「おにーさん、諭良寝ちゃった。すっげー幸せそうな顔で寝てるから、起こすのなんか可哀想だから、オムツさしといたけどいい?」
「ああ……、ああ、うん、いいよ。お腹冷えないようにしてあげてくれた?」
「うん、ちゃんと布団かけといた」
昴星はパンツ一丁だった。
「んで?」
由利香は全裸である。それを、あえて見ないようにしているようだった。だって見てしまったら、これからオモラシをする予定が少し乱れると思うから、……とはいえ昴星の場合(そして流斗も諭良も)その気になればどんなときでもオモラシぐらい平気で出来るだろうけど。
「オモラシ、すりゃいいの?」
「はい、由利香に昴星くんのオモラシパンツください」
「んー、……おまえさ、おまえってか、おにーさんもだけどさ、あと才斗も。なんでこんなくせーの欲しいの?」
「それは」
「いい臭いだと思うからね」
ぼくに、由利香は全面的に同意する。
「それに昴星だって、流斗たちのオシッコの臭い好きだろう?」
「そりゃー、まあ……、だってあいつらはさ、そんな臭くねーじゃん。どっちかって言ったらいい臭いじゃん」
いや、いい臭いでは、ないよ、うん。
「でもおれのはさー……」
「でも、由利香は昴星くんののオシッコの臭いが好きです。だから、昴星くんのパンツが欲しいんです」
諭良に対しての「由利香お嬢さま」ではない。流斗に対しての甘い恋人のような姉のような振る舞いでもない。どこまでも素直で隠すところのない物の言い方が、なんというか、ぼくに由利香の本気の欲を感じさせた。
そうなのか、由利香は、昴星のこと好きになってたのか……。
びっくりした。しかし、同時に嬉しくもあった。だってそうだろう、ぼくの愛する子供たち、可愛い可愛い男の子女の子の間に思いが行き交うのを、こんなに間近で見ることが出来るのだから。
由利香は腰掛けに座って、「昴星くんのパンツ、嗅いでみたいです」と見上げる。全裸の少女の頼み事を断ることは、昴星には到底出来ないだろう。
「べ、別にいいけどさー……」
ほんのりと黄色いのがわかる。二枚重ねの内側はもっと色濃く汚れているはず。相変わらずオシッコの始末が悪いおちんちんをした昴星は、無意識のうちにたくさんの幸せを撒いているのだ。
由利香は昴星の許しを得ると、すぐにその股間の膨らみに鼻を近づける。
「ん! ……っん」
一瞬、強張った。久々に嗅ぐには相当に刺激の強い臭いである。しかし由利香は落ち着きを取り戻しながら、「……ん……、んん……」ゆっくりと、確かめるように昴星のまだ濡れていないブリーフを嗅いだ。
「由利香、いい臭い?」
夢中になって嗅ぐ少女にぼくは訊いた。由利香は、ちょっといけない薬、というかまあ直接的に言っちゃうとシンナーのような揮発性薬剤を吸引したみたいにとろんとした顔で、「はい……」と感動したように目を潤ませて応える。
「わっかんねーなー……。おれ、女子ってさ、もっとそういうのちゃんとしてんのかなって思ってた」
ぽりぽりと後ろ頭を掻いて照れ隠しのように昴星は言って唇を尖らせる。
「ちゃんと?」
「だからー、その、……胸とかアソコとか、そういうの男子に見せねーようにすんのかと思ってたし、あと、……なんていうか、おにーさんみてーなヘンタイな女子なんていないんだって思ってたからさー」
ぼくみたいな「ヘンタイ」と言われても、
「……ふふ」
由利香はまるで傷ついたそぶりは見せない。
「だって、……由利香は特別です。他の女子は多分、こんなことしません」
「ふーん……」
昴星は何と無く釈然としない顔である、やっぱり「女子」って存在に、奥ゆかしさというか清楚さのようなものを、昴星だって求めているのだろう。
「由利香に、昴星くんのオモラシ見せてください」
「んー、わかった……。おまえは、パンツくれんだよな?」
「はい。でも、それだけじゃなくて……、きちんとお礼をします。させてください」
さて、由利香の「したかったこと」ってなんだろう? ぼくにはまだピンとこない。昴星とセックスがしたいのかな。だったらゴムを持って来ないといけない。
ぼくがそんなことを考えているうちに、
「じゃー……、出すぞ……、くせーとか言うなよな」
昴星が両手の指をその柔らかいお腹の前で組み、足を肩幅に開いた。女子の前での失禁、……由利香の前では、これが何度目になるのか、もう慣れていたっておかしくない。しかしやっぱり、元来マゾヒスト気質の昴星にとっては刺激的な体験であるはずだ。
「う……ん」
布の向こう側から、勢い良く吹き出す音にわずかに遅れて、……でもすぐに前にシミが広がり始めた。ふっくらした昴星のタマタマをなぞるように布地を透かして行き、濃厚な臭いが浴室内に溜まっていた由利香と流斗のオシッコの臭いをあっという間に塗りつぶして行く。
由利香は目を見開いてじっと昴星のブリーフを見つめている。
昴星、相当ガマンしてたんだろう。オシッコは鮮やかな金色で、強い勢いのまま、なかなか止まらない。
股下から降る雨に、由利香の手が差し出された。
「ば、バカ、そんなの、きたない……」
ぼくがそうしても平気なはずなのに、昴星は戸惑ったような声を上げる。しかし由利香は、
「あったかい……、昴星くんのオシッコ、熱いくらいです……」
微笑んで、その濡れた指を舐めて見せる。
「しょっぱい……」
「ん、んなんっ、当たり前だろ、オシッコだぞ」
「昴星くんのオシッコは、諭良くんより流斗くんより熱くてしょっぱいです」
そして、臭い。
「うう……、やっぱやだ……」
普段はなんとも思わず、ただ楽しさ喜びばかりを満喫するための「オモラシ」であるはずが、女の子相手だとやはり勝手が違うらしい、昴星は赤くなり、オシッコを吸って重たくなったブリーフの膨らみは通常時よりも更に小さくなっている様子さえ見受けられる。
長く続いた放尿は終わり、昴星は自分の作った恥ずかしい水溜まりの上に立ち尽くす。
由利香はにっこり笑って、「ありがとうございます」と心の底から礼を言う。昴星は大いに恥じらいながら、こくん、小さく頷いただけだ。
「じゃあ、由利香、昴星にお礼してあげてね?」
昴星は、多分「いらない!」って言うだろうと思った。だから昴星がリアクションする前に、ぼくが促す。「とりあえず昴星、パンツ脱いだら?」
「いえ」
それを止めたのは、由利香だ。「もう少し、そのままでいて欲しいです」
「そう? ……由利香がそれでいいならいいけど」
昴星はどっちにしたって恥ずかしい。だって、女の子の前でフルチンになるかオモラシパンツのままでいるか……、まあ、大差ないだろう。
由利香は、すごく嬉しいです、幸せです。ずっと欲しかった昴星くんのパンツ、……オシッコいっぱい付けてもらえたんです。いっぱい、いっぱいお礼をします」
由利香に促されて、「ひゃ」ぺちゃ、と昴星は水溜りにお尻を落とす。全裸の少女を前に、ほっぺたは真っ赤だ。
昴星は、一応「同性愛者」ってことになるんだろうか?
でも、それはそこまで凝り固まった嗜好でもないだろう。才斗という恋人によって授けられた後天的な性のベクトル、普通の男の子の一面だって当然あるはずで、女の子の裸には一定以上の興味があるに決まっている。
「ん……!」
キスをされて、諭良より流斗より、純情に顔を赤らめる。由利香の、……一流の「湯女」としての濃厚なキスだ、驚いたように丸く瞠られた目は、すぐに理性を舐め溶かされるように、とろんとなる。
「昴星くん……、由利香でいっぱい気持ち良くなってくださいね……?」
由利香の手によってタイルの上、横たえられる。縮こまっていたはずのおちんちんはキスだけでツンとブリーフの前を尖らせるほど反応していた。
「ゆ、ゆりか……っ」
由利香は昴星の顔中に愛情を込めたキスを落とし、それから首、髪をどかして耳、肩へと唇で辿って行く。そんな風な愛し方、ぼくだって滅多にしないし、才斗だってはたしてするかどうか。
由利香の唇は昴星のおっぱいに辿り着いた。その、由利香と同じくらいピンク色の乳首を啄ばむ、舌先で転がす。
「や、やだ、おっぱい、んな、すんなよぉ……」
昴星は女子に乳首を舐められることでピクピク震える。由利香は嬉しそうに昴星の身体にぴったり身体を重ね、またキスをした。こうして見ると(体重は、もちろん昴星の方が重たいだろうけど)二人の背は同じぐらいの高さなのだ。
スレンダーな由利香と、ぽっちゃりした昴星。昴星の髪が長く、とても中性的な顔立ちをしているせいで、何だか女の子が二人でえっちなことをしているようにさえ見える。
「昴星くんの、おっぱいと、……由利香のおっぱいも、キスしてます……。わかりますか?」
由利香は肘で身を支えて昴星に覗かせる、ぼくも一緒になって覗き込む。
「本当だね。昴星と由利香の乳首、キスしてる」
「ふふ……、昴星くんのおっぱい、可愛いなって、ずっと思ってました。男の子なのにこんな可愛いおっぱいしてるの、ずるいって」
由利香は既にツンと尖った乳首の先で昴星の乳首を突く、それが直接的に大きな快感となるわけではないのだろうけれど、女子のおっぱいをそんな風に押し付けられる様を目にして、昴星は言葉もない。
由利香は身体をずらし、昴星のおへそに口付けを落としてから、ブリーフの上から昴星のおちんちんを手のひらで包み込む。
「ゆ、りか……、そんなの、おまえっ、女子が、んなこと……!」
「したいんです」
由利香は昴星を見上げて言う。
「由利香は、昴星くんとしたいんです。由利香がして、昴星くんが気持ちよくなれれば、それはお礼になります。昴星くんが気持ち良くなってくれたら、由利香もすごく嬉しいから……、だから」
由利香が昴星のおちんちんをブリーフの窓から取り出す。ぴんと勃起して、でもやっぱり、たいした大きさではなくって、可愛さばかりが先に立つようなおちんちんが、由利香のキスによって震えていた。
由利香に、昴星くんのおちんぽ、させてください……」
舌先で、意地悪をするように短い茎をくるりと舐める。由利香の眉間に微かなシワが寄るのは、その臭いがきついからというより喜びを持て余すからだろう。指で摘まんで皮を剥き、臭いおちんちんでもとりわけ強い臭いを発する亀頭を覗かせる。「……すごい……、ほんとうに、昴星くんのおちんちんって……」
「う、うるせ……っ」
「初めて嗅いだときから、ずっと忘れられない臭いがしました。だけど、ずっと……、覚えていたのより、本物の方が、ずっと、すごい……」
嗅ぐ者全てに鮮烈な印象を与える臭いだ。オシッコそのもの、それが少し乾いて、しかし皮の中で醸成されることで一層研ぎ澄まされる。汗や垢も混じって、忘れられない臭いとなる。
ぼく自身、昴星のその臭いと、昴星が置いて行ってくれるオモラシブリーフで何度オナニーしたかわからない。しかし昴星を抱くたびに気付かされる、「ああ、こんな(すごい)臭いだったっけ……」と。
「あ……あっ、ちん、っ、ちんこ……」
えっちのときの昴星の癖が顔を出し始めた。
「ち、んこ……っ、ちんこ、ちんこきもちぃっ……」
頭の中がそこへ与えられる快感でいっぱいになって、脳に収めきれなくなって、
「おちんぽ、気持ちいいですか? もう、いっちゃいますか?」
由利香が導くようにその言葉を引き出す。
「いく、いくいくっ、ちんぽちんぽっ、もっと、もっとしてよぉ、ちんぽっ由利香っちんぽしてちんぽっちんぽっ」
なかなか口に含もうとしてくれない由利香に焦れて、昴星は自ら水溜りの中央にあるお尻を浮かせて強請る。しかし由利香は、
「まだ、ダメです。……お口でするのは、このあと」
ひょいと昴星の「ちんぽ」をブリーフの中にしまってしまった。
「な、な、なんっ……」
「昴星くんのパンツ、もっといっぱい汚してください」
昴星の太ももを挟み込むように跨ぎ、身を起こす。左手で自分の乳首を摘み、コリコリと弄くりながら右手はブリーフへと当てて、扇情的に昴星を追い詰めて行く。
そんなことをされて、
「や、あっ、ちんぽいっちゃうっいっちゃうっいっちゃうよっ、ちんぽいくちんぽおぉっおっ、おあっ、あ……!」
昴星がガマン出来るはずもない。由利香が手をどけると、張り詰めたブリーフの中で昴星のおちんぽが弾み、その内側に濃厚な精液を封じ込める様子がよく見えた。
「あう、あ、あ……ぁあ、ちん、ぽ……、ちんぽぉ……」
昴星は最後までその口で出させてはもらえなかったことを恨むように涙を浮かべながら、引き波に揺られている。由利香は「昴星くんのパンツ、脱がせてあげますね?」本当に嬉しそうに、仰向けの昴星の下半身からブリーフを脱がせにかかる。……濃い金色のオシッコを滴らせたブリーフを由利香が覗き込む。凄まじいまでの尿臭に混じって、幼い少年の精液に特有の臭いかと思われる爽やかな青草が香る。それはべっとりと、そりゃもうたっぷりと、黄色い生地の中央を染め上げていた。
「あ」
と由利香が何かに気付いて声を出す。
「ああ……、珍しいね」
ぼくも気付いた。いつもそっちは綺麗なことが多いのに、お尻のところ、錆びた爪で引っ掻いたような便の汚れが付着している。由利香はクスッと笑って、
「ほんとうに、宝物です」
と大事そうに昴星のオモラシブリーフを胸に押し抱いた。ぼくはそれを受け取り、洗面所のハンガーに通して干す。戻った時には、由利香は昴星を抱き起こし、
「ちゃんとお口でしなくってごめんなさい」
と抱きしめているところだった。その右手は、精液でべとべとのおちんちんを慰めるように撫ぜていて、昴星は責める言葉も思い付かないまま「あ、……っん、……ちんぽ……っ」震えているばかりだ。
「昴星くんは、おちんぽだけで満足ですか?」
由利香は昴星の頭を抱いて訊く。
「ふ、え……?」
「由利香と同じで、昴星くんもおまんこしてもらうの、好きですよね?」
由利香の言葉は昴星の身体にぞくぞくとした震えを走らせた。
「……由利香も、おまんこ気持ちよくなるの、好きです。由利香といっしょに、気持ちよくなりましょう……?」
由利香の誘いを、昴星はどう受け止めるだろう。ぼくが見ていると、洗面器を引き寄せた由利香がそれを跨ぐ。
「由利香、昴星くんといっしょに、うんちしたいです」
「え……」
昴星はおちんちんを勃起させて、股間を思い切り広げた由利香に口を開ける。
「前に、由利香のお風呂で、いっしょに向かい合ってうんちしたの、覚えてますか? ……あれ、もう一回しましょう?」
我が家には洗面器が二つある。一つは子供たちが「おまる」として使うもの、そしてもう一つは本当の洗面器として、身体や顔を洗う際に使用するものだ。
ただ、……近日中にもう一つ新しいのを買って来なければいけないようだ。まあ、そんな高いもんじゃないからいいか。ぼくは洗面所で、今朝顔を洗うのに使ったのを昴星に渡す。
「あ、あのとき、みたいに……って」
「早く……、由利香だけ、先に出ちゃいますよ……?」
「昴星だって、お尻の中溜まってるんじゃないの?」
まだ躊躇う昴星にぼくは助け舟を出す。「由利香に見せてあげたらいい。その分きっと、由利香は昴星にお礼してくれるはずだよ」
「はい、……たくさん、します……、んっ……こぉせ、くんっ、早く……っ」
しゃがんでしまったものだから、もう身体が条件反射のように排泄へと動いてしまうのだろう。由利香は苦しそうにお腹を抑えて昴星に催促する。
昴星だって男の子だから、苦しげな女の子を放って逃げ出すなんてこと、出来るわけがない。
「う、うう……」
やっと、向かい合ってしゃがみ込んだ。
「ふふ……っ、昴星くんの、おちんぽ……、丸見えですね、……っ由利香の、お、まんこ……、見て……あっ……」
由利香の肛門から僅かに音がした、しかしそれを掻き消すような大きな音が、昴星のお尻から響いた。昴星は真っ赤になって顔を伏せてしまう。しかし勃起して由利香を喜ばせるおちんちんは、もう隠す余裕さえないようだった。
その短いながらも背伸びする包茎めがけて、
「んんっ……」
由利香が足の間からオシッコを飛ばす。
「う、ああっ」
それにびっくりしたように、昴星のおちんちんからも噴水が上がった。伏せていた顔を思わず上げてしまった昴星は、自分の出したものがまっすぐに由利香のおっぱいへと当たるのを見た。
二人の肛門から、同時に便がゆっくりと顔を覗かせる。
「あ……っ、昴星くんの……っ、すごい……すごい大きい……っ」
おちんちんの大きさで褒められたことは一度もないはずの昴星だけど、その肛門から産み出されるものの大きさはぼくもいつも賞賛している。……だって一度の排便でぼくのペニスだって飲み込めてしまうほどに肛道を押し広げるのだ、たいしたものだよ、本当に。
もちろん、由利香もその細身の身体を考えれば十分過ぎるボリューム感のあるものをお尻からぶら下げているのだ。女の子のうんち姿を真正面から見るという興奮と、自らにとっても快楽となる排便という行為に勤しんでいるという状況に、昴星はピクピクとおちんちんを震わせて、もうどうすることも出来ない。
「女子の……っ、女子の、うんこする、とこぉ……っ」
昴星の、ちゃんと「男の子」の部分が刺激されるのは当然のシチュエーション。
「……だけじゃないよね? 昴星、うんちするとこ女の子に見られてるんだよ? そんな恥ずかしいところ見せながら勃起してるちっちゃいおちんちんもね」
昴星は息を震わせて、依然、どうしたらいいのかわからないでいる。由利香が少し身を乗り出して、キスをした。
「由利香、ずっと、こうしたかった……、昴星くんともう一度こうやって、恥ずかしいところの見せっこ、したかったです……」
なるほど、そうだったのか。
あの時は、昴星のおちんちんから噴き出す液体が身を汚さないようにゴムの幕で封じていた。しかしいまはもう、由利香は昴星のオシッコが身体を汚すことに何の抵抗感もないだろう。昴星とキスをしながら、オシッコを浴びた自分のおっぱいを擦るようにいじっている。
「昴星くんの……、全部、出ましたか……?」
こく、こく、昴星が頷く。
「じゃあ……、由利香にお礼をさせてください……、立って、おちんぽを……」
求められるまま、昴星は膝をガクガクさせながら立ち上がる、と、「あは……う……っ」まだ「全部」は出し切っていなかったのだろう、塊がお尻からぶら下がる。しかし由利香は何のためらいもなく、
「昴星くんの……っおちんぽ……おちんぽ……!」
まだオシッコを滴らせるそれを、舌で愛撫する。
「んぉっ、お、っ、うんこっ、やだぁまだっ、うんこ出るっ、うんこぉっ」
昴星は首を打ち振るい腰を引こうとするが、由利香がそれを許さなかった。括約筋がぎゅっと搾られるたび昴星のお尻からは便塊が洗面器へ落下する。それはきっと、ときに排便行為にさえ快感を覚えてしまうような昴星にとって幸福でしかない。由利香も昴星を幸せにしながら、自らも指で大きく開いた足の間の秘所に指を差し込み、幸福を追いかけていた。
「ほ、ぉっ、ちんぽっ、ちんぽっ、ちんぽっ、ちんぽいくいくっゆりかぁ……おれちんぽいっちゃういっちゃうっ……おほぉンっ、んっ! んぅう……!」
由利香におちんちんを吸い付かれたまま、オシッコも精液も、うんちさえも出し切ってしまった。……いや、射精の痙攣が収まったところで、何だかゆったりしたスピードでお尻からまた落下をするものがある。中腰になった由利香の手に導かれてしゃがみ、身体の中身を全て出し切ろうとする昴星の、由利香の唾液に塗れたおちんちんに向かって、
「あ……あっ、あっ、あ、あんっ、んっ……んんーっ!」
由利香が小刻みに声を上げ、ずっといじっていたその場所から潮を噴いて、
「は……あはっ……ん、……んっ……ん!」
達してしまったようだ。
昴星は呆然と、どうしたらいいかわからないまま、……いや、わからなくとも本能に基づいて、由利香にキスをする。由利香も満ち足りた表情でそれに応える。お互いの「臭い」を全て共有しあって幸せに震える二人を、ぼくも大いに幸せな気持ちで見ていた。
「由利香のも、昴星のも、たくさん出たね」
二人が洗面器の隣にぺたんと座って、余韻に耽るところ、洗面器に盛られたそれはなかなかに圧倒的な光景となっている。
「ずっと、……ずうっと溜まってたの、全部出したから、すごくスッキリしました」
由利香は備わる羞恥心がその臭いに刺激されるのか、頬を紅らめて言う。お腹の中に溜まってるものが、何もこういう臭いを放つ茶色い塊ばかりではないことを、ぼくも昴星もよく知っている。
「昴星くんと、もっと仲良しになりたいって、思ってました。でも昴星くんは女子には興味ないのかなって……、才斗くんっていう恋人がいるし、お兄さまも……」
「……そ、そんなのは、別に……」
昴星はもう小さくなったおちんちんを隠さないようにするためか、自分の足の指先をむじむじと触っている。
「おれは……、もともと、才斗いんのに流とか、おにーさんとか……、諭良も……、そりゃ、一番は才斗だけど、でもそんな、みんな才斗と変わんねーと思ってるし、その……、おれは、ちんこ、気持ちよくなれんの嬉しいし、……女子の、その、カラダ、どうなってんのかとか知らなかったから、知れたらいいって思うし……」
こっちがくすぐったくなるくらい照れながら言う昴星のほっぺたに、由利香がキスをする。ぼくももう、すごく嬉しくって仕方が無い。これまで昴星たち男子三人は物理的な距離の近さもあって仲良しになるのに何の問題もなかったけど、唯一家がすごく遠い由利香は、その距離が心の距離になっていたきらいがあった。
それでも諭良は「お嬢様(女王様?)と奴隷」という関係性を構築していたし、流斗は誰とでもすぐ仲良くなれる。ただ昴星だけは、由利香と一線を画した位置にいたから……。
「ところで由利香、昴星のオシッコ、おまんこにかかっちゃったんじゃない? 昴星、射精したばっかりだったから」
まず大丈夫だろうとは思うけど、多少は精液も混じった液体だ。昴星が反射的に由利香のそこへ目をやって、慌てて離す。
由利香は「これまで、色んな方の、ちょっとくらいは中に入っちゃったことありましたけど、大丈夫でした」と言ってから、
「でも、……昴星くんがきれいにしてくれるなら、嬉しいです」
と立ち上がって、足を開く。目の高さに少女のスリットを見せられて「お、あ」昴星の顔は見えないが、真っ赤になっているのは想像出来る。
「昴星?」
昴星は吸い寄せられるように由利香の股間に顔を寄せ、その筋目に沿って舌を這わせ始めた。自分のオシッコを拭うように。由利香が昴星の、同性のをするよりずっと不慣れで初々しい舌の動きにも、敏感な反応を示す。
「二人で綺麗にしたら? 昴星のおちんちんにも由利香のオシッコがかかってるんだし」
昴星が、ずるずると仰向けになる。由利香が上位の69の体勢だ。二人とも息を漏らしながら、お互いの性器を意図しげに「掃除」する。
「昴星、もっと奥まで綺麗にしてあげなきゃ」
「ん……、……ん」
「そうしてるとさ、だんだん昴星のオシッコの味だけじゃなくなってくるでしょう?」
「ん……、女子の……、まんこ、のぉ……っ」
舌を突っ込んで、顔全体を動かして、丹念に丁寧に、……流斗たちにするときと同じように、愛をこめて。
「はぁあ……」
由利香が悦びに瞳をとろかせて、「おにぃ、さま……、おにいさまの、おちんぽも……」ぼくを誘う。
「ぼくも?」
「ん、お兄さまのも……、お兄さまの、大好きな、昴星くんのおちんぽです、昴星くん、も、お兄さま、いっしょだと、もっと嬉しいです……、あん! こぉせくんっ、そこ、由利香のおちんぽっ……」
「由利香の……、ちんぽ……? これ、由利香のちんぽ……」
昴星がまた一つ、女の子の「秘密」を知る。ぼくは由利香に望まれるまま、由利香の顔の前に自分の、もちろんずいぶん前からずっと勃起しっぱなしのペニスを寄せる。
「んぅ、ん……おにぃふぁまあ……」
右手は、「んぉ……、ちんぽ……、すげぇ……!」唾液に塗れた状態の昴星を指に擦り上げて刺激する。由利香はぼくと昴星を交互にしゃぶり、「……おにぃさま、こうせいくん……、由利香に、オシッコ、ください、二人の、おちんぽの、オシッコ、由利香に……、オシッコ……」蜂蜜のような声で求める。
「昴星、出せる……?」
「ん……っ、ん、出る……!」
ぼくとしても昴星としても勃起してその道が細まった状態では出しづらいのだけど。
「あぁあ……!」
由利香の愛らしい顔めがけて、自分の尿を迸らせる。自分の美しさに呆れるぐらい無頓着な少女は大人の男と同世代の「男子」の尿を顔に享け、その水分を自らのものとして、
「お、おひっこっ、由利香のおひっこ……!」
由利香、という身体で以って漉して、昴星へ返礼する。……人の命は水と共に巡り合うと言う、思いも同じことかもしれない。昴星のおちんちんは由利香の顔へぼくのペニスへと無差別にオシッコを噴き上げながら弾む。先に放尿を終えるなり、由利香の指に導かれるように「ちんぽいくちんぽいくっいくっいくっゥうううんんっ」悲鳴のような声を上げて、ぼくのペニスの裏側に精液を撒き散らした。次はぼくの番なのだと、まだ放尿を続けるぼくの肉塊を直に口に含んで飲み下しながら、由利香は溺れてしまうのではないかと懸念したくなるぐらいの勢いで激しく頭を動かす。舌はぼくと昴星の尿の味、昴星の精液の味、そしてぼくそのものの味を貪欲に舐め回す、……何ていうか、本気を感じさせるやり方だ。
これでは昴星も流斗も諭良も我慢なんて出来やしないだろう。
もっとも、ぼくだって……。
「由利香……っ」
ぼくの声をそのまま飲み込むように、由利香はぼくを射精させた。吸い上げて、一気に、飲み込む。……何ていうかもう、……見事だ、という言葉が浮かぶ。これほどまでに上手いのか。いや、もとより技術はあったのだろう。そこに思いが乗って……。それでいながら彼女はぼくらを好きだと言う。この排泄物の臭いが充満するような場所に居たいと言う……。
「昴星くん、お兄さま……、美味しかったです。お二人のおちんぽ、オシッコ、精液も……、ほんとうに、すごく、美味しかったです」
昴星の身体から降りた由利香はぼくに抱き支えられながら、うっとりと言う。ぼくは彼女の髪を撫ぜ、ぼくに出来る愛情表現としていまのところ思い付く限りの最上級、……それはやっぱりキスだった。
「うへー……」
昴星は起き上がり、顔を手のひらで拭う。髪も含めて、由利香のオシッコでびちょびちょだ。
「おまえのオシッコはしょっぱい」
オシッコの「味」という点において、その舌の鋭さはぼくらの追随を許さない昴星がそう断言する。「おにーさん、そう思わなかった?」
「うーん……、どうだろう……、言われてみれば確かに、これまでは昴星がいちばんしょっぱいオシッコをするって思ってたけどひょっとしたら」
「ひょっとしたらじゃねーよ、絶対由利香のオシッコがいちばんしょっぱい」
「そう……、なんでしょうか?」
由利香は自分の下腹部に触れる。「その……、自分ではまだ、舐めたことはないので……」
まあ、それが正常だよね。
「オシッコはさ、流のがいちばん飲みやすいんだ、さっぱりしてて、あいつっぽい優しい味するんだ。でもって諭良は味が薄い」
ああ、うん、それはぼくもわかる。何というか、諭良は身体の中が透き通ってるんじゃないかって思うぐらい飲みやすいんだ。
「臭いは……、昴星くんのがいちばん、ですよね?」
「確かにね。昴星のオシッコは味よりも臭いのインパクトが大きいから、味もすごい濃いように思ってたのかな」
「濃いは濃いと思います。昴星くんのオシッコはいつも、流斗くんや諭良くん、陽介よりも瑞季よりも濃いです」
「そ、そういうこと言ってんじゃなくて……」
昴星は何だかまた「臭い」というイメージが定着してしまうことに唇を尖らせる。イメージも何も、実際に「濃い」のだから仕方が無い。と言っても、それはぼくにとっても、
「由利香は、昴星くんのオシッコがすごく好きです」
ということなので、全く問題にならない。
「とりあえず、ぼくらみんなシャワー浴びなきゃね……。二人のうんちも片付けなきゃいけないし」
「……おれらだけじゃねーんじゃねーかな……」
昴星がぽつりと言う。
「どういうことでしょうか」
「……どーせさ、諭良、オネショしてんだろ。キレイなのなんて流ひとりしかいねーよ」
ああ……、それもそうか。
「ねえ、お兄さま?」
由利香はぼくの膝の上で身体の向きを変える。
「お兄さまも、もっとしたいですよね? 諭良くんとはまだしてませんし、昴星くんのおまんこも可愛がりたいでしょう? 由利香、お兄さまのおちんぽが幸せになってるところ、たくさん見たいです」
「え……、ええと」
それは……、まだお風呂の後、たくさんするってこと?
「昴星くんも、そう思いますよね?」
昴星はやや唇の尖りを減らして、「ん」と頷く。
「だってさ、おにーさんそうなんだ、いっつも」
「そう、って……?」
「こないだみんなで来たときはさ、おれらがいいようにって、おにーさん撮ってるばっかだったじゃん? おれらおにーさんのちんこすんの忘れちゃうぐらいにさ」
「そ、それは……、撮るの、楽しかったよ?」
そしてもちろん、何度も見返したよ。
「お兄さまは、優しいんです。……遠慮なんてなさらなくていいんですよ? お兄さまは確かに由利香たちよりも大人で、ほんとうはこんなこと、ダメです。でも……」
「おれらみんなおにーさんとこ来んの、おにーさんのちんこしたいから来るんだ。おにーさんのことおれらがしてさ、ちんこ、見せてあげたり触らしてあげたり、オモラシしたりパンツあげたりすんのも、全部おにーさんのこと好きだからしてんだぞ」
……こういう言葉を、ぼくはこの場にいるこの子たち、いま目の前にはいないあの子たち、から、一体何度もらったことだろう?
「うーんと……」
ぼくは、男として、……いや、人間としても非常に低級な部類に入る者だと自覚している。だって、ねえ。男の子女の子、どんなに可愛かったとしても、性的な目で見てはいけない、……よしんば「見る」までは許されたとしても、実際に触れたらその時点でアウトになってしまうようなこの世の中である。
それを、昴星たちに許されて、「恋人」なんて甘美な響きの輪の中に括ってもらえて……。
ぼくが何をしただろう?
答えは、子供たちによって導き出される。
「多分、お兄さまは由利香たちのこと、すごく大事に思い過ぎています。……ううん、お兄さまだけじゃなくて、みなさん、そうだと思います」
由利香が言う。
「由利香は他の子よりちょっと早くこういうこと知ってましたけど、でも、えっちなことの興味って、流斗くんぐらいの子だってもう持ってると思いますよ?」
「うん。おれもさ、射精するようになったの五年からだけど、それまでだって勃起はフツーにしてたし、おとーさんの隠してるエロ本読んで『へーこんなことすんだ、してみてーな』って思ってたし」
由利香の言葉は昴星が引き取った。
「そりゃーさ、おにーさんみたいなのがたくさんいたら、中にはおれらがイヤだって思うことしたがるような奴だっているのかもしんねーけど、……いた?」
問われて由利香が、遠慮がちに頷く。
「でも、お兄さまは由利香のして欲しいことしかしません、……いいえ、もっとしてくださってもいいって由利香は思います。お兄さまみたいな方がいて、由利香は本当に幸せです」
「おれも。もちろんさ、親にも先生にも言えねーけど、でも、おれら幸せにしてくれるおにーさんがさ、悪者のはずないじゃん。おにーさんはいつだっておれらのこと一番に考えてくれるから、……だから、おれらはおにーさんのことが大好きなんだ。こんな風にさ、ふるちん……、由利香はちんこねーけど、すとにかくすっぽんぽんでいるとこ見られたって平気なんだ」
「きっと、流斗くんたちだってそうです」
二人に口々に言われて、ぼくは……、
「……わかった」
今更、自分の身が清らかなものになるとも思わないのだ。汚れているなら汚れているだけ、この子たちのオシッコやうんちの臭いに塗れて、……それでも今まで通り、今まで以上に、この子たちの幸せを祈って、少しでも形にして行くべきなのだ。
「じゃあ、……うん、流斗たち呼んでこよう。みんなお風呂で綺麗になろうね」
「きれいになっても、また汚れるかもしんねーけど」
ひひ、と昴星が笑う。どんなことをしていたって、一般的には悪臭と定義される臭いが充満した浴室にいたとしても、ぼくの周りには天使がいる。
四人の愛らしい、天使がいるのだ。