題「父、不在の日」 | |
父が出張に行って帰ってこない。もう一週間になる。 出張に行ってすぐの頃は、母さまもいつも通りだった。 だが、帰ると予定されていた日を過ぎても帰って来なくなると行動が上の空になることが多くなった。 掃除洗濯はマシだったが、何故か料理が出来なくなってしまわれた。 塩と砂糖を間違えたり、火加減が分からなくなって肉や魚を炭にしてしまった。驚く事にそれらを普通に食べようとしたのだ。 そこでやっと気付いた。おかしいと・・・。とにかく、危ないので料理はやめてもらった。暫くは出前が続くか自分たちで作るしかないだろう。 お袋がおかしい。親父の奴が帰って来なくなってからひどくなった。やちるも一緒に行ってるから、どうしようもねえ。 最近は夜も寝てねえみたいだしよ・・・。しょうがねえから松本って女に電話して聞いてみた。 「ああ・・・、一護ね。大丈夫よ、更木隊長が帰ったらすぐ元に戻るから!心配しなさんなって言うのも無理だけど。なるべく一緒に居てやってちょうだい。さみしがってるだろうから」 と言われた。 それを、一応ウルキオラのやつにも言っておいた。ただ一言、 「そうか」 と言っただけだった。こいつはこいつで心配してるらしい。まあ、あんな消し炭みてえなもん食おうとしてるお袋見ちまうとなぁ。 その日は縁側でグリに抱きついて昼寝をしている一護が居た。グリは柱に背を預け座っている。 「ん、くふん・・・」 もぞもぞと寝がえりを打った。 「う・・・」 俺はお袋の寝顔を見ながらこう思った。 蛇の生殺しってこういうんだな・・・。いつものシャンプーの匂いがふわりと香る。無防備な寝顔。投げ出される身体の重み。 ある意味幸せだけど、ある意味地獄だな、こりゃ。 その時、ふっと影が落ちた。見上げると無駄に背の高い男が立っていた。 「・・・何やってんだ?お前ら?」 ノイトラだ。 「うっせえな、お袋が起きちまうだろ」 「ってなんでこいつがお前にしがみ付いてんだ?おっさんは?」 「居ねえよ、出張に出たきり帰って来ねえ」 「ふーん」 ノイトラは腰をおろし、しげしげとお袋の顔を見ていた。するとさっきからの会話で起きたのか、お袋がうっすらと目を開けた。 「お。起きた・・ぞ?」 ふい、っと手を伸ばしノイトラの髪を掴む一護。微かに笑うと、 「けんぱち?」 と呟いた。 「ちがう・・・」 髪から手を離すとまたもぞもぞとグリの腹に顔を押し付け、反対側に顔を背けた。 「そんな訳だ、帰れ」 「どんな訳だよ。・・・調子悪いのか?」 「ああ、ここ一週間まともに寝てねえし、食ってねぇ」 「へえ・・・」 そこへ、皿を手にエプロン姿のウルがやって来た。ノイトラを見つけると眉を寄せたが、 「お母さん、お昼ごはんが出来ました。どうされますか?」 「ん・・・、たべる・・・、ご飯なに?」 少し、ほっとした顔をしたウル。 「あの、チャーハンです、卵しか入ってませんが・・・」 「卵チャーハン?俺、好き」 皿から少しつまんで食べる一護。 「ん・・美味しい、剣八の作るチャーハンと同じ味・・・」 「一度作ってもらいましたから・・、見よう見まねですが・・。ここで食べますか?キッチンで?」 「ん〜、ここでたべよ?ね?グリ」 「あ、おう」 ということで縁側でお昼になった。 「おいしい・・・」 珍しく食が進んでいる一護に安心する二人。 「ありがとうございます・・」 「グリ、おべんと付いてる・・・」 ついっと口の端に付いた米粒を取り、食べた一護。 「あ、さんきゅ・・・」 「うん・・・」 お昼が済むと、3人で歯を磨き、また縁側に出た。 「おいしかった・・、ありがとウル」 なでなでと頭を撫でる一護。 「あ、いえ、そんな・・・」 髪の色が剣八と同じだからだろうか、ずっと撫でていると横で拗ねているグリに気付いた一護。 「グリ・・、こっちの手空いてるよ?」 とグリの頭を撫で始めた。 「う・・・」 向かいで気を遣わせるなとウルが睨んでいたが、一護の手が気持ち良くてどうでも良かった。 そのうち一護がグリの肩にもたれかかって寝てしまった。 「晩飯どうすんだ?」 「貴様は何か作れたか?精々パンをトーストにするくらいだろう。出前で良い」 「むかつくな・・・」 そんな話をしていると、お袋がピクッと起き上がり、門の方を見据えている。 「母さま?」 「お袋?」 次第にどやどやとした声が聞こえて来て門が開いた。 そこには、紛れもない剣八が立っていた。 「剣八・・・」 「おう、帰ったぞ」 腕を伸ばし、待つ一護。しょうがねえなと言う顔で傍に行ってやる。 剣八は頭から足まで血まみれだった。隊長羽織も紅く染まっていた。 一護は自分の服が汚れるのも気にせず抱きつき、口付けを強請った。 「ん、んふ、ん、ん」 ちゅ、と離れると濃い血の匂いと久々の剣八の匂いに酔った一護が潤んだ瞳で、 「は、ぁ、剣八、やろう?ね?」 と言った。 「うん?何をだ」 「いじわる、分かってるくせに・・・。久しぶりなんだから・・・」 「一角、木刀寄越せ」 「はい」 と二本の木刀を渡す一角。 「ほれ、さっさとやるぞ、一護」 「うん」 裸足で庭に下りると、木刀を持って剣八に向かいあった。 そんな二人を見た弓親が家の中に上がり風呂の用意をして子供らに言った。 「ねえ君たち、今日はうちに泊まりなよ、副隊長も待ってるよ」 「あ!そういやぁやちるは?怪我でもしてんじゃ!」 「してねえよ、あの二人に気ぃ使ってんだよ。久々だからな」 「ふうん・・・」 「そういやぁ、お前ら一護の仕合見たことねえだろ?いい機会だから観とけよ」 「僕らも久しぶりだよね」 「ああ、驚くなよ、お前ら」 そんな話をしてるうちに二人の木刀がぶつかった。 ガギッ!と受け止めると、 「まだまだ衰えてねえみたいだな!一護!」 「当たり前だ!!」 「嬉しいぜ!さあ、もっと来いよ!」 二人の剣は地面を抉り、塀を削っていった。剣八が飽きたころ一護の木刀を弾き飛ばして終わりにした。 「はあっ!はあっ!」 「すっきりしたか?」 「ん・・・」 「そうかよ、風呂に入るぞ」 と優しく一護を抱きあげる剣八。大人しく剣八の首に腕を回す一護。二人で風呂場に向かった。 風呂場にはすでに着替えが用意されていた。 「弓親?」 「だろうな」 と一護の服を脱がせながら答えた。 「さ、て、と!向こうに行こ!明日、明後日まで二人きりにしてあげてよ」 「そーそー、お前らの可愛い妹も待ってんぜ?」 そのうち妖しい艶を含んだ声が聞こえて来た。 「それにここに居ても気まずくなるだけだよ?一護君恥ずかしがり屋だから」 「わあったよ!着替え用意してくる」 「いいよ、あっちにあるから。そのままで、早く行こう」 と二人の息子を強引に連れ出し、そこに居たノイトラとテスラに、 「明日、明後日まで邪魔しない方がいいよ。殺されるからね」 と睨みを利かし追い出した。 「・・・血だらけ・・・」 「ああ、怪我はしてねえよ」 「うん、良かった・・・」 浴室で髪を洗い、身体を洗っている剣八の背中を撫でながら頷いた一護。 「・・くすぐってぇ」 「俺はこわかった」 「悪かったよ、遅くなってよ・・・、これでもすぐに帰って来たんだぜ。お前に会いたくてよ」 一護の身体を抱き寄せ、膝の上に乗せると顔中にキスの雨を降らせた。 「ん、ん、あ、ん、剣八、もっと・・・」 「湯に浸かろうぜ、風邪ひいちまう」 「あ、うん」 身体の泡を落とし、二人で湯に入る。 「ね、つづき・・・」 「ほら・・・」 にゅる、と舌が入って来た。 「あ!あんん!ん!ん!」 びく!びく!と震える一護。一通り口腔内を堪能すると、充血して敏感になった唇を舐めていった。 「ひう!うう!うう!剣八!剣八!」 くくく、と低く笑う声が聞こえたと思ったら、今度は啄ばむような口付けが繰り返された。 「ひゃん!あ!あ!」 そのうち胸に手を這わせ、すっかり立ち上がった小粒を摘まんだ。 「ひっ!ん!や!だめぇ!や!あ!あ!あん!」 片方の乳首に舌を這わせた途端、一護の背がしなった。 「ひっん!あ!あ!熱い!んん!ああ!やあぁん!」 熱くぬるつく舌が一護の乳首を転がし、吸いついた。 ちゅっちゅっ、ちゅくちゅくと音を立て吸いついている剣八の頭を抱え、びくびくと跳ねる身体。不意に歯を立てられた。 「ああっん!ダメェ、歯、立てちゃだめ・・・」 「感じてんのにか?」 カリッ、カリッと甘噛みを繰り返すと、堪らないと言いたげに揺れる一護の腰。 「剣!剣八、早く・・・」 「早く?なんだ?一護」 「んん!わ、分かってるクセに!いじわる、しないでよ・・・!」 ちゅ、ちゅ、と自分から剣八の唇にキスをして先を強請る一護が、 「ね・・・、俺もうこんなだよ?早、早く・・・、いれ、て?」 剣八の手を自分の中心に宛がった。そこはすでに熱く硬く勃ちあがっていた。 きゅっと軽く握られると、跳ねあがった。 「ああっん!」 「ここは?どうだ?」 その後ろのヒクヒクとヒクついている蕾に指を這わすと、キュッと過敏な反応を返した。 「ああっ!んん・・・、も、おねがい・・・・!ちょうだい・・・!」 はっ!はっ!と息を乱し、目を潤ませ、おねだりする一護など見たこと無かった剣八は、少しいじわるを思いついた。 「ここは風呂場だぜ?一護。お前いつも嫌がるじゃねえか」 「んく!、いじ、わるぅ・・・。剣八ぃ、おねがい!」 ザバ!と湯船から出ると、床に座って一護を手招きした。 「なに・・・?」 ふらふらと出ると剣八の前に行った。 「ここに、挿れて欲しいんだろう?」 ちょん、と蕾を突ついた。 「あん!うん、うん!」 「じゃあ、俺のコレ、舐めて、入れられるようにしてくれよ。久し振りだろう・・・?」 にやりと意地の悪い笑みを浮かべ、すでに硬くなっている自身を掴んだ。 「あ・・、うん、うん、剣八、剣八・・・」 早く欲しい、剣八で満たして欲しいと思うあまり言われるがまま、膝を付き剣八に舌を這わす一護。 「ん、んふ、剣、八、あ、んん・・・」 「一護、もっと奥まで咥えてみな・・・」 「ん、あむ、むぐ・・、ん、ん」 夢中になって奉仕する一護に気付かれない様に体勢を変えていく剣八。いつの間にか一護の足の間に身体を滑り込ませていた。 「んあっ!な!なに?」 その事に一護が気付いた時にはすでに一護の腰はがっしり掴まれ、中心は剣八に咥え込まれていた。 「やあん!だめ!だめ!」 「コラ、口がお留守だぞ?一護」 「あ、んむ・・・、ん、ぴちゅ、んんう!」 一護の双丘を鷲掴むとその大きな手でもみしだいた。 「ああん!やめ、ううん!」 「くくっ!一護、お前のここ、ヒクついて誘ってやがんぞ?ん?風呂場で69して感じちまうなんて、ガキ共に見せらんねぇなぁ?」 そろそろと蕾を撫でながら言うと、 「やあん・・・、言わないでぇ・・・」 と震えた声で返す一護。 「こんなに濡らしてよ・・・、ほら、イッちまえ・・・」 ぱくりと口に含むと強めに吸い上げた。たったそれだけで一護は達した。 「んああ!ああ・・・」 「相変わらず濃いな、テメェのは。なんで自分でヌカねえ?」 「だって・・・!子供ら居る・・し!それにお前じゃなきゃ、や・・・」 「お前はよ・・・!」 元々少ない剣八の理性が切れた。 風呂場の床に一護を押し倒すと足を大きく広げさせた。 「あう、つめたっ!」 「一護、お前のここさっきイッたばっかなのにもう勃ってんぞ」 ぐちゅぐちゅと上下に扱いてやると、こぷりと先走りを溢れさせ滑りを良くさせた。 「ここに入るにゃぁ解さないとなぁ?」 「え?」 言うや否や、一護の蕾に舌を這わせる剣八。 「ああ!あ!そんな!やああ!」 「いつもやってるだろ?それにちゃんと解さねえと切れちまうぜ・・・?」 「うう・・」 ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅるる、くちゅっ、くちゃっ、と音を立てて舐めつくす。にゅぐぐ、と舌が入って来た。 「ひいっ!やああ!入れないで、し、舌、入れちゃダメぇ・・・」 「きゅうきゅう締め付けてくんぞ?んん?」 限界まで舌を伸ばし中に入れ、掻き混ぜると一護の背が反り返る。 「ああ!あーっ!あっ!あっ!」 ちゅぷ、と指を入れると食い千切らんばかりに締め付けて来た。 「こら、食い千切る気か?こんなに締め付けたら入れらんねえぞ」 「あ、あうう、も、もうだめぇ・・・、おねがい、らからぁ・・・!もういれてぇ!剣八の、入れて奥まで突いて!掻き回して!いっぱい出してぇ!」 「一護・・・!」 指を抜くと剣八はすでに滾っている自身を一護に宛がった。 「気絶すんじゃねえぞ、しても起こすからな!」 「いい、からぁ!早く・・・!」 ヒクつくそこに押し入った。くぷん、と亀頭を飲み込んだ後は、ぐぷぷぷ、とゆっくり奥まで進んでいった。 「んあああ・・・!ああ!剣八、剣八のだ・・・、あん・・もっとぉ・・・」 自ら腰を揺らす一護は、いつになく乱れていた。 「どうしたよ、今日はいつも以上にやらしいな一護」 ぐちゅん!と奥を突いてやると、こぷっと白い先走りを溢れさせながら、 「し、しょうが、ねえ、だろ!二週間も、俺のこと、ほったらかしに、したくせに!」 一週間の出張と伸びた一週間・・・。 「心配したんだからな!ばかぁ!」 「悪かったよ、ちゃんと生きてんだ、良しとしてくれや」 「ばかぁ!知らない!」 そっぽむいた一護の胸の飾りに吸いついた剣八。 「やあん!」 「そう言うなや、今日、明日と立てねえくらい可愛がってやっからよ」 腰を強く掴むと、ギリギリまで抜くと奥まで一気に貫いた。 「っあーーっ!!あっあっ!!ああンッ!いい!いい!剣八!剣八!ンンッ!んんっ!んあ!イク!イッちゃう!イッちゃう!ああ!あ!」 「イケよ!今日も何にも出なくなるまでイカせてやる!!」 「んああ!剣八ぃ・・・!」 ぐっちゅ!ぐっちゅ!ぐしゅ!ぐぷん!と激しくなる濡れた音。 「ああん!イク!イク!うぁあーーっ!」 「ぐ!」 どくんっ!と欲望の熱を中に迸らせる剣八。 「ああっ!剣八のが、きた・・・!」 「まだまだだぜ」 達したばかりで敏感な一護の中を突きあげる剣八。 「ああ!!あっ!ああうっ!ううっ!ううっ!あうっ!あぅっ!善い!善いのおっ!好き!好き!剣八、好きぃ!」 「ああ!知ってんよ!おら、これが済んだら、蒲団行くぞ!」 「ひいん!ああっ!」 二の腕を掴んで一護の身体を引き起こし、胡坐の中に収めた。 「あ・・・、あ、あ、んああ、ああんっ!」 自重によってより深く繋がっていく二人。 「気持ちいい・・・、剣八、気持ちいいよ・・・!もっと、もっと突いて、もっと出して・・・!」 「溢れるくらいにな、溢れてもやめてやんねえ!」 一護の身体を持ち上げていく剣八。いつもよりゆっくり動いてずるり、ずるりと抜いていくと先だけ残して手を離した。 ぐちゅん!と一気に中に入った。 「んあーーっ!あ、あ・・・!かはっ!あうう、ふ、深いよぉ・・・」 「これが欲しかったんだろうが?」 「うん、うん!欲しかったのぉ!剣八が欲しかったのぉ!」 「ああ、ああ、泣くな、イクぞ?」 「ああ・・・、うん・・・」 グプ!グプ!と突きあげられ数えきれないほどの白濁を吐き出した一護の中に精を注ぎ込んだ剣八。 「くうっ!」 「んああ!あつぅい・・・!き、きもちいい・・・」 溶かされそうなほどに感じるその熱さに目を閉じると意識を手放してしまった一護だった。 「あ、寝やがった・・・、まあいい、俺も今日は寝かせてもらうか。明日はもっと激しいぜ?一護」 中の処理をして身体を洗って、久し振りに我が家の蒲団で眠る剣八。 明日はどうしてやろうかと、ほくそ笑みながら一護を腕に抱いて眠った。 09/11/09作 第122作目。お蒲団編、書けなかったな〜。別に書くか、これで終わらせるか・・・。ちと悩む。 |
|
文章倉庫へ戻る |