題「名前」
 情事の最中に耳元で囁かれる名前―

たったそれだけの事なのに俺の身体は歓喜に打ち震える―

アイツの低い声が耳元で俺の名前を口にする。鼓膜が震える。俺の身体はそれに応えるかの様に、快感を拾い上げる。

「一護・・・」

「あ、ああ・・、剣八、剣八・・・」

俺はそれだけで嬉しくなって何度もアイツの名前を呼ぶ。何度も何度も呼ぶ。

アイツが俺の名前を一回呼ぶ。それに応えるためには何度呼んだって呼び足りない・・・。

だけど呼ぶ度に、一番感じる所を突かれるから言葉にならない時もある。

「剣っ!あっ!ああっ!ひんっ!んあっ、あっ、やっ、け、けんぱ、ちぃ・・・、い、いじわるすんなよぉ」

「くっ、意地悪も何もお前ココ好きだろうがよ?一護?」

「んああ、剣八い、剣、八!あっ、あっ、ひぁっ、ああっ、ああっ、んあっあーっ!」

堪らず一護が吐精する。同時に剣八も一護のナカに出す。

「んあぁ・・・、剣八ぃ・・・」

剣八はゾクゾクした。



―コイツは知らねえんだろうな・・・。この声が俺を煽ってるってよ・・・。

わざと途切れさせてるって何時気付くかね・・・。聞いてるこっちが持たねえんだよ。

お前の足腰が立たねえのはお前にも責任あるんだぜ。

まっ、悪かねぇから今度から聞いてやるよ、お前の口から出る俺の名前をよ。その為にはいくらだってお前を呼んでやる。

覚悟しろよ。

一護。



アイツが、
      紡ぐ俺の名前は特別な物。誰にもやらねえ。
コイツが、

終                  




08/10/29作 第32作目です。剣一同盟にてアップしました。


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