題「初詣の後で・・・」
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」
居間で一護が家族みんなに挨拶した。それに倣い、それぞれが、
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」
「あけましておめでとー!今年もよろしくねいっちー!」
「おめでとう、今年もよろしく・・・」
「おう、今年もよろしくな、一護」
照れたり、笑っていたり可愛いなあと思いつつ、
「さ、じゃあおせちとお雑煮食べようぜ」
「わーい!いっちーのおせち大好きー」
「あはは、ありがと、はい剣八」
「ん」
やちる、ウル、グリ、自分に取り分けて、
「お祝い」と言って食べ始めた。ウルとグリにとってこんな正月は初めてで幾分興奮していた。
「なあ、お袋、このおせちって正月だけなのか?」
「ああ、雑煮もそうだよ。気に入ったのか?」
「ん、甘いの多いから」
「三日で終わりだからな、雑煮も食えよ、冷めたら餅が固くなる」
「あ、おう」

全員食べ終わって、初詣に行くため着替える。やちるは妹のお下がりの晴れ着を着ていた。お下がりだったが、
「こんな綺麗な着物着たこと無い」
と大喜びだった。剣八も新調した着物を着た。一護と子供二人は年末に3人で新しく買った服を着ていた。
「全員揃ってんな?じゃあ今から初詣に行くぞ、迷子になんなよ」
「ならねえよ」
「大丈夫ですよ、お母さん」
「だと良いんだけどな」
帰巣本能だけは良いクセに迷子になる旦那の横でぽつりと零した。

近くの神社に着くとすごい人だった。
「うわっ!今年もすごいなー、やちる、着物汚れない様に剣八に乗ってろよ」
「うん!分かったー」
ぴょいんっと背中に飛び乗った。鳥居をくぐり、手水場で手と口を清め、境内へ入る。
「ほら、お賽銭」
皆に五円玉を渡す。
お願いごとは決めたのか?と聞かれて、
「内緒です、言ってしまっては叶わないと聞きました」
「俺も」
「ふ〜ん、まあいいや」
自分のお賽銭を投げてお参りする一護。願うのは家族の事。あまり必死にやっていたので、隣りの剣八に揺さぶられた。
「いつまで拝んでんだ、まだ買うもんとかあんだろ」
「あ、そうだワリィ」
そう言うと社務所の方で破魔矢を買う。後はおみくじだ。
「吉だ」
とウル。
「むぅ、小吉・・・」
とグリ。
「やったぁ!大吉!」
とやちる。
「やんねえの?」
「くだんねえ」
「お前な・・・」
カラカラとおみくじを引く一護。
「あ、末吉・・・」
微妙だな。
「まあいいか、みんな吉が出たんだし」
後は皆で屋台を見て回った。
「ウル、グリ、やちる、ハイお年玉」
「わーい!」
「無駄遣いすんなよ」
「分かったー」
「お袋?これはなに?」
「お年玉。正月の小遣いだよ」
「ハイ、ウルも」
「ありがとうございます・・・」
「なんで?」
「なんでって、めでたいからじゃねえの?ほら好きなモン買うなり、食うなりしろよ、無駄遣いはすんなよ?」
「はい・・・」「おう・・・」
2万円ずつ入っていた。
「お前らの年じゃ少ないだろうけどな、まあ気持ちだ、気持ち」
「いいえ!嬉しいです、ありがとうございます、お母さん」
「あんがとよ、お袋・・・!」
「おいおい、稼いで来てんのは、お父さんだろ?コイツにも礼言っとけよ」
「ありがとうございます、お父さん」
「・・・あんがと、お、親父」
「だってよ、良かったな?お父さん」
「ふん・・・!」
大事そうにポチ袋を握る二人に一護が、
「何も買わねえのか?」
「いえあの、なんだかもったいなくて」
「20歳まではやるもんなんだから、気にすんなよ」
「はい」
「あっ、いたいた、やっと見つけたわよ!やちる」
「乱菊さん、あけましておめでとうございます」
「おめでとう、一護、おめでとうございます、更木隊長、やちる」
「おう、で何だ仕事か?」
「いえいえ、初詣の後に遊ぼうとやちると約束してたんですよ」
「そうかよ」
「あけましておめでとう!ウルキオラ、グリムジョー」
「おめでとうございます」
「おめでとう」
そこにイールとロイも合流した。
「おめっとさん、一護」
「おめでとう一護と旦那さん」
「おめでとう、イール、ロイ」
「遅かったな、お前ら」
「だってこんな人混みじゃあしょうがねえじゃん」
「あら、可愛い、ねえ貴方達ヒマだったらお姉さん達と遊ばない?綺麗なお姉さんいっぱい居るわよ」
「誰?あんた」
「剣八とやちるの同僚さんかな?」
「まあそんなとこね、ほらウルも来なさいよ(分かるでしょ?)」
こそっと言った。なるほどと頷いた。
「珍しいな、ウルが遊ぶなんて」
にこやかに言う一護。
「じゃあ、俺はやちると遊んでますね、お母さん」
「うん、遅くなる前に帰れよ」
「はい、お前も来い。グリムジョー」
「何でだよ、俺は帰って寝たい」
「そう言えば、一護の昔の写真とかあったわねー」
と呟く乱菊。ピクッとするグリ。
「来る?」
「おう・・・」
「あんた等も来なさいよ。この子と遊ぶつもりだったんでしょ?」
「いいの?じゃあ行く!」
「仕方ないな」
ぞろぞろと全員で神社から出ると、協会のメンバーが待っていた。
「あー来た来た、乱菊さんここです!」
「じゃね、一護、また遊びに来なさいよ」
「行ってきまーす」
「行ってきます」
「じゃあな」
「ばいばい、一護」
「では、失礼する」
と皆遊びに行ってしまった。
「帰るか?剣八」
「ああ・・・」
来た道をゆっくり帰る二人。
「ちょっとさみしいな・・・」
「どうせ夜にゃ帰ってくんだろ」
「うん。剣八、手ぇ繋ごう」
「ほら」
「えへへ」

「まったく、世話の焼ける夫婦ねえ」
「子供なんですから仕方ないですよ・・・」
「この子とやちるは分かってんのにね」
「はあ・・・」
視線の先には一護の昔の写真と話に盛り上がるグリの姿。

その頃の一護と剣八は。
「ちょ、帰ってきていきなり押し倒すな!服買ったばっかなんだぞ!」
「なら早く脱げよ、破くぞ」
蒲団の上で、揉み合っていた。
「何なんだよいきなり・・・、あっ」
後ろから項に吸い付かれた。
「一護・・・」
「ん・・・」
耳元で囁かれ抗う気がそがれた。背中を剣八に預けていると服の中に手が入ってきた。
「あ、ん、剣八・・・」
「一護、一護」
首筋に吸い付き、脱がせていった。
剣八が手早く全て脱がせていった。
「あ、早・・・」
「待てるかよ、どんだけ触ってねえと思ってんだ・・・?」
自身も脱いで、覆いかぶさってくる剣八。性急なのにその手は一護の身体を這いまわった。
「ああ、剣八、や、くすぐったいよ」
それでも触られた所から熱くなっていくのが分かる。
「剣八・・・」
一護も手を伸ばし、剣八の身体に触れて行く。
「一護・・・」
その手を取って手の平に口付けて、舌を這わせた。ぞくぞくした。
「あん・・・、けんぱち・・・」
身体をずらすと剣八は、一護の中心を口に含んだ。
「あっ!やっ!ああっ、ああっ、やぁっ、も、だめぇ・・・!」
ビクッビクッと達してしまった。剣八は全て飲み下した。
「あ、はぁ、ばかぁ・・・」
「初もんだな、相変わらず濃いいな」
「忙しかったもん・・・」
「自分で抜かなかったのか?」
「なっ!なっ!そっ!してねぇ!」
真っ赤になって怒る一護。足に熱いモノがあたった。見てみると剣八は既に臨戦状態だった。
「あ、剣八、座れよ・・・」
「何だよ?」
言いつつ胡坐をかく剣八。
その中心に顔を埋める一護。ちゅっと吸い付き、舐めていく。
「くっ、おい、一護、いいからやめろ」
「やだ・・・、下手だからいや・・・?」
下から上目遣いに見上げてくる。
「っ、そんなんじゃなくて・・・」
それを聞いて、口淫を続ける一護。いつも剣八にしてもらってる事を思い出しながら舌を使った。
「ん、っふ、んクッ、あむ、ふう!ンっ!」
剣八が二本の指に唾液を絡ませ、一護の蕾に這わせた。
「んっ!ぁっ、やっ!」
「こら・・・、休むな・・・」
「んん・・・、ん!ぁん!くふぅん、ん、ん、あっ!ぐ、んく、んくん」
自分の口に出された剣八の精を飲み下す一護。
「一護・・・、次はお前ん中に入りてえな・・・」
口許を拭ってやりながら、口付け、その名残を塗り込めていった。
「うん、早く来て・・・、剣八・・・」
一護の蕾に宛がうと一気に奥まで埋めた。
「あっ、あーーっ!あ、あ、う、剣八、剣八・・・」
「く、締め付け過ぎだ一護」
「ああ・・・、だってぇ・・・、ひ、久し振りなんだもん・・・」
「そうだったな、動くぞ」
「うん、いいよ」
ズルッと引き抜いては奥を突いた。
「あぁんっ!ああっ!あっ!ああっ!あんッ!やっ!イッチャう!」
「早ぇな、そんなんじゃ身が持たねえぞ?」
「だ、だって、あっ!あっ!ああっあっーー!」
「くっ」
「あ、あうう・・・剣八ぃ・・・」
ひくひくと痙攣しながら剣八に抱きつく一護。
「一護、俺はまだイってねえぞ?まだまだこれからだ」
「あ、あ、あ、ひんっ!やっ!ああっ!ああっ!剣八!剣八!いやっ!イク!またイッチャうぅ!」
「イケよ、今度は俺も一緒にイってやるよ!」
「あ、あう!う、嬉しい!ひっ!やあっ!ああっ!ああっあーー!」
「くうっ!」
ドクッ、ドクッと一護の中に弾けた剣八の熱さに一護が、
「ああ・・・ん、剣八、熱ぅい・・・、気持ちいい・・・」
「一護?」
剣八が一護の顔を覗き込んだ時には、もう意識を手放していた。
「早ぇよ・・・、くそ!風呂場でやるか・・・」
寝巻きを二人分持って、一護を風呂まで連れていった。
「う・・・ん・・・」
「目ぇ覚めたかよ?」
「あ、剣八、何やってんの?」
「見ての通り、お前の身体洗ってんだよ」
「ありがと、もういいよ、自分で洗う」
「まあ良いじゃねえか、大人しくしてろよ」
ヌルッと手を滑らせてきた。
「あんッ!んん!」
「ほれ、そんなんじゃ無理だろ?」
ヌルヌルと足先まで来ると指を一本一本丁寧に洗っていった。
「あっ、やっ!ああっん!も、もうだめぇ・・・」
ざばっとお湯が掛けられ、身体の泡を流された。安心したにも束の間、今度は足の指を口に含まれた。
「ば、ばかあ!な、何して、や!やあん!」
ちゅるちゅると舌を動かして舐めていた剣八が漸く離れた。
「あ、はぁあ、あ、ん・・・」
「なあ、一護、まだ足んねんだけどよ、お前いけるか?」
「お前・・・、こ、こんなにしといて、わざわざ、聞くのか?」
フルフル震えながら言うと、
「来いよ!満足させろよ」
「上等だ、気絶すんなよ?」
「うるせえ、早く、しろよ」
「一護・・・」
向い合わせになって座ると、ゆっくりと一護の中に入っていった。
「ん、ああ、ああ、け、剣八」
「一護、顔見せろよ」
「は、あん」
一護の顎を掬いあげ、顔を見る。目に涙を溜め震えていた。
「一護、可愛いな・・・」
その言葉に、きゅっと中が締まった。
「あ、ん、それ言うなって・・・」
「可愛いモンは、可愛いんだよ、一護・・・」
「ん・・・」
口付けられた。何度も角度を変え、深く深く口付けた。
「ん、んふ、ぁん、んくん、あ・・・、もっと・・・」
「一護・・・、動くぞ」
「うん、ぁっ!あっ!あんッ!ああっ!ひっ!ひんっ!」
「イク、ぞ、一護・・・」
「うん、うん!お、俺もイクゥ!んああっ!」
「くう!」
どくんと熱の塊を一護の中に注ぎ込んだ。
「あぁ・・・ん、お腹、あつい・・・」
「一護・・・」
ギュッと抱き締めて、軽く口付けた。
「抜くぞ、もうそろそろ帰ってくんぞ」
「ん・・・、あんッ!」
一護の身体の処理をしてお互いの身体を洗って、湯船に浸かった。
「剣八、次はいつ休めんの?」
「さあな、じじい次第だ」
「そっか・・・、ゆっくり出来ないんだな・・・」
「寂しいか?一護」
「お前は疲れないのかよ?」
「少しでも体力使ってないと、お前が壊れるだろ?」
「っ!ばか!」
「正月なんだ大目に見ろよ、まっ、姫始めも済んだ事だし寝るか」
「蒲団片付けなきゃ・・・」
「俺がやる・・・」
「剣八、無理はすんなよ・・・?」
「ああ、しねぇよ、帰ってこれなくなんのは嫌だからなぁ・・・」
「うん、ちゃんと帰って来て、俺のとこに、子供のとこに、この家に」
「ああ・・・」
チュッとキスを交わして、風呂からあがる二人。着替えて部屋に行き、汚れた物を片付けていると子供達が帰ってきた。

皆、向こうで食べて来たと言っていた。
「へえ、何食べて来たんだ?」
「え〜と、向こうでおせち食べて来た。美味しかったけどやっぱりいっちーのが一番美味しい!」
「ありがと、それぞれの家庭の味があるからな」
「二人も食べて来たのか?」
「おう、だからもう寝るわ」
欠伸をしながら部屋に帰るグリ。
「俺も部屋に帰ります、おやすみなさい、お母さん」
「うん、お休み」
「いっちー、あたしも寝るね、おやすみなさい!」
「おやすみ、やちる」

「俺らも寝るか・・・、明日から仕事だろ?飯も作らなきゃな・・・」
「ああ・・・」
寝室で蒲団に包まる一護の横に剣八がその腕に抱える様にして、抱いて眠った。
ちょっと苦しかったが、安心して眠る一護。

明日の朝食は何にしようかな・・・。






09/01/03作 第50作目です。家族物で「姫始め」一護も色々我慢しているご様子。可愛いな。
剣八は剣八で今度の休みは一護を連れ出そうとか思ってたり・・・。



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