題「感覚共有」
 ここは一護の部屋。
だけどここに部屋の主である一護は居ない・・・。
瀞霊廷への定期報告に行って今日の夜まで帰ってこない・・・。
居ない間俺は一護のフリをする。眉間にしわを寄せるのも上手くなってきた。

 だって・・・、周りが鬱陶しい。慣れない学校に、一護の知り合い。気安く纏わりついてきやがって、反吐が出る・・・。
ああ・・・、早く帰って来ないかな・・・?そうすれば、この面白いオモチャで一緒に遊べるのに・・・ね。

 コンの首には首輪の様な物が填まっている。それは浦原がくれた『感覚共有装置』だ。

「これを付けてるとね、コン君。黒崎さんと同じ感覚が味わえるんスよ」
と薄く笑ってコンに差し出した。
コンは深く考えもしないでそれを受け取った。これで一人の時でも一護と同じ場所に居る感じになれると考えた。

けど・・・、それを装着して、初めの頃感じたのは痛みだった。多分稽古をしていたんだろう。腕や身体中に鈍い痛みが駆け巡った。
それでも辛いとは感じなかった。それは一護が感じている痛みでもあるから。こんなに頑張っているんだ、と感心した。

なのに・・・。それは突然。一護にとっては必然である感覚がコンを襲った。
身体中を撫でられる感覚。髪を梳かれる感覚。唇を塞がれる感覚。ああ・・・、そして、男に抱かれる感覚・・・!

「一護・・・!」

そんな・・・。誰だ!これは・・・!

その内、胸の傷を擦る感覚に思いだす。

 更木 剣八・・・!
アイツが一護を抱いている―!憎い・・・、憎い、憎い!

どうして俺じゃない?
どうして、選ばれなかった・・・?

一護・・・、一護・・、一護、一護!

ああ、早く帰ってきて―。顔を見せて―。声を聞かせて―?

俺、いい子にしてたよ?頭を撫でて、髪を撫でて褒めて?一護・・・一護一護一護一護一護一護一護一護・・・・・・・。



 この部屋は暗い・・・。まるで俺の気持ちと同じ様に・・・。陽が落ちるに従い、暗く、寒くなっていく。

ああ・・・、一護が帰って来た。
「ただいま、帰ったぞっと!なんだぁ?電気も付けずに部屋ん中、真っ暗じゃねえか、冷えてんぞ?」
「そうだねぇ、気付かなかったよ」
にこにこと笑って機嫌良く見えるコン。
「なんだお前、目ぇ開けたまま寝てたのか?窓閉めたから、電気付けろ」
そう言って一護がカーテンを閉める。その後ろ姿を昏い光を湛えた目で見ながら話しかけた。
「ねぇ一護、今日も楽しそうだったねぇ?」
「はあ?」
首だけで後ろを振り返った一護はベッドに片足を着いている状態だった。
「だからさ・・、お楽しみだったじゃない、今日もあっちで。アイツに可愛がられたでしょ?」
ずるり、と肩に圧し掛かってくるコン。

ふぅっ!と息が耳に掛かっただけで、ぴくん!と揺れる一護の身体。
「か〜わいい・・・」
とん!と肩を突き飛ばすとコンは一護の腹の上に座り込んで動けなくした。
嫌な予感がした一護はコンが首に何か着けているのに気付いた。
「なに、着けてんだソレ・・・」
「ああ、コレ?とっても素敵なオモチャだよ。これで一護と遊ぼうかと思ってさ」
カチャ・・・、と自分の首からそれを外すと一護の首にカチリと填めた。
「大人しくしてね?今日はさ、一護の身体に触らないからさ?一護は俺のするコト見ててよ」
そう言って一護の両腕をベッドのパイプに括り付けると死覇装を肌蹴て行き、袴と下帯を取り払った。
そして自分の・・・、本当は一護の肉体を弄りだすコン。
「一護ってさー、敏感だよね。ほら、ここ好きでしょ?」
両乳首を摘まみあげる。
「っ!く、んん」
身を捩る一護
「あぁ、ほら、やっぱり・・・」
すぐ反応を返す一護に笑みを零すコン。その手は一護の知らない性感帯にまで伸びていった。
「ここも気持ち良いって知らなかったでしょ?アイツ触ってくんないもんね?ほら・・・一護・・・」
「ひん!」
一護の中心は触れられるコトも無く勃ちあがり、蜜を溢れさせていた。
「くふふ・・・、もうとろとろ・・・、気持ちいい?気持ち良いの?一護」
「くっ!はな、せ!コン!」
「わあ、まだ大丈夫なんだね。じゃあ・・・これは?」
くちゅ・・・、と自身を握り込み手筒で上下に扱き出した。
「あ、ん、気持ちイイ!あ!あ!一護!一護!」
「ひっ!いや!やだ!やだ!やめろ!やめ・・・っ!」
「「あっ!」」
ぴゅくん!と吐精し、一護の腹を汚した。
「あ・・・、一護もイッてる・・・。ふふ、嬉しいな・・・」
「あ・・・はなせよ・・・!」
「や〜だ」
そう言いながら一護の腹に飛び散った精を舐め取っていった。
「止めろ!馬鹿!」
「なんで?アイツはやってるでしょ?飲んでるみたいだし、お互いにさ」
その言葉に一瞬で顔に血が集まるのを感じた一護。
「お前・・なんで・・・」
「ん・・・一護のは甘いけどアイツのは苦いね〜」
尖らせた舌でヘソを擽るコン。
「ひぁっ!やだ・・ぁ」
「ん?あ、そうだ、電気付けなきゃね!一護付けろって言ってたし」
「な!やめろ!」
明るくなった部屋で見るコンはにこにこ笑いながら服を脱いでいた。
「ねえ?一護、これがなんだか分かる?」
指で示される場所には赤い跡が・・・。
「あ・・・」
「そ!一護が向こうでアイツに付けられた跡・・・。所有印って言うの?」
ギチィ・・・!と爪を立て行く。その痛みは一護にも伝わっているのに・・・。
「あう・・!いた・・・」
「痛かった?ごめんね、でもアイツに付けられてる時は気持ち良かったでしょ?ココ、すぐに反応したもの」
すぅっ、と下肢を撫でていく指先を凝視する一護。
「あ・・ああ・・・」
「感じる?『俺』を見て感じてるの?触られてる感覚で?それとも両方?」
はあ、はあ、と息遣いが荒くなってきた一護。
「ああ・・・、まだ熱が燻ぶってるんだね・・・。やらしい身体・・・」
耳元で囁かれて触れるのは吐息だけ・・・。
「ひうん!」
「あ、ほら、また勃ってきたよ?先走りもた〜くさん・・・」
「う、うう!うう!」
「ほら、よく見てて?ここに入れるよ?」
と己の後孔に指を這わせていった。
「や!やだぁ!コン!お願いだから!止めてえ!」
ギシギシと音を立て身を捩る一護。
「だぁ〜め・・・」
つぷん。と中指を飲み込んでいった。
「ひぃやあぁああ!」
ぴゅくん!とそれだけで達してしまった一護に、
「あん・・・、入れただけだよ?俺も出ちゃったじゃん。いつもそうなの?」
「う・・るせ!」
「そんなんじゃ楽しめないよ、あ!そうだ。ココ縛っちゃえばいいね!」
と自分の中から、ちゅぷっと指を抜くと死覇装の腰紐で自身の根元を括りあげた。
「くひっ!や、やめ・・・」
「これで、大丈夫・・・」
くすくす・・・と笑いながらコンは蕾に指を這わせ撫でている。
「な!なに・・・!うぅん!」
「一護さ・・、ココ舐められるの好きだよね・・・?すぐイッちゃうもん」
「や・・、あ、あ、あ・・・」
触られているのはコンの身体なのに、自分の身体にもその触覚が襲い来る・・・。その事に恐怖を覚えながらも身体は快感に飲まれていく・・・。
「ああ・・・、ヒクヒクしてきたよ、一護」
「あ・・!ふぅ!んん!んん!」
「可愛いな・・・、ココが誘ってるよ・・・?ねえ、舐めていい?」
「い・・や・・・ぁ」
「でも、もうぐっしょり濡れてるよ?てらてら光ってるもの・・・」
見たままを告げてくるコンを睨む事も出来ず、きつく目を瞑る一護。
「アイツは舐めるじゃない。一護も喜んで、いっぱい出すでしょ?俺はダメなの?俺じゃダメ?」
「あ・・う・・・、お前は剣八じゃ、ない・・・!」
「そうだよ、でも・・・。ああ、もういいや、舐めちゃお!」
「ひっ!ダメェ!」
「遅いよ・・・?」
ピチャ・・・、とゆっくりと舐め上げるコン。堪らず腰を捩って逃げようとする一護。
「あぁ・・・、ダメだよ、そんなに暴れちゃ、シーツ汚れちゃう。死覇装の上が水たまりみたいになってるのに・・・」
「はぅ!うう・・・!」
「気持ちいいでしょ?気持ちいいよ?俺は・・・」
くちゅくちゅ、ちゅるちゅる、ぴちゃぴちゃ、と音を立て舐めては舌を捻じ込んでくる。
「ん、んはぁ・・・、あ、ああん・・・」
「指、入れるね・・・」
つぷん、と一本入れた。
「あはぁ!んん!ん!ん!」
「ここ?気持ちいい?ね、一護、どう?」
「あ、あ、い、いい・・・」
「うれしい・・・」
指を増やしていくコン。

もう3本の指を飲み込んでいる一護。
ぐちゅ!ぐちゅ!ぐぷ!ぐっ!ぐしゅ!ぐしゅ!と湿った音は止まらない。
一護は自ら腰を振り、良いところに指が当たるように動くがコンは態とずらしていく。
「やっ!やあぁ!もう!もう・・・!い・・・、入れ・・・て・・・!」
「入れる?何を?」
「あんん・・・、わかっ、分かってるくせに・・・!」
「分かってる、って良いの?アイツじゃないよ?俺」
グツリと奥を突くコン。
「ひあぁ!あ、あ、コ・・・ン、コン!おね・・がい!お願いだか・・・ら!」
「何を入れるの?ねぇ一護。ダレの、ナニを?ダレの、ドコに?ね、教えて?言ってくれないとわかんない・・・」
「ひん!ああ、う・・・、コ、コンの、・・・を俺の、中に・・・!」
「うん?俺のなに?聞こえないよ」
ずるるる、と指を抜いていく。
「あ、あぁ・・・!うう!」
「うあ、すご・・・。穴がヒクヒクしてるよ、早く欲しがってるみたいだ。やーらし・・・」
「く、くうぅ・・・!」
「ほぉら・・・、欲しかったらちゃんと言わなくちゃ・・ね?」
「ふえぇえ・・・、あ、う、コンの・・・、お、ちんちん・・・」
「俺のおちんちんを?どうして欲しいの?」
「ちょ、ちょうだい!俺の中に!早くちょうだいぃ!」
根元を縛られイケない状態の二人なのに、先に根をあげたのは一護の方だった。
コンは泣く一護の耳元で、口の端を引き上げて笑いながら、
「良く出来ました・・・」
いい子、いい子、と髪を梳いてやりながら、自身の根元を括っている紐を解くと滾った自身を宛がうと一気に奥まで貫いた。
「ん・・・、あーー!あ!あ!ああっ!あっ!ああっ!あっ!」
「ああ・・・っ!一護、一護、一護の中だ!熱いよ・・・!んン!気持ちイイ・・・!」
「んああ!あう!あう!やあ!何これぇ!変!へん!あ!あ!いつもと違ぁう!」
一護は受け身でありながら、自身の肉棒に絡み付く肉壁の感触を味わい、気絶せんばかりだった。
「ああ・・・!可愛い一護・・・。今日はね、入れる方の快感も味わってるんだよ。良かったね、気持ちイイでしょ?アイツはいつも味わってるんだよ・・・!」
「ひ・・・っ!ああ・・・あああ・・・!剣八!うああ!あああ!止め!離して・・・」
「無理だよ・・・、それに、おねだりして来たのは一護の方じゃない・・・!」
「あう!うう!うあ!あっ!あっ!だめ・・・!いや・・・!だめ!だめ!もうダメぇ!ああぁぁあーーっ!」
「うっ!くうっ!」
コンと一護は同時に果てた・・・。
「ああう・・・、奥に・・・、きた・・・、きちゃったのぉ・・・」
はあっ!はあっ!とコンの荒い息遣いを感じながら一護は気絶した。
「泣いちゃった・・・。俺はいつも泣かせてばかりだね、一護・・・。ごめんね・・・」
ずるり、と中から抜き取ると、一護の身体の処理を済ますと浦原に貰った記憶置換で今夜の事を一護の中から消し去った。
「一度だけでも抱けて嬉しかったよ、一護、大好き・・・」
ちゅ、と頬にキスするとヌイグルミに入り、記憶置換を持って浦原商店へ向かった。

「こ〜んばんは、コン君。もうそろそろ来る頃だと思ってたっスよ」
「あ、そうすか、これ、どうも・・・」
と差し出したのは、記憶置換と感覚共有装置だった。
「アラ、もういいんスか?」
「ああ、なんつーか、もうこりごり?痛いしさ。だからもう返す!」
「そうですか・・・」
帽子の奥の何を考えてるか分からない目でコンを見ると徐に、
「コ〜ン君!」
と呼び、振り向いたところで隠し持っていた記憶置換をコンに使った。
ボフン!と煙に塗れ文句を言おうとするが言う前に気を失った。
「これで君の中からも今夜の事は消えましたよ・・・コン君。君だけつらい思いするのは嫌でしょう?思い出にしたかったかも知れませんがね。アタシは忘れた方がイイと思うんスよ・・・」
とヌイグルミのコンを一護の部屋まで持って行ってやった浦原だった・・・。

翌朝、二人は何も覚えて無かった。

いつもの毎日が始まる・・・。







10/01/26作  コン一に飢えているお二方に捧げます。これで萌えて下さったら嬉しいです。金魚。



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