題「子猫」第3話 | |
朝起きると、一護は一人だった。蒲団の上で伸びをして部屋から出る。ぺたぺたと廊下を歩き隊首室へ向かった。 寝乱れた寝間着姿で隊首室に現れると全員がぎょっとしている。 「にゃー」 と一声鳴くと、弓親が、 「おはよう、一護君」 と普通に挨拶をした。目をこしこし擦りながら、 「にゃあー」 とまた鳴く。 「隊長は、隊首会だから今居ないよ、さっ、今の内に着替えよっか」 こくんと頷き弓親と部屋に戻る。剣八が居ない時の一護の世話は弓親に任されている。 部屋に戻って着替えさせられる。 「ハイ、袴に足入れて、そうそう。後は腰紐だけだからね、我慢してね」 弓親は子供に言い聞かせる様に優しく話し掛けた。 「はい、お終い、がんばったね」 一護は尻尾で返事しながら、部屋を出て隊首室に戻った。ソファに座ると、 『ぐ〜きゅるるる』 腹の虫が鳴いた。 「お腹すいたの?一護君ご飯食べる?」 「にゃあー」 「隊長はまだだから、僕で良ければ食べさせてあげるけど」 いつもは剣八の膝で食べさせて貰っている。この身体になってからやはり勝手が違うようで最初の時は直食いして叱られた。 それからは、剣八が食べさせている。 一護はプイッと部屋を出て行った。行先は一番隊だろう。 「あらら、振られちゃった」 弓親が笑いながら、食事の用意をする。帰ってきたら食べるだろう。 一番隊、隊首会が行われている部屋の前で一護が座っていた。中に居る隊長達は一護に気付いていた。 会議も終わりにさしかかった頃、扉の向こうから物凄い叫び声が聞こえた。 「フギャオアアアッ!」 何事かと扉を開けると、そこには涙目になりながら尻尾を膨らまして威嚇する一護がいた。 どうやら尻尾を思い切り踏まれた様だ。威嚇されている相手は二番隊副官の大前田だ。謝る様子もなく、 「そんなトコに座り込んでる方がワリーんだよ」 と言っていた。 一護は扉が開いたので中に入り込み、剣八の腕にすり寄って両腕を剣八の首に向かって差し出した。 「?」 剣八が訝しげに見ていると、 「にゃー」 と鳴いた。 「抱きあげろ、と申しておるぞ」 隣りの狛村隊長に言われて、一護を抱き上げる。首に手を回して据わりのいい位置を見つけると尻尾を舐め始めた。 よほど痛かったらしく、まだ涙目だ。やっと落ち着いた一護は目の前にある剣八の喉仏に吸い付いた。 その様子に周りの隊長達は驚いていたが、剣八は慣れたものだった。 チュッチュッと吸い付く一護に、 「いい加減にしろ」 と言うと『きゅるるるる〜』とまた腹が鳴った。 「なんだお前、まだメシ食ってなかったのか?」 ようやく口を離しペロリと一舐めすると、 「うにゃあ」 と耳を寝かせて鳴いた。 「ったく、弓親が居ただろーが」 「んにゃあ!」 抗議するかのような声を上げた。 「一護君、お饅頭食べるかい?」 そう言ってきたのは、隣りの浮竹隊長。最近浮竹隊長の所でおやつを食べるのが日課の一つになっている一護。 懐から差し出された饅頭に直接口をつける一護。少し驚いた剣八。 一護は自分の手に持ち替えると、もぐもぐと半分食べると剣八に差し出した。 「要らねえよ、良いからお前が食え」 首を傾げながらも、勧めてくる。 「にゃー」 「美味いから食べろ、と言っておるが一口食べれば気が済むのではないか?」 言いなりになるのは癪だがこのままだと引き下がる気配が無かった。一口齧った。飲み込んで、 「美味かったよ」 と棒読みで返したが満足したらしく、尻尾をぷらんぷらんさせて残りをたいらげる。肩口に頭を預けて微睡み始めた。 「重い、起きろこら」 声を掛けられるとピクッと身体を揺らして目を開けるがやはりすぐに船を漕ぎ始める。 「ん、そういやさっき尻尾踏まれてたな、見せろ」 そう言うと尻尾を触り出した。 「にゃ!にゃあ」 ビクリとして目を覚ました。根元から先の方まで手で触っていくと、中間あたりが熱くなっていた。心なしか腫れているようだ。 「ぴっ!」 「ここか?どれ」 そう言うなり、そこの部分を口にした。 「んにゃあ・・・」 手を握り胸の前で合わせている。 「やっぱここか、骨は折れてねぇな」 うりうりと触られる度にぴくぴく揺れる身体。 「は、ふうん」 目元を少し赤くした一護。 「ざ、更木!止めぬか!公衆の面前であろう」 「あん?俺が自分のモンどこでどう扱おうがテメエに関係ねえよ」 剣八の腕の中にいる当の本人は、何故二人がケンカを始めたのか分からないというように、尻尾で二人の顔を撫でた。 「にゃあ」 「ケンカをされるのがお嫌のようですね」 近寄って一護の尻尾を治す卯ノ花隊長。 「会議も終わりましたし、更木隊長、一護君にお食事をさせてあげては?」 「あ、忘れてた、こいつメシ食ってなかったな」 一護を下に下ろした。他の隊長達は一護に群がっていた。白哉も気にはなるらしいが近づかないでいた。 他の隊長達から、耳を触れたり、頭を撫でられたりしてイヤになったのか白哉の方へ逃げる形になった。白哉は自分の顔のすぐ傍にある一護の耳に触れてみた。ぴるるっと動く様が面白く少し強めに引っ張ってみた。 「いにゃあ」 と鳴いて剣八の所へ行く。 剣八が狛村隊長に呼ばれ、一護の傍を離れた。 「更木よ、後で少し話がある、人が居ない所が良いのだが・・・」 「あ?俺は無ぇよ」 「お主の事で無く、黒崎の事だ」 「なんだよ・・・」 「ここでは人が多すぎる、後で儂の隊へ来てはくれぬか」 珍しく頼んできやがったと剣八は思いながらも、 「おう、一護のメシが済んだらな」 と返した。 「帰るぞ、一護」 剣八が呼ぶとすぐ傍に駆け寄る。ちょっと怖かったらしい。 隊舎に着くとすぐににゃーにゃー鳴き出した。よほど腹が空いていたらしい。 「はいはい、用意出来てるよ。今日は鮭雑炊だよ。丁度いい温度だからすぐ食べられるよ」 弓親が茶碗によそうと、剣八に差し出した。一護はいそいそと膝の上に座った。剣八が匙に掬った雑炊を一護の口に運ぶ。 何の警戒もしないで食べる。他の奴らにはあんなにも警戒心が強いのに、ぱくぱく食べ続ける一護。鍋の中もカラになった。 満足気に身体を擦り寄せる一護。弓親にも擦り寄る。 「はいはい、ありがとう、全部食べてくれて僕も嬉しいよ」 とぽんぽん頭と撫でてあやしている。剣八が立ち上がり部屋から出て行こうとしていた。 「隊長。どちらへ?」 「狛村に呼ばれたんでな、一護のことで話しがあるってよ」 「へえ、珍しいですね」 「ああ、ま、すぐ戻る。後たのんだぞ」 「いってらっしゃいませ」 剣八を送り出し片付けを始めた弓親。一護は食事の後は縁側で昼寝するのがいつものパターンだ。 縁側で寝転がるとすぐに寝た。 狛村隊長に呼ばれて七番隊隊舎に着いた剣八は、居間に通された。 「こちらで呼んでおいて待たせてすまん」 「別に待ってねぇ、それよか話ってななんだ?」 「うむ、黒崎のことだが、最近変わった所は無いか?」 「あ?別にねぇよ、なんだ行き成り?」 「いや、それならば良いのだが、季節がらもうそろそろ危ないと思うてな」 「何がだよ、はっきり言え」 「む、発情期だ」 「発情期だぁ?それがどうした?」 「お主は知らぬと思うが猫というのは複数のオスと関係を結んでそれらの子を産むのだ、もし黒崎がそこまで猫と同じなら、危ないと思うてな、一番近くに居るお主に忠告したのだ」 「そんなもん、俺があいつを満足させりゃ済む話しじゃねぇか」 「お主、まさかあのような幼気(いたいけ)な子供に!?」 「もう大人だ、それにあいつが俺以外に触らせるはずがねえ」 「黒崎自身が望まなくとも周りはどうだ?今の黒崎は満足に戦えまい」 「ちっ!」 「まあなんにせよ、兆候は表れていないのであれば儂の杞憂だ。足労をかけたな、更木」 「おい、その発情期はいつ収まるんだ?」 「うむ、まあだいたい始まって関係を持てば収まるだろう」 目を離さぬ事だ、と最後に言われて剣八は自分の隊舎に戻った。 縁側で一護が眠っていた。隣りに腰掛け頭を撫でながら、 「発情期ねえ」 呟くと、ふと目を覚ました一護の様子を窺った。 「んなあん」 幾分鼻にかかった声を出し身体をすりすり擦り付けてきた。 (まさか・・・) 剣八は一護の尻尾を触ってみた。 「あ、んなあん」 身を捩って鳴いた。剣八の膝によじ登り、腰をくねらせ、はぁはぁと息を荒くさせ、眼は潤んでいた。 「発情期に入ってやがる・・・」 明日は非番のはずだ。 「弓親!ちょっと来い!」 「はい!なんでしょうか、隊長」 「俺が出た後、変わった事はあったか?」 「いえ、ないです。一護君もずっとここで寝てましたし」 「そうか。明日は非番だな?野暮ようが出来たから、人払いさせろ」 「あ、はい」 弓親が剣八の上の一護に目をやると、うっとりとした顔で剣八を見ていた。 なるほど・・・、これはやばいよね。 「では、台所に茶粥がありますので、一護君が目を覚ましたら食べさせてあげて下さい」 「ああ・・・」 「では、閨の用意を整えますので、お先にお風呂をどうぞ」 「おう、いくぞ一護」 二人で風呂場へ消えてゆく。 その間に弓親は剣八の部屋に行き、閨の用意を整える、蒲団を敷き、水差しと湯呑を準備してから、人払いをした。 風呂から上がった一護は剣八に抱えられ閨に連れて行かれた。 蒲団の上に下ろされると、剣八を見上げた。 「うなぁん、ああん、うああん」 と鳴き続けるので、その口を唇で塞いだ。 「ん、んん、ふう、あぁ・・・」 とろんとした目で剣八を見つめる。潤んだ琥珀色の瞳に自分が映っていた。俺の目の中にもこいつが映ってるだろう。 お互いを瞳の中に閉じ込めたかの様だ。くくっと笑う。こいつといると変な事を考える。 一護は我慢できなくなったのか、剣八の浴衣の袷を開くと鎖骨に噛みついた。カジカジと齧ると骨の形に沿って舌を這わせては、吸い付いた。 「ふうん・・・、珍しいな」 呟くと一護の浴衣を脱がせた。尻尾は相変わらず、くねくねと誘うように動いていた。剣八は一護の尻尾を掴むと、 「お前、ここも弱いよな」 根元から撫でていった。 「うあ、なぁぁあん」 「耳はどうだ?」 猫の耳を舐めあげ、軽く歯を立てた。 「あっ、あう!」 「へ!何処もかしこも敏感だな」 震えながら首を仰け反らせる。 「クックッ、可愛いな一護」 言いながら尻尾の付け根に舌を這わせ始めた。 「あっ、あっ、あう!ううん!」 「こら、暴れるな・・・」 静かに言うとそれだけで大人しくなった。 「はぁあん、なぁん、」 それだけで一護自身は硬くなっていた。 「そんなに気持ち良いか?なら、ここはどうだ?」 胸の飾りに手を伸ばす。 「うああん!ああ!」 片方を指で捏ね、もう片方は口に含んだ。舌で転がして、こいつがいつもするように吸ってやった。びくんと跳ね上がる身体。 歯で挟んで舌先で舐めあげた。もどかしげに身体をくねらせ俺の髪を掴んできた。 「ああ、あ、うう、んん」 尻尾が伸びてきて俺の喉をさする。顔を見るともう泣いていた。おそらくは生理的な涙だろう。下に目をやると一護自身がびくびくとこれまた泣いていた。一回抜かないと苦しいな。俺はそれを口に含んだ。 「やあぁん!あう!うく!くんん!」 すぐ果てた。それを飲み下すと、射精感に戦慄(わなな)く一護の唇にむしゃぶりついた。 「相変わらず濃いな手前のは、今日は色無くすぐらい犯してやる。発情期だからって他の男咥え込まないようにな・・・」 一護を押し倒して口付けた。 指を二本唾液で濡らし、一護の秘孔へと忍ばせる。そろそろと周りを撫でると、焦れた様に腰を揺らす一護。 つぷりと指を押し入れ慣らしていく。ひくひくと誘うように飲み込んでいった。くちゅくちゅと淫猥な音が響いて三本目も容易く飲み込んでいった。 「あっ、あっ、あう、あう、ううん!」 いやいやをする様に頭を横に振る一護、尻尾は激しく揺らいでいた。 「ん、なんだ?嫌なのか?」 ずるりと指を抜く剣八。 「あ・・・、ああ・・・」 急激な喪失感に息を漏らす一護、悩ましげな顔でこちらを見つめてくる。 「どうした?嫌なんじゃなかったのか?」 剣八はひどく優しい目と手付きで一護の髪を梳きながら意地の悪い笑みを浮かべて、また縁(ふち)だけを撫でてくる。 「ん、ん、にゃああ・・・」 ふるふる震えて甘えた声を出す。両手を伸ばして剣八の顔を引き寄せ、唇をぴちゃぴちゃ音を立てて舐める。 「んっ、んっ、なあぁ・・・」 自分から腰を擦り付けてきた。 「限界か、もうちょっと見てえけどな」 舌舐めずりしながらも、すでに熱く滾った自身をひくつくソコに宛がい腰を沈めていった。 「んなぁああんっ!」 一声上げると、それだけでイッた。締め付ける一護に、 「もうかよ?まだ先は長ぇぞ」 と耳元でクックッと笑った。その吐息が触れるだけでも一護は感じた。 「はん、ふうう・・・」 剣八が動き始めた。ずるっとギリギリまで抜くと、奥を突いた。 「あっああん、ああっ」 白く細い脚を剣八の腰に絡ませ、もっともっとと貪欲に腰を振る一護は何時になく淫らだった。 「くくっ、発情期とは言え、えらい乱れようだな」 「ふっ、ん、あう、ああっ、ああっ、あーっ!」 仰け反り締め付けながら達した一護の直後に剣八も果て、一護の中に吐き出した。 「あ、あうう」 はあはあと、息が乱れた一護に口付けた。苦しいのか、 「うう、ん、あう」 と眉根を寄せる。やけに艶っぽい表情だ。それに煽られた剣八は一護の舌が抜けるのではないかというぐらい強く吸った。 「んんっんっ」 やっと解放すると身体の向きを変え、胡坐をかいた剣八の上に後ろから抱かれる形で一護が収まった。 より奥に剣八を感じ一護は、 「はぁあん、ああ・・・」 吐息をもらし、尻尾で剣八の頬を撫で、片手を首に回してきた。剣八が一護の膝裏に手を入れ持ち上げた。 ずるりと抜かれる感じに一護は思わず締め付けた。すぐ手が離され自分の体重だけで奥まで貫かれ、声を上げた。 「あ、ああっ!」 脳天まで突きぬけそうな感覚にガクガク震えた。中に出された剣八の体液で滑りが良くなっているので、一番奥まで止まることなく入っていった。何度も繰り返され中から溢れた体液で卑猥な音が響いていた。 「あっ!あうっ!んあっ!ああっ!」 縋りつく身体が前にないので、自分の手を握り込んでいた。剣八に背を預けるように仰け反ると、前立腺が抉られ一際高い声が上がった。 「ああんっ!ううっ!あんっ!アンッ!うあ!ああっ!」 一護がまたイッた。その締め付けに持って行かれまいとして動きを止める剣八。 くたっと背を預けている一護に剣八が、 「どうした?もう終いか?」 耳元で低く囁いてきた。その熱い吐息が鼓膜を震わせると一護は剣八の頬をペロペロ舐めてきた。 熱く柔らかい舌が気持ち良かった。 「舐めるんなら別のモン舐めてほしいがな・・」 今度は向かい合わせになる様に身体の向きを変える。 「んっ、あうう・・・」 敏感になっている一護の口から声が零れた。 「まだイケるみてえだな」 首筋に顔を埋め、どくどく脈打つ太い血管の上に吸い付いた。チリリとした痛みに、 「んん、なあう」 と声を上げ、中の剣八を締め付けた。 「クク、啼くのはいいが、喉やられんなよ」 一護の腰を掴み引き寄せた。やっと剣八に縋ることができるとばかりに、両手を首に巻き付け、足を剣八に絡ませた。 「くくっ、可愛いことすんな、一護」 動かない剣八に焦れたのか自分から腰を揺らし、擦り付けてきた。 「んっ、んっ、ああ、あ」 胸を反らせる一護のそこに吸い付いて赤い跡を残す。繰り返しながら本格的に抽挿を開始した。 「んあっ、あう!ううん!」 先程の力任せな行為ではなく、緩急をつけて動いた。奥を突いたり、浅い所から前立腺を掠めて追い詰めた。 「あっ、ああっ、はあっん!んんっ!んっんー!」 揺さぶられる度にぽろぽろ涙が頬を伝い落ちてきた。それを愛おしげに舐めとり耳まで舌を這わせた。 「ふあぁん、ああ、あ、あ、ん」 耳朶を舐められ、舌を入れられ一護が本日五度目の絶頂に達した。 「あっ!ああっ!あっ、うっ、あっー!」 反らされた胸に跡を付けながら剣八も一護の中に吐精した。自分の奥に熱いモノを感じ身震いし、一護は意識を手放した。 「おい起きろ、まだ終わんねえぞ」 ペチペチ頬を叩いて起こす。肩口に預けてた顔を上げて剣八を見る一護の眼は潤んでいた。 剣八は一護を押し倒した。 「んっ・・・」 気だるそうに声を出す一護に、 「一護」 と呼びかける。何事かと目を向ける一護。 剣八が動き出した。敏感な身体はすぐ反応を返す。びくびくと跳ねる腰を掴んで打ち付ける。 「ああっ!あっ!あんっ!あっ!」 「一護、こっち向け、ちゃんと俺を見とけ・・・」 横を向いて瞑っていた目を開け剣八を見る。涙で濡れて揺らいでいる。おそらく焦点は合ってないだろう。 「一護・・・」 「一護・・・」 繰り返し呼ばれる。甘い声音で、繰り返し、繰り返し。 「ああ、あ、ああ」 一護は目を離さず剣八を見ていた。その声に蕩かされて、思わず手を伸ばし抱きついてやがて訪れる絶頂に、その背に爪を立てた。 「はっ!ああっ!あっ!あっあっー!」 一護が果てた、今度こそ深い眠りに落ちるように気絶した。剣八も同時に果て中に熱を吐き出した。 剣八は一護を風呂に入れるために身を離した。クンッと何かに引っ張られた感じがして見ると一護の尻尾が腕に巻きついていて、思わず苦笑してしまった。浴衣をぞんざいに着せ、風呂に着いた剣八は一護が寝ている間に処理を済ませ、身体を洗ってやった。自分もさっさと洗って二人で湯船に浸かる。 少しぬるめの湯に浸かりながら、一護の髪を梳いた。 「ん、んん」 「起きたか、一護」 一護は身体を擦り付けながら、剣八の首筋に吸い付いた。そこには赤い跡が付いた、一護は満足そうに身を預けた。 「もう寝るぞ。さすがに疲れただろ」 「にゃあ」 湯船から上がろうとした時異変に気付いた。先に立った剣八が出るとまだ湯船から出ない一護。 「何やってんだ?」 「?にゃ、にゃあ・・・」 困惑顔の一護に剣八が、 「お前もしかして、腰抜けてんのか」 一人じゃ立てない一護に合点がいった。 「わりぃ、やりすぎた。掴まれ一護・・・」 抱きあげて脱衣所に連れていき、身支度を整えた。 「ほれ、部屋帰るぞ、一護」 「にゃあ」 大人しく抱かれる。部屋について蒲団に入って剣八の腕を枕に眠る。ずっと髪を梳いている剣八の手に安心して眠った。 翌日、昼ごろ弓親が作った茶粥と卵焼きを二人で食べた。 縁側で昼寝していると、一角と弓親がやって来た。一護が肘で身体を起こす。 昨日の今日だ。ちらちら見える赤い跡や気だるい表情に少々中てられる。そこへ、 「あー、いっちーおはよー」 やちると、乱菊他のメンバーも来た。 「いっちー、なんかしんどそう、大丈夫?」 一護は艶然とした笑みでやちるを尻尾で撫でた。あやす様に尻尾を揺らしやちると遊ぶ。その眼差しは慈愛が籠っていた。 「おう、うるせえな、非番なんだ寝かせろ」 着流しで現れた剣八は一護の横に座る。その膝に頭を乗せ、はふりと息を吐く一護。 抱き上げ胡坐をかいた自分の足に収める剣八。満足そうに甘える一護。 「剣ちゃんといっちー、ラブラブ〜!」 嬉しそうなやちる。そんな二人にやってらんないとばかりに散っていく他の死神達。 その日一日、一護の様子に中てられっぱなしの十一番隊隊士達。 ご愁傷様♪ 終 08/09/11作 第18作目です。どんどんエロくなっていきました。 みすずさん、イラストありがとうございます。 |
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