題「約束」
 もうすぐ誕生日か―。
去年の剣八の誕生日の夜に勢いで、俺の誕生日を祝ってくれ。なんて言ったけど覚えてねえよな・・・。

そんな事を考えながら一護は、剣八の隣りで寝がえりを打った。
薄暗い部屋の中で隣りの剣八の寝顔を覗きこんだ。
規則正しい、静かな寝息に深く寝ているのだと分かる。寝乱れて顔に掛った髪を梳き、左目を両断する勢いで存在する傷跡を指でなぞっていく。
傷を辿り、唇に辿り着くと今度は唇をなぞる。
「ん・・・、むぅ・・・」
ぴくっと手を引っ込める一護。
「剣八・・・」
一護は、ひたり、と剣八の胸に耳を当てると、心臓の音に耳を傾けた。

―とくん、とくん・・・。

穏やかな心音に眠気を誘われ、幸福そうに眼を閉じる一護。
すう、すう、と寝息が聞こえてきて一護も眠った。

「何やってんだか・・・、くすぐってぇ・・・」
起きていた剣八が自分の胸の上にあるオレンジ色の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「ん〜、ふうん・・・」
すり・・・、と顔を擦り寄せる一護に頬が弛む剣八。

翌朝、一護が隊首室に居る剣八に、
「なぁ、15日って忙しいか・・?」
「うん?今月のか?ああ、明日から6日間長期任務が入ってな討伐だ。それがなんだ?」
「ううん。そうか、大変だな、気を付けろよ?」
「まあ、精々楽しんでくるさ」
「言ってろ。散歩行ってくる・・・」
ガタン、と立ち上がり出ていく一護。
入れ違いで弓親が入ってきた。
「あれ?一護君は?今まで居ましたよね?」
「ああ散歩に行くって出てった。なんだ?」
「後3日で一護君誕生日でしょ?プレゼント何が良いか聞こうかと思って」
「誕生日だ?」
「ええ、・・・隊長、もしかして忘れてました・・・?」
「くそっ!」
「そんな日に仕事が入ってるのに文句言わないから変だとは思いましたけど・・・」
ガタン!と立ち上がり一護を探しに行こうとする剣八。

 やっぱり忘れてたなー。まあ、半年も経ってるしな、しょうがねえよ。アイツも忙しいんだし・・・。ちゃんと、帰って来てくれるし・・・。そう言い聞かせる一護。
剣八の傷跡をなぞった指を見ながら、心音を思い出す。不思議と苛立ちも怒りもないのは、耳に残った剣八の心臓の音のせいだろうか・・・。
そんな事を考えていたら、何かにぶつかった。
「いて・・・、あ、剣八。どうした?」
きょとんとした顔で見上げてくる。
「一護、悪かった・・・、その、誕生日一緒に過ごせなくてよ。約束したのにな・・・」
「あ・・・、覚えて、たんだ・・・」
「当たり前だ。お前もいつかぐらいは言っとけよな」
「ごめん、でももう良いよ。その一言だけで嬉しいから、ちゃんと討伐行けよ?」
「お前、な・・・!」
一護を見ると、本当に嬉しそうな横顔をしていて、何も言えなくなった剣八。
「・・・一護、終わったらすぐ帰ってくるからよ、週末、土曜から隊舎で待ってろ」
「え?剣八?」
「良いな!」
「うん・・・」
戸惑う一護をそのままに、その週は現世に帰っていった一護。

予定より、1日早く帰ってこれた剣八が、義骸を着て現世に現れた。
もう夕方、一護は自宅の部屋に居た。
「ん?剣八の霊圧、か?」
ひょこっと窓から顔を出してみると、家の前に剣八が立っていた。
「けっ!剣八!」
気付いた剣八が顔をあげ、口の端を上げ、笑いながら下に来るように手で示した。
急いで外に出た一護は、イキナリ後ろから抱き締められた。
「あ!馬鹿!丸見えだろ!」
自分の項に鼻を押し付け、匂いを嗅いでくる剣八を引き剥がし並んで歩きながらここに来た理由を聞いた。
「で、なんでお前ここに居るの?まだ討伐なんじゃ?」
「もう終わった。だからすぐに来たんだよ」
「あ、ありがと・・・」
ふ、と剣八の手首を見ると、一護があげた誕生日プレゼントの腕時計をしていた。
「あ、それって・・・」
「気付いたか、折角貰ったしな。現世の服も着てる事だし、それにお前とのデートにゃ、ぴったりだろ?」
「デ、デート?」
「おう、これからな晩飯は食ったのか?」
「ま、まだだけど!ちょっと待ってくれ」
「んだよ?」
「家に連絡入れるから・・・」
頬を染めながら近くの公衆電話から家に連絡した。
「急に友達が来て遅くなるから、俺の分は置いといてくれ。ゴメンな遊子」
と電話を終えると待っていた剣八が一護に近付いて、
「終わったか?」
と聞いてきた。
「ん、どこ行くんだ?」
「まあ、付き合えよ」
一護は、普段滅多に見れない剣八の洋装に目を奪われながらも付いていった。

着いた所はデパートだった。
「なんか買うのか?」
「ああ、現世で着る服をな、お前が見立てろ。あとお前のも買うからな」
「はあ?なんで俺のも?お前のだけで良いじゃん」
「良いから、黙ってやれ・・・」
「う・・・、分かったよ。で、どんなのが良いわけ?」
「なんでも?俺に分かるかよ」
「スーツ系とか、俺のみたいなラフなタイプとかあんだろ?どっちがいいんだ」
「動きやすいのが良いな」
「んじゃ、え〜とあっちのコーナーだな、行くぞ剣八」
なんだかんだ言って楽しんでいる一護。
「ああそうだ、下着とかはどうすんだ?Gパンとかだと線が出ちまうぞ」
「適当にしろ」
「んー、じゃあ。このGパンとTシャツでどうだ?今履いてる革靴だったらコッチが良いと思う」
青い細身のGパンと襟口が広い黒いTシャツ。
「こっちのカッターシャツもいいかな?でも暑いしなぁ・・・」
「これでいい。お前は?」
「うん、カッコいい」
「ちげえよ、お前の分の服だ」
くっくっと笑いながら言われて漸く気付いた一護。
「あっ!でもなぁ、俺はどっちかつーと向こうで着る服が欲しいかな。いつも死覇装と寝巻きだし・・・」
「そうだな、これから向こうに泊まるんだ。和服か、ここにも呉服屋はあんだろ。行くぞ」
「えっ!ちょっと!早いな・・・!」
自分の服の支払いを済ませ、エレベーターで違う階に行く。
「えーと、呉服屋は9階だってよ」
「ふうん」

チーン。

エレベーターが目的の階に着いた。
「あ、こっちかな?」
「みてぇだな、一式買っとけよ、何着でも良いからよ」
「うー、うん、でも着物の見立てって分かんねえよ」
「じゃあ俺が選んでやるからそれで気に入ったヤツ買えよ」
「うん」
剣八は乱雑に反物を見ながら、
「これと、これと、これ、後、これな。帯は、角と兵児帯で・・・、おい一護こんなもんで良いか?」
「は?ああ、いいんじゃねえの?つか、反物単位で買う訳?」
「普通そうだろうが?こっちじゃ違うのか?」
「俺も知らねえよ、買わねえんだから」
「ふ、ん、後は襦袢と足袋だな、5〜6枚買っとけ」
「へいへい、やっぱ木綿が良いのか?」
「あー、そっちも俺が選ぶからいい」
「お、おう」
どうして良いやら分からなくなった一護は髪飾りが展示されてるコーナーで立ち止まっていた。
色んな櫛や、簪が並べられていた。
「へえ、綺麗だな・・・」
髪を下ろした剣八は結構髪が長かったな、と思い出した一護は色々簪を見た。
「あ、これ似合いそうだな・・、ゲッ!1万円?」
財布を見るとギリギリだが何とかあった。
「う〜、よし買う!あの、すいません・・・」
「はい」
「この簪、下さい・・・」
「ハイ、少々お待ち下さいませ」
ガラスの展示コーナーから出され、
「こちらで宜しいですか?」
「はい、あの、いえ、やっぱいいです」
「?お会計はこちらです」
もじもじしている一護に贈り物だと分かった店員が気を利かせて丁寧な包装をしてくれた。
「どうぞ、お買い上げありがとうございます」
「あ、どうも」
大事に胸にその包みを抱く一護。
「おう、どこ行ってた一護。買いもん終わったぜ」
「そうなのか、・・・重くねえの?」
「あん?全然?さて次は飯喰うか」
「そうなのか?」
「あー、腹減ってんだろ?」
「まあな、どこで?」
「ここにどっかあんだろ。何食いてえ?」
「レストランは地階だな、あんたは?何食いてえんだ?」
「あー、肉」
「ああ、疲れてんじゃねえのか?大丈夫か?」
心配そうに聞いてくる一護。
「肉でも食えばどうとでもならぁ」
「そうかぁ?荷物半分持つぞ」
「いい。ここか?地階ってのは」
「ああ、もう着いたのか、えーとどこが良いかな?焼き肉、ステーキ・・・、どっちがいい?」
「ステーキってのは喰ったことねえな、それの店だ」
「んー、じゃあ、ここが良いかな?なあ、なんでいきなりデートなんて言い出したんだ?」
「誕生日、一緒に居なかったからな、その分取り戻してんだよ」
「気にする事無いのに」
「なんでだよ」
「俺は覚えててくれただけで嬉しいし、ちゃんと帰って来てくれたし、それだけで嬉しいよ」
「・・・お前はよ・・・。良いから飯は食うぞ、俺も腹減ってんだ」
「うん」

店に入って、メニューを渡される。
「何が良いやらさっぱりだ」
「はん?なら好きなもん頼めば良いじゃねえか」
「そうか」
面倒だったので、コースメニューを2人前に剣八にワインを頼んだ。
「わいん?」
「葡萄酒だよ、俺は飲まないからお前にな。白の辛口って書いてたからいけんじゃないの?」
「なんでもいいさ・・・」

「お待たせいたしました」
肉が運ばれてきた。
「なんだ?生?」
「自分で焼くみたいだな、まあ好きな焼き加減とかあるからな」
「面倒くせえ、焼いて出しゃあいいじゃねえか」
「焼いてやるから文句言うなよ」
目の前で焼かれていく肉を見ながら剣八は一護の様子を窺っていた。
「ほれ、焼けたぞ、喰えよ。俺も喰おっと!」
ガツガツと焼かれた肉を食べるとワインを飲んだ。
「へえ、なかなか・・・」
「ん?美味いのか?良かった。まだ肉あんぞ」
と焼いていく。
「ん、腹いっぱいだ、剣八は?」
「ああ、まあまあだな。出るか」
「肉より酒の方が多かったんじゃねえの?」
くすくすとご機嫌に笑う一護。
時計を見ると夜の9時。やや遅い時間だ。あちらに行くとしても一旦家に帰らなければ死神化出来ない。
「ね、もう帰ろ?時間遅いし・・・」
「・・・・・・」
「剣八?」
「なぁ一護?なんで此処はこんなに番いがイチャついてんだ?」
「は?つがい?」
周りを見渡せばカップルがそこかしこでいちゃついていた。
「あ!知らん!俺らには関係ない!行くぞ!」
ずんずん先に行く一護の腕を掴んで、程よく茂った茂みに連れ込んだ。
「な、何すんだ!馬鹿!」
「声がでけえよ・・・!見られて困るのはお前だぞ一護?」
「う・・・!あ!んん!くふ!ん、ふぅん・・・!」
くちゅ、くちゅ、と湿った音が聞こえて羞恥心が煽られる一護。
「ん、はああ・・・、はあ、はあ」
「くく、いい顔だな一護、ここでやっちまいてえな」
「んあ、やだぁ・・・、ここじゃ、や・・・」
「向こうなら良いのかよ?」
ん?と耳元で息を吹き込む様に囁きかけてやると、
「ん、義骸、邪魔・・・、作りもんのお前はやだよ・・・」
きゅう、としがみ付いて言った。
「帰るぞ・・・!」
「うん」
すぐに一護の家に帰り、死神化してコンと入れ替わり、瀞霊廷に二人で向かった。

隊舎に着くと、すぐに部屋に連れ込まれ押し倒された。
「あう!」
ドサドサ!と荷物が落ちて反物が広がった。
「あ、荷物が・・・」
「気にすんな!今はこっちに集中しろ!」
噛み付く様な口付けをされた。熱く長い舌が一護の口腔内を蹂躙し、気が済んだと思えば打って変わって優しい口付けになった。
「は、ふぅん、ん、ん、剣、八・・・あ、はあん」
口付けながらお互いの着物を脱がしていった。
ちゅっちゅ、と音を響かせて口付けは続いた。
「一護、感じてんのか?もう勃ってんぜ」
「あ、い、いつの間に・・・?」
既に裸にされている一護の、反応している中心に指を絡めてきた。
「あん!や、や・・・」
「や、じゃねえよな?作りもんじゃねえぞ?」
先走りを先端に塗り込めるように弄ると、びくびく!と揺れる腰が可愛かった。
「あ、あん!や!だめ!んん!」
「どんどん溢れてくんな、シーツにも滴ってんぞ?」
くちゅくちゅと濡れた指を蕾に這わせてきた。
「あ!ああ!ふ、んん!」
難なく飲み込んでいくそこに満足気に笑う剣八。
「やわらけえな、それにあったけぇ・・・」
クリッと中を軽く抉るとしこりに当たって声を上げる一護。
「ひぃんっ!ダメ!ダメ!そこダメェ!」
キュっキュッと締め付けてくるそこへ入れたい剣八。
「くそ!一護もう入れるぞ!」
「ああ!来て!来て!お願い!剣八が欲しいよ!」
「一護!」
まだ膝立ちのままの一護を胡坐に納めると中へと納めていった。
グプププ、と飲み込んでいくそこは、熱く蕩けていた。
「うあ、トロトロじゃねえか、一護」
「はぁあん、剣八がこんな身体にしたんだもん、せ、責任取れよ!ばかァ!」
「くく!死んでも離さねえよ・・・!安心しろ」
「んあ、プロ、ポーズかよ・・・はあ!」
「なんだそりゃ?動くぞ、イキたいだけイケよ?一護」
一護の細い腰を持ち上げて奥を穿つ剣八。
「あっ、ああっ、ああんっ!あん!ンクッ!くはっ!ああう!」
突かれる度に、濡れた音が響いた。
 グチュッ!グチュッ!グチャッ!グプッ!グプンッ!
「んはぁああ!あっ!あっ!やンッ!イク!イク!剣八!ああーーっ・・・」
はぁっ!はぁっ!とヒクつく一護の中へと熱を吐き出す剣八。
「んああ!奥、あつい・・・」
「一護・・・」
「ん、む・・・」
やわりと一護の首に手をかけ、口付ける剣八。ちゅ、と離れると細い唾液の糸が互いの舌先を繋げていた。
「剣八・・・、もっと・・・」
「ああ、一護、孕んじまえよ・・・」
「ふふ・・・、娘と息子どっちが良い?」
「どっちでも・・・!」
奥を突き始める剣八。
「ああんっ!中!熱いのが溢れる!剣八!剣八ぃ!」
「なんだ!一護!ちゃんと繋がってんぜ?」
「ああんっ!うん!うん!中にも居る!ああ!そこばっか!ダメェ!」
グチュン!と奥を突いてやった。
「んあぁーっ!あ、あ、は・・・んん・・・」
「まだだぜ・・・、一護」
「あ、ふ、深あい!もうだめぇ・・・、お腹いっぱいなのぉ・・・」
「一護・・・、可愛いこと言うなぁ・・・、俺は注ぎ足りねぇなあ!」
押し倒すと、腰を抱えて中を掻きまわす剣八は、胸の飾りに歯を立てた。
「ひんっ!ああっ!も、もう、もう!んあっあー!」
「くう!」
同時に果て、どくん!どくん!と断続的に熱を一護の中に注ぎ込む剣八。
「んはぁあ・・・、剣八ぃ、好きぃ・・・、大好き・・・、愛してる・・・」
「この・・・!壊れるまでヤッちまうぞ!このガキ」
「やあ、なまえでよんで!剣八のばか!」
「何だぁ?珍しく飛んじまったか?」
「ちがうもん、剣八ぃ、今日の服、かっこよかった・・・!」
「一護・・・?」
「みんな見てたよ・・・、でも剣八は俺のだもん、誰にもあげないもん・・・」
ぎゅっと抱きついて、首筋に顔を擦り寄せた。
「ふふ、今日は楽しかった・・・、普通の恋人同士みたいなコト出来てうれしかったよ・・・」
「一護」
「ありがと・・・」
にこり、と笑った一護。
「しゃあねえな、これで終いにしてやる。終わったら風呂に入れるからな」
「う、ん、あっー!あっ!あっ!やんっ!そ、そこ!善い!善いのぉ!剣八ぃ」
きゅぅううと締め付けてくる一護の中に余すことなく注いだ剣八。
「一護!はぁっ!」
「ああ!あついの、剣八のきもちいい・・・」
ビクンッビクンッと痙攣する一護から引き抜くと、ごぽっと奥から溢れて来た。
「ふぅん・・・」
「一護?」
見てみると気絶していた。
「幸せそうな顔しやがって・・・」
風呂に入れ、身を清めて蒲団に連れて行った。

蒲団に一護を寝かせると、買い物袋から見慣れぬ包みが出ているのを見つけた。
「一護がなんか買ったか?まあ良い、寝るか」
一緒に眠る二人。

夜中に目が覚めた一護。
「ん・・・?あ・・、喉・・・」
「起きたのか?水か、ほら・・・」
「ん、む、んく、んく、ぴちゅ・・・」
口移しで水を飲まされた一護は剣八を呼んだ。
「剣八・・・」
「ん?」
「剣八・・・」
「なんだ・・・?」
「剣八・・・」
「だからなんだよ」
「・・・何でもないよ・・・」
「んだそりゃ。おい、所でこれなんだ?」
包みを見せる。
「あ、それ。アンタにって買ったんだ・・・」
「俺に?開けんぞ」
「うん・・・」
ガサガサと中から出てきたのは、赤い石の付いた簪だった。左右に振ってみると、シャラン・・・と軽やかな音が響いた。
「なんで俺に?」
「髪、長いから・・・。それに似合うと思って・・・」
「ふうん・・・」
剣八が慣れた手付きで自分の髪を簪で纏めあげた。
「あ、慣れてんだな・・・」
「まあな、筆でも箸でも出来るからな」
「へえー」
満足気に剣八を見る一護。
「ありがとな、今日、ていうか昨日は・・・」
「誕生日は過ぎてたけどな・・・」
「ううん、関係無いよ。一緒に過ごせただけで嬉しいから・・・」
「一護・・・、もう寝ろ。明日も明後日も居れるんだからよ」
「うん・・・、お休み剣八・・・」
ちゅ、と可愛いキスを贈って眠りに就いた一護。

そんな一護の髪を撫でながら、剣八は簪を大切に机に仕舞った。まるで宝物の様に・・・。


後日。
「弓親、ぷろぽーずってなんだ?」
「は?確か現世での結婚の申し込みの事じゃなかったですかね。間違ってなかったらですけど、何です急に?」
「いや、こないだ一護に責任取れって言われてよ、死んでも離さねえって言ったら、プロポーズかよ、って返された」
「ああ、確かに言われますよ隊長。まあ良いんじゃないですか?事実上夫婦みたいなもんなんだし」
「どういう意味だ。こら」
「そう言う意味ですよ♪一護君に1から全部教えたの隊長ですしねー♪」








09/07/15作 第100作目です。 一護誕記念に。
特別な一日でした。一護は現世でデートするのは初めてです。一応・・・。



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