題「遠い約束」
 ここは人里離れた山奥に建つ古い、歴史のある神社。
ここで唯一の男の巫女をしているのは黒崎一護、十六歳だ。

元々、彼の母が強い力を持つ巫女で、幾度も山からの託宣により村を助け、豊作などの祈願などもしていた。
そんな彼女も引退し、一人の女性としての幸せを手にした。
そして生まれたのが一護である。彼女は幸せの絶頂にあった。

一護の髪の毛の色は人より明るく、蜜柑色で光を通すと金色にも見えた。
このような人と違いすぎる子供は、閉じ込められるか、・・・すぐに殺されてしまう。
だが、一護の母は幾度も村を救っている。ゆえに一護は普通の生活が出来た。
大人はそうでも子供は正直だ。思ったことを口にする。
「お前の髪、変だ。こっち来るなよ」
「お前の母ちゃんがすごいからってでかい顔すんな」
と謂れのないいじめなどは日常茶飯事であったが、言われっぱなしで終わるほど弱くない一護はいつもケンカをしていた。

そんな生活も終わりを告げた。9歳の時、母と父が事故に遭い他界してしまったのだ。
その日から、村人たちの一護に対する態度は一変した。
無理矢理に神社に押し込め、その年の人身御供にごり押しで決めてしまったのだ。
当の本人である一護はどうでもいいと思った。
父も母も居ないこの世でこの狭い世界で生きていくのも、人身御供になるのも同じように感じた。

この村では代々山の神に生贄を捧げる闇の儀式があり、大人だけが知っていた。

一護は、白装束に身を包み、満月の夜に山の湖の畔の社まで運ばれた。
立ち去る大人たちは口々に「すまない、すまない」と言っていた。何に対してなのか判らない。
自分達で決めておいて・・・。自分の中の良心の呵責からの逃げだったのかも知れない。

一人になった一護は社から出ると辺りを見回した。
ああ、ここは来たことがある・・・。何年か前に手酷くいじめられた時にここまで来て一人泣いていたのだ。
初めて母に買ってもらったお気に入りのぬいぐるみをぼろぼろにされ、さすがの一護も泣いてしまったのを覚えている。

「・・・何をしている・・・」
「え!」
後ろを振り向くといつの間に居たのか、頭の天辺から爪先まで白い男が立っていた。
「あ、あの・・・」
「今年の生贄か・・・」
「あ、はい・・・」
「どこかで見たな・・・、あの時の・・・。・・・まあ良いこちらに来い・・・」
一護が動かないでいると、
「体が冷えるぞ・・・。腹も空いているだろう、童」
「童じゃない!一護だ!」
「そうか、お前の名前は一護と言うのか、俺の名前は白だ。早くしろ」
むくれつつも後ろを付いていく一護。

社の中は先程とは打って変わって、豪華絢爛な作りに変わっていた。
「ふわぁ・・・、なんで?」
「お前を迎えるためだ。一護」
「俺を?なんで・・・」
「・・・。一護、お前の髪は変わらず美しいな。あの時のままだ・・・」
さらりと頭を撫でて目を細めた。
「うつくしい?うそだよ・・・、みんな気味悪がってる・・・」
「そいつらは本当に美しいモノが何か判らんだけだ。気にするな、さあ食事だ腹が空いたろう?」
「う・・・」
きゅるるるる〜。
「体は正直だな、お前の為に作らせた。食え」
「う、うん」
一護は見たこともない御馳走を目の前にして、目をキラキラと輝かせた。
「ほんとに食べても良いの?夢みたいだ・・・」
「可愛いな・・・、一護は・・・」
白い男は上座の脇息に寄りかかり、優しい目で一護を見つめていた。
食事が済んで、暫くすると襖の向こうから女の声で、
「お館様、湯殿の準備が整いましてございます」
「ああ、一護、風呂に入るぞ。世俗の垢を落とせ」
「ひとりで?」
「いいや、俺も入る」
と言えば少し安心したように顔を綻ばせた一護。

湯殿に着くと今までどこに居たのか、侍女たちが一護や男の身体を洗い清めた。
「ふう・・・」
「どうした、疲れたか?」
「・・・ねえ、これから俺をどうするの?」
「別にどうも。お前はここで俺と共に暮らすだけだ・・・」
「でも俺、イケニエなんでしょ?山の神様に食べられるって・・・っ!」
「泣くな・・・」
堪え切れなくなった涙を拭ってやると、
「一護、お前は俺が怖いか・・・」
「え?ううん!怖くないよ!母ちゃんや父ちゃんみたいに優しい!村の人達の方がずっと怖い・・・」
「そうか・・・。もう上がるか、のぼせるといかん」
「うん!」
湯からあがると、侍女たちが髪を乾かし、着替えをさせた。

そうしてひと月、一護はそこで白い男と暮らした。
白と名乗った男は一護にこれ以上なく優しくしていた。そんな白に惹かれていく一護。そしてこの日、
「ねえ白、俺、白のお嫁さんになりたい」
と想いを告げた。
「一護・・・。お前のその想いは嬉しいが、今は駄目だ・・・」
と言われた。
ここは人の世界と時間の流れが違う・・・。一護が大人になるには百年近い時間が必要となるだろう・・・。
それまで待てるほど自分は気が長い方ではない・・・。
白は自分もまた一護の魂に惹かれているのに気付いていた。
そこで苦渋の選択ではあるが、一護をもう一度村に帰す事にした。
十六になったら迎えに行くと約束して・・・。
別れる時、一護は泣いていた。

そして神に捧げられたはずの一護が生きて戻った事に、神主から村人まで全員驚きを隠せなかった。
そして、巫女の託宣には、
「この子供の安全と引き換えに、向こう十年、豊作を約束する」
と出た事により、一護は神社で暮らす事になった。
誰も一護に近づく者は居なかった。その一護は神社で巫女になり、掃除から洗濯、炊事に至るまでを任された。
体の良い飯炊きだと思ったが逃げて生きていく事など出来ないのだからと我慢した。

そして、十六になった一護が再び生贄にと託宣に出た事により、神主から村人に至るまで全員胸を撫で下ろした。

『ああ、うちの子じゃなくて良かった』と・・・。

一護は緋袴に白い上着の質素な格好で山までの道を今度は一人で歩いていた。
怖くないわけではなかった。ただ、今までの冷たい、針のムシロの上に居る様な生活から解放されるなら、と道のりを急いだ。

そのうち、もう村も、神社も遠くなった頃、藪の中から音が聞こえた。
ガサ!ガサガサ!
そちらに目をやると樹の上からたくさんの白蛇が降ってきた。
「うわぁああ!」
思わず腰を抜かして、座りこむと蛇たちに一斉に取り囲まれた。
「ひ!な、なんだよ!この蛇・・・」
大小入り乱れて、数えきれないほどの蛇!蛇!蛇!
次第に近づいてくる蛇を払いのけるが数が多すぎて、袴の中にまで這入って来た。
「ひッ!やだぁ!」
上着の合わせからも這入り込んでくる蛇たちの冷たい体とするするした感触に身を捩る一護。
蛇たちは意思を持っているかの様に一護の着ている物を脱がしていった。
「や!やめろ!この!」

暴れる一護は白い蛇に両腕を拘束された。身体中に蛇が這いまわる感触に身を捩る一護。
「ふっ!く、や!だ・・・!」
縦横無尽に這いまわり、紅い舌でちろりちろり、と乳首を舐めては退化した足の爪でカリカリと引っ掻いて来た。
「んやあぁあ!ダメ!ダメ!ダメェ!」
一護の中心に何匹かの蛇が集まり、先走りが溢れるそこに絡まりながら舌を差し入れ、くちゅくちゅと音をさせなが舐め取っていった。
「ひっ!やぁああ!あう!あう!」
ちろちろ、と中で蠢く舌の動きを一本一本手に取るように感じてしまい声を上げる一護。
一匹の蛇が一護自身に巻きついて勢いよくすり抜けていった。
「ひゃああん!んはぁああ・・・、はっ!ハッ!」
その刺激で達した一護はくたりと力なく倒れていった。

しかし蛇たちの動きは留まる事を知らない。鱗の僅かな起伏は敏感になった一護自身をやわやわと刺激し続ける。
「はっ、あ、ああ・・・やだ、まって・・」
息も絶え絶えに身を震わせる一護。その時一匹の蛇が白濁を身に纏い、まだ誰も触れぬ、その部分へと身をくねらせていった。
「ほら・・・、ここは、嫌がってない・・・」
「えっ?」
突然聞こえた自分以外の声に一護は目を見張った。
声のした方向を見遣れば、人の気配はなく。ただ、蛇の群れがあるだけ。

しかし、ただ一対の金色の目が異様な雰囲気を纏い、一護を舐める様に見ているのは分かった。
その金の瞳を見つめていると何か吸い込まれそうな錯覚を一護は覚えた。
(何・・・この感じ・・・)
這いまわる動きは依然止んでいないがそれすらも気にならなくなる。

「人間とでは味わえない快楽が欲しくはないか?」
また声が聞こえた。だがやはり自分以外の人の姿はない。まるで心の中に響く様な。とても心地良い声音だと思った。
そして、随分と昔に聞いたような声だという事も曖昧にだが思いだした。
「その身を任せて俺に全てを捧げろ。あの時の約束を今果たすんだ」
「あの・・・とき・・・?」
「そうだ。この俺と約束しただろう?」
思い出せとばかりに、金色に輝く目が戸惑うばかりの一護を射抜く。
「あっ・・・・・・」
その時僅かながら遠い記憶が脳裏を過った。

それはまだ10にも満たない幼い頃、近寄ってはいけないと言われていたこの場所で子供ならではの好奇心で足を踏み入れた時、そこで確かに自分は誰かに会った気がする。
快感に薄れる記憶を手繰り寄せて、必死にその情景を思い描く。

確かに。そう、出会っているのだ。それなのに脳裏を掠めていく記憶は霞がかかり、はっきりとは思いだせない。
一護は知らず溢れる涙にそっと頬を濡らした。
「泣くな・・・」
静かに聞こえる声。
「だ・・・って、思い出せない・・・」
必死になって思い出したいと思うのに、心の中はそれを拒む。
それが悲しくて、はらはらと涙を流す一護。一体どんな約束をしたのか。それが思い出せれば。そう思うのに・・・。
「やはりこの身体では思い出せないか・・・」
その声にハッと顔を上げれば・・・、涙でぼんやりする視界に、白蛇ではない何かがゆっくりと形作られて行くのが目の飛び込んできた。
「・・・え?」
それは自分とそっくりな真白い少年だった。
「一護・・・」
先ほどまでとは全く違うその容姿。しかし、一護をしっかりと捕えるその眼差しは金色に光り、まっすぐ見つめてくる。
しかしそっくりなのは上半身のみ。視線を腰から下へとやるとそこには巨大な大蛇がとぐろを巻いていた。
「・・・ひ・・・っ!」
「一護・・・」
優しく呼ぶとその手で顔の涙を拭ってやった。優しく一護を見つめてくるのに、視界の端に入り込む情景に息を飲む。
信じられない。でもこれが現実。
「・・・俺はお前が欲しい」

「・・・約束を思い出してくれ・・・!一護」
「ぅ、や・・・だ」
異様な姿をしているというのにその声は、強い想いに満ち溢れていた。
「約束を違えるか・・!一護!」
「俺はこの日が来るのをずっと待っていた・・・!たった一人で!ずっと!お前だけは、お前だけは・・・!俺を裏切らないと・・・!」
ずるずると近づいて、両手で一護の顔を掴んだ。
「お前は言った筈だ、この口で!その声で!俺の名を呼び、約束を交えた!」
「そんな・・・思い出せない、判らない・・・」
一体、何が過去にあったのか。
「お前が思い出さなければ駄目なんだ!そういうモノなんだ・・・。頼む、思い出してくれ・・・」
どんなに記憶を辿っても曖昧なだけではっきりとこの手に掴むことなど出来ない。ただあるのは、空気の様な記憶と衝撃でしかない目の前の情景。
「でなければ俺は永劫にこのままなんだ・・・!頼む・・・一護!!」
「俺の名を呼んでくれ・・・」
「悲痛な叫び。胸を抉られるような声音。
「う・・・あ、ぁぁ・・・・・・」
一護は恐怖に震える体を叱咤しつつ、そっと人の形になった男の顔を見遣った。
真白な肌に白髪。必死の形相なのに、目だけは哀願するように濡れていた。
不意に脳裏を掠める情景。

『そうか、お前の名前は一護と言うのか。俺の名前は   だ』
そこだけがどうしても分からない。
『お前が成長したら・・、その時こそ・・・』
そう大切な約束をしたはずなだ。一体何を?思い出さなければ、そう思うのに。
一護はそっと震える手で男の頬へと手を伸ばした。男の肌は磁器の様に冷たかった。そして瞳から溢れた涙は人の様に温かかった。
「一護、一護、頼む、思い出してくれ・・・」
吸い寄せられるように一護はその涙を唇で吸い取った。泣きながらゆっくり近づいて口付ける男。二股に分かれた蒼い舌が差し入れられる。
「ん、ふっ・・・!」
「いち・・・ご・・」
冷たい肌からは想像もつかないほどの熱い舌で口腔内を掻き混ぜられ、互いの唾液を交換した。熱の籠った声が心地良い。
そして、ふわり・・・と真綿の様に溢れる記憶が脳へと蘇ってくる。
「ん、んく、ふ、ぁ・・・し、ろ・・・」
と呟いた一護。

遠い昔。心を通わせた、愛しい人。幼心に一緒に居たいとそう思い、一つの約束を交わした。
『・・・俺、白のお嫁さんになりたい』
と。
『一護のその願いは嬉しい。・・・だけど一護。まだお前は幼い』
『・・・でも、なりたい』
『じゃあ一護。・・・人の歳で結婚出来る様になったら迎えに行ってやるよ。それでお前が俺の事を覚えていたらその願い叶えよう』
齢十六の時に嫁ぐと約束した。
『今じゃなくて?』
『今のお前では俺をまだ受け入れられない』
『どうして?』
『お前はまだ小さい。今のままでは壊れてしまうからだ。判ってくれ一護』
『白?』
『肉体と魂を繋げる。そうすれば俺達は共に居られる。そのためには今ではまだ無理だ・・・』
『ずうっと?』
『そう、ずうっとだ』
『俺・・・、白が好き。絶対忘れないよ。だから迎えに来て』
別れ際に初めてのキスをして誓いを立てた。

・・・思い出した。
「白・・、白・・・!ああ、思い出した!白だ!」
ずっと一緒に居たくて、幼い頭で考えて『お嫁さんになりたい』そう言ったのだ。
それが目の前に居る。・・・白だったのだ。そして約束通り、迎えに来てくれた。
「やっと俺を思い出してくれたな・・・一護・・・」
「白・・・俺・・・」
どうして今の今まで忘れていたのか。あんなに大好きだったはずなのに。お嫁さんになるって聞かない駄々っ子だったはずなのに。
一護は悔しさと嬉しさが綯い交ぜとなった感情のまま、きゅっと白へと抱きついた。
そしてあの時の言葉をもう一度、言葉として紡ぎ出した。
「ねぇ、白・・・。俺をお嫁さんにして・・・?」
触れあった所から、一護の熱が白へと、白の冷たさが一護へと伝わって温かくなった。
「ああ、喜んで。ずっと一緒に居よう、一護」
「うん・・・一緒。ずっと」
気付けば身体を覆っていた蛇たちは消えて、一護は白のその太い蛇身に抱きとめられていた。
「ん、あ、白・・・」
どくり、どくり、と拍動する身体に包まれて一護の鼓動も高なっていく。

「は、は、白、白・・・」
うねうねと動く白の蛇身が一護の中心を撫であげては追い詰めてる。まるで練り絹の様なその肌に撫でられて快楽に溺れて行く一護。
「一護、気持ち良いか?ここ、こんなに濡れてるぞ・・・?」
「あっ、あっ、白、すごく、いい!ひあん!」
「一護・・・、力抜いてろ」
指が腰を撫で、先程の名残を掬うと一護の蕾へと這わせた。
そして肩口にも顔を近付けるとその口を開く。開いた口からは尖った牙が白く光った。
「んっ!ああっ!?」
カプリと突き立てられた牙から液体が体内に送り込まれる。
「ふぁ・・・!ああ!ぁう・・・あぁ、ぁ・・・」
痛覚のみを麻痺させる毒が全身を犯していく。一護の目に恍惚とした光が灯った。
「は・・あん・・白ぉ・・・」
蕾に宛がわれた指が出入りしても初めてなら感じるはずの痛みも感じる事無く快感に堕ちていく。
「うう、ん、善い!善い!もっと、奥、まで・・・!」
「一護・・・!これは?どうだ・・・」
コリッとしたしこりを押し上げると一際甲高い声を上げた。
「ひぃ!な!なにこれ、あっ!ああっ!ひっ!ああーっ!」
「ああ・・・可愛いな一護は。もっと、もっと乱れさせてやるよ」
「はっ!はあっ!はあっ!し、しろぉ・・・」
ずるりと指を引き抜くと、熱く滾った自身を一護に宛がった。
「あ、熱い・・・、んあ、ああぁあああ・・・」
一護のそこは苦も無く一番太い場所も飲み込んでいった。
ぐぷぷぷ、音が聞こえて白は嬉しそうに笑い、舌舐めずりをした。
「あ、ああ・・・、・・・し、ろぉ!」
「ああ・・・、一護、俺達は一つになったぞ・・・!」
「うん、うん・・・っ!嬉しい・・・!」
絡みつく胴体の退化した爪で一護の腰のあたりを愛撫する白。
「ああ!白!ダメ!おかしく!なるぅ!おかしくなるよう!」
愛撫の刺激から逃げるように腰を引くとさらに奥深くに白が這入って来た。

絞めつけながら蠕動し、突き上げる。
「あうっ!あう!しっ!ろっ!しろ!もう!イク!白!」
内と外からの刺激で、身体そのものが性器そのものになった様な錯覚すらする。
中の白をきゅ、きゅ、と締め付けては、後の白を振り返り口付けを強請る。ちゅ、ちゅ、と軽い口付けを繰り返した。
「ああ、一護、俺もイッてやるから安心しろ・・・」
「いっしょ、に?」
「ああ、いっしょに、だ・・・」
そう言うと白は一護の舌の根が抜けるほど吸い上げた。
「ふっ!ん!んん!ンッ!んーー!」
ぴゅく!ぴゅくん!と達した一護の中に白も熱を注ぎ込んだ。
「く!う!」
あれほどひんやりしていた身体なのに中に放たれたモノに内側から焼かれるようだ。
どくん!どくん!と胎内に熱の塊が断続的に叩きつけられ、一護はまたイッた。
「んああ!あ、あつぅい・・・!とけ・・・る!」
見えるものにしか見えないだろうが互いの身体から立ち上るオーラが絡まりあい溶け合って一つの色になっていく。
「ハアッ!ハアッ!・・・いちご・・・!」
「し、ろ・・・!」
「ああ・・・俺達は心身ともに一つになるんだ・・・」
輝きを増していくオーラ。強すぎる光に包まれて二人の身体は見えなくなった。

一護の身体に巻き付いていた蛇身は人の形になっていた。その一方で恍惚とした一護の瞳は白と同じ鋭い虹彩になっていた。
「一護・・・」
「ん、白・・・」
「やっと俺達同じになれたな」
「うん・・・、長かったね・・・」
「もう人の世界には帰さねえ」
汗で張り付いた一護の髪を梳いてやりながら囁いた。
一護はその手を取って口付け、
「ずっと一緒だって、言ったでしょ?離さないで・・・」
と白の目を見て言った。
「ずっと・・・この命尽きるまで、いや・・・死んでも離さねえ」
「嬉しい・・・」

魂の求めに応ずるがまま二人はまた互いを求め合う。

生贄に出された少年は二度と戻る事はなく、それを境に白い大蛇も姿を消した。

時折、白い蛇と金色に輝く蛇が見られたが全てはいつしか伝説の中に埋もれていった。






09/10/17作
10月11日のエチャにてリレー方式で出来たのを編集してみました。初の白黒です。
柚木さん、鷹山さん、金魚でバラバラに書いているので誰がどこを書いたか分かるかな?


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