エンジン! 「、大丈夫?」 「ん…少し、酔っちゃったみたい。でも、大丈夫だよ。」 「ほら、そこのソファーに座って、今水を持ってきてあげるから。」 「ありがとう、慧。」 「どういたしまして。」 「ねぇ、慧。」 「何?」 「慧ってよく私に触れてくるよね。」 「…え?」 「二人になると特にこうやって、ね?」 「それは…、誰と比べて?」 「ふぇっ?」 「ごめん、今のは失言。僕も酔ってるのかな。」 「あのね、ふと、どうしてかな?と思っただけだから。」 「は嫌?」 「ううん、ちょっと恥ずかしいだけ…。」 「恥ずかしい?」 「紳士的だし、下心とか感じられないし。でも、身体の力が抜けちゃうんだよね。」 「………そうなんだ。」 「慧は恥ずかしいって思ったことない?あ、悪い意味じゃないよ。」 「恥ずかしくないよ。一緒にいられる時間は離れたくないんだ、…好きだから。」 「ソ、……ソウデスカ。」 「ふふっ、そうやってすぐ可愛い表情を魅せるから触れたくなるんだよ?」 「…………っ。」 「しいて言えば、言葉じゃ足りないから、かな?」 「そっか…。うん、分かるかも。」 「あと、僕はねこうやってからパワーをもらってるんだよ。」 「パワー?」 「うん、例えば僕が"エンジン"だとするね。」 「ふふ、何だか高性能なエンジンって感じがする。」 「そう?でも、たとえそのエンジンが高性能だとしても、がいなくちゃただのガラクタ。」 「私?」 「君は僕の大切な"燃料"。がちゃんと愛を注いでくれないと僕は動かなくなっちゃうからね。」 「えへへ。じゃ、私はハイオクかな?」 「違うよ。」 「え?」 「そんな安っぽいものじゃなくて、は替えの利かない僕専用の燃料なんだよ。」 「…そう言ってもらえると嬉しいよ。」 「ねぇ、。」 「ん?」 「僕がどうやって燃料を補給するか、知りたい?」 「……なんとなくこれから言おうとする事がわかるから、いい。」 「ダメだよ。これからもずっと注いでもらわないと困るからね。」 「…っひゃ!」 「きちんと教えてあげる。」 「…け、慧っ!」 「こうやって抱きしめたり。」 「み、耳元で…い、…な…いで…。」 「ん?何?そうだ、あとは、キスもしなくちゃね…たくさん。」 「慧っ、耳元で…言わないで…。」 「どうして?……恥ずかしいの?」 「……分かっててやってるくせに。」 「ふっ、だっての口から聞きたいんだ。…感じてるって。」 「そっ、そんなこと!?」 「うーん。やっぱりこれだけじゃ足りないみたいだな。」 「えぇっ……?」 「もっと直に触れて、満足させてもらわないとダメみたい。」 「慧の、その笑顔の中に下心もやっぱり入ってるんだ…。」 「残念。気が付いちゃったみたいだね。」 「気が付いちゃったみたいって……慧のエッチ。」 「…ふふっ、そんな僕を好きなはどうなのかな?」 「わ、私は…その…。」 「それについては、これから教えてもらおうかな。夜は長いから、ね?」 さて、ここで問題です。 彼はエンジン、彼女は燃料、ではそれで走り出す車は例えると何でしょう? あとがき 慧「それはね"愛"だよ。(ニコッ)」 気障なセリフ。 それは彼のために存在するようなものです。 ←BACK |