてもらうんだからよ」 ニカッと笑う恋次。 「鶏肉とかぼちゃと枝豆と・・・」 買い物が済み、荷物を恋次と修兵が持ち一護の部屋へと行く。 「どうぞ、お入りください」 「お邪魔します」 「上がるぜー」 「一護、コレ台所で良いかー?」 「はい、お願いします」 「何か手伝うぜ」 と修兵が台所に来た。 「ありがとうございます。では野菜を切ってくださいますか?」 「コレか、おっしゃ!」 「じゃあ、僕たちはテーブルの用意をするね」 「おーし!」 「何作るんだ?一護」 「えーと、ジャーマンポテトとサッパリ照り焼きとかぼちゃのサラダに味噌汁です」 「そんなに作れんのか?」 「はい、檜佐木様がお手伝いして下さいますし、大丈夫です」 さくさくと料理を作って行く一護。 「手際良いな」 「檜佐木様も」 「美味そうな匂いだな〜!」 「あ、枝豆の塩ゆでがありますので、お先にお食べ下さい」 と枝豆を出す。 「これ見ると酒が飲みたくなるよな」 と一房食べる恋次。 「夏の風物詩だよな」 「どうぞ」 と冷酒が出された。 「え、酒まで!?良いのかよ」 「はい、色々ありますので」 と言われ部屋を改めてみると色々な酒瓶が並んでいた。 「何だお前結構飲兵衛だな」 「いえ、俺一人では飲みませんよ。更木様とご一緒の時に」 「ああ、なるほど・・・」 「惚気か・・・」 「て言うか飲んで良いの?」 「どうぞ?俺が出したんですし」 と言って台所に戻って出来た料理を並べていく。 「おおー!美味そうだな!」 「沢山食べて下さいね」 食事が進み、酒も進んでいく3人。 愚痴を言ったり、笑い話をしているうちに酔いが回って行った。 「でね、聞いてる?一護君」 「はい、聞いておりますよ。吉良様は大変ですねぇ」 「分かってくれるんだね!いい子だなぁ一護君は!」 「おい、吉良飲み過ぎだぞぉ〜」 「君に言われたくないよ!何本空けたんだい!」 ごろごろと一升瓶が転がっている。 「明日のお仕事は大丈夫ですか?」 「へーきへーき!これっくらい!」 修兵も酔っている。 そのうち皆いびきを掻いて寝てしまった。 「お疲れなのですねぇ・・・」 と呟いて片付けを始める一護。 「結構残ってしまいましたね。明日のお弁当に出来るかな?」 と残り物にラップをして冷蔵庫に入れる。 テーブルの上の食器を片づけているとドアをノックされた。 「はい」 とドアを開けると剣八が居た。 「剣八様!お帰りだったんですか?」 嬉しそうに笑う一護。 「今帰ったとこだ。・・・誰か居るのか?」 と少し低い声で訊いた。 「あ、はい。阿散井様と檜佐木様と吉良様が・・・」 「なんで居る?」 「俺がお食事にお誘いしたからです。今日は一人だったので」 「ふうん・・・、入るぞ」 「あ、失礼しました。どうぞ」 中に入ると酒の匂いが充満していた。 「酒飲ましたのか」 「はい、少しと思ったんですけれど、思いのほか進んでしまったようで」 「お前は飲んだのか」 「いいえ、飲む時は剣八様とご一緒にと決めていますから」 そうは聞いてもこの状態を見過ごす事は出来ない剣八。 「何かお食べになりますか?すぐに作ります」 「要らねえ・・・。こっち来い、一護」 「?はい」 3人からは一応死角になる所に一護を呼ぶといきなり掻き抱いた。 「あ!剣八様?」 もぞもぞと腕の中で動く一護の顎を掴むと噛み付く様な口付けをした。 「ん!んっふ!ん、ん!」 解放された一護は荒い息を整えようとしたが剣八はそれを許さずいきなり一護の前を掴んだ。 「ひ!な、何をなさいます・・・!」 「デケェ声出すと奴らが起きるぞ・・・」 「あ・・・!」 慌てて口を押さえる一護の着物の袷を乱暴に開く剣八。 「!!」 薄い胸板の真ん中にある傷跡に舌を這わすとびくりと跳ねる身体。 「く!ふぅ!」 空いている片方の手で薄く色づいている小粒を摘まみあげる。 「ッくぅ!」 知らぬ間に帯を抜き取られ、あられもない姿にされている。 「や!お止めください!剣八様・・・!」 一護の訴えに耳を貸さず、既に兆している中心を口に含んだ。 「やッ!ゃ、ゃ、ぁ、ぅん!」 出来るだけ声を押さえているが慣れていない一護には難しい事だった。 「や、いや、おやめくださ!剣八様・・・!恥ずかし、です・・・!」 嫌でも意識は他の3人に向いてしまう。 「はっ!恥ずかしいね・・・。人間並な事を・・・」 「ッ!!!」 その言葉を聞いて一護は何も言わなくなった。 大人しくなった一護に一層口淫を施す剣八。 声を殺す事で身体が大きく揺れる一護。 「ッ!ッ!」 時折聞こえる湿った音に羞恥を掻きたてられる。 「ぅ、ん・・・!」 上から聞こえる堪え切れない声に気を良くする剣八。 ふと、その鼻先に鉄錆の様な匂いを感じた。目線を上に上げるとそこには指を噛んで耐える一護が居た。 その指から流れ出た血が腕を伝いぽたぽたと一護の腹に滴っていた。 「お前・・・!!」 驚いた剣八がその指を口から離した。 「あ・・・」 一護の白い腹筋に付いた赤い筋に舌を這わせていく剣八。 「ん・・・ふ・・・!」 ぷる!ぷる!と震える一護。 「剣、八、様?」 「なんでそこまで・・・我慢すんだよ・・・」 自分の前で跪く形のまま呟く剣八に一護は、 「剣八様。俺は貴方の物です。この身体もこの心も全てが貴方のもの・・・。俺は貴方が居なければ何の価値も無いのです。ですから、したい事があれば何でもおやりください。俺は全てを受け止めるくらいしか出来ません・・・」 剣八の頬に手を添えて言った。 「一護・・・」 「はい、剣八様」 剣八は一護の腹に顔を埋め、腰を抱き寄せた。一護はそんな剣八の頭を掻き抱いた。 (((どうしよう・・・!!出れねえぇええ!))) 剣八がこの部屋に来た時点で目が覚めていた3人。起きようとしたらこんな事になってしまった。 (やべえ!やべえ!更木隊長ぜってえ気付いてる!) (でも今動いたら速攻で殺されるよ!) (何も考えんな!死んだ振りだ!ここを乗り切るにはそれしかない!!) そんな3人の葛藤をよそに剣八は一護の着物を正した。 「剣八様・・・?」 「これから俺の部屋に行くぞ」 「え、でも・・・」 「なんだよ・・・」 ちらっと3人の方を見る一護。 「ほっとけ。勝手に起きて帰るだろ」 と言うなり一護を抱き上げ部屋を出ていった。 「助かった・・・!」 「今のうちに帰ろうか・・・」 「だな・・・」 明日、剣八に何されるか分かったもんじゃないが。 そそくさと出て行った3人だった。 その頃の二人。 「一護、俺の居ない間に部屋に男を入れんじゃねえぞ」 「女性は良いのですか?」 「譲歩してやる」 「分かりました」 「後よ・・・」 「はい」 「さっきは悪かった」 「?」 「人間並とか言っちまった。お前は人なのによ」 「構いません。剣八様ですから・・・」 「一護・・・!」 その夜は殊の外優しく一護を啼かせた剣八。 次の日、一護は有給を貰っていた。 3人は一先ず助かった模様。 終 11/08/17作 剣八の嫉妬でした。恋次、修兵、イヅルは災難でしたねぇ(笑) しかし卯ノ花さんにバレたら勃たなくなる薬を盛られるぞ!剣八! ちょっと修正しました。 |
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