題「誕生日プレゼント」
明日は、11月19日。剣八の誕生日だ。何を渡すか散々迷った挙句、腕時計にした。それは俺の誕生日に妹達が
小遣いを出し合って俺に買ってくれた物。明るい茶色の革のベルトが髪に似合うと褒めてくれた。
剣八にはどんなのが似合うかな。俺は時計店で物色する。店員が話し掛けてくる。
「どなたかにプレゼントですか?」
愛想笑いと常套句。それでも俺は一応、
「ええまあ、叔父の誕生日に・・・」
と用意してきたセリフを口にする。資金は3万円。どれにしようか迷う。
ふと、一つの腕時計に目がとまる。黒い革の艶消しのベルトがシックな代物だった。値段は2万8千円でギリギリセーフ。
それを買って包装して貰う。後は渡すだけ。

 当日、瀞霊廷にやって来た俺は何度もプレゼントを見ては確かめた。喜んでくれるかな?メッセージカードには、
『HAPPYBIRTHDAY!Dear 剣八』の文字。何だかくすぐったい気持ちになる。

報告を済ませ、十一番隊へ向かう。宴の準備でわたわたしていた。当の祝われる本人は縁側でのんびりしていた。
「よう、剣八。随分大人しいな」
「一護か、まぁな、今日ぐらいはな。どうせ夜には大騒ぎになるんだろうからな」
「はは、言えてるな」
他愛ない話をしてまた夕方にと、別れた。俺は両手の中の箱を見ながら妹達もこんな気持ちだったのかなと思った。
前をよく見てなかった俺は誰かにぶつかった。
「痛っ!ワリィ、大丈夫か?」
顔を上げて相手を見る。知らない奴らだ。十一番隊じゃないな。
「お、こいつ元旅禍のガキじゃねえか」
確かにそうだが面と向かって言われるとムカつくなと顔に出たのだろう。
「何だ?文句でもあんのかよ?」
「いや?別に・・・」
さっさと離れたくて歩こうとした時、
「人にぶつかっといて挨拶無しかよ?」
「まあ十一番隊に入り浸ってる奴だからなあ」
「隊長殿も出来の悪い情人(イロ)を持って気の毒になあ?」
カァッと頭に血が上った。何よりも俺のせいで隊や剣八が悪く言われた事の方がムカついた。
「最初に謝っただろ?頭と同じに耳も悪いのか?あんたら」
よせば良いのに、喧嘩を売った。
「何を!」
「人間のガキ風情が!」
「その人間を守るのもあんたらの仕事だろうが!」
「やかましいわ!」
手に持っていた箱を手で弾かれた。
「あっ!」
慌てて拾おうとしたが相手に取られてしまった。
「何だぁ?いやに大事そうに持ってんな」
「うるせえな、関係ねえだろ。汚い手で触んな!」
「この糞ガキが!」
そいつはそれを地面に叩きつけて足で踏みつけた。
「ハッ!でかい面してっからだ。バーカ」
ゲラゲラ笑う下卑た声なんかどうでも良かった。そいつの足の下にある物が俺にとってどれほど大切か、どれほどのものを踏みにじったのか思い知らせてやりたかった。どんどん霊圧が上がっていった。凶悪な気持ちそのままに抑えられなかった。
そいつらは恐怖で動けなくなっていた。刀は持ってなかったけど負ける気はしなかった。
ソコに、恋次と白哉が現れた。
「何やってんだ?一護」
「兄、霊圧を下げよ」
二人に窘められて漸く落ち着いた。ぐしゃぐしゃになったプレゼントを拾い上げながら、
「今度、十一番隊と剣八を軽んじたら・・・、最後だぜ」
そう言った。二人はそう言う事かと納得した。
「一護、それもしかして、更木隊長の誕生祝いか?」
「ああ・・、まあな。原型とどめてねえけど」
へらへら笑う。やばいなと直感した恋次。こいつがこんな笑い方する時はかなり何かを我慢している時だ。
「しょうがねえよな・・・、俺が悪いんだ・・・」
喧嘩さえ売らなければ、無事だっただろう手の中のプレゼントを握り締める。
「なんで俺ってこうなのかな?嫌んなる・・・」
「お前は悪くねえだろ」
「うむ、人を守るのも我ら死神の務めだ。それを指摘されてあのような愚行に及ぶこ奴らが悪い」
「恋次、白哉・・・、ありがと・・」
嬉しかったけど手の中の物は元に戻らない。もう隊舎に戻らないと、でも渡す物が無くなった・・・。
「あ〜、その一護、何も物渡すだけが祝いじゃねえからよ。あんま気落ちすんなよ?」
「ん、そうだな」
「俺も呼ばれてっから後でな」
「ああ、じゃあな」
恋次達と別れて隊舎に戻った。
「遅かったね、一護君。もうすぐ宴会始まるよ」
弓親が話しかけてきた。
「うん、すぐ行くわ」
俺は自分の部屋に行って壊れたプレゼントを文机の上に置いた。箱から覗くメッセージカードが目に入った。
―誕生日おめでとう、親愛なる剣八へ〜一護より〜―
直訳するとこんな感じか?涙が滲んで文字が掠れた。
「あ〜あ、馬っ鹿みてえ!」
勢い良く起き上がって宴会場になってる道場に向かった。
「おっせーぞ!一護!」
何故かすでに出来上がっている一角が居た。弓親に、
「どうしたんだ、アイツ?」
「ああ、いつもの事だよ。隊長と飲み比べして負けてさらに自棄酒」
「へ、へえ」
剣八は普通に見えた。他の隊士が祝福の酌をしてはそれを飲んでいる。やちるが何かでかいモノを渡している。
「剣ちゃん!お誕生日おめでとう!これプレゼント!」
「なんだ、こりゃ?」
「抱き枕だって!」
「ふーん、あんがとよ」
と笑ってガシガシ頭を撫でている。俺も腕時計を渡したらあんな笑顔向けてくれたかな・・・。と思って今日は剣八の
誕生日だと思い出し気を引き締める。
「剣八、誕生日おめでとう」
俺も酌をする。
「おう、で?お前からは何か無いのか?プレゼント」
「あ、あ〜、わり。用意すんの忘れた!すまん!」
なるだけ明るく謝った。
「ほう・・・、まあいい、ここにお前居るしな」
と言われて泣きそうになった。他の隊士達が酌に来たので壁際に避難する。
「お疲れ様、一護君」
「弓親、何が?」
「いや、何となく・・・」
「変なの・・・?」
壁際で皆を見てたら不意に、ああ、此処は俺の居場所じゃないって思った。苦しくなって弓親に、
「ゴメン、気分悪くなったから部屋に帰っていいか?」
「えっ?大丈夫かい?」
「ん、剣八には悪いけど」
「ちゃんと言っとくから、寝ときなよ?」
「あんがと」
一護が部屋に帰って入れ違いに恋次がやって来ていた。一護は風呂に入って蒲団に入っていた。宴会は楽しそうだ。
「遅くなりました。阿散井です!更木隊長、誕生日おめでとうございます!」
「おう、阿散井か、久し振りだな」
「はい!あれ?一護はどうしたんですか?」
「あん?そういやいねえな」
「一護君なら気分が悪いって部屋ですよ。大方お酒の匂いにやられたんじゃないですか?」
「あ〜、あいつ、やっぱ気にしてんのか」
と言う呟きを耳聡く聞いた剣八が、
「何の事だ、阿散井」
「いやぁ、さっき外で一護が絡まれてまして、それはまあいいとして更木隊長の誕生祝いを足で踏み潰されちゃいまして、かなりへこんでたんですよ珍しく。で、どうかなと思いまして」
「なるほどな・・・、まあゆっくりして行け。弓親、そいつら探し出しとけ」
「はい」
あ〜あ、バカな奴らだぜ。酒を飲みながら恋次は思った。
「よお、なんで一護はそんな奴らに絡まれてたんだ?」
復活した一角に聞かれた。
「最初はぶつかっただけだったんスけどね、その内十一番隊を悪く言い出して、最終的には更木隊長まで引きあいに出されて頭に来たみたいですね」
「ふ〜〜ん・・・」
「出来の悪いイロだとかも言われてましたね」
重苦しい空気に変わった。一角の目が据わっている。
「じゃあ、念入りに可愛がってやんなきゃなあ?」
「殺すなよ、一角」
「分かってますよ、それより早く一護慰めてやった方が良いんじゃないですか?隊長」
「わあってるよ」
手の杯を呷ると立ち上がり一護の部屋に向かった。
「後はてめえら好きにやっとけ、阿散井、ゆっくりして行けよ」
「は、はい」
ドスドスと足音は遠のいていった。

 一護の部屋に着くと障子を勢い良く開けた。驚いた一護が顔を上げた。その顔には涙の跡が付いていた。
剣八は指で拭うと、
「あっ!その、欠伸で」
あたふた言い訳を始める一護が愛しく思え同時に泣かせた奴を憎んだ。
「一護・・・、誕生日プレゼント貰いに来たぜ」
「だ、だから・・・」
「お前だよ」
「へっ?」
「今から俺の誕生日が過ぎるまで、何でも言う事聞くつうのはどうだ?それまでお前の時間を俺が貰うんだ」
悪くねえと思うぜ?と畳み掛けた。
「それで、良いのか?お前は。お前が良いなら俺も良い、よ」
「よし成立したな」
チュッと口付けた。
「一護、お前から口付けしてみろ」
「う、うん」
最初は触れるだけ、その内いつも剣八にしてもらってる様に歯列をなぞり、歯と歯茎を舐めあげる。
「ん、ふっ、はぁ」
息が苦しくなった、剣八が薄く歯を開いてくれたので舌を滑り込ませる。剣八の舌に触れてびくっとする一護。
「ん、んん、あ、剣八・・・」
柔らかいそれに吸い付いて絡め合った。くちゅくちゅと音が響いて飲み込み切れない互いの唾液が溢れる。それを逃すまいと剣八の首筋に舌を這わす一護。
「一護、俺は口付けって言ったんだぜ?」
「あっ・・・」
耳をやわやわと揉まれる。
「ひうんっ、剣八、次は?」
「そうだな、浴衣脱いで、俺のも脱がせてみろ」
「ん・・・」
しゅるりと帯を解き、浴衣を脱いだ一護。下には何も着けて無かった。剣八の着物に手を掛けていると、
「何も着けてねえなんて珍しいな。俺が来ると思ったのか?」
「そうじゃなくて、なんとなく・・・」
「ふーん」
半勃ちのそれを撫で上げた。
「ひゃあん!あ、あ」
「ほら、早く脱がせよ・・・」
頭を撫でながら先を急く。全部脱がすとそこには、既に猛りきっている剣八自身があった。
「あっ」
「一護、次はそれを口で出来るか?」
「う・・、やってみる」
素直に言う。
「は、初めてだから、下手だけどごめんな」
巧かったら逆にへこむけどな。と内心思いながらも、
「その都度教えるから気にすんな」
「うん」
既に先走りが溢れるそこへ顔を近づける。赤い舌を小さく出してぺろりと一舐めして、
「ん・・・、苦い・・・」
と呟いて舐め続ける。チロチロ覗く赤い舌にぞくぞくする剣八。くしゃっと髪に指を絡ませる。
舐めても舐めても溢れてくるので先に進めない。どうして良いか分からなくて剣八に、
「つ、次は?どうしたら良い?」
「ああ、裏を下から上に舐めあげてみろ」
「これ、溢れてるけど良いの?」
「ああ、そういうモンだ、お前のだってそうだろ?」
「う、うん・・・」
耳まで赤くなって答える。言われた通りに舐めあげては先をくすぐった。
「う・・、く」
「あ・・・、気持ち、いい?」
「ああ、これで飲めたら上等なんだが、流石に無理だからな」
良い子良い子と撫でられる。一護は、はむっと口に含んだ。いつもやってくれている事を反芻してやってみる。
「ふっ、はむ、ん、あ、ん、く、ちゅっ」
「こら、無茶すんな」
「だって・・・、俺ばっかやってもらってる・・・、それに今日は・・・」
そこまで言ってまた手を伸ばして拙い口淫を続ける。舐めては吸いを繰り返す。必死になって続ける一護に苦笑しつつも、
「手伝ってやるよ」
と自らを扱いた。こぷっと溢れたそれを慌てて飲み込む一護に愛しさが込み上げる。
「ん、く、ふぅ、ん」
「出、るぞ、一護」
「ん、んん!んくんン、ぷはっ、苦い・・・」
涙目で言うので、
「ほら見ろ、不味かっただろ?」
口の周りに付いた精液を拭ってやった。
「別に・・・、苦かっただけだ・・・」
顔を背けながら呟いた。
「は?」
「つ、次はっ?」
真っ赤な顔で聞いてくる。
「そうだな、ココ自分で慰めてみ?」
一護自身を撫で上げる。
「あ、あ、そんな・・、馬鹿・・・」
「ほら・・・、早く、お願い聞いてくれんだろ・・・?」
耳元で優しく低い声で囁かれた。
「ああ・・・、剣八・・・」
一護は催眠術でも掛けられたかの様にゆるゆるとそこに手を伸ばす。
「ん!あ、あ、ふっん、くっ」
「ふ〜ん、いつもそうやってんのか」
「あっ、ばか・・、しゃ、しゃべんなぁ・・・」
クチュクチュ音を立てながら上下に扱いている一護。もどかしそうに腰を揺らす。
「やけにゆっくりだな、そういうのが好みか?」
剣八が手を伸ばし指でくりくりと先をいじる。
「んああ!だめぇ!」
ふるふる震える一護。
「な、何かへん・・・、イ、イケない・・・の・・」
「一護、目を開けてみろ」
目を開けると剣八が居る。思わず目を逸らす。
「逸らすな、俺を見ながらやれ」
「やっ、むりぃ・・・」
涙を零しながら頭(かぶり)を振る。
「出来る、ほら、手を動かしてみろ」
「ふっ、ああっ!ああっ!いやぁ!ダメッ、ダメッ、やぁぁあんっ!」
びくびくと背を撓らせ達した一護。
「出来たじゃねえか」
ぽんぽん頭を撫でられた。肌は粟立ち、胸の飾りは立ちあがっていた。
「つ・・、次は?何?」
掠れた声で聞いてきた。真面目な奴だな。
「次はな、ココだ。自分で解してみな?解れたらご褒美やるからよ」
「ご褒美?」
「ああ、だから頑張れよ」
「?、うん、やってみる・・・」
震える指にさっきの名残を掬うと後ろに塗り込めた。
「ん・・・、ふぅ・・」
つぷりと一本指を入れていった。クチュクチュと音を立てながら、出し入れを繰り返し知らぬ内に本数が増えていった。
一護の口から艶めいた声が零れて落ちては、一護の中心も硬さを取り戻していた。
グチュグチュとさらに卑猥な音が響いていた。
「あ、あん、いい、剣八、気持ち良い、剣八、剣八・・・、あっ!イク!イク!」
剣八が一護自身を掴んで堰き止め、その手を掴んで引き抜いた。
「ああっ!ん、やああん、剣八?」
「一人だけでイっても楽しくないだろ?それに充分解れたろ?ご褒美やるからこっち来い」
一護を引き寄せると自分に跨がせた。内腿に剣八の昂ぶりが触れ、ピクリと身体が震える一護。
「次はソレを自分で挿れてみな」
「え・・・、あ、うん・・・」
はあ、はあ、と息も荒く、眼の焦点もどことなく怪しい。それでもソレに手を添え、奥に導いた。
「ん・・、あ、ん、剣八・・・」
ゆっくり腰を沈めていく一護。
「くう、ああ、ん、ん、あっ!」
ぶるぶる震え出した一護。
「どうした?一護、イイトコに当たったのか?」
「あっあっ、しっ、知らないっ!」
「俺は聞きてえな。言えよ、一護、言う事聞いてくれんだろ?」
「うう、馬鹿ぁ、な、なんか、急にその、中で押されたトコが・・・、うあっ!あっ!あっ!ああんっ!」
「もう良い、俺が我慢出来ねえよ、一護、ご褒美だ、好きなだけイケよ・・・」
「あ・・・、ひゃあぁん、剣八ぃ、あんっ、いいっ、イクッ、ああ、イッちゃうよう!」
「イケよ!遠慮、すんな!」
「ひっ、ひああっ、ああーっ!」
「く」
剣八も一護の中に出した。
「ああん、熱いよぅ、剣八の・・・」
「くく、もっと出してやるよ」
「あん・・、うれしい・・・」
「一護?珍しいな、お前がそんな事言うなんてよ」
「そう・・?いいから、はやく・・・」
物欲しそうにヒクヒクと蠢くソコに入ったままのモノを動かした。抜けるギリギリまで抜いて、奥まで突いてやった。
「いああんっ!剣、剣八ぃ・・・、ああん、お、奥ぅ・・、すごいよぉ・・・」
がくがく震えながら、しがみ付いてきた。
「くくっ、可愛い声で鳴くなぁ?」
緩く掻き混ぜてやると湿った音が響いた。
「ああん、あっ、あっ、いいっ、いいっ、やっ、あっ、またイクッ、イクゥ!」
「一護、いい顔だな・・・」
グンっと奥を穿った。
「んああーっ!あ、あ、ん・・・」
ぴくっ、ぴくっ、と痙攣しながらも手は離さなかった。
「一護、もう終いか?」
ふるふると首を横に振って、
「け、剣八、満足した?ま、まだなら・・・、もっときて・・・」
頭を擦り付けて甘えてきた。一護の顎を掴んで上げて、口付けた。
「ん、ふ、んん、ふぁ・・・」
とろんとした一護の視線が剣八を煽った。
「一護、後ろ向け・・・」
「ん・・・、あぅ」
繋がったまま動いたので、敏感な所が抉られ声が上がった。
「一護・・・」
ずるると際まで抜くとズチュッと奥まで貫いた。それを何度も繰り返した。一護のソコは既に熱く蕩けていた。
「ああんっ!剣八、もっとぉ・・・」
背を撓らせる。剣八が一護の耳元で囁いた。
「一護・・・」
「ああっ、ああっ、ひんっ!ひあっ!イク!イクッ!」
「一護、くっ!」
同時に達した。
「ああん、熱い、奥が、溶けちゃうよぉ・・・」
まだ中で硬さを維持している剣八に、
「剣八ぃ、顔見たい・・・、前から抱いて・・?」
「ああ・・・、ほら」
「ん・・・、あぁ、見えた・・・」
ふわりと笑った。一瞬見惚れた剣八は、律動を始めた。入口辺りで出入りを繰り返した。
くぷくぷと音を立てながら出入りする剣八自身と、動きに合わせて一護はピュクピュクと吐精していた。
「ああっ、いや、それいや!あ、あ・・・」
「じゃあ、どこが善いんだ?一護?」
「お、奥ぅ、奥にちょうだい?剣八が奥に欲しい!」
「くくっ、素直だな、一護」
「んあ!ああ、ひあっ!ああっ!やあっ!そ、そこダメッ!ダメェ!」
奥と前立腺を執拗に攻めた。
「いやぁ!も、もうイクゥ!」
手の甲で口を押さえながら、イキそうな一護を目を細めながら見ていた。中心を握り込んで、
「もう少し、我慢・・な」
「う、うん・・・」
「いい子だ・・・」
額にキスを落とした。まだ、約束守ってんだな。0時過ぎてんのによ・・・。
「んっ、あっ、ひぃん、やあっ!けっ、剣八、抱いて、いい?」
「っああ、来いよ一護・・・」
「ああ・・・、剣八、あっ!ひゃあぁん!ひぃっん!も、もう、らめっ!いっ、いかせて・・?お願いっ、らからぁ!」
ぎゅうう、と抱き締めて懇願した。
「くっ、じゃあ、一緒にイクか、一護」
「うん!うん!イクッ!イクッ!ああっ!あっあーーっ!」
「くうっ!」
一護の最奥に注ぎ込んだ。
「ああ・・・、ん、剣八、誕生日、おめでとう・・・」
「一護?」
「この世に、生まれてくれて・・、俺と出会ってくれて・・、ありがと・・・」
うれしいよ・・・。と呟いて意識を手放した一護。気絶した一護を抱き締める剣八。
「馬鹿野郎・・・」
もう過ぎてんよ、とか餓鬼みてぇな事言いやがってとか頭に浮かんでは消えて行き、最後には嬉しいという感情だけが残った。
ふと部屋の隅の文机の上の物に目がとまった。
「なんだこりゃ?剣八?一護?」
英語の部分は分からなかったが、名前と包み方からして自分へのプレゼントだろうと分かった。中身は壊れた腕時計。
「ふ〜ん、コレを俺にねぇ。十二番隊に持っていきゃ直るだろうに・・・」
まあ、あんな一護を見れたしな。取り敢えずこいつを風呂に連れてくか・・・。
抱き上げて風呂に入れてやる。湯船の中で目を覚ました一護。
「んん・・・、剣八?」
「おう、起きたか」
「ごめん、誕生日なのに・・・」
「なにがだよ?」
「風呂・・・、とかさ」
「バーカ、どうせ腰も抜けてんだろ?気にすんな」
「ん・・・」
「ほれ、上がるぞ」
「ん」
立ち上がろうとしたが無理だった。着替えさせてもらって、部屋に帰る。何故か蒲団が新しい・・・。
「なあ、一護。あれ、俺へのプレゼントだろ?貰っていいか?」
「え?あっ!何でここに!」
隠そうとしたが剣八の方が早かった。
「か、返せ!」
「何でだよ?俺のだろ?で、このカードなんて書いてあんだ?」
「う〜」
「今日は言う事聞いてくれんだろ?ほら」
「ハッピー・バースディ!ディア剣八。フロム一護」
「なんて意味だ?」
「・・・誕生日おめでとう。親愛なる剣八へ、一護より・・・///」
「親愛なる・・・」
繰り返し呟き手の中の箱を見る剣八。
「やっぱコレ貰うぞ」
「へっ?壊れてんだぞ!それ・・・」
語尾は小さくなっていく。
「そんなもん十二番隊に直させる。言う事聞くんだろ?」
「う〜、じゃあ、俺の願い事も聞くか?」
「ああ、何だよ?」
どうせ、つまんねえ事だろうと高を括っていた剣八の鼓膜に届いた言葉は、
「来年の俺の誕生日は、あんたが祝ってくれよ・・・、それと来年もあんたの誕生日祝いたい・・・。駄目か?」
思いもよらなかった一護の言葉に固まってしまった剣八。一護を見ると不安そうに上目遣いにこちらを窺っていた。
俺に祝ってもらいたい?俺を祝いたい?今そう言ったよな、こいつ。それは即ち来年の今日まで生きろというのと同じ意味。
コイツ、自分が何言ったか分かってねえんだろうなあ。ニヤリと笑うと、
「ああ、良いぜ。約束してやるよ」
「ほ、ほんとか!絶対か?約束・・だぞ?」
「ああ、だからもう寝ろ。朝になっちまうぞ」
「だって、嬉しい、寝れねえかも知んねえ・・・」
「また気絶させてやろうか?」
「それは御免こうむる」
ふふっと笑って剣八に抱き付く。腕時計を文机に戻し、一護を抱き締めて蒲団に潜る剣八。もぞもぞと落ち着く場所を見つけて一護が、
「おやすみ、剣八」
チュッとかわいいキスを贈った。
「早く寝ろ、一護」
ったく、今日は色々ありやがる。まあ、誕生日も悪かねえな。
そんな事を考えながら剣八も眠りに落ちた。


オマケ
護廷では3人ほどの死神が大怪我をしたとかで、話題になったが真相は闇の中・・・。
どこかの貴族が揉み消したとか・・・?






08/11/10作 第30作目です。剣ちゃんハピバ!!なんつーモン書いてんだ?この魚類は・・・。

08/11/13 加筆修正。

文章倉庫へ戻る