情の夜更け

















「こんばんは、…あの」






入場許可証を首から下げ、ゲートをくぐった先のオングストロームのピット前で立ち止まって
私は覗き込むようにして薄暗いピットの中へ声をかけた。

周辺のピットは既にシャッターが下ろされていて、ほとんどのチームが撤収してしまった後だった。
どこにも昼間のあの熱気も喧騒も存在しておらず、胸の中に不安がよぎる。


皆、帰ってしまったのだろうか。


小さな照明がぽつんと灯っているだけで、人の気配のないピットを見回して小さく溜息を吐いた。
伊達さんからの連絡で、彼らが無事なのはわかっていた。

日中のフリー走行で数台の車がクラッシュ。
後方を走っていたオングストロームの車は、惨事は免れたものの
多少の接触があり、走行を中止せざるを得なくなった。

『明日こっちに来てもらう予定だったんだけど、とりあえず彼らの様子見てきてもらえるかしら』

伊達さんの言葉に居ても立ってもいられず、カズさんに連絡をしてみれば留守電になったままで
仕事を終えた足がサーキット場へと向かってしまったんだ。



帰ったほうがよさそう、そう思ってピットへ背を向けると、足音がピットの中から聞こえてきた。
期待に揺れる胸を抑えて、もう一度ピットを振り向くと


「……、さん?」


驚きで目を丸くしたカズさんの姿が、私が会いたくてやまなかった彼の姿があった。


「あ、…電話したんだけど繋がらなかったから、様子だけ見に来たの」

「そっか、ごめん。伊達さんから聞いたの?」


青いつなぎをきちんと着こなしているという事は、きっと今まで車に向かっていたんだろう。

カズさんの言葉に頷いて、口を開こうとしたのだけれど
それを遮るように手招きされて、私は促されるままピットの中へと入る。


「ちょっと、待っててね」


ニッコリ微笑むカズさんは、そう言ってフックのついた棒を使って正面のシャッターを降ろしていった。
ガラガラというシャッターの音にすら気を遣っているような丁寧さ、カズさんの後ろ姿に胸の芯が少しだけ痛む。

少し奥に進んで車の様子をうかがおうと、私は静かに歩き始めた。
と言ってもそんな距離があるわけでもないのだけれど。

入り口と同様に小さな灯りだけが、スポットライトのように車を映し出していた。

丸みを帯びたスタイリッシュな形、ボンネットに描かれた『Å』のマークは汚れ一つない。




「…避けた時にリア部分を少し傷めたくらいなんだ」


だから大丈夫だよ。

そんなニュアンスを含んだカズさんの声がすぐ後ろから聞こえた。
振り返ってカズさんに笑顔を向けると、しっかりと目が合ってドキンと胸が鳴る。


「そういえば、…他の人達は?」

「皆、さっき帰ったところだよ。…だから、今は二人きり、…なんて」

「…そっか。えっと…あ、カズさんはずっと残るの?」

「ん?うん。今日できる事はもうないし、どうしようかなって思ってたところ。でも、残ってて良かった」


入り口から入り込んでいた風が途絶えたせいか、ピットの中が少しだけ蒸し熱く感じてきた。
もしかしたら、カズさんの言葉に反応した私が、恥ずかしさで熱くなっているのかもしれないけれど。


「そっか…」

「うん」


どんなに口を開いても、言葉が宙に浮いてしまう。
引き付け合う磁石が躊躇いという沈黙に阻まれてしまいそうで、私は必死でカズさんを見つめた。
そんな私の切ない気持ちを知ってか知らずか、カズさんは優しい微笑を浮かべる。


「ホント、良かった」

「うん、会えて良かった」

「それもそうだけど…、カズさんが大変じゃなくて…良かった」

「……僕?」

「そう。だって、ここのメカニックさんは忙しいと自分の事すら犠牲にしちゃうから」

「そんな事、ないでしょう」

「そんな事ありますよ」


そう、そんな仕事に真摯なカズさんの姿は、彼の魅力の一つであるけれど
入り込みすぎて頑なな彼は、時々見ていて苦しく切なくなる。

カズさんの一生懸命は、少しだけ怖い。
いや、正確に言えばそんな時のカズさんの境界線に入れない事が、彼の苦しみを分かち合えない事が怖いんだ。
冷静な視線や態度が、私を見なくなる。
分かっている、私はカズさんではない、ひとつではない、立ち入る事はできない事は。

なのに、それでも見守る事しかできない自分が嫌だ。
エゴイスティックな感情が、いつか不満にすり替わってしまいそうで怖くなる。




「どうしたの?なんか…」

「ただ、ホッとしたの、良かったって思ったの」

「本当にそれだけ?」

「何でもないよ」


見透かされてしまいそうで、慌てて車へ体ごと視線を向ければ、背中に刺さるカズさんの視線が痛くなって俯くしかなくなってしまう。

どうしようもなく頑ななのは、私だって同じじゃないか。

自分の行動に呆れ肩を落とすと、それを慰めるようにカズさんは近づいて、私の背をそっと抱き締めてくれる。
肩幅の広さとか、腕の逞しさ、力強さと溶けてしまいそうな熱が、"男"であるカズさんを強烈に印象付ける。


「メンテナンスが必要なのは…車じゃないみたいだね」


耳元で囁く低く優しい声が、体中にしみ込んでいく度に心臓が脈打つ速度を上げていく。


「…電話、ホント出なくてごめんね」

「出なかったんじゃなくて、出られなかったんでしょ?気にしないで」


だから大丈夫だよ。
回された腕にそっと触れて、そんなニュアンスを含ませて私は笑ってそう答えた。

ホッとしたようなカズさんの息遣いが近づいて、私はギュッと彼の腕の中へより力強く閉じ込められる。



「今、ここにいる君は…プレスのさん?それとも、恋人のさん?」


甘えたようなその口調が何よりも愛しく感じられて、ふふっと笑い声を漏らすと
カズさんの指が優しく私の髪を掻き分けてきて、露になった首筋にそっと口付けを落としてきた。

閉め切ったピットに充満する蒸し暑さ、触れ合う部分全てから発される熱が息苦しい。
考えてはいけないと思えば思うほど、カズさんに対し敏感になった全身が反応してしまう。



「恋人のさんに、聞きたい事があるんだ」

「なに?」


不意にクルリと体を反転させられて、私はカズさんと向き合う形になった。
聞きたい事があるという言葉とは裏腹に近づいてくる唇に、吸い寄せられるように唇を重ねれば
啄ばむようなキスは、すぐに深いものに変化していく。

背中と後頭部に回されたカズさんの手が熱い。
私が応えるようにカズさんの体に触れれば、指先から伝わる彼の体の輪郭が無性に愛しくて、このままずっと離れたくないという気持ちが加速する。

塞がれた唇が離れて、いつの間にか力の抜けた体を、カズさんに預けている事に気がついた。
呼吸を整えるように大きく息をひとつ吐いて、重心を自分のもとへ戻す。

けれど次の瞬間放たれた言葉に、胸がドンと重たく鳴った。


「こういうトラブルが起こると、さんは僕を見なくなる」

「それは、」

「…良かったとか、頑張ってとか言いながら、少し僕から離れていく」

「わ…私、そんなに卑屈っぽかった?」


隠していた私の中心を探るようなカズさんの言葉に、体が固まる。
こんな身勝手な感情を知られたら、彼を困らせる、呆れられるかもしれない、怖い。


「そういうんじゃないよ。でも何か隠してる…、僕には言いたくない?」

「そんな事…、あったとしてももう忘れちゃった。それくらい些細な事だから」


カチン、無表情の中にそんな不愉快の色が溢れて、カズさんの腕に力が込められる。



「やっぱり…、さんにはメンテナンスが必要みたいだね」



怒らせた。
いつもより低い声、声とは裏腹の穏やかな笑顔が、そんな些細な変化だけれどこれが彼の怒り方。
焦りだした胸が痛いくらい締め付けて、指先から伝わるカズさんの熱が恐ろしくなる。


「そんなに…怖がらないで?」


思わず俯けば、私を抱き締めるカズさんの唇が、私の耳に触れるくらいの距離でそう囁く。
『違う』そう抗議しようと顔を上げれば、待ち構えていたようなカズさんに深く唇を塞がれた。

熱く溶けてしまいそうな彼の舌が、私の口内を掻き混ぜる度に頭の中も掻き乱されて、私は力も意識も何もかもを吸い取られていく。
気がつけば、回されていた片方の手がいつの間にか場所を変えて、私のシャツのボタンを外していた。


「かっ…カズさん…」

「暑いね、やっぱりそこのシャッター開けようか?そしたら…誰か来るかもしれないけど」


本気とも冗談ともつかない言葉と笑顔に戸惑っていれば、不意に体が押され、私はボンネットの上へ背中をつけ寝転んでしまう。
硬く不安定な、居心地の悪さに、揺れる感情がより一層不安定に揺れ
熱そうに、煩わしそうにつなぎの上半身を脱ぐ艶やかなカズさんから、思わず目が離せなくなる。


「まっ…待って…こんな…私…」

「…本当の事をちゃんと言わないと、待てないな」


はだけたシャツの中に、カズさんの手が入り込んできて抵抗する間もなくブラのホックが外された。
すかさず露にされた胸を、私を知り尽くした彼の手が指が動き回っていく。


「やぁっ…ダメ…違うの。っ…はぁ、わた…し…」


カズさんが触れる場所が熱を帯びて、触れられる度にそこへ微弱な電流が流れるように私の体は跳ね上がる。
言葉が上手く出せなくなって、それを見越したようにカズさんは覆いかぶさるように私の胸へと口付けを落とす。


「何が…違うの?」


短い問いかけが終われば、チリチリと吸い付かれる痛みと、先端を舌で愛撫される快感に堪らず声をあげてしまう。
その上、胸に置かれた手がゆっくりと体のラインをなぞりながら下がっていき、腿を撫で上げ、同時にスカートをたくし上げていった。


「やっ…待って…カズさん」

「……僕の言った事、聞いてた?さん」

「…さ…淋し、かったの…んっ…カズさんは…いつも…独りで頑張るから…取り残されたみたいで…入り込めなくて…だから…」


理性や羞恥が掻き消えてしまいそうで、必死になって出た本音に、感情が震えてバラバラになってしまいそうになる。
カズさんの愛撫が止んで、目を開ければ、暗闇の中で少し驚いたようなカズさんの顔が浮かんでいた。


「そう…、よく、できました」


嬉しさを噛み殺すような棒読みのセリフ、満足そうに微笑むカズさんが、ゆっくりと私に口付ける。
何故だか『なんだそんな事か…』と言われたような気がして、あの夜盗虫事件の夜の彼の笑顔と少し重なって見えた。


「僕はさんがいるから頑張れるんだ…、絶対に離したくない」

「…カズ、さん」

「今まで、さんと出会う前は一体どうやって頑張ってきたのか分からないくらい、さんがいないと僕は…ダメなんだよ」


そう言って苦しいくらいの口付けをしてくるカズさんに、心の隅で嫌われなくて良かったと少しホッとして。
『私も同じ』と同調して笑顔を見せれば、再びカズさんの手が私の体を触れ動きを見せた。

恥ずかしさに堪らず身を捩って、視線を逸らせば、捲り上げられたスカートの中を撫でる手がショーツに手を掛けたのが分かった。


「か、カズさんっ…まっ…ダメ」


カズさんの胸を押し返すように手を当てれば、そんな抵抗無意味だと言いたげに微笑むカズさんの手が、それを剥ぎ取る。
背に当たるボンネットに、自分の熱が移ったらしく背中がより熱く感じるようになっていた。


「まだ…、メンテナンス終わってないよ」


意地悪くそう呟いて、カズさんの指先が私の中心に触れる。
ゆっくりと優しく撫でられて腰を浮かせば、滑らかになったナカへと一気に指が入り込んで意識が飛びそうになった。

彼が触れる全ての場所が甘く痺れて、私には従うという選択肢しかなくなってしまう。


「止めて欲しいなんて言わないよね?」

「ふぁっ…あぁっ…ん」

「僕を…こんなに欲しがってるみたいだし、そのまま…僕に犯されたかった?」

「嘘…そんなの…やっ…違う…んっ…」


「違わないでしょう?凄く熱くなって…濡れすぎだよ」

「ひゃっ…ああっ…やぁっ…カズ…さ…動かさな…あ…はぁっ…」


自分の声がピットの中で響いて、恥ずかしさに顔を両手で覆えば、『嘘つき』という官能的なカズさんの囁きが耳元で奏でられる。
ゆっくりと指を引き抜かれ、それでも尚中心が余韻に疼いた。
ここが今どこかとか、どうでもいいような気さえしてくるほど理性が掻き消えて、私は荒くなった息を整えようと大きく息を吐く。


「…顔、ちゃんと見せて」


そんな間に両足の間に割って入ってきたカズさんに、顔を覆っていた両手を剥がされてしまった。
半分意識を落としたような朦朧とした視線を彼に向ければ、熱い彼の両手が私の足を掲げようと膝の裏へ当てられた。


カズさんのがクル


そう思った瞬間体を駆け巡る緊張と期待が、私を激しく弱らせて従順にさせる。
蒸し暑くなったピットの中で汗ばんだ体と体が吸い付くように触れ合った。


「…僕のが、…欲しい?」


そう言いながらカズさんは私を見つめ、いつの間にか露になった硬く熱く反り立つカズさんのソレを私の中心へと宛がってくる。
体中がわなわなと震え、先端で秘部をなぞられるだけで聞こえてくる水音に、恥ずかしさがいっぱいになり返事に躊躇いが生まれた。


さん?…ちゃんと答えて」

「…っ…ふ…ぁ…だって…そんな…」

「強情だね。…さっきみたいに、素直になって欲しいな」


意地悪く呟くカズさんのソレが私から離れ、今度は焦らすようにカズさんの指が蕾を撫で回す。
その刺激に堪らず声をあげれば、ふっと息だけで笑うカズさんと目が合って羞恥で涙が零れそうになった。
この目には、この人には絶対に敵わないと思った。


「今日はちゃんと言わなきゃあげない。それとも、このままがいい?」

「やぁっ…カズさ…ん…のが…ぁ…欲し…ん…っ」


堪らず言葉にした途端、覆い尽くす羞恥が弾け飛んで、私はここがどこなのかさえも忘れ『お願い』とカズさんに懇願してしまう。
満足そうに微笑むやいなや、カズさんの両手に力が込められて再び私の両足が抱え上げられ
そんな綺麗なカズさんの笑顔に見惚れている隙に、硬く主張したカズさんが一気に私の中心を貫いた。

激しく動き回るそれに嬌声をあげれば


「イイコ、だね…っく…可愛いよ」


艶めいたカズさんの声が降り注いでくる。

気持ちよすぎて、それ以外何も考えられなくなって
私は恥ずかしさも忘れ、何度も彼の名を呼びながら必死に快感を貪る。

内壁を擦り付けるカズさんの動きは、どうしてこんなにも気持ちいいのだろう
最奥を突き上げるカズさんの強さは、どうしてこんなにも淫靡なのだろう

このままカズさんに食い尽くされたってかまわないくらい、私はカズさんに溺れていく。

好き

大好き

頭の中で何度も繰り返せば、いつの間にかそれをかたどった唇の動きを読み取って


「…っ…僕も…好きだよ…」


カズさんはそう囁いて口付けをくれる。

それでも止まない繋がりの愛撫が、カズさんのその動きが、私を限界へと導いていく。
思考をつかさどる脳内すらもう、カズさんがくれる快感しか感じられなくなって意識が霞む。

カズさん、私もう


「…っく、イヤらしいね…。僕と繋がって…っ…こんなに乱れて」

「カズさ…んっ…あっ…わた…っし…ああっ…もう…こわれ…」


イヤらしい私

イヤらしいカズさん

想いを伝え合うだけで満足だったあの頃よりも、私達はもっと貪欲になって
好きという気持ちが大きく育っていく度に、私達はもっともっと傲慢になって

言葉だけじゃ満足できなくて、甘く穏やかなだけじゃ足りなくなって。


「…っ壊れて、いいんだよ。そしたら僕がいくらでも…直してあげる」


それでも、彼を吸い尽くしたくて、彼に吸い尽くされたくて
その度に想いは溢れ出して、愛しさが無限に広がっていく。


カズさんがギリギリまで引き抜いては、私の最奥までを貫いて、何度も何度も飽きることなく繰り返す。
無意識に閉じていた目を開けてみれば、目の前には私にしか見せない真剣な攻撃的な彼の表情が映った。

薄く笑ったカズさんの手が器用に私の胸を弄って、快感の上に新たな刺激が重なって頭が真っ白になる。


「すごい…っく…締め付けられて…イキたいの?…」

「ああっ…あぁぁぁっん…も…いっ…ゃあっ…!」


「……いいよ」


切羽詰ったような荒い息で、より激しく私の中を掻き混ぜるカズさんに耐えきれず
私はひときわ高い快感の声をあげ、貫くカズさんに抱きつきながら果てた。

同じように、私の中でカズさんはドクドクと脈打つソレを注ぎ込む。
それを感じると私の体中が背徳感でゾクリと悦びに震えた。








息を整えるカズさんの真剣な表情がふわりと和らいで私に微笑みかける。

目を開けているのさえ辛いような、そんなまどろみの中で笑顔を返せば、私とカズさんの繋がりがゆっくりと引き離された。



さんのメンテナンス、完了…かな?」


本気とも冗談ともつかないようなカズさんの言葉に、ふふっと恥ずかしそうに笑みを返せば
不意にカズさんは私の体を抱き上げて、頬にそっと口付けをしてくれる。

まだ火照りの抜けないカズさんの体の熱が愛しくて、私はギュッと彼にしがみつく。


薄暗い部屋の中をゆっくりと歩き出して、カズさんは私を応接室のソファーへと静かに寝かせてくれた。


「カズさん、私、カズさんが独りで車と向き合ってても…大丈夫」

「独りなんかじゃないよ。僕はさんがいるから、頑張れる。あと、大切な仲間もね」

「うん…そうだね、そうなんだよね。…ありがとう」


全身に残る快感の余韻と気だるさに耐えきれず、目蓋を閉じれば


「…ごめんね?少し無理させちゃったかな」


困ったように、でも嬉しそうに笑うカズさんがそう呟いて私の髪を優しく撫でる。
まるで魔法をかけられたように私の意識が少しずつ薄くなって


「カズさん…に、言えて…良かった」

「……ん?」

「…呆れ…られないで、良かっ…た」


呂律の怪しくなった私がそう呟けば、可笑しそうにカズさんが笑い声を零す。


「少し休もうか?そうしたら送っていくよ」




小さく頷いて、私は睡魔との格闘をやめ、静かに体の力を抜いていく。

側にいるカズさんの温もりに安堵していると、彼の手が私の頭を撫でるのを止めて
暗闇の中でそっと頬や唇に温かい何かがいくつも降り注いだ。



そして



「……好きだよ」



不意に聞こえてきたそのカズさんの囁きを最後に、私はしばしの幸せな眠りについた。

















カウンタ33333を踏んでくださったハーミットさんへ捧げます。
久しぶりの裏カズさん(黒く)というリクだったのですが、いまいち黒くなりきれてないような^^;
誰もいない深夜のピットでメンテナンスゥゥッ!というストーリを思いついたがゆえにそっちを重視しちゃいました
お許しを〜…。楽しんでいただければ幸いです。
ケンカ風味にしてみましたが、よくよく読んでみるとちちくりあっているようにしかみえませんねー(´ー` )

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