題「仲直り」 | |
あの後、剣八がもうしばらくこっちに居ろと言って来た。 現世も夏休みだし言葉に甘えた。課題は8月に入る前に終わらせたしな。 「起きろ、一護」 昼過ぎに剣八に起こされた。 「ん・・・、おはよ、剣八」 「ああ、これ着ろ・・・」 「コレって?」 「こないだお前と現世で買った反物で作った。着とけ」 「うん、ありがとう」 水色を基調にした涼しげな着物だった。 「な、なぁ、変じゃないか?似合って、るか?」 「ああ・・・、似合ってんよ、飯喰いに行くぞ付いて来い」 「ん・・・」 二人で並んで歩く。剣八は非番なのか髪は下ろされ、後ろで簪で纏められていた。 「あ、それって・・・」 「ああ、折角くれたんだ、なんだ、変か?」 「う、ううん!に、似合ってる!」 「顔真っ赤じゃねえか」 「うっせえ・・・」 連れて来られたのは結構高そうな料亭だった。 「おい、高価いんじゃねえのか?ここ」 「お前が気にするこっちゃねえよ」 「でもよ・・・」 「ここじゃ嫌なのか?」 「ん、ていうか、いつもの小料理屋の方が美味いし、なんか・・・」 「なんか・・・、何だよ?」 「えと、いつも俺が居ない時のお前が見れるみたいで、その、良いなあって」 「しょうがねえな、ま、予約もしてねえしな。いつもんとこ行くか」 「うん」 というわけで、いつもの小料理屋へと進路を変えた。 「おら、ここで良いか」 「うん」 店に入って料理を注文して食事を済ませると、食後のお茶を飲みながら他愛無い話をしてから、店を出た。 「帰るぞ・・・」 「あ、うん」 一護は、今日の剣八は大人しいな、と考えながら隊舎へと帰った。 隊舎に着くと縁側に連れて行かれた。 縁側まで連れて行かれると先に座った剣八が一護も座る様に促した。 「よっと・・・」 突然俺の足に頭を乗せて、寝始めた。 「何だよ、いきなり・・・」 「甘えてんだよ・・・」 「そ、か・・・」 一護は剣八の髪を撫で続けた。剣八は本格的に寝始めたのか、寝息が聞こえ始めた。 「すー、すー・・・」 「甘えてる、か」 剣八の寝顔を見ながら、ふっと笑う一護。 愛しげに眼を細め、剣八の寝顔を見ながら口をついて出るのは子守り歌だった。 「ん・・・、一護・・・?今何時だ・・・」 「えーと、1時だな」 「お前、あれから1時間半もずっとこうしてたのか・・・」 「甘えてんだろ?良いじゃねえか」 さらり、と髪を撫で、掠めるようにキスをした。 「一、護・・・」 「なぁ、耳掃除してやろうか?」 「あ、ああ・・・」 「弓親に、耳かき借りてくるな」 と立とうとしたが足が痺れていたのでよろめいた。その身体を剣八が抱き止めた。 「おっと・・・、いい、俺が行く。お前はここに居ろ」 「ありがと」 暫くして剣八が戻ってきた。 「早かったな」 「まあな・・・」 「ほら、ここに頭乗せろよ」 「ああ」 ぽすっと頭を一護の太腿の上に乗せる剣八。 「じゃ、始めんぞー」 と耳掃除を始めた。 「っ、痛」 「あ、ワリィ、奥に入れ過ぎたか?」 「別に・・・」 「あ!でかいのがある!動くなよ?」 「・・・・・・」 「取れた!こっち側は終わったから息吹くぞ」 ふーっ!と息を吹きかけ終わらせた。 「次、反対側」 「ん・・・」 もぞもぞと向きを変える剣八。反対側も始める。 優しい手付きだが時々力が入るのか少し痛い。 「おい、痛ぇぞ」 「ん、ごめん、取れにくくて・・・」 耳の中では、カリカリと音が鳴っていた。 「ん〜、取れた!大物だ」 「そうかよ」 「あんま、ゴミ無いのな、ちょっとつまんねえ」 「自分でやってるしな」 「じゃ、お終いな」 ふっふーっ!と息を吹きかけて終わらせた。 「気持ち良かったか?」 「ああ、スッとした」 「良かった。起きろよ・・・?」 と、徐に剣八が一護の股間を、あむっと食んできた。 「あっ!な、なに、すんだよ!」 「一護・・・、風呂行くぞ・・・」 「あ!ちょっ!」 有無を言わさず一護を担ぐと風呂場へ向かった。 「なんでこんな事に・・・」 ちゃぷん、とお湯が跳ねた。二人は一緒に湯船に浸かっていた。 「良いじゃねえか」 「お前は・・・。っ!やっ!ンんっ!」 「おっと!すぐに入っちまったな・・・」 そろそろと忍ばせていった指を一護の蕾に入れた。 「やだっ!やっ!抜いて!」 「嫌だね、締め付けて来やがって」 ちゅ、ちゅ、っと額や耳の裏にキスを繰り返していくと、一護の身体は弛緩していった。 「あ、は、は、やだぁ、お、お湯入るよぅ・・・」 「・・・、それが嫌なのかよ・・・」 「ん、うん」 いつも以上に眉間にしわを寄せ、目を閉じている。 「一護、ほら、縁持って立ってろ」 「あん!う、うん・・・」 一護は言われた通りに、湯船の縁を持って立った。 「そのまんまでな・・・」 そう言うや、剣八は一護の下肢を口に含みながら、後孔を解していった。 「あ!ああ!やだ!剣八ぃ!」 「なんだよ?お前が嫌だって言うから変えてやったのに、まだ嫌か?」 クリッと中で指を曲げた。 「ひぁあん!も、だめ、出ちゃう・・・」 「出せよ・・・、ほら・・・」 グイッと指で奥まで突くと達した一護。 「いっ!あぁあん!」 それを零すことなく飲み干した剣八。 「はっ!はぁ!はぁ!ばかぁ・・・、んん、もう離して?」 まだ口を離していない剣八の髪に縋って立っているので精いっぱいの一護。 ちゅぷっと口を離すと、 「どうする、一護?ここでやるか、部屋に行くか、どっちだ?」 「・・・部屋・・・」 「じゃ、行くぞ」 一護を抱き上げて、部屋へと帰る剣八。 部屋はもう既に弓親によって蒲団が敷かれてあった。恐らく人払いもされているだろう。 (気の利く部下で助かる) などと剣八は思っていた。 どさっと一護を押し倒し、首筋に跡を付けていった。 「あうん!剣、八・・・」 「一護・・・」 吸い付いては跡を舐め、鎖骨を甘噛みした。犬歯で噛んでここにも跡を付けたら、血が滲んできた。 「あうっ!」 「ワリィ、血が出ちまった」 「ん、いいよ・・・剣八・・・」 一護は剣八の手を取ると、手の平に口付け、指を一本一本、丁寧に舐めて愛撫した。 「ん、剣八、好き、剣八が好き・・・」 ちゅ、ちゅ、と繰り返される愛撫の合間に吐息とともに落とされる言葉。 「一護・・・」 剣八は一護の好きなようにさせ、自分も一護の身体の愛撫を再開させた。 既に立っている胸の飾りに舌を這わせ、味わった。 「あっ!ううん!剣!八ぃ!ああっんっ!」 舌は胸を這いまわり、胸と脇の境まで辿りついていた。 「あっ!あっ!いやっ!やだ!そこいや!」 「嫌じゃねえだろ?ここ、勃ってんぞ?一護・・・」 と一護の中心を撫で上げた。 「ひゃぁん!あ、あ・・・」 「こんなに濡らしてよ・・・?ん?」 くりくりと先走りが溢れる先端を刺激した。 「やあん!あう!もう、意地悪、しないで・・・、きて?俺の中に入れてよ・・・」 初めて聞いた一護の言葉に瞠目しながらも次の瞬間には、獲物を前にした猛獣のような笑みを浮かべ、滾った自身を一護に宛がった。 「あ・・・」 「行くぞ・・・」 「うん・・・」 ぐっと腰を押し進めていく。 「んあ、あ、あ、あ、はあん・・・」 「ふう、全部入ったぞ、一護・・・」 「うん、剣八、熱い・・・」 「お前もな・・・」 「う、動いて良いよ・・・」 「ああ・・・」 いつものように奥を突きながら、一護の中心を扱いてイかせた。 「ああっ!ああっ!んんんっ!あーーっ!」 「くう!」 剣八も一護の中に注いだ。 「ああん・・・、も・・とぉ・・・、きてぇ?剣八」 「ああ、お前が気絶するまでな・・・」 ちゅ、とキスして抽挿を開始した。一護が意識を手放すまで続けられた。最後は後ろから穿たれて二人同時に達した。 剣八が一護を抱き締めながら、蒲団に倒れ込んで、一護はピクッピクッと震えていた。 「一護・・・」 一護の髪を撫で、身体を離してやる。 「ああ、気絶してんのか・・・」 と呟いて一護を風呂に入れてやった。 「ん・・・、あ、苦し・・・?」 一護が目を覚ますと後ろか抱きつかれた状態で眠っていた。 「うん?」 振り向くと剣八が寝ていた。 「珍し・・・、う、腰痛えな」 一護がその手にキスをしていると、 「俺の手はそんなに美味いかよ?」 と声を掛けられた。 「ひゃ!お、起きてたのか・・・」 「ああ・・・」 一護の頭の天辺に頬ずりしながら答えた。 「くすぐってえよ」 くすくす笑う一護。 「あ、風呂は?」 「もう入れた」 「あ、あんがと・・・」 一護はもぞもぞと剣八に向き直ると、 「腕、痺れたろ?」 と腕を擦ってやった。 「別に・・・」 「嘘・・・、冷たくなってるのに・・・」 「む・・・」 にっこりと幸せそうに笑う一護に何も言えない剣八。 「もう寝ろ・・・」 「うん、お休み、剣八」 翌朝、起きた一護は剣八の髪を梳いてやった。その後でいつもの髪型にセットする剣八が居た。 終 09/08/17作 第109作目です。あまえる剣八が書きたかったんですが、消化不良気味です。 |
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