題「鰻屋」後半
 何とか、テストを乗り切った一護は、珍しくウキウキとして瀞霊廷、剣八の元へと向かった。

時刻は昼飯時。
「おーい!剣八、来たぞ!」
「やっとかよ、待たせやがって」
「終わってすぐ来たっつーの!早く鰻屋に食いに行こうぜ!」
「うなぎや!?」
近くに居た一角が変な声をあげた。
「ああ、こないだ約束したんだ、勉強の邪魔したから奢ってやるって!」
無邪気に笑う一護に一角が剣八に目をやると、余計なことを言うなと目で言っていた。
なるほどね・・・。と納得しながら一角は生暖かい目で一護を見るしかなかった。

剣八は私服に着替えて、髪も下ろして一護を案内した。
「へへー、俺って店で鰻食うのって初めてだ、楽しみだな♪」
「そうかよ・・・」
二人連れだって歩く。
「おう、ここだ・・・」
「へえ、って、高価ぇんじゃねえの?」
「お前が思ってるより安い給料じゃねえよ」
「あっそ」
中に入ると、すぐさま二階に通された。
「へえ、二階で食うのか」
「ああ、ここだ」
スラッと襖を開けて中に入ると、お茶を出されて二人きりになる。
「結構いい景色だな」
「一護・・・」
「ん・・・」
有無を言わせず引き寄せる剣八。
「何、んむ・・・」
当然の様に口付けられた。
「ん、ふ、ふぅ、あ、ん・・・、な、何すんだよ!こんなトコで!」
「気にすんなよ・・・、どうせ暫く誰も来やしねえんだ」
「どういう事だよ・・・!」
くくっと笑うと剣八は、
「鰻屋ってのはな、鰻をさばく、焼く、飯を炊く、って手間ぁ掛かるんだ。その間部屋に籠ってても怪しまれねえから、連れ込み宿の代わりにも使われんだよ・・・」
「だからって・・、まさかお前最初からそのつもりかよ!」
「まあな、終わったら、精が付くように鰻でも腹一杯喰えよ」
と一護を抱えあげ、隣りの部屋に用意されていた蒲団に一護は押し倒された。
「この!馬鹿!」
「何とでも言え・・・。待たせやがって・・・」
一護の死覇装の帯を解いて行く剣八。ふ、と溜め息をついて、
「・・・声・・・大丈夫なんだろうな・・?」
「あん?」
「だから、も、漏れたりしねえんだろうな!」
「ああ、今日は二階は貸し切りだからな・・・」
「だったら・・いい・・・」
自分から剣八に腕を絡ませる一護。
「俺だって我慢してたって言ったろ・・・。火ぃ付けやがって、剣八の馬鹿」
「・・・いつもこれくらい素直なら良いのによ・・・」
「やだよ、恥ずかしい・・・」
「一護・・・、やっと触れたな・・・」
「この間、うちに来たくせに・・・」
「あんなんじゃ足りねえよ・・・」
れろ、と柔らかいものが首筋を這った。剣八の舌だった。
「ひぅ!や、あ、あ!」
舌は鎖骨に辿り着き、カジカジと噛みついては、胸の飾りにまで辿り着いた。
「あっ、はう!剣八・・・」
熱くヌル付く舌で、ねぶられ、転がされた。もう片方は、摘ままれては、押しつぶされた。
「はん!あ!あ!そ、そこばっかぁ、やあ・・・!」
いつの間にか全てを脱がされていた一護は剣八に余すことなく見られていた。
強請る様に揺れる腰にヒクつく中心からは、先走りが流れていた。
「ここ・・・、触ってほしいか?」
ピン!と軽く弾いた。
「ああん!」
一護はコクコクと頷くしか出来なかった。
「今日はいつになく可愛いな・・・」
はっ、はっ、と荒い息で何も言い返さない一護。
「け、剣八?」
不安げに揺れる目をみて、瞼にキスを落としてやった。
「心配しなくとも可愛がってやるよ・・・」
「うん・・・、いっぱい・・、跡付けて、いっぱい、出して・・・」
「一護・・・!」
剣八はトロトロ溢れ、蕾まで濡らしている先走りで指を入れ、解していった。
「あ、あ、ああん、ひっ!ダメぇ!」
解しながら、一護のモノを咥えた。裏筋を舐め、くびれを甘噛みし、先端に舌を捻じ込んでは、中の指をバラバラに動かしては、前立腺を掠めていった。
「ひん!ひゃあん!ダメ!もうだめぇ!」
ぴちゅっ、と音をさせ口から出すと、
「イケよ・・・、飲んでやるからよ・・・」
よく通る低音美声で囁かれた一護は弾かれた様にビクンビクンと、その精を吐き出した。
「んあ!ああぁ・・・」
ゴクリ、と一滴も零さず飲み下す剣八。
「くく、こっちの方がよっぽど精が付きそうだな・・・」
「あうぅ・・・、ばかぁ・・・」
ひくり、ひくりと震える一護の腹を撫でる剣八。
「ひうん!は、早、く、きてぇ・・・」
「一護・・・、ああ、いくぞ・・・」
ぷちゅ、と指を抜き取ると滾った自身を宛がい押し込んでいった。
ぐぷぷぷ、と飲み込んでいく一護。
「はあぁあん・・・!剣八ぃ・・・、ああ、ん、ここに、い、居る・・・」
自分で下腹部を撫でる一護。
「く・・、一護、一護・・・」
「け、んぱち、剣八・・・、動いて、いいよ」
「ああ!待たされた分、覚悟しろ・・・」
「うん、うん!ああ!」
ずるる、と抜くと奥まで突いた。それを繰り返すと、淫らな水音が響いてきた。
ぐちゅ!ぐちゅ!と響いては、剣八の耳を楽しませた。
「へ!一護、やらしい音が響いてんな!」
「やあぁ!も、もうだめぇ!」
「イケよ!俺もイクぜ!」
「ふああん!」
ピュクッ!ピュクンッ!と果てた一護の中に注ぎ込む剣八。
「ああっん!あ、あつうい!」
「くっ!」
はあ、はあ、とお互い荒い息の中、一護の中で復活する剣八。
「あ、剣八・・・」
「はぁ!一護・・・、中から溢れて来たぞ・・・」
「あん・・・、剣八の・・・?」
「ああ・・・」
「も、もう終わり?」
「いいや、まだだ・・・」
ぐいッと足首を持って、一護の身体を反転させると、後ろから覆い被さった。
「あうんっ!ん、んん・・・」
ぶるっ、ぶるっと震える一護。
「くく、ぐずぐずになっちまったな・・・」
「ああ・・ん、剣八のでだもん・・・」
「そういやそうだ・・」
ぢゅくっと、動くと背を撓らせる一護。
「はあん・・・、も、っとぉ・・・」
「一護・・・?」
「もっと、奥まで入れて・・・、うう、ん!お、俺も、待ってた・・」
「ああ、今まで入ったこと無い奥まで入れてやるよ・・・」
一護の腰を掴むとギリギリまで抜くと、根元まで強く腰を打ちつけてやった。
「あっ!あっーー!あっ!あッ!善いっ!善いよう!剣八!剣八ぃ!こ、壊れ!るぅ!」
「ハッ!壊れたらここに繋げて置けるじゃねえか・・・。好都合だぜ!」
「いやぁん!あっ!あっ!イク!イク!またイクゥ!」
「遠慮すんなよ!イッちまえ!一護!」
「あっ!ああーー!」
ビクッビクッと痙攣する一護。
「くっう!」
剣八も一護の中で果てた。一滴も残さないよう様に緩く抜き差しを繰り返す剣八。
「あ、あ、あ、んん、お、お腹、いっぱい・・・・・」
「一護?」
気絶していた。
「やり過ぎたか・・・」
剣八は風呂まで一護を連れていった。いつもの様に洗い清めてやり、、蒲団に寝かせる。
一護が目を覚ましたのは夕方だった。
「う・・・」
「目ぇ覚めたか?」
煙管を銜えた剣八が聞いてきた。
「・・・腰が痛ぇ・・・」
「そりゃどうも・・・、飯は食えそうか?」
「減ってるから喰う。て言うかそもそも鰻食うのに此処に来たんだけど?俺」
「そうだったな。ほれ、今、出来たてが来たぜ・・・」
「んー・・・」
もそり、と起き上がり、運ばれた特上うな重と吸い物を食べ始める一護と剣八。
「あ!美味い!」
「そりゃ良かったな」
「ん〜!」
もう機嫌が直ってやがる・・・。
「くくっ、一護・・・、ここの鰻は美味いだろ?」
「ああ、初めてかもなー。こんな美味い鰻食ったの」
「そうか、また食いたくなったら、いつでも連れて来てやるよ・・・」
意味深な笑みを向けられて一護は、
「え・・?あ!こ、この絶倫魔獣!お前に鰻は要らねえだろ!寄こせ!」
顔を真っ赤にして剣八の鰻を一切れ、横取りした一護。

その後隊舎に帰ってまた、気絶させられた一護でした。








09/06/17作 第96作目でした!いつもお世話になってるみすずさんに捧げます。鰻食べようが食べまいが剣八は絶倫っちゅー事で・・・。





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