題「酔う母、怒る父」 | |
久し振りにイール達が来た。何の用かと思っていると、 「美味いワインを貰ったので持ってきた」 との事。俺は、 「ありがとう、立ち話も何だし上がれよ」 とイールとロイを招き入れた。グリも少し驚いて、 「メールぐらい寄こせ」 と言っていた。 「急だったのでな、すまん」 「でもこんなに良いのか?3本も」 赤、白、ロゼと揃っている。 「ああ、まだ家にあるし、この間夕飯を御馳走になったお返しだ」 「そんな気を使うなよ、子供なんだからよ」 「一護だって子供じゃん?」 「俺はいーの、親やってんだから」 からから笑ってロイを小突く。 グリがキッチンに持っていくとグラスを出して飲む用意をしている。 「何やってんだ?お前」 「何って、飲むんだよ」 「お前は未成年だろうが!」 叱りつけるとケロリと、 「前から飲んでるぜ?」 と返された。 「イールもロイもウルキオラだって飲んでるぜ」 「マジかよ・・・」 「一護は飲まないのか・・・?」 心なしか寂しそうに聞いてきたイール。 「んー、ああ、剣八に止められてんだ俺」 「何故?」 「知んねえ、前に皆と飲んだ事あったんだけどさ、次の日に言われた「二度と外で酒飲むな」って」 「ふーん、でもさ、ここウチじゃん?じゃあ良いんじゃねえの?」 「んー、そうかなあ?」 「そうだよ、折角イールが一護のたm・・・」 「余計な事を云うな!カスが」 「痛そうだな、大丈夫か?ロイ」 「ヘーき、飲まない?一護?」 「うー」 実は結構飲みたい一護。弱いけど・・・。 「じゃあ、ウル連れてくる!」 「あ?なんで?」 「だって、一人でも欠けるのイヤだし、それに共犯にしようかと」 悪戯っぽく言ってやった。いそいそとウルの部屋に行った一護。 「グリムジョー、お前の母親は可愛過ぎだ・・・」 「そうだな、俺も思ったよ・・・」 奇妙な沈黙が流れる。 「ウール?今いいか?」 ノックして話し掛けた。扉が開いてウルが立っていた。 「何ですか?お母さん」 「うん、あのな今イール達がさワインくれたんだけど、一緒に飲まないか?」 「ワインですか?」 「うん、赤、白、ロゼってあるんだけど」 珍しく歯切れの悪い一護に、 「俺にも共犯になれと言うんですね?」 「う、あ〜、いや?」 こてんと首を傾げる一護に、やれやれと言った風に、 「今回だけですよ?お酒はお父さんから飲むなと言われているんでしょう?」 「うん、でも家だし、良いかなって・・・」 「少しだけですからね?」 ウルは酔った一護を一度だけ見た事があった。剣八と飲んでいる一護が酔っていつになく積極的だったのを覚えている。 そして剣八に、 「こうなるから俺以外と外では飲ませねえんだ」 と言われたウルキオラ。 「ウル連れて来たぞー!」 「珍しい・・・」 「ふん・・・」 「まあいい、一護どれが飲みたい?」 「え?じゃあ赤!」 と言うとイールが全員分注いでくれた。 「乾杯」×5 くいっと飲むと途端に頬が染まる一護。 「あ、美味いし飲みやすいな」 そのままクーッと一杯飲み干した。 たった一杯で? その場にいた全員が思っていた事だった。 一護は最初の一杯で酔っぱらい、にこにこしていた。いつもは皺の刻まれた眉間も今は穏やかに笑っている。 そして徐にグリムジョーに抱きついた。 「グリー!」 「んなっ!」 驚くグリを尻目に一護はべたべたとグリの身体に触り始めた。 「お、お袋?」 「いいなあ・・・、なんでお前こんないい身体してんの?羨ましい」 「へあ?」 さわさわと腕を触りながら、 「腕だって、俺より太いしさぁ、良いなぁ良いなぁ」 「い、いや、それより退いてくれ、お袋」 「なんで?」 「なんでって・・・」 現在一護はグリの太腿に跨っている状態である。 「俺が嫌いなのか?嫌になった?」 下唇に人差し指を当てて聞いてきた。酒のせいで目が潤んでいる一護に聞かれて、 「そんな事あるはずねえ!」 と言えば破顔して、 「良かったぁ・・・!」 とグリの頭をわしゃわしゃ掻き交ぜながら抱き締めた。固まっているグリの次は、 「ウルー!」 とウルキオラに抱き付いた。黙って受けとめたウルに、 「ウルはいつも優しいなぁ!いつも色々気を使ってくれて嬉しいけどさ偶には我が儘言えよな?」 くしゃくしゃと優しく髪を掻き混ぜる。 「そうですね・・・」 ウルの腕とグリの腕を持って、間に挟まると、 「二人共大好きだよー!あはははは!」 と笑った。 がらら、と玄関の開く音がした。帰ってきた!ヤバイと感じたウルキオラ。 「お母さん早く酔いを醒まして下さい!お父さんが帰ってきました!」 「ん〜?ほんとだぁ、お帰りぃ剣八」 へらへらと二人の息子の間に納まっている一護を一瞥した。 「いっちー、お酒飲んだの?剣ちゃんからダメって言われたのに・・・」 「あー、やちるだー!いつもかわいいな、俺の娘ー」 すりすりと頭のてっぺんに頬ずりした。 「・・・ウルキオラ、一護はどんだけ飲んだ?」 いつもより低い声に怖々、 「グラスに一杯です・・・」 「ふうん・・・」 「剣八ー!お帰りー!」 と抱き付いた一護。そんな一護の腰を掴みながら、 「おい、お前ら二人は今すぐ帰れ、ガキ共は部屋から出るな・・・」 「分かりました・・・」 とウル。怒っているのだろう事がアリアリと分かったので部屋に籠った。 イールとロイも、 「あ、ああ、ではな一護、グリムジョー」 「じゃあね、一護」 と言って帰っていった。納得のいかない顔をしていたグリだったが、剣八に睨まれて部屋に帰った。 「は〜い!剣ちゃん優しくね?」 「さあな・・・」 剣八がテーブルの上のワインを見ていると、 「どうしたの?剣八」 「・・・酒は飲むなって言ったよな・・・?」 「なに怒ってんだよ?」 コイツは! 「なんで二人の間にいた?」 「俺が抱き付いたから。?」 「ほう・・・、お前からねぇ」 「剣八?」 いきなり顎を掴まれて噛みつくような口付けをされた。 「ん!んんっ!んっふぅ!あふ!んくん」 「俺は言ったよな、俺以外と外では酒は飲むなって、一護?忘れたか?」 「ここ、家だもん・・・」 つい反論してしまった。 「俺以外とも言ったぜ、なのにお前は俺以外の男4人の前で酔った訳だ」 「そ、だって、アイツ等はグリの友達だし!」 「関係ねんだよ!」 その声はグリの部屋にも届いていた。 「なんだぁ?」 部屋から出るとキッチンへと向かった。 一護は、服を全て脱がされ裸にされ着ていたシャツで後ろ手に括られていた。 「やだぁ、何するの・・・?」 「うるせえ、黙ってろ。お仕置きだ・・・、さっさと覚えねえと身を滅ぼすぜ?」 テーブルの上に下ろすと、 「足はきっちり閉じとけよ?」 「え?」 剣八はそこにあった栓の開いたロゼの瓶を取ると一護の股間にワインを注いでいった。 「や!やだぁ!冷たい!」 「暴れんな・・・!暴れたら零れるぞ?テーブルクロス汚れちまうぞ?」 「うう・・・」 「くく!いい子だ一護・・・」 「ばかぁ、早くなんとかしろよ!」 「安心しろよ、俺が全部飲んでやるからよ・・・」 「ひ?な、何やって!やぁん・・・」 ぴくぴくと震える一護。当然ただ飲むだけで済むはずがなく、羞恥で勃ち掛けた一護自身をチロチロ舐めた。 「んあ!やめっ!」 「言う割にゃ、おっ勃ってんぞ?一護」 完全に立ち上がったそれに舌を這わせれば、先走りが溢れてきた。 「おっと、これじゃあ全然酒が無くならねえなぁ?一護?」 それを見てしまったグリムジョー。一瞬で固まってしまって動くに動けなくなってしまった。 見たくないのに、目に入ってくる。 剣八に自分のモノを舐められ嬌声をあげる一護。 聞きたくないのに、耳に入ってくる。 「んああ、もうやだぁ、あ、あ、いかせてぇ・・・」 ぴちゅ、と音を響かせて顔をあげると剣八は、ふと視線を感じた。感じた方に目を向けると固まったままのグリが居た。 剣八がにやりと笑うとびくっと動いた。 「一護、イキたいか?」 「ふぁ!い!イキたい・・・!」 じゅっと音を立てて残ったワインを飲み干して一護自身を口に含んだ。 「ああっんっ!んっ!んんっ!」 シャツを外してやり、一護をテーブルに寝かせてやる。くちゅくちゅっ、ぴちゃぴちゃと響く度に一護の背が撓った。 「こら、顔隠すんじゃねえよ」 「あ、や、だって・・・」 「俺しか見てねえじゃねえか」 「う、うん・・・」 ひくひくと頷いた一護。 「一護・・・」 耳を食みながらも手で追い上げる。 「あっ!あっ、あっ、んっ!いっや!ああっ!」 ビクッビクッと吐精した一護。 「あ・・・、はあぁ・・・」 荒い息を整えながらも身体に力が入らない一護。とろりとした目が辺りを彷徨っていた。 「ッ!」 「まだ酒残ってんな・・・」 「?」 「飲ませてやンよ・・・」 「ふえ?」 身体を反転させられてテーブルに突っ伏す。何が何だか分からない一護。剣八が一護の蕾に指を這わせながら、 「こっから飲ませてやるってんだよ」 と笑った。 「や!いやぁ!」 身を捩って逃げようとするが無駄な抵抗だった。 「酒が飲みてぇんだろ?一護・・・」 「やだぁ・・・」 ぐちゅぐちゅとそこに舌を這わせ、指で解していく。唾液の代わりにワインを注いできた。 「あっ、やあ!冷た!」 「おい、もっと腰上げねえと零れんだろうがよ」 ぴしゃりと尻を叩かれた。 「あう、やら、やら、もうやらぁ!」 「顔が赤いな、もう酔ったか?一護」 くっくっと笑う剣八が予告もなしに突き入れた。 「んああー!あ、あ、も、もうらめぇ・・・」 がくがく震えながらテーブルにしがみ付いた。テーブルの上の瓶やグラスがガチャガチャ鳴って耳ざわりだった。 「うるせえな・・・!」 テーブルに突っ伏し、はふはふと息の荒い一護を抱えあげると背面座位の形で抱いた。 「やあぁ・・・、ふかぁい・・・」 びくん、びくんと揺れる一護の身体が限界を教えていた。 「ほらよ、一護俺もお前ん中でイってやるからよ、イッちまえ・・・!」 ぐりっと前立腺を抉ってやった。 「ひっ!んあっ!あー!」 達すると同時に気絶した一護。剣八はテーブルの上のモノをシンクに置くと、一護をクロスで包んで風呂場へ向かう。 キッチンから出ると、未だに固まっているグリに、 「どけ、邪魔だ」 と一言掛けた。漸く動くとその場に座り込んだ。 剣八は一護を風呂に入れて洗い清めた。 「う、ん・・・」 「目が覚めたか?」 「あ、剣八・・・」 「これに懲りたら二度と俺以外と酒飲むな・・・」 「・・・おう」 次の日からグリが目を合わせてくれなくなった。喋ってもくれない。 「俺なんかしたっけ?」 「大丈夫です、お母さんは何も悪くありませんから」 「でもよぉ・・・」 部屋に籠ったグリをやちるが慰める。 「しょうがないよグリ兄、いっちーは剣ちゃんのものだからね」 ポンポンと頭を撫でられる。部屋から出ればウルがいつもよりも冷たい目で、 「貴様の軽率な行動のせいで母様は心配されている、自分のせいだとな」 と詰ってくる。 剣八には、 「いい加減にしやがれ!あいつは俺のモンだって分かってただろうが!」 と叱られた。 「う”〜」 さらに引き篭もるグリムジョー。 「グリ?入るぞ?」 「・・・・・・」 扉を開ける一護。背中を向け、胡坐をかいているグリが居た。 「なぁ、どうしたんだよグリ?何かあったのか?俺が悪いのか?」 頑なにこっちを向こうとしない息子に問い掛けるも答えてもくれない。 ふわっと髪に触るとびくっとする身体。 「なあ、もう何日もお前の顔を見てないよ?顔見せてくれよ?」 「・・・やだ・・・」 「なんで?」 「・・・」 「俺、嫌われたのかな?母親失格か・・・」 その呟きにバッと振り向くグリ。 「き、嫌いじゃない!失格じゃない!ただ、まだ整理出来ないだけだ・・・」 「整理・・・?」 「なあ、お袋、俺こそ此処に居てもいいのか?あんたの息子で居てもいいか?」 「あ・・・、当たり前だろうが!何だよ!突然!出て行こうとしたって駄目だかんな!させないからな!」 ギュッと抱き締める一護の腕に身を委ねるグリムジョー。 一護の身体からは、日向の匂いがしてとても落ち着いた。 終 09/02/21作 第68作目です。親離れはまだ先の様です。 |
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