おれ、だいじょぶだよね?

 上柚木空太と待ち合わせたのは、昴星、のみならず、この地域に住む―あまりお行儀のよくない―男の子たちが揃って「うんこ橋」と呼ぶ橋、つまりぼくの家から目と鼻の先にある橋で、

「やあ……。寒くないの?」

 ぼくが声を掛けると、緊張した横顔で川を見下ろしていた空太はびくっと跳ねて、ぼくに向き直った。

 半袖のシャツに短パンという、季節を間違えきったような格好で空太はいた。肩から掛けているのはスポーツバッグ。季節感という点に目を向けるなら、足元がサンダルなのもおかしい。それなのに首にマフラーを巻いているのはもっとおかしい。

 とはいえ、短いさくさくとした髪、向こう気の強そうな目、華奢で幼い身体つきなど、全体として可愛いという気持ちが即座に浮かぶ。現在時刻は朝の七時。犬の散歩をする人とさっきすれ違ったぐらいで、まだ街は日曜の朝の眠りの中だ。ぼくの息だって白く流れるような時間帯、東京郊外のこの街の現在気温はたぶん、氷点下。

 でもソラは、ぼくを見るなり笑顔になった。

「先生っ」

 ふわあと大きく白い息を唇から漏らした少年の髪を撫ぜてあげると、ソラは心底から嬉しそうに微笑んだ。

「先生、今日もこないだみたいなこと、いっぱいする?」

 とにかく寒い外から部屋の中に上げて、温かくて甘い紅茶を淹れてあげるなり、ソラはそう訊いた。一人暮らしのあまり新しくもないアパートの部屋、少し珍しげにきょろきょろ視線を巡らせてから。

「そうだね。ソラも楽しみにしててくれたの?」

「うん! 昨日からずっと。今日な、遅刻しないように夕べ、早く寝たんだ。……あ、そうだ」

 ソラはスポーツバッグのチャックを開けた。少年の腕で一抱えもあるサイズのものだけど、軽そうだなあと思っていた。中から出て来たのは、ブリーフが二枚きり。

「おれの、パンツ。こないだあげるって言ったやつ」

 ソラは、右手左手に一つずつ摘まんだそれをぼくに差し出す。

「ああ……。いいの? 本当に?」

「うん、だって先生欲しいんでしょ? それに、好きな人にはパンツあげるんだっておれ知ってるよ」

 それを、誰から聴いたのか、実はぼくはもう知っている。

 諭良だ。

 また新しい少年と関係を持ってしまったことをぼくが気に病む時間なんてごく僅かしかなかった。ソラと別れて家に帰る道の途中で、諭良から「今夜行っていい?」ってメールが届いて。平日だけど断る理由なんてない。ぼくの家に着くなり、

「ちっちゃいちんちん、美味しかったでしょ?」

 諭良は少しいたずらっぽい笑顔で訊いた。

 諭良が言うところによれば、

「ぼくがいなくなっても昴星と流斗と由利香がいればきっとお兄さんは大丈夫。でも、人数が足りなくなっちゃうのはやっぱり寂しいと思うし、……流斗がルカって子をお兄さんに紹介したって聴いたから、ぼくも」

 ということで。元々ソラが男の恋人を欲しがっているという相談を受けたのが諭良で、彼が紹介しようと思ったら、その相手はぼくしかいないのだった。

 そんな次第で、ぼくは諭良からソラを授かった。余計にこの子を可愛がってあげなくちゃって使命感にぼくは燃えている。

「ありがとう。大事にするよ」

 一枚ずつ、ブリーフを卓袱台に広げてみる。片方は、この間穿いていたものだ。オシッコの染みの形と、お尻の筋に見覚えがある。もう片方はそれよりももっと汚れていて、三回ぐらいオシッコをちびっちゃったブリーフにも見える。

「う、何か恥ずかしいかも……」

「そう? ……こっちの、すごい汚れてるね?」

「ん、その……、あんま汚しちゃったやつ、恥ずかしいから親に見せないで、あとで自分でまとめて選択するから……、隠してたやつから一枚、持って来た」

「そうか。ソラは自分で洗濯が出来るんだ。偉いね」

 男の子で家事が出来るって、カッコいい。目の前の少年は、失礼ながらあまり器用な印象もなかったけれど、男らしく凛々しい笑顔が余計によく見えて眩く思えた。

 その上、こんなに可愛いパンツをぼくにくれた。

「ほんとは、パンツこんな汚さないのがいちばん偉いんだよ」

 むーと唇を尖らせてソラは言う。まあ、それはそうなんだろうけど、

「でも、ソラのオシッコパンツはぼく好きだよ。ソラがこんな風にパンツ汚してくれてよかったなって思う」

「ほんとにー?」

 じー、とぼくを見つめる。ええもう、そりゃあ本当も本当。だから自信を持ってぼくは頷く。ソラはふっと笑って、「先生がそういうの好きならそれでいいけど」と言った。

 ぼくは空の膝の上を指差して、「おいで、ソラ」と招いた。

 ソラはちょっとためらった。そういう甘ったるいことを自分に認めるかどうか、……四年生って微妙な年頃だろう。それでも誘惑に負けて、結局ソラはぼくの膝の上に乗った。やっぱり腕とか脚とか、風に晒されていた部分が冷たい。早いところお風呂に入れてあげたほうがいいかなという気もする。

 でも、

「はああ……、先生あったかい……」

 ソラはぼくに抱き着いて、心から安心しきったような声で言う。ならもう少しこうやって温めてあげるのもいいか。

「先生、あの」

「ん?」

「えっと……、えっとね、……その、……こないだの」

「うん?」

 まだこうやって接触すること自体にまだ慣れていないソラは、さんざんもじもじしてから、

「……キス、したい。恋人って、いうの、いいなって思って、だから……」

 告白した。

 純情な頬の色が、いとおしいと思わせる。

「いいよ。……しようか」

 冷たいかな、と思った頬っぺたは案外に温かい。膝の上に乗せた軽い少年に顔を上げて、唇を重ねる。触れ合う瞬間に、手を回したソラの腰がひくっと震えた、それはとても初々しい反応だ。

 顔を離して改めてみると、凛々しい顔をしているはずのソラはちょっと蕩けたような表情を浮かべて、歳より幼い印象になっていた。実際、まだキスにだって慣れていないような少年と、これからすることと言えば……。

「ぼーっとしちゃった?」

「んあ……、う、だいじょぶ……、って、わあ!」

 ソラは軽い。流斗もとても軽い子だけど、同じくらい。ひょいと抱き上げることが何の負担にもならない。

「や、やだっ、せんせっ、なんか恥ずかしいよぉ」

 それでもきゅっと抱き着く。ぼくは背が高い、……この子のお父さんよりも背が高いのかも知れない。だからちょっと怖いかな。

「今日はどんなことしようか? ぼくはソラの『先生』だからいろんなことを教えてあげなきゃならないし、『恋人』だからたくさん可愛がってあげなきゃいけないって思ってるんだけど」

 畳にすとんと下ろしてあげたところで、ソラは「えーと……」シャツの裾をもじもじと弄って考える。

「あっ……、じゃ、じゃあ、先生がこないだ見たいって言ってた……」

「オモラシ?」

「う、うん、……その、おれ、いま、しっこしたいから、その……、でも」

 尿意があるのは確かだろう。寒い中、薄着で待っていたわけだし。……ズボンの前をきゅっと掴んだ。「しっこ、臭いし、その、……どうしたらいいのかな」

「パンツの替えならあるよ。今はどんなの穿いてるの?」

「え、えっと」

 ソラは少し慌ただしくズボンを下ろした。某有名スーパーマーケットのプライベートブランド品のようだ。つまり、昴星が愛用しているものと同じ。もちろん昴星から二つ年下、一回り小さい身体のソラだから、昴星用のを回し使わせる訳にも行かないけれど、

「これと同じだね」

 ソラのサイズ、……130の物もちゃんと持っている。言うまでもなく、この子と身体のサイズがほぼ同じ、流斗のために用意してあるのだ。

「あ、……で、でもお金……」

「構わないよ。どうしてもって言うなら、ソラの今穿いてるパンツと取り替えっこしようか」

 ソラは少しだけ迷って、「ん、わかった……」と頷いた。

「じゃあ、パンツ一丁になろうか。シャツもズボンもオシッコ付いちゃまずいよね?」

 ソラに脱衣を促し、ぼくはオネショ用吸水シートを畳の上に広げる。ソラはそれが何かは判らないらしいけれど、ぼくが「この上でしようね」と手招きすると、納得したように頷いた。

「ソラ、もうちょっとだけ我慢できる? ……出来たらさ、ソラがオモラシするところを撮らせて欲しいなって」

「と、撮る? 撮るって……」

「この間みたいにさ。ソラがぼくに見せてくれる最初のオモラシでしょ? 記念に撮りたいなって思っちゃったんだけど」

 ソラは真っ赤になった。

「えー……、でも、でも……」

 パンツ一丁で、靴下も脱いで、もじもじしているのは恥ずかしいからではなくて、裸になったことで急激に尿意が高まったからだろう。

 これはまあ、間に合わなかったとしてもしょうがないかなって思いつつ、

「もちろん、この間のと同じでぼくしか見ない」

 ぼくは約束をした。

 諭良から、何と言われているだろう? この件については訊いていない。ただ諭良は「いっぱい可愛がってあげてね」と言っていた。ぼくなりのやり方で「可愛がって」あげればいいのだろうと信じることにする。

「ううー、……わかった! 撮るの、いいっ」

「ありがとう」

 大急ぎでカメラをセットする。三脚を用意する時間はない。ソラはおちんちんを抑えつつ、「は、早くッ、なんか、もう出ちゃいそうっ、もれちゃうっ」太腿と膝を擦り合わせるように愛らしい動きをする。

「手、どけて」

 ソラが「ううう」とうめきながら両手をどける。まだ乾いていない、……と思ったのは一瞬だけで、

「あう!」

 一滴、……というのはちょっと遠慮がちすぎるか。じわりとブリーフの、昴星ならタマタマの当たる部分に染みが広がった。

「せ、せんせっ、せんせぇ、もぉガマン、無理ぃ……、もれるうぅ……!」

「うん、……っていうか、我慢なんかしなくていいんだよ? ソラがしたいときに、したいようにしてくれれば」

「え……? あっ」

 力が抜けた瞬間の、オシッコの迸り方がすごかった。

「あ、あ、あ……っ」

 小さい小さいおちんちん、その上タマタマも幼いフォルムであるものだから、ソラはブリーフとおちんちんの間に距離がある。しかもこの間見せてもらった通り、オシッコの勢いが強い子だ。ダムの決壊と共に飛び出した一条はソラのブリーフの「内壁」に向かって放たれたが、もとより布であるからそれを受け止め弾き返す訳もなく。

 染みの広がり方が昴星たちよりずっと派手だ。飛沫を上げて、……というのは言い過ぎにしても、一気に股下まで広がり、太腿を伝うものより股下から零れ落ちるものの割合が多い。

「お、あ、あぁあ、しっこぉ……、しっこっ……、しっこ、も、もらしてぇっ……」

 我慢の限界だったのだろう、がくがくと膝を震わせ、激しく水流を滴らせる自分のブリーフを信じられないように見下ろしている。

 ブリーフに広がる染みの色もずいぶん濃いし、オシッコは六年生の昴星や諭良にも負けないぐらいたっぷりとあふれ出す。総じて、とても「派手」なオモラシだった。一部始終を堪能しつつ撮る上では、三脚を用意できなかったのはかえって良かったかもしれない。温めておいた部屋の中でも湯気を漂わせるソラを、ソラのブリーフを、前から後ろから、ぼくはゆっくり撮ることが出来た。

「ひ、ああ……、うぅ、しっこ、めっちゃ出た……」

 ソラはべそをかきそうだ。ここまで派手に出てしまうとも思っていなかったのかも知れない。膝の震えが収まらない。ソラを水溜りの上に座らせてあげると、ソラは困った顔ですぐお尻を持ち上げる。

「うー……」

「濡れてるの、嫌?」

「だ、だって、しっこ……、パンツ……、しっこくさい……」

 そういう臭いがして当然だ。だって、オシッコなんだから。どんなに可愛い男の子でもオシッコが臭うのは、昴星という例を挙げるまでもない真理だ。臭くなければオシッコじゃないし、だからぼくは男の子のオシッコが好きなのだ。

「もうちょっとだけ、そのままでいてもらってもいい?」

 ソラは、ちょっと唇をへの字にして、でもこくんと頷いた。

 カメラを置いて、髪を撫ぜて、頬に触れる。キスをした。いい匂いのキスだった。

「ありがとう。じゃあ、立って。パンツ脱がなきゃね」

「ん、脱ぐ」

 ぼくの肩に手を置いて立ち上がった。再びカメラを構える。「すごい、黄色くなっちゃったね」

「だ、だって、……もらしたもん……、しっこ」

「可愛いオシッコパンツだね」

「かわいい、のかな……、でも、しっこパンツだよ……?」

「ソラのオシッコパンツなら可愛いよ」

 一歩引いて、「そうなのかなあ……?」首を傾げつつブリーフを脱いでいくソラの姿をとくと撮る。やっぱり痩せている。露わになるおちんちんも竦み切っている。でも、トータルとしてとても可愛い。まだポタポタとオシッコを滴らせるブリーフを両手に摘まんで、どうしたらいいかぼくの言葉を待っている姿も、何て愛らしいんだろう。

「ぼくは、ソラのオモラシしたパンツも、オモラシして見せてくれたおちんちんも可愛いと思うし、ソラがたっぷりしてくれたオシッコ、ちっとも臭いと思わないよ。すごく美味しそうに見えちゃうんだ」

 ヘンタイ宣言。ソラはじいっとぼくを見て、少し噴き出す。けれど悪い言葉をぶつけることは決してなくて、

「じゃあさ、せんせ、ちんちんこないだのフェラ、して。しゃぶるやつ!」

 腰を突き出して求める。縮こまったまま先端から滴を垂らし、ぷるっと震えたおちんちんの愛らしい動きを目の前で見せてもらって、「じゃあ、いただきます。……オシッコだけじゃなくて、精液も我慢しなくていいんだからね?」口に含む。

「んん……」

 縮こまってタマタマも陰茎そのものもシワシワになったソラの「しっこちんちん」が美味しい。

 鋭いしょっぱさ、強い臭い……、つるつるの舌触りの内側、皮の向こう側に存在感を発揮する小さな芯が、わずかに緩んだようにサイズアップする。そんな控えめな反応の時間はそう長くは続かない。徐々に内側から、じわり、じわり、ソラが肛門括約筋を引き締める動きが伝わってくる。その繰り返しで、徐々にタマタマを一緒に口に含むのが難しくなって、……完全に、勃起する。

「美味しいよ、ソラのおちんちん」

「ほんと? おれのしっこちんちんおいしい?」

「うん、すっごく美味しい。我慢していっぱい出した黄色いオシッコの味と臭い、最高だよ。……これからソラがぼくの前でオモラシしてくれたときには、毎回必ずこうやってソラのおちんちん気持ちよくしてあげるから。約束だよ」

「ん、わかった……、やくそく……、ひゃ」

 麺類、うどん? を一本啜るように再び口の中に収める。ぼくの舌を満足させるためのフェラから、ソラ自身をより心地よく高めていくための動きに変える。

「はぁ……、ちんちん……、せんせぇ、ちんちん……、ちんちんきもちぃ……、きもちぃいよぉ……」

 オシッコの味と臭いがぼくの口の中で薄らぐ頃に、代わって新鮮な蜜の味がごくわずかに感じられるようになる。男の子のおちんちんの見せる、こういった細かな表情の変化はいつ感じても素晴らしい。ぼくは、……ときどきお酒を呑むけれど、男の子のおちんちんより美味しいと思って口にするものはこの世にもうないだろう。

 細いお腹がひくひくっと震えた。

「せんっ、せ……、ちんちんっ……、せぇしっ、せぇし出るぅ……、出るよぉお……!」

 甘酸っぱい泣き声をとろとろと唇から漏らしながら、ソラはきゅんっとおちんちんを弾ませて、ぼくの口の中で射精した。それはまだ「射精」という行為自体にそこまでの免疫もないが故の、とまどいながらのもの。味も薄く、香りは弱い。けれど少年の小さな珠袋の中に二日ぐらいは秘められて、熟成された欲そのものの味だ。

 一言で言うなら、

「美味しかったよ」

 ということになる。ソラはぼうっとした顔で、こく、こく、と頷くが、何に対して頷いているのかは自覚もないだろう。

 ぴんと上を向いて、……うん、やっぱり勃起すると昴星よりちょびっとだけ大きい、そんなおちんちんを撮らせてもらう。皮はほぼ剥けないで、細い包茎の先端にむにゅっと皮先が余っている。そこに指を当てると、まだ中からじんわりとぬめりを帯びたものが糸を引いた。

「おれ、ちんちん、……大人になったら先生みたくなるんだよね……?」

 ぼくが包茎を弄っているからか、ソラは少し心配そうに訊いた。

「なるよ、大丈夫」

「ん、……あのね、その……、おれの、見たことあるちんちんでね、……おれより二こも年上なのに、ちんちん、おれより皮が、いっぱいあって」

 諭良のことだろう。

「ちんちん、皮剥くのすっごい大変なんだって言ってる人がいて、……おれ、だいじょぶだよね? ちんちん、先生と、こうやって大人のことしてたら、ちゃんと大人のちんちんになれるよね?」

 諭良だってちゃんと「大人のこと」してるけど、あの子の場合、あの皮を思いっきり引っ張り上げるようなオナニーの仕方のせいでああなっちゃってることが否定できないからな……。

 ゆっくりと時間をかけて、もとのサイズに戻ったソラのおちんちんを指で弾いて「大丈夫だよ。仮にちょっとぐらいおちんちんの皮がだるだるになってても、大きくなったらちゃんと剥けるようになるし、万が一剥けないままだったとしてもさ、きちんとお風呂で綺麗にしてたら何の問題もないよ」ぼくは微笑んで言った。

 ついでに、

「ぼくの『恋人』にも、おちんちんの皮が余ってる子はいるよ。でも、ちゃんとお風呂で綺麗にしてれば大丈夫って伝えてる」

 と言ってみたけれど、

「そっか。じゃあ、おれその人にそう言う」

 ソラがぼくの「恋人」の一人が諭良であることには気づかないようだ。あれほど特徴的なペニスを持つ「二個上」の子なんてそうそういないと思うけどね。

「ソラは、その二個上の男の子のおちんちんをどうやって見たの?」

 これについても、いきさつはもう既に諭良に訊いている。ソラは呆気なく、「え、あの、……えっと」言葉を探すのに苦労してから、

「その、……ちんちん、見せっこした」

 白状した。

「そうなんだ?」

「そう……。で、でも、おれその人の恋人じゃないよ。先生がおれの恋人だから」

 可愛い焦りを抱きしめて、乾いた尿の臭いを漂わせるお尻を撫ぜる。

「そうだね、ソラはぼくの恋人だ。だから可愛いおちんちんもオモラシも見せてくれるんだよね」

 まだびっしょり濡れたままのブリーフを拾い上げて、広げてみる。「すごい、本当にたくさん出たね。なかなかこんなに綺麗な黄色のシミ作ってくれる子はいないよ」

 ソラがブリーフに作ってくれた染みは、なかなかに特徴的なものだった。痩せていて、おちんちんが小さい。そのせいでブリーフの中で下を向いていたおちんちんから放たれたオシッコによるシミは、下方面に広がっていて、面積はそれほど大きくはない。けれどオシッコの色が鮮やかで、面積に比べてよく目立つ。今後ぼくの引き出しに溜まって行くはずのソラのオモラシブリーフ……、ソラ自身の言い方に従うなら「しっこパンツ」は、こういう特徴を持つものになるんだろう。

 ソラは、自分の「しっこパンツ」を賛美するぼくに、恥ずかしそうな表情を浮かべていた。

「ソラにもう一つお願いしてもいいかな?」

「ん、なーに?」

「これ、もう一度穿いて撮らせてくれない?」

「えー」

 思いっきり複雑そうな顔と声だ。……まあ、無理もない。そもそもまともな神経をしている子なら、オモラシをするということは自分の身体を汚すということであり、それに抵抗感のない子がいないはずもなく、加えてたっぷり汚してしまったブリーフにもう一度足を通すということなどそうそう考えも及ばないだろう。

 そして、

「先生、そんなの見てどうすんの……?」

 ぼくがどうしてそれに興奮するかも判らないだろう。「先生」なのだから、きちんと説明しなきゃいけない。

「うん、……まずね、オモラシしたパンツを穿いてるソラが、ぼくにはすごく可愛く見えるんだ。ほかの人はたぶん、そうは思わないだろうね。でもぼくはそういうパンツ穿いてるソラ見てるとドキドキする。この子はぼくのためにオシッコでパンツ汚してくれたんだって、すごく嬉しい気持ちになるんだ」

「そう、なのー……?」

「それだけじゃないよ。ソラがもっといい匂いになるっていうのも大きい。さっきしゃぶらせてもらったソラのおちんちんもオシッコのにおいと味ですごく良かったけど、オシッコパンツ穿いてたらおちんちんだけじゃなくてタマタマやお尻の方までオシッコの匂いがするようになるよね? それもすごく魅力的なことなんだ」

「えっと、……その、先生は、そうなんだよな? その、ふつーはそうじゃなくって」

 自分の性嗜好のマイノリティさ加減についてはもう、この子にも納得してもらうしかない。ソラはぼくの開いたブリーフを「うえー……、しっこ、超くさいのに……」まだ抵抗を捨てきれない。

「終わったら、お風呂にいっしょに入ろう」

「おふろ……」

「そんなに広くないけど、でも二人で入るのに問題はないはずだよ」

 それが、ソラの中では決め手になったようだ。こくっと頷いて、「じゃ、じゃあ、はく……」ぼくの広げたブリーフに、左足から通していく。内腿の濡れた感じ、タマタマやお尻が湿った布で包まれる感じに、「ひい」と小さく声を上げて震えたが、上までしっかりと穿いた姿は、想像していた以上に愛らしいものだった。

「ソラ、こっち向いて」

 カメラを構えて言う。ソラは本当に恥ずかしそうに、ぼくのカメラを見る。

「オシッコ、パンツにしてくれてありがとうね」

「……ん、でも、せんせ、ちんちんしてくれたから……」

「さっきも言ったけど、ソラがオモラシしてくれたら、そのたびにちゃんとぼくもお礼をするよ。フェラ気持ちよかった?」

 こくん、ソラが頷く。

「先生の、フェラ、……すっごい、気持ちい。何か、ちょっとされただけなのに、すぐ頭ん中ぼーっとなって、ちんちんかたくなって……」

 これだけたくさんの男の子のおちんちんを咥えさせてもらってきたのだから、その点については少し自信を持っていいのかも知れない。こっちがそうすることで幸せをもらっている以上は、ぼくが受ける以上のヴォリュームで幸せにしてあげなきゃいけないのは当然である。

「ソラがして欲しいときにはいつでもしてあげるよ。それは別に、オモラシしたときでなくてもね。……お尻こっちに向けて見せて」

 素直にソラはお尻を向けた。足元に広がる自分の作った水たまりを踏まないように気にして、……だから大きく足を開いて、大胆に股下を晒すことになる。

 やっぱり、股下部分の汚れも含めて控えめだ。でもお尻の谷間に吸い付くようなオモラシサインも魅力的なものだった。鼻を突っ込んで嗅ぎたい気持ちを堪えて、じっくり撮ってからまたこちらを向いてもらう。

「おちんちん見せてくれる? おちんちんは恥ずかしい?」

「んーん、平気。先生だし」

 ソラはウエストゴムをぐいとずらしておちんちんをぽろんとこぼして見せた。それもいいなと思うけど、「ちょっと待ってね」と止めて、ぼくはソラのオモラシブリーフの窓を開けた。

「こっちからがいいの?」

「うん、こっちからがいい。……ソラはオシッコのときこっち使わない?」

「んー、家だと上からかな。学校でするときは、横んとこから出しちゃう」

 なるほど。それもありといえばありだろう。でも個人的にはやっぱりこの「窓」あってこそのブリーフだという気がする。それにオモラシブリーフの窓からおちんちんがぴょこんと出てるのって、やっぱりすごく可愛い。

 なんてことを考える一方で、こういうこだわりのようなもの、昴星と出会わなければ抱きようがなかったなあとも思う。実際、昴星があの日落としてぼくが拾った下着が例えばボクサーブリーフだったとしたらそっちにはまっていただろう、トランクスならトランクス。というか、下着に対してここまで執着することはなかったとさえ思う。

「ソラのおちんちんもソラのパンツも、両方可愛いね」

 なんて言葉を口走ることだってなかっただろう。

「そうかなぁ……、でもしっこちんちんとしっこパンツだよ?」

「うん、だから可愛いと思う」

「んー……、わかんないけど、わかった、あ、ねえねえ先生、あれしてあげる」

 あれ? と訊くより先に、ソラが腰を振った。

「しっこちんちんのー、ぷるぷるちんちんっ」

 ソラの小さいそれが震える様子は、本当に「ぷるぷる」という言葉がしっくりくる。

「ありがとう、ぼくの好きなの覚えててくれたんだね」

「うんっ、せんせ、好きだとうれしいしっ」

 楽しそうに見せてくれるのって、いいなあと思う。恥ずかしがりながら見せてくれるのもそれはそれでそそるのだろうけど、ぼくの場合昴星があけっぴろげに何でも見せてくれたのが最初なものだから、やっぱりエロスと笑顔の共存に、より強く心が惹かれる傾向があるらしい。

 いやでもさっきの恥ずかしそうにオシッコ漏らしてるところも可愛かったな……。

「ソラのおちんちんはさ、確かに今はまだ小さいかも知れないけど、何にも気にすることないよ。大きさじゃ価値は決まらない。ソラのおちんちんはソラだけのおちんちんなんだから」

 腰を停めたソラの、窓からちょこんと顔を出す茎を指先でそっと摘まむ。まだ湿っぽくて、細くて小さい。

「それにソラは勃起すればそこそこのサイズになる訳だしさ。勃起してもあんまりサイズが変わらない子だって世の中にはいる。でもって、そういうおちんちんだってぼくは可愛いと思ってるんだ」

 もちろん、昴星のことだ。

「ん……、そうなの?」

「うん。ついでに言うならね、ソラに生えてるおちんちんだから、それがどんなものであったとしてもぼくは好きだし、可愛いと思うよ。ただおちんちんだから良いっていうもんじゃない、心の底から可愛いなって思える子に付いてるおちんちんだから、可愛いって思えるんだ」

 ソラは自分の股間にブリーフから零れたものを見下ろして「ふうん……」と呟いて、

「じゃあ、おれがさ、おれがね、先生のちんちん好きなのもそうだよ。……ほんとは、最初は、ちんちんと遊べるならだれのでもいいかなって思ったけど、でもやっぱ先生のがいい。先生についてるちんちんだから好き」

 ソラは座ってカメラを回すぼくの前にしゃがみ、初めてだ、自分から唇を重ねて来た。まだ不器用で、可愛らしさよりも初々しさが先に立つようなキスだったけど、初々しさが翻って可愛さに変わるような、そんなキス。誰かと唇を重ねるという行為自体、ひょっとしたらこの子、ぼくが初めてじゃないのか。いとしくて抱きしめて、少年らしい髪の匂いを嗅ぐ。

「ねえ先生、おれ、またしっこしたらごほうびくれる?」

「ん? また出るの?」

「うんっ、出る! っていうか、出せると思う」

 トイレが近くて、時として危機的状況に陥り、そのまま崩壊させてしまうのが昴星だ。続いて膀胱括約筋に不安を持っているのが諭良。六年生の二人がオシッコのコントロールが下手で、流斗にルカに、このソラ、四年生の三人はオネショだってそうそうしないぐらいちゃんと自制できるというのもおかしな話だ。ぼくのためにそんな努力をしてくれなくっても、とは思うけど、見せてくれるならやっぱり見たいじゃないか。

 またカメラの前に立って、今度は笑顔で、おちんちんを仕舞って。

「じゃあするよ? あんま出ないけど、でもちゃんとしっこする」

 二回目の失禁を、ソラがした。少しだけ乾き始めていた黄ばみの奥からせせらぎの音がして、また汚れが膨らむ。ソラは自然と股を開き加減になって、少量のオシッコが股下から垂れ落ちて行くのを見ていた。さっきより「気持ち悪い」という感覚が喚起されることはないらしい。

「へへ、……しっこ出た」

「うん、同じパンツで二回もオモラシしちゃったね」

 照れくさそうに笑って、「せんせ、ごほうび」とぼくの前にまたしゃがむ。

「いいよ。何が欲しいの? またさっきみたいにおちんちんしゃぶってあげようか?」

「それより、こんどはおれに先生のちんちん触らせてよ」

 にぃ、とソラは言う。ああそうか、この子はもともと「ちんちんで遊びたい」って欲があるんだった。ソラにしてみれば自分の見慣れたおちんちんにぼくがこれほど欲望を掻き立てられる理由もまだ今一つ判っていないのかも知れない。

 とはいえぼくだってずいぶん前から勃起しっぱなしなわけで、

「いいよ。じゃあソラにしてもらおうかな」

 ジーンズを脱いでトランクスを脱いで、畳に座る。ソラは「おおー」と目を輝かせて、ブリーフを脱ぐことも忘れてぼくの足の間にひざまずく。いや、「忘れた」のではなくて「慣れた」のかも知れない。

「ほんとに? 先生のちんちん、こんなでかくなってんの、おれ見てこうなってんの?」

「そうだよ。ソラのオモラシやおちんちん見てこうなってる。それぐらいソラの可愛いところ見て興奮したってこと」

 それを、より強い実感として味わわせる方法をぼくは思いついた。このところ、流斗によくしてもらう方法に似ている。

 改めてこういうことを書くのは憚られるけど。

 最近、流斗によくオシッコをしてもらう。いやそれは以前から毎度のようにしていることではあるけれど、ただオシッコを、パンツの中にしてもらうばっかりではなくて、ぼくのペニス目がけてオシッコを引っ掛けてもらうんだ。そうしてオシッコまみれにしてもらった性器を、流斗の手や舌で心地よくしてもらう。

 ことわっておくけど、ぼくが「して」って頼んだわけじゃなくて、流斗が「お兄ちゃん、こういうの好きかなって」思って自主的にしてくれたのだ。もちろん「好き」だし、だからこうしてハマっているわけだけど。

「ソラの、オシッコの付いたパンツ」

 ちゃぶ台に手を伸ばして、一枚取る。「……ぼくの、見ててね」

「ん? うん……」

 嗅ぐ。

「あっ……」

 それは意識して動かした訳ではない。ただ、鼻に届いたソラのブリーフの臭いに反応してぼくのペニスは少年の目にもあきらかなほど脈動した。

「すげえ……、ちんちん、びくって……」

「いい匂いだもの。……これよりもっといい匂いするのが、いまソラが穿いてるパンツ」

 ソラはオモラシブリーフに目を落としてから、またぼくの顔を見上げて、「先生は……、これ、かぎたいの? かいだらもっとちんちんびくびくする? 気持ちよくなれる……?」自信なさげに訊く。

「この間みたいに、ぼくの上に乗ってごらん。もちろんパンツはそのままでね」

 ごろんと横たわったぼくの上、濡れたパンツのソラはこの間以上にためらいながら顔を跨いだ。すぐ目の前に、細い両の太腿、そしてオモラシブリーフの股下の縫い目。鮮やかなゴールドに染まったその部分からは二回分のオモラシによる強い尿臭が漂う。昴星と比べたら形無しだけど、それでも流斗や諭良より明らかに臭いが強い。

「あ……、ほんと、だ……、せんせ……」

 ソラがぼくのペニスを掴んだ。

「もっと押し付けて。ソラのオシッコ、すごくいい……」

「おしつけ……、こ、こう?」

 じめっとしたブリーフの布が、鼻と唇を塞いだ。圧迫されることで内側からまたじゅわっとオシッコが染み出してくる。味の主張の強いソラのオシッコを感じれば、それだけでぼくのペニスはソラをより楽しませるものとなる。

「せんせ……、ちんちん、しゃぶりたい……、しゃぶっていい? 先生のボッキちんちん」

 ん、とだけ答えた。ソラはすぐにぼくにしゃぶりつく。腰をもじもじとぼくに圧しつけながら、そうすることで反応するぼくを口の中で、少年なりに一生懸命に舌で愛撫する。

 この間より、ちょっと上手になったな……。

「んぅ、んっ、んふぇ、せんせ、ひょっぱいのれてう……、せんせぇ、ちんちん、ひおちぃ? ひんひん」

「ん……、すごく気持ちいいし、ソラのオモラシパンツ最高だよ……」

「んふえぇ、せんせの、ボッキちんちんも、さいこぉ……、んにゃっ、やっ、ちんちんっおれっ……」

 やはりソラも勃起していた。湿ったブリーフの中ですっかり大きくなって、ぼくのリズムに合わせるように震えている。

「一緒に気持ちよくなろう。ソラのオシッコパンツ、精液も出しちゃおうね……」

 オモラシ、という、多くの少年にとって全く不慣れに違いないし慣れてるほうがどうかしている行為を、いかにして快感に結びつけるか……、というのは、ちょっと難しい。昴星と、昴星によって教育を施された流斗はそれぞれ自らその行為を「気持ちいい」ものとして認識するようになったけれど、諭良の場合はぼくが「開発」したと言ってもいい。……ありがたいことに「好き」になってくれたぼくが(ぼくなんか、と言うべきか)何を幸せと思うかという点のみならず、少年自身にとってもそれが幸せであるべきなのだ。さっきから繰り返しソラに「オモラシしたらごほうび」という言い回しをしているのは、ぼくの願いとソラの願いが恋人である以上等価であり、オモラシという恥ずかしさを堪えた先にはそれ以上の悦びが待っているということをソラに判ってもらうためだ。

 そしてこうして、ブリーフの上からおちんちんを扱いているのは、ソラにオモラシブリーフの中での射精に慣れ、……それもまた、大いに気持ちいいことなのだということを理解してもらうため。

「せ、んせぇ……っ」

「判る? ソラ。ぼくの……、ソラのオシッコパンツの臭い嗅いですっごい気持ちよくなってる。ソラに、もっと気持ちよくしてほしい。射精させてほしい……」

「お、おれのぉ……っ」

 ぐじゅ、とソラのタマタマの裏側を思い切り鼻に押し付けられた。「んぅっ、ふぇんふぇ、ふぃんふぃんふっ、ふぇえっ」反応の脈動、歓喜のリズムをソラが舌に覚えて、同じだけソラも嬉しくなる。濡れた股間をぼくに嗅がせる行為が、「倒錯」ではなくて正位置として幸福に変えて行けたなら、ぼくもソラも同じところで幸せになれるわけだ。

 少しばかりの窮屈さと息苦しさを寧ろ楽しみながら、湿っぽいふくらみを摘まんでクリクリと扱く。ソラの勃起の先端はブリーフの黄ばんでいないところに新しいシミを付けていることだろう。ソラは夢中になってぼくのを頬張りながら、ぼくの鼻にこすり付けるようにお尻をぎこちなく揺らし、タマタマの裏をこすり付けていた。あるいはこの子、このちっちゃいタマタマも感じるのかも知れない。ならばあとでもっとしてあげよう。

 でも今はとりあえず。

「いくよ、ソラ」

 告げるだけのこと。

「ん……っ、ん! ん! んぷぁっ、あっ、はぁあ! あぁあんっ」

 ぼくの脈動を享けて、それが少年の中に溶け込むのは瞬間的なこと。ソラのアヌスがぎゅうっとすぼまったのが布の向こうから伝わる。

 こうして一緒に気持ちよくなるたびに、なんだか「セックス」をちゃんとしたような、そんな気になるのはあまりに気安過ぎるだろうか? ただ、これは実感として抱くのだけど、ぼくのところへ来てくれる「天使」のごとき男の子たちの射精が彼らにとって幸せであるならば、それ以上にぼくにとっても幸せなことであり、同時にぼくがこうして心地よくなるのならばそれは肉体的なものばかりじゃなくて精神的に重ね合ったものの結果であるように、ぼくは考えるんだ。

「せん、せ……」

「あ、飲んじゃったの……?」

「ん、ん……」

 ソラは、ぼくの身体から降りて、自分のパンツの前を困った顔で摘まんでいる。ブリーフの中での射精はオシッコを漏らすのとはまたちょっと違うのかも知れない。オモラシにそもそもまだ慣れていないソラであればなおさら抵抗感があるかもしれない。

「パンツの中で気持ちよくなっちゃったんだね。オシッコパンツなだけじゃなくって……」

「せーしパンツ……」

 たくさん出してもらえてぼくとしても嬉しい限りだ。ツンとした臭いを漂わせるブリーフを完全に持て余してしまっているソラの前に置きあがり、ゆっくりと脱がせる。オシッコの海の臭いの中から、まだ幼い精液の淡い香りが確かに漂ってくる。まだ勃起の余韻があるおちんちんにもタマタマにも、透き通った精液がまとわりついていたし、ブリーフの内側にも希薄なゼリーが震えていた。

「ほんとに先生、こんなパンツ欲しいの……?」

 もちろん。ぼくはソラのおちんちんを舐めて、薄味の精液を堪能しつつ応える。

「このパンツがあるだけで、ソラと会えない時でも、ソラのおちんちんが側にある気がする。ソラがいっしょにいてくれる気になれるからね。さっき撮らせてもらったのもそうだよ」

「そう、なんだ……」

 年がら年中「天使」たちと楽しく過ごせればいいけれど、大人なものでそういう訳にも行かない。そもそもソラたちだって学校という義務を果たさなければいけないのだ。

 ブリーフをハンガーに入れて干し、今度こそソラの身体を綺麗にするためにお風呂に入る。ソラはさすがに早起きがきつかったのか、浴槽の中でぼくに凭れて少し寝た。出る頃にはもう、ぼくらの時間は残り僅かになっていた。

 でも、

「また、来ていい?」

 新しく清潔なブリーフを穿いて、こうしてみると鋭い印象の立ち姿をした少年は玄関先で靴を履いたところで訊いた。

「もちろん。何度でも来て欲しい」

「……ん、へへ。先生」

 両手を伸ばして、ぼくを求めるいとおしい仕草に、背中を丸めてキスをして抱き締める。

「ソラは、ぼくのことを好きでいてくれるんだね」

「うん、先生おれの『恋人』だから」

「そう……。じゃあ、ぼくの他の『恋人』たちにも会ってみるかい?」

 ソラは、びっくりしたように顔を上げた。

「先生の、ほかの、恋人……」

「ソラは、おちんちん見るのが好きなんだよね? 男の子のおちんちん、ぼくのだけじゃなくて色々見られるよ」

 ソラにとって、その誘いが魅力的でないはずがない。数秒も時間は要らなかった。

「ん、うん……、見たい……、おれも、先生の、他の人たちと……、おれ、まじってもいいの?」

 大歓迎だろう、ぼくだけじゃない、昴星たちにしたってそうだし、諭良を見てびっくりするソラの顔も見てみたい。

「じゃ、じゃあ……」

 ソラが、こくん、と頷いた。ソラには少々刺激が強すぎるかもしれない。けれど必ず楽しめる。ぼくにとっても、この子にとっても。

 もちろん、他の子たちにとっても。そういう確信が、ぼくにはあった。

 


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