一枚だけじゃなくて

 三者三様に驚いた顔をしていたけれど、

「ゆっ……、由利香さまっ」

 腰を抜かしそうになったのは諭良だった。

「由利香……」

「……さま?」

 昴星と流斗は顔を見合わせて首を傾げる。

「もう、『さま』はいいですよ? 諭良くん」

 膝を震わせている諭良ににっこりと微笑んで、「由利香さま」は背伸びして諭良にキスをする。途端、

「ああっ……」

 諭良が情けない声を上げて、へなへなと膝を付いた。ジーンズの前に湯気が立っている。脱力とともに、ここまでガマンしてきたらしいオシッコが漏れてしまったようだ。

 由利香が泊まった次の朝のぼくの部屋である。

 今朝になってから三人に「来られる?」とメールを送った。すぐに三人からOKの返事が届き、揃ってやって来てくれた現在午前十時。流斗なんてずいぶん慌ただしかったに違いないけど、ちゃんと来てくれて嬉しい。流斗に昴星に、オモラシしちゃった諭良、順番にキスをして、

「メールに書かなくってごめんね。夕べから由利香が来てたんだ」

 と三人を招いた理由を明かす。「由利香が、みんなに会いたいって。昴星も流斗も、由利香に会いたいかなって」

「ゆりねえちゃん、一人で来たの?」

 流斗が由利香と、当たり前のような顔でキスをする。由利香は昨日ぼくに着て見せてくれたキャミソール。もちろん、この季節には寒い格好だから、部屋は強めに暖房を効かせている。

「はい。お兄さまと、みなさんに会いに。流斗くんは元気にしていましたか?」

「うん! ぼく元気! ゆりねえちゃんに会えると思ってなかったからうれしいよ」

 甘えん坊の流斗はぎゅっと一つ年上の少女に抱き着く。由利香はそういうときには、優しい姉のような横顔になる。

「じゃーあいつらは来てねーってことか」

 昴星がジャンパーを脱いで訊く。セーターもすぐに脱いだ。

「はい、陽介たちにはナイショで来ました。……あの二人も、昴星くんたちとまた遊びたいって言ってました」

「ふーん……、何だ陽介のやつ、人のことくせーくせーって言ってたのに」

 昴星もまんざらでもない顔である。流斗が離れると、由利香は昴星にもキスをする。キスなんで昴星が普段していることに比べたらなんでもないレベルのはずなのに、

「あー昴兄ちゃん赤くなってる!」

「な、なってねえっ」

 男の子らしい純情さが顔を覗かせた。

「ね、ゆりねえちゃん、さっきの『由利香さま』って、なぁに?」

 流斗が首を傾げる。失禁少年は座り込んでほうけている。

「初めて諭良くんと会ったとき、お兄さまと由利香で、諭良くんにいじわるをしたんです。諭良くんは由利香のドレイって」

「へー……、きっとそれ諭良兄ちゃんすごいうれしいよ」

 流斗の言うとおりだ。由利香は微笑んで、「諭良くんがそっちの方がいいなら、これからもそうしますよ」と諭良へ向く。ぼくは諭良を立たせて、濡れたジーンズとブリーフを脱がせる。卓袱台を出し、人数分の麦茶を入れてからぼくも座り、

「今日みんなを呼んだのは、……由利香からお願いがあるらしいんだ」

 と切り出した。

「ゆりねえちゃんの、おねがい?」

 流斗が首を傾げる。

 由利香は今朝起きた時にそのことをぼくに打ち明けたとき同様、少しもじもじと恥ずかしがっていたけれど、

「由利香に、みなさんのパンツを、ください」

 勇気を出して、言った。

「おれたちのパンツー?」

 昴星がびっくりしたような声を上げる。

 由利香はこくんと頷いた。

「……お礼に、由利香はみなさんにいろんなことをして差し上げます。どうしてもパンツが欲しいんです。……お願いします」

「ゆりねえちゃん、ぼくたちのパンツはくの?」

 流斗の自然な疑問に由利香は首を振った。ぼくはまだオシッコを滴らせる諭良のブリーフをつまみ上げて、

「要するに、……みんなもさ、パンツの取り替えっこしてるでしょ? でもって、一人のときに、ね、まあ、そういう使い方をしてるよね?」

「うん」

「そりゃー……、まあ……」

「それと同じでね、由利香もパンツの取り替えっこしたいんだって。もしみんながいいなら、みんなのパンツを一枚ずつ、……諭良のはこれでいいとして、由利香にプレゼントしてあげてくれないかな?」

「ゆりねえちゃん、おちんちん付いてないのに一人でえっちなことするの?」

「女子だって、出来るんですよ……? その、一人でえっちなこと……」

「ふうん、そうなんだー……。ぼくはいいよ! ゆりねえちゃんにパンツあげるの」

 昴兄ちゃんは? と訊かれて、昴星は伸びた髪の後ろをポリポリ掻いて、「まー、おれもいいけど……」と応じる。諭良は、訊くまでもないだろう。

「じゃあ、今日は五人でするんだね!」

「そういうことになるね。……流斗は由利香とするの好きかい?」

「うんっ、女の子のすっぽんぽん好き! ぼくおまんこ付いてないから、ゆりねえちゃんのいっぱい見たいな!」

 無邪気な顔と声でラディカルすぎる発言、由利香はしかし動じることなくクスッと笑い、「由利香も、流斗くんのおちんちん見るの好きですよ」と応じる。

「パンツって、いま穿いてんのでいいの?」

 くぴ、と麦茶を飲み干した昴星が訊く。由利香はまた少し恥ずかしそうに頷いて、「できれば……」とぼくの手にある諭良のブリーフに視線を送る。

「オシッコの、……いっぱい、ついてるのが、いいです……」

 ぼくならいざ知らず、女子である由利香から聴かされるとは思っていなかったんだろう。

「ってことはつまり……、あれか、漏らせってことかー……」

 由利香、こくん。

「どうせ昴兄ちゃん、お兄ちゃんとこでオモラシするつもりだったでしょ?」

「まー……、うーん、そうだけどー……」

 女の子の前でのオモラシには、やっぱり慣れないらしい。本当はこのシチュエーション、諭良同様に「願ったり叶ったり」なのだろうけど。

「おれらがオモラシするとして、……おまえはどうすんの? さっき『いろいろ』って言ってたけどさ、おれらのパンツの代わりに何くれんの?」

「それは……」

「ぼく、ゆりねえちゃんのパンツ欲しいな」

 流斗が手をあげた。「ゆりねえちゃんのパンツと取り替えっこなら、ぼく、オモラシパンツあげるよ! 昴兄ちゃんは?」

「んー……」

 昴星は考え込む。昴星が由利香のオモラシパンツを欲しがるとは考えにくいが、結局昴星は、

「じゃー……、おれもパンツでいいや。でも、別に漏らしたやつでなくてもいいよ、フツーの。……そっちのほうが使い道あるかもしんねーし」

 その「使い道」なるもの、ぼくも流斗も由利香も想像して、すぐに思い至る。……きっと穿くのだ、才斗に見せてあげるのだ。

「でも、ゆりねえちゃんそんなたくさんパンツ持って来てるの……?」

 流斗が案じたことは、実はぼくも今朝に訊いている。男の子のブリーフなら、いくらでもこの部屋に替えがある、……というのもおかしな状態ではあるけれど、いつからかそうなっている。けど、女の子のパンツとなると……。

 でも、

「大丈夫ですよ」

 と由利香は言った。元々こうして三人を呼び出すことまでは予定に入っていなかったわけだけど、「お兄さまが、どんなパンツがお好きかわからなかったので、たくさん持ってきました」ということで、……いやはや。

「……諭良」

 一人だけ下半身丸出し、みんなに先駆けてオモラシしちゃった少年にぼくは声をかけた。我に返ったように「はい」と声を出し、包茎を手で隠す。

「聴いてた? このオモラシパンツ、由利香にプレゼントしてあげてもいい?」

「は、はい、あの……、はい」

 心の底まで由利香の奴隷になり切っているようだ。まあ……、諭良本人がそれで幸せだと言うなら、ぼくがとやかく言うべきことじゃないね。

「じゃあ、決まりだね。……由利香、どうする?」

「はい。諭良くんが一番にオモラシしてくれたので、諭良くんにお礼をします」

「は」

「昴星くんと流斗くんはその間に、由利香にどんなことして欲しいか考えていてくださいね?」

 由利香はすらりと立ち上がり、硬直する諭良の隣に移動して座る。

「ゆ、ゆ、由利香さま……っ」

 この呼び方はしばらく治らないかも知れない。けど由利香はもう気にせず、

「諭良くん」

 優しく愛らしい笑顔を自分の「ドレイ」に向けて、改めて唇に唇を重ねる。

「オシッコ、漏らしちゃいましたね。悪い子のおちんちん、……おしおきしなきゃダメですか?」

 諭良の傍に座り、昴星と流斗をぼくは両隣に招き寄せる。「諭良が、すごいよ」って、二人と心を通わせる友だちの「すごい」可愛いところを見せてあげるために。

「すごい、って、どんなふうに?」

 流斗の疑問には髪を撫ぜて、「見てればわかる」と応える。

「ゆ、由利香さま……!」

 諭良はぼくらなど目に入らないようすで、由利香の手元だけを見ている。由利香は、

「本当に、……諭良くんのおちんちんはだらしないですね? こんなに皮を余らせて」

 諭良の包茎おちんちんの皮をつまみ上げ、にゅーっと伸ばす。

「背が高いのに、こんなにひょろひょろしたおちんちんからすぐオモラシして、由利香みたいに年下の女の子のオモチャとしても物足りないですよ?」

 クスクスと笑いながら、由利香は楽しそうに諭良の濡れたおちんちんを引っ張り、離す。

「オシッコも、こんなに臭いし………」

「あっ……、あっ……」

 ピン、と指で弾かれるたび、諭良は情けない声を上げる。しかしそんな扱いが、諭良にとってこの上ない喜びとなることは、ぼくにはもちろん、諭良のマゾヒストな気質を熟知していると言ってもいい昴星と流斗にも伝わっている。

 その証明のように、諭良のおちんちんの弾み方が変わってきた。

「諭良兄ちゃん、おちんちんおっきくなってきたね」

 流斗の言葉の通りの反応を、諭良の包茎は示していた。んく、と昴星が唾を飲み込む音が聴こえた。

「諭良くんはオモラシしたの、由利香みたいに女子にいじめられるのが嬉しいんですか?」

 由利香はクスクスと笑いながら、いかにも汚いものにするように、諭良のオモラシブリーフをつまみ上げる。

「それとも、またオシッコが出ちゃいそうなんですか? ……ねえ、お兄さま?」

 そうではない、とわかっていながら、

「そうかもしれないね。恥ずかしくって臭い噴水が出ちゃったら、由利香にかかっちゃうよ」

 ぼくは言う。

「それは困りますね。由利香のお洋服が

 諭良くんの臭いオシッコで汚れてしまっては。……蓋をしなくちゃ」

 由利香はびよんと諭良のブリーフを広げ、もうすっかり冷たくなったそれを、長く細い諭良の足に通して行く。

 オモラシブリーフの再装着、自分の犯した失態を見事に表現するような格好である。

 しかしそれもまた、諭良のような子のことを、えもいわれぬ幸福で包み込むのだろう。じっとりと冷たいブリーフの感触さえ、諭良にはきっと心地よくて。

「あ……、あ……」

 事実、汚れたブリーフに浮き上がる諭良のフォルムが布越しにピクピクと強張って震えている。

「お兄さま、諭良くんは、本当にヘンタイですね」

「うん」

 ぼくは恋人のする、恋人の評価を全面的に正しいと認めた。

「ぼくもそう思うよ。諭良はこんなに変態で、恥ずかしい子だよ。でも、だからすごく可愛いとぼくは思う。可愛がらなきゃいけないって思うよ」

 ふふ、と由利香は笑って、「由利香もそう思います。……昴星くん、流斗くん、教えてあげます。諭良くんは前に由利香のうんちを身体に出されて、すごく喜んでいたんですよ」

「うぇ」

「うんち……、ゆりねえちゃん、諭良兄ちゃんにうんちしたの?」

「はい。由利香は諭良くんにおしおきをしようと思ってしたんです。それなのに、諭良くんは大喜びでした」

「……この間、おれたちでさ、諭良のことトイレにしたんだ、トイレっていうか便器。おれと流とおにーさんでさ、三人でオシッコとせーしひっかけて……」

「でも、諭良兄ちゃんはうんちもあったほうがうれしかったのかな?」

 諭良は屈辱的な記憶を由利香の口から披瀝されてヒクヒク震える。

「じゃあ、ゆりねえちゃんまたうんちするの?」

「……残念ながら」

 由利香は首を振る。「いまは、それほどしたくないので、出来ません。でも由利香は、諭良くんのパンツと取り替えっこで、由利香のパンツも差し上げたいので、……パンツを汚さなきゃって思っています」

 そんな使命感を抱く少女はこの世で由利香一人であろう。一人いれば十分、そしてぼくの視界の中に、臭いの届くところにいてくれればそれが一番幸せなのは言うまでもない。

 由利香が、スパッツのウエストに指を入れた。

 同世代の男子三人いる前で(ついでに大人の男のいる前で)あっても、ためらいなくするりと脱ぎ去る。淡い黄色の、五年生としてはちょっと子供っぽいかなとも思う下着を露わにして、由利香はそのままスパッツを足から抜いた。

 由利香は、

「オモラシして見せてくれた諭良くんにお礼をします」

 和式でするときのポーズで、諭良の顔を正面から跨いだ。

「うぉ……」

 昴星がぼくの右腕でびくんと震えた。まあ、無理からぬこととも言えるかもしれない。六年生としてはかなり女子に親しんでいる(それこそ、自ら女子みたいな扱われ方さえいとわないような)昴星であっても、いきなり同世代の女子が、下着を穿いたまま放尿しだしたら……。

「んっぶぁう、んんンっ」

 由利香はただ「跨ぐ」だけではなく、ほとんど諭良の口と鼻を自分の股間で塞ぐようなやり方で封じ、そのまま失禁していた。流斗がひょいと立ち上がり、真っ正面から由利香がオシッコを溢れさせる股間に顔を寄せ、

「ゆりねえちゃんも、オモラシするの好きになった?」

 とお揃いの少女に向けて訊く。

「はい、……流斗くんとおんなじです」

「昴兄ちゃんとも諭良兄ちゃんともおんなじだよ。みんなおそろいだね。そうすると、お兄ちゃんはもっとうれしいね」

 流斗はぼくに振り向いてにこにこ言う。

「昴星は? 見に行かなくていいの?」

 おれはー……、と昴星は唇を尖らせたが、結局「しぶしぶ」の体を表現しつつも流斗の隣に膝をつく。

「……やっぱ、女子は違ぇなー……」

 昴星が主に関心を抱くのはやはりそういう部分だ。誰よりも「オモラシ」という行為に慣れ親しんで今に至る昴星だから、その興味はシンプルに「女子のオモラシ、オシッコ」というレベルでは、すでにない。

「なー、やっぱりさ、おまえオモラシするとお尻の方がすげー濡れんだな……」

 昴星の言葉に、「はい」と由利香はほんのり頬を染め、ふるると身体に震えを走らせオシッコを終えながら応える。

「だって……、由利香は女子です。女子には、おちんちんが付いていません。ですから、……おトイレの後は、ちゃんと拭かないと、パンツが汚れてしまいます」

「昴兄ちゃんもオシッコのあとちゃんと拭いたらいいんじゃない?」

「それは……、そうかもしんねーけど、でも流はおれのパンツが真っ白でなんも臭いしねーようになったほうがいいのか?」

 流斗は少し首を傾げて考えて、

「もしオシッコ付いてなくても、昴兄ちゃんのおちんちんが入ってたパンツだったらにおいは変わんないんじゃないかな……」

 と呟いた。うん、確かにそうかもしれない……。

「由利香は昴星くんの黄色いパンツ、好きですよ?」

 由利香は微笑んで腰を後ろにズラす。顔中由利香のオシッコでびしょ濡れの諭良は呆然としている。由利香が振り返って、

「お兄さまの言う通りでしたね」

 とぼくに言う。「由利香さま」のオモラシを飲まされるという栄誉にあずかった喜びのあまり、諭良は勃起したおちんちんから感動の涙を溢れさせていた。

「約束です。諭良くんには、由利香のパンツを、由利香には諭良くんのパンツ。取り替えっこしましょう」

 由利香は諭良の上で立ち上がると、びちょびちょの下着をするりと下ろす。

「お……」

 昴星が思わず声を漏らした。

「やっぱりゆりねえちゃん、おちんちんないね。すじがぴってあるだけ」

 流斗の方が、少し冷静だ。

「あとでお二人にもよーく見せて差し上げます。……昨日の夜は、お兄さまに女子のことたくさんお勉強していただきました。だから今日はお二人にもたくさん、……ね?」

 女子の発言としてはやや、……いや相当にはしたないと言わざるを得ない。しかし何の恥ずかしさもなく由利香が言うはずもないし、実際問題はしたないからどうした。由利香はそんな形容詞ではカバーできない清純さを持っているんだ。

「諭良くんのおちんちん、オシッコ二回も漏らしちゃいましたね。すっごい臭いです」

 由利香は諭良に自分の縦筋と、それの尽きた上部にある短い放射状のシワを見せ付けながら、そのペニスをブリーフの前窓から取り出す。年下の少女によって屈辱に濡らされ喜悦に震えるおちんちんを、由利香は大事そうに指で支える。それでも「すごい……、おちんちんは上を向いてるのに、皮が垂れてます」由利香が驚くとおりのフォルム。

「お兄さま、こんな風に皮が長いおちんちんでも、大人になったらお兄さまのおちんちんみたいにちゃんと、大人の形になれるようになるんですか?」

「諭良も、一応剥けるぞ」

 昴星が弁護してやる。「ゆっくり、ちんこの根っこの方から皮が引っ張ってったら、先っぽちょっとだけ顔出す」

「でも、諭良兄ちゃんもっとおちんちん大きくなったとしてもお兄ちゃんみたいになるのかなぁ?」

 流斗が首を傾げる。

「……由利香は、これまで見て来た大人の男のその場所で、皮が剥けてなかった人っていなかった?」

 ぼくの質問に、由利香は「……多分、いなかったと思います。由利香が見たのは、……中学生か高校生ぐらいの人の中には、大きくなっても剥けない人がいましたけど、それより歳が上の方は、みんなお兄さまみたいな形でした」

 中学生か高校生……、そんな若い子まで由利香の「お客」だったのか。ぼくはまた由利香の秘密を知った。

「……どこかから、噂を聞き付けていらしたみたいです。由利香にはよくわからないんですけど、男の人って、その……、したことないって、恥ずかしいって思うものなんですか?」

 昴星に言われたとおり、諭良のおちんちんの皮を丁寧に剥き下ろし、その亀頭を目にしようと努める由利香はぼくに訊く。

「そうなの? おにーさんはおれらとするまでそういうこと誰ともしてこなかったって言ってたよな?」

 うん、恥ずかしながらそうだ。つまり実際ぼく自身も、それを多少なりとも自分の引け目として感じていたことは否めない。

「『童貞』って、いう言葉がある……。由利香、聴いたことあります。男の人で、まだ、その、そういうことをしたことない人のこと、そう呼ぶって」

「どーてい?」

 流斗は初めて聴く言葉であるらしい、昴星もどうやら同じようだ。まあ、小学生のうちからその言葉を知っていたとすればそれはかなりの耳年増、……いや、最近はそうでもないのかな。

「じゃあ、ぼくたちはみんなどーていじゃないね」

 流斗がにっこり笑って言う。「ぼくは昴兄ちゃんにも諭良兄ちゃんにもお尻に入れさせてもらったし、昴兄ちゃんも諭良兄ちゃんもぼくの中におちんちん入れてくれたよ」

「まあ……、うん、おれも諭良に入れたし」

 ぼくはここにいる四人の、合計五つの性の穴に挿入させてもらった。

 そういう意味では、「ぼくたちは兄弟って言い方ができるかもしれないね」ということになる。

「きょうだい?」

「うん。……同じ『穴』に挿れたことのある男同士のことを、『穴兄弟』って言うんだ。……品のない言い方だから、よそで言っちゃダメだよ?」

 一般的な「穴兄弟」同士、あんまり仲良くなるようには思えない。たいがい、一人の女性は一人としか付き合わない。「兄弟」たりえる男が複数いるとすれば、それはつまり「歴代の彼氏」と換言することが出来るわけで、現彼氏からすれば元彼氏が快い存在であるとはなかなか考えにくい。

 そう考えれば、全員がお互いのことを心底好きなぼくらは奇跡のような関係であると言うことが出来るだろうと思う。

「あっ」

 由利香が短くか細い声を上げた。ぼくはそのとき、昴星たちと一緒に由利香の肛門を見ていて、そこがキュッと引き締まったことに同時に気付いたのだった。

「お、お兄さま、……諭良くん、いっちゃいました」

 足の間から覗かせた顔、確かに諭良の吐き出したものがべっとりと付着している。

「えー、もう出してんのかよ……、早えなー……」

「だって、諭良兄ちゃんには一番嬉しいことだよ? ゆりねえちゃんみたいな女の子におちんちん見てもらえるんだもん」

「それにしたってさー……、だらしねーの」

 昴星だって早いときは「三こすり半」とまでは言わないけれど、すごく早い。それに諭良は「ちんぽちんぽ」言わなかったから、その分だけまだマシかもしれない。

「諭良くん、由利香が皮を剥くだけで気持ち良くなっちゃいましたか?」

 由利香は顔を指で拭いペロリと諭良の精液を舐める。大量だ、そして、

「すっごい、濃いですね……。オシッコはそんなに濃くなかったのに。それとも、由利香のおまんことお尻の穴見て興奮しちゃいましたか?」

 実際、諭良にとって同世代の少女の足の間を望む景色というのは刺激が強すぎるものではあるだろう。同時に、女の子におちんちんを弄り回されていれば、呆気なく限界に達してしまったとしてもその非は諭良にはない。ああついでに言えば、お尻は自分のオモラシブリーフでじっとり冷たく彼にとっては気持ちよかったはずだし。

「でも諭良兄ちゃんまだ出せるよね?」

 流斗がにこにこ笑って言う。その事実は諭良にとっても由利香にとってもいいことだと信じるように。

「そうでなかったら、由利香も困ります」

 諭良の顔から降りて、彼女は仰向けで呆然としている諭良の下半身、足を広げさせてその間に座る。

 そして髪をどけて、顔を寄せて、

「うあ!」

 やっと顔を出したと思ったら、またすぐに皮に包まれてしまった亀頭を、皮ごとぱくん。

「精液の、えっちな味……、と、オシッコのしょっぱい味、両方しますね。諭良くんのおちんちん、皮がぷるぷるしてて舐めるの面白いです」

 また指で、苦労しながら剥いて、顔を覗かせた亀頭にキスをする。

「由利香はこういうおちんちんも好きですよ?」

「すげー……」

 昴星はハーフパンツの前に、多分無意識にだろう、手を当てて呟く。「すげー、エロい……」

「昴星くんにも、あとでお口でしてさしあげます。だからもうちょっとガマンしてくださいね?」

 ごく素直にこっくりと頷いた昴星の隣で、流斗は「諭良兄ちゃん、おちんぽきもちいい?」と訊く。

「きもちいいなら、ちゃんとゆりねえちゃんに教えてあげなきゃダメだよ」

 言葉をその唇から導くために。

「ゆ、由利香さま……っ」

 由利香はまた諭良のペニスを咥えていた。ぼくのを咥えるよりもずっと楽なはずで、その分だけ器用に舌が動くはず。

「あ、あひっ……、ひもちぃっ、れすっ、ゆりかさまぁっ、おちんぽっ、おちんぽきもちぃっ……」

 露出に誰より不慣れな亀頭を舐られるたび、諭良は過敏な反応を見せた。由利香はじいっと諭良の整った顔が快楽に歪むさまを眺めイニシアチブを取る。が、同時に彼女が諭良を満たすばかりでは終わらせるつもりもないだろうということはぼくにもわかっていた。

「んふ……」

 由利香は口を諭良から外す。「すごい、オシッコと精液と、……それだけじゃなくって、諭良くんのえっちなぬるぬる、由利香のお口にたくさんオモラシしちゃってました」

 嫣然、なんて言葉さえ思い浮かぶような微笑みを見せて、

「お兄さま」とぼくに目配せをする。ぼくはもう、それをポケットに用意していた。由利香は身を起こしてぼくからそれを受け取ると諭良が吸い寄せられるように視線を注ぐスリットを隠すように、包みを当てた。

「諭良くん、由利香のおまんこに挿れたいですか?」

「はっ……、あ……」

「ちゃんと言えたら、恥ずかしい包茎のオモラシおちんぽ、由利香に挿れてもいいですよ?」

 由利香の申し出に、諭良は呆気にとられながらも「包茎のオモラシおちんぽ」を何度も強張らせた。

「ゆっ……由利香さまのっ、由利香さまのおまんこに……っ、ぼくのおちんぽ、挿れたいですっ……!」

 んく、と昴星が唾を飲む。

 由利香がにっこり笑って、スリットを晒した。

「わかりました。ちゃんと言えたから、ご褒美に由利香のおまんこに挿れさせてあげます」

 由利香がぴりりとコンドームの包みを開封し、諭良の包茎の皮を丹念に剥いてから、くるくると被せて行く。諭良は口を開けたまま、自分の腰に由利香が跨り、手を添えて、……オモラシによるばかりではない水分で潤った由利香の股間の秘所に先端を当てるのを、見ている。

「……ん……、諭良くんのおちんぽ……、すっごい硬くなってますね……、嬉しいです。由利香がいじめて、諭良くんがこんなに嬉しくなってるって、わかります……」

 するん、と。

 ほとんどなんの抵抗もなく、諭良のおちんぽは由利香のおまんこに収まってしまった。

 諭良の童貞が完璧なまでに喪われた瞬間だ。

「諭良兄ちゃんもこれで大人だね、そうだよね、お兄ちゃん」

 うん、そういうことになる。

「諭良兄ちゃんもぼくたちと『兄弟』になったんだよね?」

「流斗の方が由利香としたのは先だから、流斗の方がお兄ちゃんってことになるかな」

 実際は誰が長男であっても問題はないのだけど、由利香との関係、その扱われ方の差で考えると、諭良が「末っ子」であるということがスムーズに納得できそうだ。

「ふふ……、諭良くんのおちんぽ、ぴくぴくしてます……」

 由利香はまだ余裕のある態度で、挑発するように腰を揺らめかせる。一方で諭良はそうされるだけでもう達してしまいそうだ。

「ガマン、できませんか?」

 がくがく、諭良が激しく頷く。少年の畏れる「由利香さま」は、さながら彼にとっては恐ろしいほどの快感をもたらす女神だ。

「もぉっ、もぉおちんぽっおちんぽいっひゃっいっふぁっあっあっああぁっ」

 由利香が諭良の言葉のリズムに合わせるように腰を幾度か上下させただけで、

「……んっ」

 由利香の胎内で、諭良がおちんちんを脈打たせたようだ。ゴム越しであったとしても包茎にとっては強すぎるであろう、少女の内膜の与えた快感に、諭良が堪えられるはずもなかった。

「……いまは、これだけでいいです」

 由利香がクスッと笑って、ゆっくり腰を浮かせる。「でも、後でまた、たくさん由利香のこと気持ちよくして、……こんどはちゃんと満足させてくれないと、もっとおしおきしちゃいますからね?」

 諭良はヒクヒク震えながら、「は、ひ……」それでも健気な奴隷として、きちんとお返事を忘れない。由利香はそんな諭良に身を重ねて、愛の篭っていること疑いの余地なしというキスを、ゆっくりと与えた。

「由利香、お風呂入らなきゃね?」

 ぺたんと寝そべったままの諭良のかたわら、下半身裸の由利香からはオシッコの臭い。もちろんそれがぼくらにとっていい臭いだと思えるから彼女はここにいるわけだ。でも、昴星か流斗、どちらかわからないが次の交換条件を果たすためには、やはりお風呂で一回身体を清めるのが本当であろう。

「昴兄ちゃん、ゆりねえちゃんといっしょにお風呂入ってきたら? もうおちんちんガマンできないんでしょ?」

 ぼくも、そうする方がスムーズであるように思う。尿意も性欲も、ガマン強さが足りないのは昴星の方だ。

 けれど、昴星は唇を尖らせて、「おれは、最後でいいよ」なんて言う。

「いいの?」

 ぼくの問いに、昴星はこくんと頷いて、

「だってさー……」

 玄関の靴脱ぎ台に目をやる。

「諭良、あと由利香も、オモラシしてあっちこっちびちょびちょじゃん。ほっといたら臭いの取れなくなるだろ」

 昴星がそんな殊勝なことを言ってくれるのには、理由がある。

 先日この部屋に泊まった夜、野外露出から帰ってくるなり脱糞したときのことを覚えているのだ。あのときぼくは昴星自身にうんちの片付けをさせた。

 この部屋に一番多く来て、この部屋で一番多くオモラシをする少年として、衛生管理についての責任というか自覚というかがあるのだろう。

 ぼくは昴星の髪を撫ぜ、キスをして、

「じゃあ……、流斗、由利香とお風呂に入っておいでよ」

 言った。

「そうなの?」

 もう一度流斗は昴星に訊いたが、昴星はすでに立ち上がって、どこにあるかちゃんと知っている雑巾を手に持っている。

「ね、ぼくお兄ちゃんもいっしょがいいなあ。ゆりねえちゃんもお兄ちゃんに見ててほしいでしょ?」

 由利香は少し考えて、「はい」と応じる。

 流斗が「いっしょがいい」と言うのは、そして由利香が「見ててほしい」と思うのは、単にぼくという存在がそこにあればいいという意味ではないだろう。少年と少女、愛らしい二人の行為に、ぼくのような薄汚い大人も参加していいということなのだと思う。

「……わかった。昴星、行ってくるよ?」

「ん。……ほら諭良いつまで寝てんだよ、顔とか拭けよ。……あ、おにーさん」

 昴星は雑巾を放り出して、ぼくの元へ駆け寄る。

「ちんこしてもらってもいいけど、おれの分もちゃんと残しておけよな。おれ、おにーさんと出来ると思って来てんだからな」

 尖らせた唇、そのまま背伸びしてぼくに重ねる。ああもう、可愛いなあ……。ぼくは約束の思いをこめて昴星を抱きしめないわけにはいかなかった。

 

 

 

 

 パンツ一丁で浴室に立つなり、

「ぼくね、ゆりねえちゃんの女の子のとこ、いっぱい見たいな」

 床に膝立ちの由利香に、流斗は言った。

「由利香の、女の子のところ?」

「うん! おまんこもおっぱいも、ぼくにないとこぜんぶ! オモラシパンツととりかえっこで、そういうの見たいし、触りたいんだ。……でも、やっぱりゆりねえちゃんのパンツも欲しいけど」

 甘えん坊であり、またちょっとわがままであり、しかしそれが全て許せてしまえるような愛らしさを持った天使少年、それが流斗である。

 由利香もぼくと同じ気持ちなのだろう。

「いいですよ。由利香のぜんぶ、流斗くんの好きにしてください」

 女の子に言われる言葉としては最もセクシーなものをにっこりとエンジェル・スマイルで受け取って、

「じゃあ、オモラシするね! ……えっと、ふつうに立ったまますればいいの?」

 流斗は訊く。

「ふつうに?」

「うん。あのね、ゆりねえちゃんはオモラシパンツがほしいんでしょ? オモラシのときのかっこで、パンツの汚れかたぜんぜんちがうんだよ。後からパンツ見てね、えっと、自分ちでオネショしたときのと、学校の朝礼で立ったまましたときのと、授業中に座ってしたときのとぜんぶちがって、それ見ていつのかわかるんだ」

「学校で、そんなたくさんしてるんですね……」

 由利香はやや圧倒されたようだが、気を取り直して、

「逆に、流斗くんはどういう形でオモラシしたいですか?」

 と問う。

 流斗はぼくを見上げた。

「お兄ちゃんといっしょにオモラシしたいな」

「うへ?」

 思わずそんな声が出た。

「ううん、お兄ちゃんはオモラシしなくていいから、そうじゃなくってね、お兄ちゃんに抱っこしてもらいながらオモラシしたいの。前にお兄ちゃんに抱っこしてもらいながらうんちしたとき、なんだかすごくうれしかったから、抱っこしてオモラシだったら、オモラシもっとうれしいかなって」

 ああ、そういうことか……。確かにぼくの膝の上に乗せて排便させてあげたとき、流斗はずいぶん嬉しそうにしてくれて、ぼくもよかったなと思った記憶がある。

「じゃあ……、こういうのはどうかな」

 ぼくは、流斗を後ろから抱え上げる。

「夕べ、由利香にこういう格好でオシッコさせてあげたんだ。このままオモラシしたら、由利香は流斗のパンツ見るたびに流斗のこの格好が思い出せるんじゃない?」

 赤ちゃんにオシッコをさせるポーズ、の男の子バージョンである。由利香はぱぁっと微笑んで、「素敵です」と言う。流斗も「ほんとだぁ、こんなカッコでオモラシするのはじめて!」はしゃいだ声で言う。頭のおかしいアイディアではあるけど、二人が喜んでくれるなら捻り出すことができてよかったと思う。

「流斗くんのパンツの、男の子のところが膨らんでるの、丸見えですね。ふっくらしてて、すごく可愛いですよ」

「えへへ。だって男の子のパンツだもん。男の子はおちんちんとタマタマがあるからおまたのとこぷっくりするんだよ」

 そう、そこは「ぷっくり」しているんだ。

 ふと、推論が思い浮かんだ。

 男の子にしろ女の子にしろ、……ぷにぷにしてたりぷくぷくしてたり、とにかく「柔らかい」ということが、性的なのではないかと。流斗のだけでなくて、タマタマはみんなぷっくりしているし、由利香のおっぱいは柔らかい。おちんちんは勃起してコリコリするけれど、それでも特に諭良なんかは先っぽの皮がぷにゅぷにゅしている、昴星は男の子でありながらあるまじきほどにおっぱいが柔らかいし、お腹やお尻の肉感も愛おしい。

 これら全てがガチガチだったら嫌なものだ……。

 そして同時にぼくの頭の中へ思い浮かぶのは、それって要するに「うるおい」ということだよな、ってこと。

 流斗も昴星も諭良も由利香も、人間としての身体が若い(というかまだ幼い)ものだから、その身体にはたくさんの「うるおい」を備えている。それゆえ、肌はしっとりしているし、あちこちぷにぷにしている、そして、だからこそ可愛くてえっちなんだ。

「うるおい」とは何によるものが。言うまでもなく、水分である。

「ゆりねえちゃん、オシッコするよ……?」

 流斗のおちんちんは少年のことを最上級に可愛くする水分であるところのオシッコを、その下着へと染み込ませて行く。そうして、乾いた後でも由利香の心を幸せでいっぱいにする黄色いブリーフを完成させるのである。

 どうだろう、ぼくのこの推論、

「ふふ、いっぱい出てますね……、タマタマのところも、お尻の方まで……」

「えへへ、こんなカッコでオモラシするの、はじめてだけど楽しいよ」

 二人がこんなにも嬉しそうだから、多分そう間違ってはいないはずだ。

「ん……、ん。全部出たよー」

 流斗がぼくに言ったから、下ろしてあげようとしたところ、

「お兄さま」

 と由利香が止める。「もうちょっとだけ」って、何をするのかなと思っていたら、

「わ……」

 流斗がびっくりしたように太ももを強張らせた。ぼくからは、由利香の黒髪の頭が流斗の股間にぴったり吸い寄せられるように収まるのが見下ろせる。

「……ん、流斗くんのタマタマ、あったかくてぷにぷにして、本当に可愛いです」

 見上げて、流斗に笑いかける鼻の頭が濡れていた。

 ぼくが下ろすと、流斗はお礼をするように由利香の鼻の頭と唇にキスをして、「こんど、ぼくの番だよ。ゆりねえちゃんのすっぽんぽん、いっぱい見せて」

 とオモラシパンツのままで強請る。

「はい。……流斗くんは由利香の裸を見るのが好きですか?」

 由利香は年下の少年の前、素直に浴槽の淵に座った。

「うんっ、ゆりねえちゃんのすっぽんぽん、きれいだもん。ね? お兄ちゃん!」

 はい、そう思いますよ。

 実際ぼくが下着の中で勃起していることに、流斗も由利香も気付いている。愛しい少年のオモラシと、愛しい少女の全裸のどちらをも、ぼくは見ているのだから。

「ゆりねえちゃんのおっぱいさわっていい?」

「はい、どうぞ」

 流斗の幼い手は、ぼくや昴星たちに触れるときよりももう一段繊細な動きで少女の乳房に触れる。

「……やっぱり、やらかいね。女の子のおっぱい……、先っぽもぼくのよりピンク色ですごいきれい……」

 男の子同士でおちんちんのいじり合いをするのには慣れているだろうし、大人の男(要するにぼくだ)の身体を悦ばせるのも上手な流斗だ。しかし異性の身体はやっぱり勝手が違うらしい。こういうことを、大抵の男は多分そういう系統の本やビデオ、……じゃないか、最近はDVDってことになるのか、そういうのを通して学んで行くものだろうと思うけど、とびきり早熟な流斗はまだそういったものに触れたことすらあるまい。

 だけど、ぼくが昴星にするのを見ていたからか、それとも本能がそうさせるのか。

「ん……、りゅ、とくん……」

 流斗は由利香の乳首に唇を当てて、啄ばむように口付ける。

 年下の、幼い流斗の愛撫は、きっちりと由利香の心をときめかせるものであるようだ。

「……ん、おっぱいの先っぽ、昴兄ちゃんのよりちょっとだけ甘いかも……」

「そんな、こと……」

「あとね、昴兄ちゃんや諭良兄ちゃんのよりおっきくて、コロコロする……、女の子のおっぱいなんだなぁって気持ちになる。ぼくいま女の子とえっちなことしてるんだなぁって……」

 ちゅ、ちゅ、と音を立てて由利香の乳首を舐め、吸い、空いた方を手のひらで優しく揉むさまは、確かに流斗が「男の子」であることをぼくに教える。オモラシするのが好き、男とするのが大好きな子であっても、そういう欲をちゃんと抱くことに何ら問題はないだろうとぼくは思う。

「ゆりねえちゃんのおまんこ見たいな……」

 流斗の告白を、由利香はほんのり頬を染めて受け入れる。腰掛けたまま膝を開け、まっすぐのスリットを晒し、流斗に覗き込ませた。

「すごーい……、ね、お兄ちゃん、諭良兄ちゃんが言ってたけど、男の子の身体ってもともと女の子の身体から出来たってほんとう?」

「ああ……、そうだって聴いたことがある」

 染色体の最後の一つが「X」になるか「Y」になるか。男女の性差なんて、たったそれだけの違いでしかないと何かで読んだ。だから子供に母乳を与える機能のない男の身体にも、母すなわち「メス」の体の名残として、乳首があるのだと。

「んーと」

 流斗は由利香の左右の太ももにそれぞれの手を置いてしばらく覗き込んで、不意にひょいと立ち上がり、ブリーフを下ろした。

「ここんとこの……、ぼくのね、タマタマの真ん中から、お尻の穴のとこまでつながってるスジと、ゆりねえちゃんのおまんこの線って、おそろい?」

 ぼくを見上げて流斗は訊く。

「うーん……、そうなんじゃないのかなあ……」

 あまり不確かなことを柔らかな脳に刻んでしまうわけにはいかないけれど、「女の子には、おちんちんはないわけだけど、……その、似たような部分があるって言うことは、ぼくも聴いたことがある」

「女の子のおちんちん?」

 目を丸くして、流斗が由利香の足の間に目をやる。由利香はこっくりと頷き、自分の両手で秘密の稚貝を左右に割り開いて見せる。

「……女の子の、オシッコは、ここから出てきます」

「うん、知ってるー……、この下のとこの穴におちんちん入れるんだよね」

「はい、……でも、ここの、……由利香のは、まだ子供だから、あんまりわからないかも知れないですけど……」

 正式には「陰核」という部分。幼い鞘の中に収まり、大切に護られている。

「ここが、……男の子の、おちんちんとおんなじって、由利香、聴いたことがあります……、その、……クリトリスっていって、女の子の、一番恥ずかしいところ、って」

 年下の無垢な少年相手にそういうティーチングをするのは、そりゃもう恥ずかしいに違いない。しかし由利香は敬愛する「弟」のごとき流斗に、しっかりとそれをやってのけた。

「クリトリス、ぼく知ってる! ぼくのおちんちんのことだよね?」

 流斗はまたぼくを振り返って言う。その通りだ。ぼくが流斗に女の子のパンツを穿いてもらったとき、パンツの中で勃起したそこは「クリトリス」だと教えた。

「じゃあ……、ぼくもゆりねえちゃんもおちんちんが付いてて……、あれ? ゆりねえちゃんのはクリトリスで、ぼくも女の子のときだけクリトリスで、あれ? ……んーと、わかんないけど、でもおそろいだね!」

「きゃ」

 流斗が勢い良く顔を寄せ、由利香のそこに舌を這わせたようだ。

「あ、あっ、りゅ、とっくんっ、そんなっ、すっちゃダメですっ……」

「えへへ」

 流斗は由利香を見上げる。

「ゆりねえちゃんにもおちんちん付いてるって思ったら、なんだかすごくうれしくなっちゃった! おまんこのきもちよくするやり方はあんまりわかんないけど、おちんちんだったらぼくわかるよ」

 そりゃあね、いつも太いの丸いの細っこいのとバリエーションのある相手にほどこしてきてるわけだから、この上由利香の(本当は「おちんちん」ですらない)部分をしてあげるのに苦労するはずがない。

「ゆりねえちゃん、おちんちんきもちいい?」

 訊いて、またちゅっとそこに可愛いキスをする。

「はいっ……、きもち、ぃ、です……!」

 由利香は恥じらいながらも素直だ。そういうところ、本当にこの子は可愛いなぁってぼくはいつも思う。

「ぼくたちね、男の子はね、おちんちんきもちよくなって、もっときもちよくなりたいときは、『おちんぽ』って言うんだよ、さっきの諭良兄ちゃんみたいに」

 そんなルールはない、と言う流斗も言われる由利香もわかっている。しかし流斗がそうだと言えばそうなのであって、

「ゆ、由利香のっ、……おちんぽ……、おちんぽして、くださいっ」

 由利香は女である自らの身体に生じた男性器への刺激を、あられもなく求め始めた。

「ふふ、おちんぽ、いっぱいしてあげるね……、ぼくおちんぽきもちよくするの、上手だから……」

「っひゃ……っ、りゅ、とくっ、お、おちんぽ……おちんぽぉ……っ」

 自分の股間にある天使少年の顔目掛けて、由利香が勢い良くオシッコを噴き出した。びちゃびちゃと顔で跳ねる噴水を厭うような流斗ではない。ただ顔を離し、口の中に注がせて飲み込みながら、じぃっとオシッコの吹き出し口を観察している。

「んく」

 と飲み込み、呆然とした由利香に、

「ゆりねえちゃん、おしお噴いちゃったね」

 アヤフヤな知識のまま、微笑んで流斗は言う。いわゆる女性の「潮」の正体については、ぼくは意見を持たない。要するにオシッコなんだろう、という、それこそ「アヤフヤ」なイメージを持っているばかり。しかし由利香が流斗の愛撫でそこまで達してしまったことは事実である。

「……は、い、由利香……、おち、ん……ぽ、気持ち良く、なっちゃい、ました……」

 由利香は自分の尿を浴びて飲んだ流斗の髪を、困ったような顔で撫ぜる。

「もう……、流斗くん、すごく、えっちです……」

「えへへ」

 流斗は立ち上がり、由利香とキスをする。

「ゆりねえちゃんがきもちよくなってくれてよかった」

 それは普段この子のことを女の子みたいに扱っているぼくをして、ぐっとくるぐらい男らしい台詞だったと思う。

「由利香の……、おちんぽ、して……、おちんちん、そんなに元気になってる、んですか……?」

 由利香は淵からお尻を下ろし、ブリーフを太ももに引っ掛けた流斗の下半身、本当に「元気」いっぱいの男の子の部分に触れる。

「だって、ゆりねえちゃんだってえっちだもん。それにね、ぼく、オシッコ大好き。女の子のオシッコだって大好きだよ?」

 流斗はブリーフを由利香の手に脱がせてもらいながら、どこか誇らしげに言う。

「流斗くんのオモラシしたパンツ、いい匂いです。ほんとうにいっぱい出ましたね。お尻の方もびちょびちょ」

「だって、ガマンしてたもん。お兄ちゃんところ来るときはいっつもオシッコいっぱい溜めてくるよ? ゆりねえちゃんもそうでしょ?」

 こくん、と由利香は頷く。

「お兄さまに、オシッコ……、見てもらえるの、嬉しいです。由利香のオシッコ見て、お兄さまが、……おちんぽを、硬くしてくださるの、すごく嬉しいですから」

「うん、ぼくも。ぼくとゆりねえちゃん、ほんとにお揃いだね」

 仲良きことは美しきかな、なのだ。どんなところでだって、思い合う者同士であれば繋がっていい。例えば流斗と由利香なら、……仮に男の子と女の子という関係であって形は違えど、どっちも「おちんちん」を持っている、そして「オシッコ」をぼくなんかのためにガマンしようとしてくれる。そういう共通項が二つもあって、それをぼくは、心の底からかけがえのないものだと信じる。

「ね、ゆりねえちゃん、ぎゅーってしようよ」

 流斗が座って、由利香を招く。まるで幼い恋人同士みたいに、抱き締め合って、またキスをして。

「ゆりねえちゃん、ひょっとしてお水たくさん飲んだ?」

「はい……、流斗くんたちのために、たくさん、しなきゃって、思いました」

「ぼくも、たくさん飲んできた。……いっぱいオシッコ出る? いまだしたばっかりだけど……」

 由利香がこくんと頷く。

 由利香のおまんこと、流斗のおちんちん、入り口に入らないように由利香は気をつけて流斗のペニスを上向きに支えながらも、ぴったり重なる。

 二人の間に会話はない。それでも伝わり合っている。そしてハタで見ているぼくにもわかる。これって、相当にすごいことだと思う。

「ん……っ」

「ふ……ぅ……」

 流斗のおちんちんから噴き上がった虹は由利香のおっぱいに当たり、由利香から噴き出すせせらぎは流斗のおちんちんを洗う。

「あは……っ、すごい……由利香のおっぱい、流斗くんのオシッコでびちょびちょ……」

「んん、ぼくのぉ、おちんぽっ、ゆりねえちゃんのオシッコあったかいよぉ……」

 二人は自分の出したオシッコを塗りつけ合うように相手の局所に触れる。そのたび二人のオシッコの勢いは乱れるが、何とも心地よさげである。そうしているうちにまた唇が重なり、流斗の指は由利香の中へ導かれ、流斗は「おちんぽ、おちんぽ……」と由利香にねだる。

 オシッコをし終わったばっかりの幼茎を、由利香の指が摘まんで幾度か動かしただけで、

「ん、んん……っ、ん! ん……ふぅ……」

 大好きな、由利香のおっぱいに向けて幼い精液を流斗は飛び散らせた。ぼくも知ってる二人分の甘い甘いキスを、お互いに知らせながらしばらく二人は抱きしめ合い、

「……ふふ」

「えへへ……」

 ちょっと恥ずかしそうに、お互いの身体を見る。

「二人とも、すごく仲良しだね」

 ぼくが声を掛ける。照れ臭そうでもあり、それ以上に嬉しそうでもある。

「流斗くんみたいに可愛い男の子と、こんなえっちなことしちゃっていいんでしょうか、……お兄さまが、ちょっと羨ましくなっちゃいました」

 由利香が言えば、

「ぼくだって、ゆりねえちゃんみたいに可愛い女の子とこんなことするのすっごいどきどきしたよ。お兄ちゃんだったらもっとおちんぽガマンできるのかなぁ?」

 流斗も言う。ガマン? そんなの、ぼくにだって難しい。それを見越しているのだろうか、由利香が「お兄さま」と両手を広げて、流斗のオシッコと精液を浴びた身体を開く。

「由利香の身体、お兄さまの大好きな味になりました」

 お腹を伝うものを指ですくい取り、唇に運ぶ。ああもう、とぼくは服を脱ぎ捨てひざまずき、由利香の唇に唇を重ねる。由利香の滑らかであったかい舌に、流斗のオシッコと精液の味、えもいわれぬコラボレーション。

「あー、ぼくもー、おちんぽっ」

 流斗が立ち上がりおとなしくなっているおちんちんをぷるぷるさせてねだる。それも、もちろん咥える。いつも優しくまろやかな味の流斗のおちんちんに、どことなく華やかささえ伴う由利香のオシッコの味と香りが添えられて、すごい。

 ぼくは由利香の身体を伝う流斗の精液を残らず舐めとって、自分の勃起を二人に掲げた。

「二人とも……、してくれる? その、二人の可愛いところ見てたらさ、もう……」

 呆れるほどに興奮している。先端を濡らす液体も二人の目に映るはずだ。

「うれしいなぁ……」

 流斗が左手を添えてぼくに頬擦りをする。「お兄ちゃんのおちんぽ、大好き……、ぼくたち見てこんなにおいしそうになるの、すっごいうれしい……」

「由利香も、すごく嬉しいです」由利香は右手だ。茎に、甘い甘い口付けをくれる。「流斗くんのおちんぽはとても可愛いです。でもお兄さまのおちんぽは、すごく格好良くって、素敵です」

「そう、かなぁ……」

「はい。由利香はたくさんのおちんぽを知っています。でも、いままで見てきた中でお兄さまのが一番素敵だと思います」

「うん! ぼくはお兄ちゃん以外のおっきいおちんぽ知らないけど、味もにおいもお兄ちゃんのが一番好きだよ!」

 二人の言葉とささやかな愛撫に、ぼくはますますいきり立つ。ぼくの右側を流斗が、左側を由利香が担当し、唾液を伝わせて唇を当てる。幼い二人の、みずみずしいうるおいをまとった唇がキスの音を立てながらぬるぬると茎を亀頭を陰嚢に至るまで施してくれるハーモニカ・フェラに「大人」の理性なんてあっという間に吹き飛ばされてしまいそうだ。

「どっちに……、出したらいい?」

 ありがたいことに、二人とも、ぼくを欲しがってくれるに違いないから。

「ゆりねえちゃん」

「流斗くんに……」

 二人は譲り合い、顔を見合わせて、

「どっちに出しても、半分こします。……ね? 流斗くん?」

「うん、お兄ちゃんのいっぱい出るでしょ? 二人で半分こしたほうがもっとおいしいよ」

 優しさを分け合う。

「わかった、……じゃあ、あの、もうすぐいきそうだから……」

「はい」

「はぁい」

 二人は仲良く唇で半分ずつぼくの亀頭を包み込む。それぞれの舌が先端で絡み合い、それぞれの手がぼくを、扱く。

「ん、おにいふぁま……っ」

「ちゅ、ん、ふぁ、おにいひゃ、おひんほぉ……」

「ひゃっ……ん! ん……っ、んふ……」

「んん、んー……おひんぽ、せぇひいっふぁい……」

 二人の顔を汚した精液を、二人の舌で拭い合う。仲良しな姉と弟のごとき二人をまとめて抱き締めて、呼吸を整えて、

「じゃあ、……そろそろ昴星の番かな?」

 訊く。二人がこくんと頷くと、こつんとおでこがぶつかった。

「でも、その前に、……ゆりねえちゃんのパンツ」

 流斗は覚えていた。由利香ももちろん「はい」と頷いて、足をシャワーですすぎ、拭いてから、

「お待たせしました」

 白地に可愛らしいピンクの縁取りのされたパンツを穿いて戻ってくる。

「やっぱり女の子のパンツってかわいいなぁ……、ね、お兄ちゃん、男の子のパンツもこういうかわいいのもっとあったらいいよね?」

 普通の男の子向けとしてはどうだろう、でも流斗にだったらきっと似合うに違いないから、ぼくは頷いた。

「えっと……、どういう風にすればいいですか? どんなパンツが、流斗くんは欲しいですか……?」

「ぼく、さいしょから決めてたよ」

 流斗はぼくを見上げて、「お兄ちゃん、ゆりねえちゃんのこと、だっこ」と言う。

 なるほど……。

「きゃ……」

 後ろから抱え上げると由利香は小さく声を漏らす。しかし流斗同様、ぼくの腕で安定感抜群に抱えることができる大きさに重さ。

「女の子のパンツはタマタマがないからふくらんでないね。でもそのかわり、ちょっとだけゆりねえちゃんのおまんこのスジのとこ、見えるよ」

 流斗は鼻をその浅い谷に当てて言う。

「りゅ、流斗くん……、くすぐったいです!」

「えへへ、……オシッコのにおいしないね?」

「だ、だって、これは洗ったばっかりです……」

「うん。でもこれからオシッコでいっぱいになるんだよね?」

 流斗はにこにこ笑っている。その表情はとてもじゃないけどこんなえっちなポーズを女の子にリクエストした「男」のものとは思えない。

「もう……、ほんとに流斗くんはえっちです……」

 そう責めながらも、由利香は笑っている。ほんのりと温かな肌、微かに震わせて、「ん……」と声を漏らして、由利香も流斗と同じポーズで自分のパンツを濡らし始めた。

「あ……、お尻、お尻びちょびちょになってる……」

「さっきのぼくとおんなじだよ、だからパンツの黄色いのも、ゆりねえちゃんとぼくと、おそろい」

 ぼくの足の指先を濡らしながら、由利香はオモラシをする。年下の流斗に見られながら、屈辱的な姿を自ら進んで晒す。そこにある幸せを、きちんと由利香が掴み取るのをぼくは思って、やっぱり嬉しくって仕方がなくなる。

「……はう……」

 ぶるる、と余韻の震えが由利香の身体を走った。呼吸が甘く濡れている。流斗が「ゆりねえちゃんのオシッコ……」目を閉じ、その谷間に再び鼻を当てる。「いいにおい。……ゆりねえちゃんのオシッコも、ちゃんとオシッコのにおいするね……」

「だ、だって……、オシッコです……」

「うん、おそろい」

 ぼくが下ろすと、流斗は由利香の手を止め、代わりに下着を脱がしにかかる。途中まで下ろしたところで、宝物のようなオシッコを放出したワレメにちゅっとキスをして、

「ありがと、ゆりねえちゃん。ぼくゆりねえちゃんのパンツ見て、ゆりねえちゃんのオモラシ思い出して、いっぱいいっぱいおちんぽきもちよくなるよ」

 にっこり、笑う。由利香も笑って、流斗の手を引いて立たせてその唇に唇を重ねた。

 流斗は由利香のオモラシパンツを手に、由利香は流斗のオモラシパンツを手に、二人、びよんとそれを広げる。「おそろい」と微笑み交わす。確かに二人とも、前部よりお尻の方に広いシミが広がっていて、立ったままの失禁ではないことは一目瞭然だった。

「ゆりねえちゃん、ぼくのまた欲しいって思ったら言ってね? お兄ちゃんにお願いして届けてもらう」

「はい。一枚だけじゃなくてたくさん欲しくなると思います。流斗くんも、ね?」

 もう一度キスをして「えへへ」と微笑む。ずっと歳の離れたぼくが思うのと同じ「可愛いなあ」っていう気持ちに、歳の一つしか違わない由利香だってなるのではなかろうか。

「じゃあ、流斗くん、昴星くんを呼んできてください」

「はーい」

 すっぽんぽんのまま流斗が出て行く。由利香は嬉しそうに、手にした二枚目の少年ブリーフを見つめながら、

「昴星くんと、ずっとしてみたかったことがあるんです」

 とぼくに言う。

「してみたかったこと?」

「はい。……初めて昴星くんのオシッコのにおいを嗅いだときには思わなかったんですけど、でも去年のクリスマスに、ここで昴星くんのにおい、いっぱい嗅いで、それからずっと……。お兄さま、昴星くんにはナイショですよ?」

 ん? と訊き返したぼくに、背伸びをして、「由利香は、昴星くんのおちん……、ぽ、のこと、思って、一人でおまんこいじったこと、何度もあります」と小さな声で答える。

「へえ……」

「……一番多いのは、お兄さまです。でも、その次に、昴星くん。……今夜からは、諭良くんと流斗くんも同じくらいになるかもしれないですけど」

「入るぞー」

 昴星の声がして、由利香はぼくの頬にキスをして「どうぞ」と応じる。昴星は「うわくせーな……」と呟きながら洗面所から浴室に入って来た。

 


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