題「馴れ初め・番外編」〜現世deデート〜
「ね〜、ね〜、白君お願いだよ〜。ねっ!ねっ!」
「い〜や〜だ!なんで俺がそんなの着なきゃなんねえんだよ!」
京楽が差し出したのは、濃い藤色のワンピース。タオル地が気持ち良さそうだ。
「明日、明後日、非番なんだよ〜。だからさ現世でデートしようよ〜。現世だと一護君にも見つかんないしさ!初めてのデートだし〜」
子供の様に甘えてくる。
「テメェ!そんな事言ってこないだ俺のこと気絶させたくせに!だ、大体なんだよ!何か一杯あんぞ!何だよ、全部説明しろ!」
「え〜とね、これがブラジャーでしょ、それからパンティ。下着だね。それからこれがマタニティドレス!」
「またにてぃ?」
「うん、現世で妊婦さんが着る服だって。コレ着てさ、一緒に歩こうよ。僕は一緒に歩きたいな」
「う〜・・・分かったよ!だたし!一護に見つかんない様にだぞ!」
「わあい!分かった!色んなところ回ろうね!卯ノ花さんの許可も貰ってるんだ!」
「確信犯かよ!」

 そんなこんなで現世でデートする事になった白と京楽。
「これが白君の義骸だよ〜、ちゃんと女の子だからね、後、目が普通になってるけど気にしないでね。向こうじゃ目立つんだって」
「ふうん、髪はいいのかよ」
「大丈夫、もっとハデなのが居るみたいだよ。それとこれ!」
「?なんだ?」
「ヘアクリップ、可愛かったから」
青と赤の透明なプラスチックの花が付いたヘアクリップ。
「・・・気に入らない?」
「ど、どうやって付けんだよ・・・」
「これはね、サイドの髪をこうやって留めるんだよ」
パチッ、パチッと留めていった。
「うんやっぱり似合う、可愛いよ」
「んで、この下着は?」
「ん〜と、こうやって着けるんだって」
てきぱきと白を着替えさせていく京楽。
「苦しくないかい?」
「ん、なんか楽・・・」
「良かった、それでこれがお待ちかね!マタニティドレス!」
はい!っと優しく着せていく。
さわさわと白が触っている。
「気持ち良いかい?」
「ん・・・」
「さ、靴下と靴を履いて出掛けよう!」
因みに京楽は既に着替えている。焦げ茶のスラックスにカッターシャツ、アイボリー色の毛糸のベストという出で立ちだ。
「似合う?」
「・・・ん」
「さ、行こう。今頃向こうは桜が見頃なんだって。見せてあげるって言ってたの覚えてる?」
「あ、あんたこそ、覚えてたのかよ」
「もちろん!早く、早く」


 現世に着くと満開の桜が出迎えてくれた。風が吹けば花びらが舞ってそれは美しかった。
「わあ・・・!」
「ふふ、綺麗でしょ?」
「うん!すっげえ!こんなん見た事ねぇ!」
「足元気を付けて!大丈夫かい?」
腕を組み、気遣う京楽。
「う、うん。ありがと」
周りに居た老婦人たちが、
「まあ、優しい旦那さんねぇ」
「うちのもあんなに優しかったらねぇ」
と微笑ましげにこちらを見ていた。

「おい、見られてんぞ」
「そりゃそうさ、実体があるんだもん」
「やだ!離せよ!」
「だ〜め!離してコケたら大変でしょ!」
「む〜」
眉根を下げ、情けない顔をする白に、
「お腹空かないかい?今日は料亭でお昼を食べよう。予約してあるんだ」
にこにこと笑い掛ける京楽に折れる白。

「ここだよ、色々本見て決めたんだー」
うきうきと自分より、はしゃいでるんじゃないのかと思うほどの浮かれようだった。
純和風の作りの料亭に入った二人は「松の間」と書かれた部屋に通された。
女将に、
「では、ごゆっくりお寛ぎ下さい」
と言われ、座る二人。
「ほら、白君。ここから桜並木が一望出来るよ」
「ん?あ、ほんとだ。綺麗だな、皆桜色に染まってる・・・。俺もあそこに居たら同じ色になれるかな?」
「白君?どうしたの?」
「いや、皆色があるのに俺は無いからさ・・・。少しの間でも色付かないかなって・・思って」
「馬鹿な事を・・・、僕は君が何処に居ても見つけるよ。染まるなら僕の色に染まってよ・・・」
「京楽・・・」
「こういう時は、春水って呼ぶんだよ・・・」
「ん・・・」
触れ合うだけの口付けが落とされた。

「失礼します。お食事をお持ちしました」
さっと離れる白。
「どうぞ」
「お待たせしました。春の御膳でございます」
「ほぉ〜、美味しそうだねぇ、とても綺麗だ」
「ん!」
少し興奮しているのか顔に赤みが差している白。
「こちらは筍ご飯と筍の吸い物となっております。天麩羅は海産物とお野菜、特に旬の山菜がメインとなっています。
少し時期が早いのですが鮎が手に入りましたので姿焼きにいたしました。後は精進料理となっております。ごゆっくりどうぞ」
「は〜い、ありがとう」
説明を終えた女将が退室すると白が、
「なあ、早く食べよう!」
「そうだね、いただきます」
「いただきます!」
はむっと筍ご飯を食べる白。にっこり綻ぶ顔に、
「美味しいかい?」
「うん!初めて喰った!これなんだ?」
「ん?生麩だね」
「ん、あ美味い。何か変わった噛み応えだな」
「気に入ったの?僕のもあげようか?」
「え?だってあんたまだ・・・」
「はい、あ〜ん!」
「う、あ〜」
「美味しい?」
「ん・・・」
もぐもぐと噛んで飲み込むと、
「愛情も足してみたよ」
「ぐっ!馬鹿!」
「ふふふ、天麩羅は?好きでしょう?」
「ふん!」
サクッと食べる白。出来たての天麩羅は熱かった。
「あちぃ!」
「あらら、出来たてだったんだねぇ、はいお水」
「う〜、いつも冷たいぞ」
「冷めてるからね。出来たてはこのくらい熱いんだよ」
「ふうん、冷めるまで待つ」
「勿体無いよ、熱いのも美味しいよ」
「う、はふっ!」
「ね?」
「ん」
大人しく出された料理を食べ終え、ゆっくりしていると、
「お腹は落ち着いた?じゃあ、あの桜並木を歩こうよ」
「あ、うん」
料亭を後にして、二人で歩いた。何故かちらちらと見られているように感じた。
「おい、なんで俺ら見られてんだ?」
「ん〜?何でだろうねぇ。耳を澄ませてごらんよ」
「?」
『ね、あの2人夫婦よね』
『奥さん、妊娠してるみたいね。幸せそうだわぁ、あたし達もあんな時があったのよね〜』
『ね〜、旦那さんも優しそうで、羨ましいわ』
と聞こえてきた。
「な、な!」
「し〜。ほら、綺麗な桜だね、これだけ色が違うよ。みんな桃色なのに、薄緑だ」
「あ、ほんとだ。でも綺麗だ・・・」
「ね?君も同じだよ。僕にとっては誰よりも綺麗だよ」
「・・・ん」

 風が冷たくなってきた。
「寒くないかい?これ着て?」
「何これ?」
「カーティガンだよ、さ」
「うん」
「手、繋いでも良いかい?」
「特別だぞ・・・」
「はい」
にっこり笑う京楽。

 それから、てくてく歩いて日が暮れてくると白が、
「これからどこ行くんだ?どっか泊まるのか?」
「うん、もう少しだよ」
「ふうん・・・」
白は夕闇の桜並木を堪能していた。
透明な空に舞う桜吹雪が美しくてずっと見ていたいと京楽に言うと、
「そうだね、でも夜桜も綺麗だよ。提灯の明りに浮かぶ桜も見ものだよ」
「へえ!見たい!」
「また今度ね。さあ着いたよ」
「ここ?なんだここ?」
「んふふ〜、ラブホテルだって。恋人がイチャつくのに使うんだってさ」
「恋人が・・・んな!」
「ハイハイ、部屋に行こうね〜」
既に決めてあったようで迷わず鍵を受け取る京楽。

 部屋に着くと騒ぎ始める白。
「ぎゃー!何すんだ!馬鹿!」
「良いじゃないか。ほら、僕のここ。臨戦態勢」
耳元に唇を押しつけて囁く京楽。
「ちょっ、押し付けんな!」
「でも、白君のここ。濡れてるよ?可愛いね」
耳を食む京楽。
「馬鹿!」
「でも、こんな機会滅多にないよ?楽しもうよ・・・・、満足させるから、ね?お願い」
「うう、春水のすけべ・・・」
「おや、言うようになったね。この部屋のベッド、ウォーターベッドだって。気持ち良いねぇ」
「やぁ!」
ベッドに優しく押し倒すと、タプン、タプンと揺れ、心許無いのか縋るように捕まってくる。
「怖いの?」
「ち、違う!ぁっ!」
首筋に吸い付かれた。
「ここ弱いよね・・・」
「やあ・・・」
白は京楽の顔を掴むと自分から口付けた。
「最初はここ・・・」
「ごめん・・・」
ちゅっちゅっと啄む様なキスを繰り返し、
「ん、あ・・・」
と口が開いた所を見逃さず深く口付けた。
「んん、ぁぁ・・・、ふぅん・・・、ん、ん!」
いつの間に脱がされたのか、上着が脱がせれ下着姿にされていた。
「んん・・・」
「白君、座って?全部脱がせるから・・・」
「ん・・・」
ブラジャーを取ると、はふ、と息を吐いた。
「ん?苦しかったの?これ」
「いや、でも取るとなんかすっきりする」
「そう、じゃ、下もね」
「あ、や・・・」
「いや?でももう濡れてるよ?」
「言うなぁ・・・」
「ふふ、かーわいい」
パンティも脱がすと、首筋から辿って鎖骨を舐め、小振りな乳房の頂点の飾りに舌を這わせた。
「はあん!あ、あ、あ、しゅんすい、さん!」
「ん?もうだめ?じゃあ・・・」
「ひゃ・・・」
白をころん、と後ろに倒すと白い茂みに顔を埋めた。
「ひっ!だ、ダメェ!いや!いや!ああ・・・!」
京楽がそこをペロリと舐めると身を捩って逃げようとする。
「ふうぅ、あう!あう!やだ!入れないでぇ!おかしくなる!」
まだ慣れないのか蜜壺に舌を差し入れると喘ぎが大きくなる。それに目を細める京楽だが白からは見えない。
舌で掻き混ぜると、しこりの様な物があり、そこを指でなぞると、
「ひっ!きゃひぃん!」
と声を上げ達してしまった。
「白君?大丈夫かい?」
「はっ、はっ!うう、もうやあ!」
「本番はこれからだよ・・・」
「ひぃん・・・」
京楽は滾った自身を宛がうと、ゆっくり入れていった。
「あ、ああ、熱い、しゅん・・・、ああん」
「ああ、君の中も熱くて蕩けてるよ、可愛い白・・・、もっと感じて、おかしくなって、僕だけ感じて・・・」
「あう・・・、奥まで来た・・・」
「動くよ・・・」
「ん・・・」
優しく、ごく優しく動いて白を絶頂に導いた。
「ああん!イク!イク!春水!春水!もうイクゥ!」
「ん!僕もイク!よ!」
「ああぁあん!」
「くう!」
「はあん、お腹、熱いよ、春水・・・」
「ああ、可愛い・・・」
ちゅ、ちゅ、とキスをするとそれにも反応を返す白。
「あ、ん、くすぐったい、よ・・・」
白から自身を抜くと、横で何かしている。
「何、してんだ?」
「ん〜?何か面白そうな道具があるからさ。試さない?」
「なっ!やだ!絶対やだ!テメェ!そんなモン使ったら別れるからな!」
「ええ〜!(別れるって事は、僕の事認めてくれてるんだ)」
「ええ〜!じゃねえ!何だよ?自分の腕に自信ねぇの?」
「まさか・・・。じゃあ気絶するまでやめないよ・・・」

「ああ、まだ濡れてるからイケるね」
「ん・・・、あふ」
「気持ちいい?」
「んあ、は、早く動けよ!」
「はあい」
ちゅっと乳首を吸うと、跳ねる白の身体。
「きっ!やああん!」
「綺麗な色・・・、今日の桜より綺麗だ・・・」
「やあ、ああん」
「白?聞こえてる?ああ、ここが気持ち良いんだったね・・・」
しこりを擦りつける。
「ひぃん!あぁ!ああっ!イク!イク!」
「まだダメだよ・・・」
白の身体を反転させると後ろから覆い被さった。
「ひゃぁん!ああ!深いよ!いつもと違う!うああ!あぁんっ!しゅんすい!」
「!くっ!」
「あ・・・」
「白?」
気絶していた。苦笑しながらも起こすと目の焦点が合っていなかった。
「あ・・・、しゅんすい・・・」
「ん、無茶しちゃった・・・」
「あっ!・・・」
「拗ねないで?」
「拗ねてねえ!」
「一緒にシャワー浴びよ?風邪引いちゃう」
「むー、今度は参ったって言わせてやるからな!」
「はいはい、待ってるよ」

「でけえ風呂・・・」
「ほんとだねぇ」
「風呂じゃやんねえぞ」
「は〜い、じゃ、身体洗ったげるね」
「ん」
タオルを泡立て白の身体を洗っていく。
「んっ・・・」
「どうかした?」
「変な動きすんな・・!」
「してないよ〜、隅々まで洗ってるだけだよ?」
「ひあんっ!」
京楽はタオルではなく、手で白を洗っていた。
「あれ?乳首立ってるよ?」
きゅっと摘むと身を竦ませる。
「ひん!」
その手はどんどん下へ行く。
「ああっ!やめ!」
「あれぇ?白君、もうヌルヌルしてるよ?」
「やぁ!違!泡だもん!」
「じゃあ、調べてみようか?」
泡でヌルヌルの手で乳房や背中を撫でながら、お湯を掛けて泡を落とす。
「あ、やだっ!」
「ん?泡が無くなったのに・・・、まだぬるぬるだ・・・。嘘付く悪い子には、お仕置きだねぇ・・・」
「や、なにするの!」
「気持ち良いことさ・・・」

「ぬるぬるで、ほら。エッチな汁が滴ってるよ?それに甘ぁい匂いもするね」
「バカぁー」
「ああ・・・、白、だってこんなになってるよ?」
「うああん、やだ、やだ、あっ!あっ!あぁー・・・」
「イッちゃった?」
「ばかぁ・・・」
「まだ足りない?僕の指離してくれないよ・・・」
「あっ!あぁっ!」
「ふふ、可愛い・・・、僕の白・・・」
耳元で囁く京楽にいつにない恐怖を感じる白。
「や、こわい・・・」
「怖くないよ・・・?今日は後ろも使おうか」
「ひ?」
熱く猛るモノを宛がうと立ったまま、一気に奥まで収めた。
「はぁっ!熱い!春水さ!熱い!」
「うん!君のせいだよ・・・。足を僕に巻き付けて。そう」
下肢に指を這わすと、ぷつり、と蕾に指を沈めていった。
「ああぁん!やだぁん!ぬ、抜いてぇ!」
「気持ち良くない?ほら、君の中に僕が入ってるのが良く分かる・・・」
「いや!いや!変になるぅ!おかしくなるのぉ!」
ぎりり、と背に爪を立てる白。
「痛いよ?白」
「だ、だってぇ、怖い・・・」
「君を抱いてるのは僕だけだよ。何も怖がることなんか無いじゃないか」
「あ!ああっ!やあぁ!きゃううん!」
甲高い鳴き声を上げると気絶した白を抱えてベッドへ移る京楽。
「しろ、白、起きて?」
「んああ・・・」
「起きた?今度は後ろからね?」
「も、もうやら・・・」
「だめ・・・、僕はイって無いよ」
グチュっと動かすと悲鳴に似た声を上げる白。
「も、もうだめぇ・・・。ゆ、許してぇ・・・」
「何も悪いコトしてないじゃない?感じてるのに嘘は付いたけどね・・・」
「ひぃん!春水!春水!だめ、だめぇ!」
「くっ!」
「ひぃん!あつい!」
ビクビクと震える白の耳元、
「まだだよ、白・・・。コッチ来て・・・」
伸ばされた腕を取り、向かい合って座る京楽と白。
「ね・・・、もう・・・」
「だぁめ。ちゃんと掴まっててね」
京楽の胡坐の中に納められ、貫かれる白。
「んあぁ!やだ!春水!」
「ごめんよ、これで!終わりだから・・・!」
「ああ!ああ!いや!いや!もう!もうらめぇっ!」
キュウウ、と締め付ける白の中に全て注ぎ込む京楽。
「はっ!はっ!はあ!白?」
自分の腕の中でぐったりしている白を見て、流石にやり過ぎたと気付いた京楽。
白を洗い清めて、身体を拭き、ベッドに運ぶ。

(やれやれ、明日は白君が主導権握るのか〜。まぁそれも良いか!いっぱい呼んでくれたし!)
等と考えながらニヤニヤしていると、白が目を覚ました。
「白、大丈夫かい?」
「う・・・?」
暫くしてガバッと起き上がり傍にあった枕で京楽を叩きながら、
「怖くないって言ったくせに!」
「ゴメン、ゴメンね。あんまり可愛いから抑えられなかったんだよ」
「ばかぁ!そう言ったら済むと思って・・・、んむ!んん、ふあぁん・・・」
京楽が口付けで口を塞いだ。
「落ち着いた?」
「馬鹿、阿呆、スケベ!」
「まだご機嫌ナナメ?」
「ばかぁ・・・、許して欲しかったら、ぎゅってして、口吸って!」
「はい」
ちゅう〜。
「風呂は?」
「もう入れたよ。疲れたろ?もう寝よう、赤ちゃんにも触るよ」
「う〜」
「ね?」
手櫛で髪を整えてやり、ホテルの浴衣を着せてやった。
「変なベッドだな」
「面白いじゃない」
「いつもの方がいい・・・」

翌日は、普通に公園で、ブランコに乗ったりすべり台で遊んで帰りましたとさ。







09/04/21作 第83作目です。甘っ!何これ!白ってば別人じゃん!



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