題「馴れ初め」20 | |
翌朝、白は乳が張って痛くて目が覚めた。 「んん・・・、痛・・・」 京楽の腕の中で身じろぐと、ぐっと抱き締められた。起きてるのか?と見上げるも眠っているのか、穏やかな規則正しい呼吸音が聞こえるだけだ。 「ちょ、春水、起きろ。おっぱい張って痛いんだよ」 ぐいぐいと身体を離すが抱きしめられるだけだった。 「ふぅ・・・、どうすんだよ、朝月腹減らしてんじゃねえのか?ったくこの旦那はよ・・・」 ぶつぶつ言う白を、いつ起きたのか目を細めて見つめる京楽が居た。 「ん・・・、おはよ、白・・・」 「起きたんなら早く離せ!朝月に乳やんなきゃ・・・。乳が張って痛ぇんだ、よ!」 クイッと引き寄せられ、寝巻きを肌蹴させられた。 「なあ!?何を!んん!」 京楽が乳房を揉んできた。 「ホントだ、すごいねいつもより張ってる・・・」 ぷにぷにと揉んでくる。 「ん、痛いったら!早く朝月にって、あっ!」 ぴゅるっ!乳が溢れた。甘い匂いが辺りに漂うと、京楽が白の乳首に吸い付いては乳を飲み始めた。 「こら!この馬鹿!あん!」 「甘いねぇ・・・、今まで飲んだお酒なんか足元にも及ばないよ・・・」 「ばっか・・・」 顔を赤くしてると匂いに誘われたのか朝月が声を掛けてきた。 「かかたまぁ・・・?お腹すいたの・・・」 「あ、ほら!ゴメンな、朝月。おいで」 障子を開けて中へと入れてやり、乳を含ませてやると勢いよく吸いだした。 「ああ、愛しいねぇ、僕らの娘だ・・・」 「ああ・・・」 朝月の髪を梳いてやりながら、幸せそうに返す白。朝月が目を開けて母を見るとこれ以上ないくらい慈愛の籠った目で見てくれていた。心の底から安心してまた目を閉じ、一心に乳を飲んだ。 いっぱいになって丸くなったお腹、げっぷを促す白。 「ケプッ」 「いい子だな、美味しかったか?」 「あい!」 「そうかぁ、じゃあおむつ替えような」 「かかたま、朝月もうおむついい!」 「うん?厠で出来るのか?」 「分かんない、でも頑張る!」 「そうか、でも一応しとこうな?したくなったら厠に行こう?」 「あい」 その頃の一護は・・・。 剣八の腕の中を寝床にすやすやと眠っていた。が、やはり乳が張って痛みで起きた。 「痛ぁい・・・、わ、すごい張ってる・・・」 もぞもぞ動いていると、 「何やってんだ・・・?」 「あ、おはよう剣八。ん、おっぱいがすごい張って痛くって・・・。早く幾望にお乳あげないと・・・」 「ふうん・・・、どれ・・・」 寝巻きの袷を開かれ、両の乳房を露わにされた。 プルンッと揺れて、ツンと上を向いた乳房を指先で撫でてくる。 「ひゃん!」 「確かに、いつもより張ってんな・・・」 クリクリと乳首を弄っていると、じわ・・・と乳が滲んできた。 「お・・・、出てきたぜ・・・?」 「やあん・・・、早く幾望、に・・・」 言い終わる前に、剣八が乳首を口に含んだ。 「あっ!何してるの!」 ちゅうっと吸って、 「良いじゃねえか、まだ片っぽ残ってんだしよ・・・」 そう言うとまた吸い出した。 「んん!やん!揉んじゃやだぁ・・・」 一護の訴えに、くくっと喉の奥で笑い、 「感じるか?このままやっちまうか?」 「ひ?駄目だよぉ・・・、もうすぐ、朝ごはん・・・」 「ガキは幾望以外は松本んとこだ、気兼ねすんなよ・・・」 「ふあ・・・!」 押し倒され、朝から始まった夫婦の営み。流石に一回で終わらせた剣八。 「うう、剣八のスケベ・・・」 「それに乗るお前もな」 くっくっと楽しげに笑い、幾望を連れてくる剣八。 「かかぁ、まあー」 「ごめんなー、お腹空いたろ?いっぱい飲めよ?」 「うー、うっく、んっく、んっく、ちゅっ!チュッ!」 と一心不乱に飲む幾望を抱きながら笑う一護を後ろから抱き締める剣八。 「ん?どうかしたの?剣八・・・」 「別に・・・」 その広い胸に背を預ける一護。静かで安らかな時が流れていた。 「んぷっ!」 「ん?もう良いのか?じゃあゲップしような」 トントン背中を撫でげっぷを促す一護。 「けぷ!」 げっぷをするとまた眠くなったのか、うとうとしだした幾望を抱き直し、 「疲れたから俺もこのまま寝るね・・・」 と欠伸しながら蒲団に戻る一護。 「おい、おむつは?」 と尋ねるも既に寝息が聞こえていた。 「すー、すー・・・」 「ぷぅ・・・、ぷぅ・・・」 「ったく、この嫁はよ・・・」 自分のことは棚の上、幾望のおむつを替えてやる剣八。 捨てるついでに手を洗い、寝室に戻ると剣八もまた一護と幾望の隣りで二度寝に入った。 お昼頃、子供達が帰ってきた。 「ただいまー、かか様、とと様」 「ただいまー!かか様、とと様」 返事が返ってこないので、寝室を覗くと3人で寝ていた。 「あ、ずるい!あたしも!」 「じゃあ、僕もー」 もぞもぞと二人の間に入る二人。 「ん、んん?」 目を覚ますと、子供が二人増えていて驚いたが幸せそうに寝ているので、そっと髪を撫でてやる一護。 その手を掴まれ、剣八を見ると目を細めて自分を見ていた。あまり見ないその顔に見惚れていると、 「幸せそうだな、一護・・・」 「うん・・・、俺は幸せだよ、剣八に出会えて、この子たちを産めてこれ以上ないくらい幸せ・・・、剣八は?」 「俺もだ・・・、一護」 「なぁに?」 「ありがとよ、一護」 「あ・・・、俺こそ・・・」 睦言は続いた。 「春水、今日は仕事は?」 「ん〜?お休みだよ、一護君のとこもね」 「そうなのか、何でだ?」 「新婚さんだからねー、僕らは。ねぇ白、新婚旅行行かないかい?」 「なんだ?それ?」 「結婚して夫婦になって初めての旅行の事だよー、もう夏だし海に行こう」 「うみ?」 「あれ、知らない?もしかして」 「知らねえ、なんだそれ?」 「大きな、大きな、水たまりだよ。塩からいけどね、白の好きなお魚が捕れる所さ」 「一護も良いならいいぞ」 「じゃあ、皆で行こうか?女性メンバーと仲良くなったんでしょ?きっと楽しいよ?」 「んー、そうだな、アンタから言っとけよ。一護には俺が言うからさ」 「良いよ、今から言いに行く?」 「・・・今日はこのまま」 「・・・え?」 「だから!このまま3人で居るんだよ!家に!」 「あ、うん!分かった!」 後ろから抱き締めて、白の頭に頬ずりしながら喜んだ京楽。 「やーめーろ、マーキングすんな」 「やーだよ、白は僕のだもん」 「ばーか、お前と朝月の、だ。そんでお前は俺と朝月の!」 「っ!うん!」 「誰にもやんねえぞ・・・」 ふんっと鼻を鳴らして、その胸に凭れて朝月と一緒に眠り始めた白。 「すー、すー・・・」 「くぅ・・・、くぅ・・・」 「幸せって重いねぇ」 にやにやしながら、二人を蒲団に運んで一緒に並んで眠る京楽。 白と朝月の髪を交互に梳いてやりながら、いつしか自分も眠りに落ちていった。 新しい朝と家族、新しい生活の始まり。 終 09/05/11作 第81作でした。長かったです。本家の子狐追い越しちゃった・・・。 |
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