題「鳥〜とり〜」後半
 充分解れた所で、剣八が自身を宛がいゆっくりと奥まで埋めていった。
「はっ、あぁあああ!」
目を見開き、がくがく震える一護。ぎちぎちと締め付けてくる。
「ちっ、痛えよ、弛めろ」
ぺしぺしと頬を叩く。涙を零しながら、
「ああっ、ああっ、ふうううっ、はあっ、はあっ」
と大きく息をして身体を弛緩させようと努力した。
ひくひくと収縮を繰り返すソコが弛んだ所を見計らって腰を動かし始める剣八。
ずるっと引き抜くと奥まで力任せに突いた。
「あああっ!あっ!あっ!剣!八ぃ!」
一護は剣八に抱き付けないもどかしさで身を捩る。その腰を押さえつけ、さらに奥に打ち付ける。
「ああっ!ああっ!いやっ!イクッ!ああっあーーっ!」
ビクビクと身体を震わせ果てる一護。一拍遅れで中に熱の塊が吐き出された。
「ん、んああ・・・」
「くくっ、相変わらず堪え性がねえなぁ、手前のココはよ・・・」
いきなり剣八に自身を握り込まれて身体が竦む一護。剣八が脱ぎ散らかした袴の腰紐を取りだし、
それで一護の根元を、縛ってイケない様にした。
「あうっ!何を!」
「ああ?あんまり堪え性がねえから、鍛えてやろうかと思ってよ・・・」
クククと低く笑いながら告げた。
「嫌・・・、そんなことしなくて良い!離せ!あう!」
暴れる一護を、中心を握り黙らせる。そしてまた、緩々と動き出した。
「は、あぁああ、やああぁあ、あっ!ああっ!いやっ!やだっ!そこだめっ!」
緩慢とした動きで一護の前立腺を刺激する剣八。一護自身は硬く張りつめていた。
「もう回復かよ、若いなあ」
「くっ!うう!ちくしょ・・・!ああっ!ああっ!いやあっ!」
前立腺を刺激していたかと思うといきなり奥まで突いてきて一護の眼に前は真っ白になった。
「あ、あうう、い、痛、い。外してぇ・・・、お願い、だから・・・!」
涙ながらの懇願も、
「駄目だな。なんでお前が俺から離れようとすんのか話せば別だけどよ?」
まあ、しばらくはこのままだけどな。と心の内で呟いて・・・。
「あ、ああ・・・、だって・・・」
「だって?何だよ」
それきり黙りこみ、拘束された腕で顔を隠す一護。
業を煮やした剣八が抽挿を再開した。
「ああっ!!いやっ!剣八!やだあっ!あっ!ああっ!あっ!あううーっ!」
中の剣八を締め付け、どくどくと脈打つのが伝わって背筋にゾクリとしたものが走った。
「くう!」
ドクリと容赦なく中に出す剣八。熱いそれを奥で感じて身震いする一護。
「あ、熱いよぉ・・・、剣八」
剣八の手が前に伸びてきた。
「あっ!やだ!やめてっ!」
上下に扱いては、先の窪みに指を捻じ込んだ。
「んああっ!あぐっ!ああっ!やっ、やだあ!いやっ!イクッ!イクよぅ!」
一護の腰が震えるが、何も出てこない。
「はっ!はぁあああ、な、なんでぇ?」
「そりゃ根元縛ってからな。好きなだけイケるぜ?」
耳元で囁かれ、びくりとしてしまう。
「さて、どこまで堪えられるかな?一護?」
凶悪な笑みを浮かべ、また腰を動かし始める剣八。イッたばかりで敏感になっている一護は声を上げる。
「ひっ!ひいっ!ああんっ!ああっ!ああっ!だめっ!だめぇ!へん、変になるよう・・・」
そんな一護に煽られる剣八は、より一層動きを激しくした。
「やああん、も、もう、らめっ!らめっ!ゆっ、ゆる、してぇ!もうやらぁ・・・」
がくがくと痙攣しながら呂律の回らなくなった一護が懇願する。それでも剣八は許さない。
「いいから、、イケよ、ホレ!」
グンッと一番奥まで貫くと、
「んぁああーっ!いやっ!いやーーっ!」
背を撓らせ、一護がまたイッた。ビクッ!ビクッ!と痙攣する一護の髪を掻き上げる剣八。
虚ろな目の一護が、
「なんで?なんでお前はまだ俺を抱いてるの?どうして・・・?」
分かんない・・・。呟くと気を失った。
剣八は腕の戒めを解くと、池で拾い上げたペンダントで互いの手を束ねた。
それから、一護を起こす為にまた最奥を穿った。
「ひっ!ああっ!痛!ま、まだやるのかよ?もういいだろ・・・?足りねえなら花街でもどこでも行けばいいじゃねえかよ・・・」
「一護・・・」
「早く行けよ」
「一護!」
「うるせえ!ただの遊びだろうが!さっさと出て行けよ!・・・これ以上惨めな思いはたくさんだ・・・!」
「おい・・・、俺はお前を手放す気はねえぞ」
「だから何だ?お前は誰でも良いんだろ?俺じゃなくてもさ・・・、でも俺はお前じゃなきゃ駄目なんだよ・・・」
「だったらいいじゃねえか、今のままで」
「俺はお前が、他の誰かを触ってるってだけで嫌なんだよ!例えそれが遊女でも、死神でも!だから!」
「だから、別れるってのか。・・・お前、昨日俺のこと鳥に例えただろう。弓親にも聞いたぜ」
「それが、どうした・・・。鳥は飛ぶもんだろ・・・?だから俺みたいに縛り付ける鎖は要らねえじゃねえか・・・」
「でもよ、鳥にだって、巣なり、止まり木なり、必要だろうがよ」
「あんたにとってそれが、遊女だってのか」
「違えよ、あんなトコは別に行かなくてもいいんだよ、付き合いで行っただけだ。俺にはお前さえいりゃあ良い・・・」
ペンダントで束ねた手を引きよせ、口付ける。
「あっ!コレ!なんで・・・?」
「俺が拾った。勝手に捨てんなよ」
赤くなった手首を優しく舐め、指に口付けをしていく。
「んっ!剣八、嫌じゃないのか?その、こんな縛り付けられて?」
「くっ!相変わらず可愛い事言うな、お前は。縛り付けてんのは俺も同じじゃねえか」
「ど、どこが・・・?」
「お前が俺にそれだけ執着すんのは、そういうこったろうがよ」
そうなのか?良く分かんない。考えてる内に、
「それより続きやんぞ。辛いだろ、コレ」
そう言って漸く一護自身の戒めを解いた。
「んん!痛い・・・」
「すぐ良くしてやるよ・・・」
顎を掬い、優しい口付けをくれた。深く深く口付ける、角度を変えながら、舌を絡めては吸い上げる。
「ん・・・、ふ、剣八・・・」
一護はペンダントをお互いの胸に飾った。漸く見れた。指でなぞり、にこりと笑う。
剣八が腰を掴んで、
「おい、いつまで焦らすんだ?」
「あんたに言われたくねえよ」
憎まれ口を叩いても腰を揺らされると、甘い声に変ってしまう。向かい合って座る形で抱き合う。
「あ・・ん、ふかあい・・・」
「くく、良かったな一護」
「うん、きもち、いい・・」
首に腕を回して囁く。漸く抱けた、肩口に頭を擦り付け甘える一護。
剣八が一護の腰を持ち上げて、抜けるギリギリまで抜くと一護に、
「どうして欲しい?奥まで欲しいか?それとも一番弱いトコ突かれるか、どっちが良い?」
耳元に唇をつけて囁いた。
「あ、あ、お、奥、奥まで来て!剣八が奥まで欲しい!」
「くっくっ、じゃあ奥まで突いてやるよ」
グンッと奥まで腰を落とし突いてやった。
「あっあーー!!」
ガクガクと仰け反りながら、叫ぶ一護。曝け出された胸の飾りに舌を這わす剣八。
「ああっ!ああっ!やあんッ!ダメッ!だめっ!もうイクゥッ!」
「ああ、イケよ・・・」
「ああっ!ああっ!んあっあっー!」
「一護・・・」
「んああっ、熱い、奥がぁ・・・」
一護の意識はそこで途切れた。

 次に目覚めた時は綺麗な蒲団の中だった。風呂に入れられたのか髪が湿っていた。
「起きたのか?」
「ん・・・、ここは?」
「俺の部屋の俺の蒲団」
「そう・・・か」
またウトウトしだした一護のペンダントに手を掛ける剣八。
「これお前が作ったのか?」
「ふん?ああ、知り合いにそういうの作ってる奴がいるから、作らせてもらった・・・」
「ふうん、なんで鈴の絵なんだ?」
「へっ?なんでって・・、別に意味は・・・」
「あるんだろ?」
「う・・・、分かってんなら聞くな!」
赤くなって叫ぶ一護。剣八が自分のペンダントを外す。
「気に、いらねえのか?」
「いや・・・」
一護のペンダントも外すとそれを自分の首に掛けた。呆気に取られる一護には自分のペンダントを掛けた。
「な、な、何して・・・?」
「ん?何かこっちの方がしっくりくるなと思ってな」
「なに馬鹿なこと・・・!」
「何、真っ赤になってんだお前?」
「何でもねえ!もう寝る」
「変な奴だな」
変な奴じゃねえよ!何だよ、ペンダントの交換って!指輪じゃねえんだぞ!
自分で考えて余計恥ずかしくなった。ぐいっと抱き寄せられ、剣八の腕の中に納められた。
「ここで寝ろ」
「う、うん」
剣八の体温に安心した一護は、眠りに堕ちていった。ゆっくりと水に沈むように・・・。

 翌朝、剣八は弓親にペンダントを換えたら一護が真っ赤になった。何でだと言うと、弓親は微笑みながら、
「現世では、恋人や婚約者同士で指輪の交換をするらしいですからね。きっとそれを思い出したんじゃないですか?」
ノロケはもういいですよ。と言われた。
ノロケ・・・ねえ、まあいい、一護が起きたら詳しく聞くか。水を持って部屋に戻る剣八。
まだ眠る一護の腫れた顔を見ながら、我ながら大人気なかったなと、頬をさすった。
「んっ!いて・・・」
「起きたか・・・」
「ん、おはよう、剣八」
「水飲むか?」
「うん」
こくこくと飲み干す一護。じっと見つめる剣八。
「ん、何だよ?何か付いてるか?」
「いや?なぁ、指輪の交換てなぁ、どういう意味があるんだ?」
「なっ!何だよ!急に!」
「いやよお、お前昨日ペンダント換えたら赤くなっただろ?弓親に聞いたら現世じゃなんかそういう事するんだろ?」
問われて一護も赤くなりつつも自分の朧気な知識を頼りに、
「ま、あ、指輪の交換はあるけどペンダントは聞いた事ねえな。確か・・・、指輪って形が円だろ?
それが永遠を意味するとかで恋人に送ったり、結婚指輪にしたりするんだってよ。まあ、だからお互いを縛るっていうか、繋げるって言うか、多分そういう意味だと思うけど・・・」
説明し終えると剣八が笑いながらこちらを見ていた。
「ふうん、じゃあお前は何を想って俺にコレを送ろうとしたんだ?」
一護の首に下がっている『剣』の文字が刻まれたペンダントを指に絡めて聞いた。
「何って、別に深い意味は無かったよ。ただ喜ぶかなって思っただけだ。それにあんたがあんな事しなきゃ別の意味も
生まれなかったけどな」
「あんな事?」
「ペンダントの交換!まるで指輪じゃねえかよ」
「良いんじゃねえか?それはそれでよ。恋人同士がやるんだろ?丁度良いさ」
抱き寄せて、髪を梳きながら囁いた。
「次は無えからな・・・」
「んん?」
「浮気、見つけたらすぐ斬りかかってやる・・!覚悟しとけよ!」
「くっくっ!いいじゃねえか、一人で煮詰まられるよりゃマシな答えだ」
ムッとして顔を上げると口付けられた。
薄いけど柔らかい剣八の唇がゆっくりと押しつけられて、甘い痺れが身体を走る。
またゆっくりと離れていく。
「剣八・・・」
「ん・・・?」
「昨日、抱きしめてもらってない、から・・・、その、抱いてくれ・・」
終りまで言う前に抱き締められた。一護もおずおずと背中に手を回して身体を隙間なく、くっつけた。
とく、とく、と剣八の心音が聞こえた。こいつの命の音・・・。もっと聞きたい。耳をくっつけて聞き入る。
そんな一護の様子に抱き締める腕に力を込めた。

 そんな二人の間でペンダントが揺れながら、光っていた。





08/10/08作 第25作目です。1234番を踏んだキリちゃんからのリクです。御要望に沿ってますでしょうか?
気に入っていただけたら嬉しいです。



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