おれらみんなで

「あのさー、おまえ、おにーさん知ってる?」

 裸の昴星が、裸の諭良に身を重ねて訊く。

「お兄さん……?」

 男の子のわりにぽっちゃりとして肌の柔らかな昴星の身体と、あくまでスマートで西洋の血の入ったことが判りやすい諭良の身体は、いい意味で美しく対照的だった。

「おにーさん。……この近所に住んでてさ、背ぇ高くてわりとカッコ良くって、おれらみてーな男子が好きなおにーさん」

 昴星の言葉に、諭良はしばし黙りこくる。それこそが昴星に対しての、何より雄弁な答えになるということを知らずに。

「知ってんだったらいいや。ってゆーかおにーさん、ぜったいナイショにしてるだろうしなー」

 やや緊張した面持ちでいた諭良が、諦めたように溜め息を吐き出す。

「……お兄さんが、僕以外にも、……その、『恋人』にしてる男子がいるってことは、知ってたよ。でも……」

「それが、おれだってことは知らなかった?」

 諭良は、小さく頷く。その美しい顔には複雑な色が浮かんでいたが、総じてそれは、憂いのような色に見えた。

 だが、昴星は彼一流の、太陽のように陰のない微笑みを浮かべる。

「いーじゃん、おにーさんはさ、おれらのこと大事にしてくれてる。おまえのこともさ、おまえが、……才斗とうまくいかねー間、ずっと可愛がってくれてたんだろ? だからおにーさんはおれらの味方で、『恋人』って思っていいんだ」

 おれらだけじゃなくって、あと流もそうだな、それからおまえは知らないかもしんねーけど、瑞希と陽介と由利香も。昴星が言い添えた名前の中に、諭良も知っている少女の名前もあった。

「おまえもおにーさんのこと、好きだろ?」

 昴星の、照れのない問い掛けに、昴星を抱きしめたまま諭良はこっくりと頷く。

「じゃーさ、明日の朝、一緒におにーさんとこ行こうぜ。流も来るし、三人でおにーさんに『ありがとう』って言いに行こうぜ」

 

 

 

 ……みたいなやり取りが、昨夜の諭良の部屋ではあったのだと言う。会話の主体たる二人が流斗も連れて三人で現れたとき、ぼくは反射的に土下座をしていた。申し訳ありませんでした、……だってぼくは諭良のことを、昴星と流斗には内緒にしていた。二人してぼくのことを「恋人」「おむこさん」って言ってくれているのを承知の上で、二人の愛する才斗の悩みの種である諭良と、楽しくえっちな時間を過ごしてきたのだから。

 本当だったら三人もろとも失ってしまうことになっていたとしてもおかしくはない。

 ……いや、もちろんぼくだってそれを避けようとはしていた。昴星・才斗と諭良の関係が、彼らにとって望ましい形に落ち着いたらその時には、ぼくも真実を告げようと。

 しかるに、先週は昴星にも流斗にも会えなかった。諭良からメールで「才斗と仲直りして、少しの間だけ昴星と同じように扱ってもらうことになりました」というメールを受け取って、出来る限り早く昴星と会わなくてはと思ってはいたのだけど、それが実現することもなく今日の日を迎えてしまったわけだ。

「才斗とも話したんだけどさ、あいつも、おにーさんがおれらと一緒にいるの賛成だってさ。ほら、おれのちんこがムズムズしたとき、いっつもあいつがヒマなわけじゃねーしさ、おにーさんがいて、そこに諭良も流もいて、三人で遊んで楽しけりゃ才斗は別に何も困んねーし」

「才兄ちゃんも、ふだんは言わないけどお兄ちゃんのことだいじに思ってるんだよ」

 昴星と流斗に口々に言われて、ぼくの目はほとんど潤んでいたはずだ。

 だってさ、だって、ねえ。

 ぼくは、趣味嗜好はどうあれこの天使のような少年たちに「好き」って言ってもらえるような要素、何一つ持っていない。ただ幸運な出会いの結果、手の届くところに裸を置いてくれる少年たちの望んでくれる限り、彼らを幸せにしようと努めてきたにすぎない。

「ぼくは、お兄さんがいて下さったから、頑張れました。……才斗と、昴星と、流斗とも仲良しになれて、……たくさん幸せになれて。ぼくと三人をつなげてくれたのはお兄さんです。ずっと、……ぼくだけしかわからない、誰にもわかってもらえないって思ってたこと、ぼくの幸せを同じように幸せって思ってくれる、世界で一番大切な友達と、お兄さんがいたから、ぼくは出会えました」

 大袈裟な、とは思う。諭良にもう少しの勇気があったなら、君たちはいずれ仲良しになっていたと思うよ。

 ……だけど、その「少しの勇気」をぼくが与えたのかもしれない、ということは、控えめにではあるけれど自認してもいいのかもしれない。

「ゆうべ、昴星とセックスをしました。……昴星が、ぼくの部屋に泊まって、……たくさん」

 諭良はほんのり恥ずかしそうに、まだ背中を丸めて中途半端な体勢のぼくの前に、カバンから紙包みを取り出した。

「でもって、こないだはぼくとも遊んだんだよ。ね」

 流斗の言葉に、「うん」と諭良は頷く。

「流斗に、……流斗の友達の、ぼくと同い年の女子を紹介してもらったんです。女子の見てる前で、……流斗に、おちんちんを入れられて……、いっぱい気持ちよくなりました」

「その女子って、まさか宮田ハルカ?」

 昴星の問いに、うん、と諭良も流斗も頷く。

「ぼくの、恥ずかしいところ、全部見せちゃった……。ひょっとしたら今頃もう、クラスの女子たちにぼくの秘密、ぜんぶ知られちゃってるかもしれない……」

 ひえぇ、と昴星が声を漏らす。ぼくも昴星ぐらいの年だったら、同じことばが口から溢れていたかもしれない。

「おまえ、いいのかよ……、女子たちにオモラシ、ばれて……」

「いいんだ」

 諭良は意思をこめて頷く。

「もちろん、昴星のことは秘密のままだよ。でも、ぼくは……、すごく刺激的な体験だったし、いまも登校するたびドキドキしてるんだ、みんなぼくのおちんちんを知ってるって思って……、ひゃ」

 恐ろしい告白をいつも通り知的で穏やかな頬に僅かな紅を差しただけで言う諭良の声が跳ねた。背中に回った流斗の手が、ジーンズの前に回っている。

「あはは、諭良兄ちゃんもうおちんちんおっきくなってる!」

「だ、だって……」

「はー……、すげーな、おまえら……」

 とても真似出来ない、と言うように昴星は言うが、本当は昴星だってマゾヒストだから、女子の目に恥部を晒すことは、それこそ勇気さえあればやってみたいと思うに違いないのだ。

「あのね、諭良兄ちゃん、おちんちんプルプルするとこおねえちゃんたちに見せてせーしいっぱい出しちゃったんだよ。ね?」

「う、うん……、あの、お兄さんに、……ぼくのおちんちんの、皮、余ってるって、言われてから……、それが、その、どんどん恥ずかしいことに、思えてきちゃって……」

「ちんこの皮なんておれも余ってるからなあ……。でもそうか、おまえの方がひょろっとしてるんだっけ」

 昴星の何気無い言葉にさえ、諭良は微かに震えてしまう。真性のマゾヒストは貪欲な目でぼくを見上げて、

「おにい、さん……、ぼくからのプレゼント、見て欲しいです……」

 強請った。ぼくの膝頭の前に置かれた、茶色く小さな紙袋である。

 膨らんでいる、ということはまあ、まず間違いなくそれはオモラシを吸い込んだブリーフだろうと想像が付く。けれど手にとって見ると、何か硬い板状のものが同梱されているようだ。手を突っ込んで取り出してみると、ブリーフかと思っていた下着はブリーフではなくて女児ものの下着であり、一緒に入っていたのはCD、いやDVDだ。

「昨日な、おれたち二人で遊んでるとこ撮ったんだ。おにーさんきっと見たいと思ったからさ」

「ぼくも見たいなあ。昴兄ちゃんと諭良兄ちゃん、いっしょのときどんなふうに遊ぶか知りたいや」

 それはもちろん、ぼくだって見たいなあ、と思うものであって。

「わかった……、すぐ仕度するよ」

 ぼくはスリープモードのパソコンを開き、DVDを起動した。読み取りの間にそっと観察してみると、諭良が夕べ履いていた女児下着はぼくには見覚えのないもので、してみるとこれは諭良が自分自身で購入したものであるということになる。薄布の手触りはひどくごわついていて、……再生の始まった動画ファイルを見れば、この清楚な印象の美少年がどんな風にこの下着を作り出したのかが判るはずだ。

《ひひ、おにーさん見てるー?》

「ひー、やっぱ自分の声聴くのってきもちわりーな」

 画面のこっちとあっち、同じ声がするのだけど、その気持ちはぼくにもよくわかる。昴星たちの姿を撮影した動画を見るとき、どうにかして自分の声を消せないものかと思うのだが、なかなかいいアイディアが見つからない。

 画面では窮屈な女児水着姿の昴星が映っている。手持ちしたカメラを自分に向けているのだろう、ぐらぐらと落ち着かないが、

《見える? おれオモラシしたよ》

 昴星が股間をにレンズを向けると、その股間が黒く濡れているのが判る。そしてケミカルな布の向こう側でポークビッツのようなおちんちんが上を向いているのもまた。

《これからな、諭良にもオモラシしてもらうけど、諭良がおにーさんに見て欲しいって言うから撮って見せてやるよ》

 な、諭良。そうカメラを向けたところ、諭良の立ち姿を見て、

「わぁ……、諭良兄ちゃんかわいい……」

 この中で「可愛い」という言葉が一番似合うであろう流斗が、溜め息とともに漏らした。

 実際、それにはぼくも同意する。諭良は上下揃いの、薄ピンク色のフリルのついた白い女児下着を身に付け、首には恐らく贈答品についていたのであろう赤いリボンを巻かれて、ベッドの上にいた。彼のいるベッドの上に、既にあちこち汚れが付いているのは、ここ数日の諭良のオネショの証拠であり、ついさっきまで画面の向こうで二人が楽しく遊んだ名残だろう。

《お兄さん……、見えますか? ぼく、女の子の、カッコ、に、なりました……》

 こちら側の諭良も自分の声を聴いて、性的な意味ではなく恥ずかしがっている。

《あの……、昴星が、お兄さんは女の子のパンツも好きって、教わって、だから……、さっき、買って来て、……レジで、『妹の分』って言って……》

《おれがさ、女子のカッコで一緒だったから楽に買えたんだ。一人で買ったらヘンタイだもんなー》

「でも一緒に買ってもヘンタイだよな」

 あっちの声に呼応して、こっちの昴星が独り言のように呟く。

《これからぼく、女の子のカッコして、オモラシします……、見てください……》

 画面の中の諭良は言って、お腹の前で手を組む。自分の女児下着姿を撮られているという想像からか、昴星よりも長くボリューム感のあるペニスは白い清純な下着の前部をアクセントのように尖らせている。

 しょろ、と僅かに音がして、その場所にシミが広がった。

「あ、よかった音ちゃんと録れてる」

 昴星がそう呟き終えると、堰を切ったように諭良のオシッコが迸り始めた。

《ああ……、ぼく、オモラシ、してます、お兄さんっ、女の子のパンツ、ぼくのオシッコでビショビショにっ……》

 自分が性の悦楽に溺れた声を聴いて、諭良は真っ赤になって抱えた膝に顔をうずめてしまった。何というか、……昴星にしてもそういうところがあるけれど、この子たちは二人ともテンション上がるとそのまんまの勢いで突っ走ってしまうきらいがある。もちろんそれはちっとも悪いことではない、むしろぼくにとっては喜ばしいことでさえある。ただ、流斗がどんなに興奮してもいつもの通りの滑らかで穏やかなままでいるのとは違う、ということ。

「はい、ここまでー」

 昴星がマウスを操作して動画を止めた。「あとでおにーさん一人のときに見て楽しむ分なくなっちゃうからな。でも、よく撮れてただろ、おにーさんボッキした?」

 それは、はい。

「ぼくも、おちんちんかたくなっちゃった。諭良兄ちゃん女の子のカッコするとあんなにかわいくなっちゃうんだねえ」

 流斗の言葉に、やっとのことで顔を上げた諭良は泣きそうな声で、「わからないよ……、そんなの……」と声を絞り出す。

 実際問題、三人の中で最も背が高く、その骨格もきちんと男の子らしいのが諭良である。のだけど、まだ線が細いことは事実。「男子が女子の格好している」ということが一番わかりやすいのが諭良だということは確かに言えそうで、昴星と流斗が「女の子みたい」と可愛がれるのだとすれば諭良は「男の子なのに」という点が可愛さの肝であるようにぼくには思われた。

「諭良、ちんこヌルヌルになってんだろ」

 昴星の言葉は意地悪だが、それはこの「友達」がそんな風にいじめられることを喜びと感じる身体だとわかっているがゆえのこと。だからある意味、それは優しさと呼ぶことさえ出来る。

「へえ、諭良兄ちゃんもうおちんちんヌルヌルになっちゃったの? ぼく見てみたいな、お兄ちゃんも見たいでしょ?」

 流斗に訊かれて、……ぼく自身、さっき認めたとおり勃起している訳だから、

「うん、……見せて欲しいな。諭良の皮の伸びたおちんちん」

 美少年にそう促す。

 諭良は、「う、あう……」聡明な少年にしては珍しく言葉にはぐれながらも、パソコンの机とは反対側に立ち上がった。流斗はぼくの膝に乗り、昴星は後ろからぼくにおぶさって。諭良がジーンズのボタンを外し、大人っぽいグレーのブリーフを晒すのを楽しそうに眺めている。もちろんぼくだって、この時間が楽しい。

「まだ濡れてないんだね? てっきりもうパンツが濡れるぐらいになってるのかと思ってたよ」

 ぼくの言葉に、諭良はセーターの裾を顎に挟んで抑えながらブリーフの前を下げ、相変わらず皮のだらしなく伸びた無毛陰茎を晒す。

 まだ包皮の先は乾いているように見える。

 が、諭良はくっきり上を向いたおちんちんの余り皮、……それは諭良の指でつまんでもまだ余るものを、動かして見せた。

 にちゃ……、にちゃっ……、と微かに粘っこく音が立ち、諭良が皮を努力して剥き下ろすと、既に白く泡立って濡れた皮の内側が露わになった。

「ぼく……、皮が、長いから……、さっきからもう、皮の中、ヌルヌルになってました……」

「へえぇ……」

 昴星が感心したように呟く。「おれ、すぐ外出てきちゃってパンツに鼻水つけたみてーになっちゃうのに。なんか諭良のちんこのほうがお行儀いいみたいに見えるなー」

 実際、昴星のおちんちんのお行儀は決して「いい」とは言えないだろう。

「ね、諭良兄ちゃんぜんぶ脱いで見せてよ。お兄ちゃんも諭良にいちゃんの、はだかのおっぱい見たいでしょ?」

 ぼくが頷くと、諭良はすぐに上を、セーターも下に着たシャツも一緒に脱ぎ捨てた。

 溜め息を付きたくなるくらい、美しく整った少年の裸身が晒される。細身で、「完璧」と言っていいほどの立ち姿にあって、おちんちんの皮の余り方がやはり目立つ。砲身じたいは上を向いているのに、皮の先っぽはくたりと倒れているのだ。しかしそれはいっそ冷たくさえ見える諭良の身体における「愛嬌」とも言えるかもしれない。

「すごく可愛いよ、諭良。だらしないおちんちん、最高だね」

 ぼくの唇から溜息とともに零れた感嘆の言葉がその身を舐めたように、諭良が震える。同時にそのおちんちんがビクンと強張る。

「もー、お兄ちゃん、ぼくたちみんな『最高』なんだよ?」

 流斗がぼくの頬にキスをして、謝る間もなく服を脱ぎ出す。諭良ほどではないにせよ白い肌を晒して、水色のブリーフも脱ぎ捨てると、諭良の隣に立つ。

 流斗のおちんちんも勃起していた。

「えへへ、諭良兄ちゃん見てたらおっきくなっちゃった」

 笑って、指を当てて弾いて見せる。

 自分が一番可愛いと思う美少年が二人。「最高」が二人という矛盾を、ぼくの視界はあっさりと容認する。年齢を考えれば長身な諭良と比べると幼さが一層際立って、そのおちんちんの小ささもまた、とんでもなく愛らしい。

「ああ、そうだね。流斗もすっごく可愛い」

 ぼくの隣で、「おれ、入ってもジャマになんない?」と昴星が訊く。その唇に、たまにはぼくからキスをして、「もちろん」とぼくが応えると、昴星もセーターとシャツをまるごと脱いでブリーフを脱ぎつつ靴下を足で脱ぐという器用な技を披露しつつ、才斗の隣に立った。

「うん、やっぱり三人とも、本当に最高だよ」

 昴星のおちんちんは、やっぱり丸っこい、そして諭良と比べればずっと短く、多分流斗が昴星の歳になったときには大きさでもあっさり抜かれるはずだと思う。ふっくらと曲線的な身体は中性的でさえあり、二人の男の子に女の子が一人混じったようだ。しかしそのお腹の下には、丸くサイズ的にはほとんど膨張していないとはいえ、それでもちゃんと上を向いたおちんちんが性を主張している。

「やっぱ諭良足なげーな。ちんこの位置ぜんぜん違うや」

「そう、かな……?」

「うん。でもってちんこの長さもさ。おまえのは皮余ってるせいかもしんねーけど、おれのこんなだし……」

 ぼくは慌ててカメラをスタンバイする。大好きな三人、そして三人ともぼくの「恋人」である少年たちが一堂に会して見せてくれる裸身を記憶だけに終わらせてしまうのはもったいなすぎる。豪華共演、という言葉がぼくの頭には浮かんだ。

「あ」

 ぼくの構えたカメラに流斗が気付いた。「お兄ちゃんのえっち。ぼくたちのおちんちん撮りたいんだって」

 ああ、撮りたいさ。いっぱい撮って、あとでゆっくり見る。そしてさしあたり今はその感触と脈動、臭いと味、飽きるまで……、もちろん飽きることなんてないから永遠に愉しみたいさ。

「このままで、撮りますか……?」

 もう射精してしまいたいに違いないはずの諭良が紅い顔で訊く。

「ぼく、……オシッコするところ、撮ってもらいたいです。お兄さんに会うからって、オシッコためて来ました」

「おれも。流もそうだよな?」

「うん! 脱いだばっかりだけどパンツはいて、みんなでオシッコしよ」

 オシッコするためにパンツを穿く、という常識が通用する世界はそう多くない。しかしこの部屋は、この世界は、三人が自由にしていい場所だ。

 ぼくはガスのスイッチを入れ、三人はブリーフを穿く。昴星がカバンから取り出したのは、三枚の白いブリーフ、もちろん、サイズもバラバラで、それぞれの身体にジャストフィットする。

「白いののほうがさ、濡れるのわかりやすいし、かわいたときも黄色いのが綺麗に見えるだろ?」

 オシッコの汚れの黄ばみ、確かに昴星の言う通り、綺麗なものだ。昴星が二人を空の浴槽の中に招く。

「そこでするの?」

「うん、三人でな、おにーさんのこと、おにーさんの大好きなので気持ちよくするって決めてたんだ!」

 昴星の手には、満タンのローションボトルが握られている。どういうことだろうかとぼくが考えているうちに、流斗が浴槽に栓をする。ともかくカメラを向けると、さっきと同様、真ん中に諭良、右に昴星、左に流斗という美少年三人アングルで、ぼくに向き直る。

「ぼく、もうしていい……?」

 諭良は勃起したままの股間をキュッと握って落ち着きなく左右の二人に訊く。

「出そう?」

「っつーか、おれも漏れそう! 流は?」

「えへへ……、いつでも出せちゃうよ」

 諭良の両手を、それぞれ昴星と流斗がぎゅっと握る。三人の間に行き交う愛情が、異常性癖であぶり出されるのだ。バラバラだった三人が一つの行為を共有することで結ばれる……、文句なしに美しいと、ぼくは信じる。

「いくよ? いーい?」

「ん、……早くっ……」

「したら、いっせぇの、……せっ」

 三枚のブリーフ。フライング気味に前を濡らし始めたのは諭良だ。それを追うように昴星も流斗も、勢い良く放尿する。三つのせせらぎの音が重なり合って、浴室の中を臭いと共に満たして行く……。三人ともガマンしていたんだろう、色も鮮やかに濃ければ、臭いだって。

「うわー……、すっげー、オシッコすっげー、あついくらい……」

「ん……、きもちぃね……」

 まだ言葉を交わし合う余裕のある昴星たちに比べて、諭良は強い解放感に陶然となっている。

「諭良兄ちゃん、すっごいきもちよさそう」

「ほんとだ。諭良はほんとに恥ずかしいの大好きだなー」

 まず、流斗が放尿を終える。それから昴星も。諭良が最後までオシッコをし続けていた。よっぽどガマンしていたんだろう、し終わった後の震えに「んはぁあん……!」って、淫らな声さえ混じった。

 三人分のオシッコが混じり合って、浴槽の底には黄色い水溜りが出来上がる。

「したら、おにーさんも脱いでこっち来いよ。おれら三人でさ、おにーさんにお礼するから」

 お礼。

「お礼。おれらが気持ちよくなんのしてくれるし、おれらが仲良くなんのも応援してくれたからさ」

 三脚とタオルを持って来て、服を脱ぐ。恥ずかしがる必要もないが、臭いの満ちた浴室に入るときには胸がキュンキュンとして、激しく昂ぶった股間のうずきはそのまま震えとなる。それを、

「お兄ちゃんもおちんちんすっごくおっきい」

 流斗に指摘される。

「だって、三人とも、本当に可愛い……」

 言い訳しつつ、少年三人でも結構窮屈な印象の浴槽の縁を跨ぐ。黄色い「温水」の中に踏み入った途端、危うく滑ってバランスを崩しそうになった。

 既にオシッコの中に、ローションは混ぜられた後だ。昴星が蛇口のところに転がしたボトルはすっかり空になっている。

 三枚のブリーフは浴槽の縁に広げて並んでいた。それぞれ濃い黄ばみと尿臭、しかしぼくが恐る恐る尻を落として収まったバスタブの底から、更に強いものが湧き上がってくる。

「お兄ちゃん、ぼくたちのオシッコの中にいるんだよー」

「わ」

 全身にローションを塗り付けた流斗がぼくに身を重ねてきた。「いいにおい?」

「ああ……、うん、すっごい、ね……。なんていうか、……なんて言ったらいいかわかんないけど、すごい」

「ずりーの、流」

 黄色い臭いを纏った流斗はくすくす笑いながらぼくにキスをする。舌を絡める積極的な口付けをしながら、自分のお尻をぼくのペニスに擦り付けて、ますますぼくを煽ろうとする。

「流はまだガマンできんだからいいだろー、それより諭良はずっとガマンしてんだからさ」

「あ、そっか」

 自分の思いを奥ゆかしく抱く諭良の代わりに、昴星が言い、流斗は身体を滑らせてぼくから降りる。座り直したぼくを、恥ずかしそうに諭良が見て、……昴星に身を支えられながらぬるつく足を危なっかしくバスタブの両サイドの縁に乗せ、和式でうんちをするときの体勢、ぼくの顔面におちんちんを突き付ける。

「おにい、さん……、ぼくの、おちんちん……」

 はっ、はっ、と射精を堪え続けていまにも達しそうな諭良は涙目で喘ぐ。「ぼくの、だらしないおちんちんです……っ、もう、ガマンムリ、ですっ、お兄さんにっ、してもらいたいですっ……」

 オモラシ直後の、それでも乾き始めて独特な臭いを放つ包茎が目の前にある。ピンと背伸びするように上を向いていながら、皮が甘ったるく垂れて、そこも濡れて。

「おにーさんにさ、ちんこしゃぶってもらうの大好きなんだってさ。だからガマンしたご褒美にちんこしてやってよ」

 ぼくの目には、斜め下からの諭良の全てが見えていた。ぴんと勃ち上がったおちんちんはもちろんのこととして、竦み上がってシワシワのタマタマも、その縫い目から辿った先、ヒクヒクとわななくピンク色の穴までも。……諭良に限ったことじゃない、三人ともそうなのだけど、まだ幼く酷使されていないがゆえに、肌の他の部分とまるで変わらない色の恥部は苦しいくらいに罪深い。それでいて、ぼくがつまんであげると恥ずかしそうに鳴き声を上げるスイッチの役割を果たす乳首はほんのり紅い。

 ぼくのペニスがぐっと強張るのは昴星にも流斗にも見られていただろう。

「そう……、じゃあ」

 長く伸びた皮を捲る。三人ともそうだけど、ちゃんと根っこのほうでつまんだままでいてあげないとすぐに被ってしまう。それだけ秘匿性の高い少年の亀頭に鼻を寄せると、ツンと刺すような臭いが届く。文字通り「刺激臭」と言っていいようなもの、だけどこれを楽しめるようになったところで本当に、このショタコンという性嗜好としては完全なものであろうとぼくは思う。

「いただきます」

 そう告げて、淡いピンク色、濡れててらてらと光るそこを口に含む。

「んふぅう……!」

 途端、諭良が喘ぐ。

 皮余り包茎の内側は、僅かに酸っぱさを伴った塩気が強い。ぬるついていて滑らかだが、どこか炭酸のような刺激が伴う。今朝オネショをしたかどうかはわからないけど、ゆうべからお風呂に入っていないはずの少年が包皮の中で熟成させた結果として、その汗やオシッコの残り、そしてガマン汁が混じり合い、スパークリングワインのような舌への刺激となるのかもしれない。

 いや、違うかもしれない、わからないけど、……男の子のおちんちんは、やっぱり美味しい……、幸せな味がする……、そんなことをしみじみ考える余裕はなかった。

「うあっ、おにぃさっ、おいにさぁあンんっ!」

 ブルブルと震え声を反響させて、諭良がぼくの口の中でペニスを弾ませる。もう、ほとんど「ガマン」なんてものはなかった。どぷんという音というか衝撃をぼくは自分の口で受け止めた。

「あ、諭良兄ちゃんいっちゃった」

「ったく、早ぇなー……、まーそんだけガマンしてたってことか」

 諭良の向こう側、ぼくの足の辺りで昴星と流斗がクスクス笑う。実際、瞬間芸とまでは言わないけれどあまりにあっけない射精だった。……射精というのは「出せればいい」というものでもなくて、そこに至るまでどんなふうにどれだけ気持ちよくなれたかということも重要だと思うけれど、……はたしてぼくの舌は諭良をちゃんと幸せにすることができただろうかと、そういうことを考えてみると少々覚束ない。

 しかし諭良は、

「おにぃ、さん……」

 涙を浮かべて、微笑むのだ。

「すっごく……、すっごく幸せです……、ぼく、お兄さんのことがやっぱり、好きです……、いっぱいガマンして、お兄さんにしてもらえるの、待っててよかった……」

 うんちの格好のまま、言う。

「そっか……、ならよかった。ぼくも幸せだよ、諭良のおちんちん、おいしかった」

「ひゃんっ……」

 手を離すなりまた皮を被ってしまった茎を、そのまま吸った。精液の残滓が爽やかに香る、「美少年」という言葉が三人の中で一番安定感を持つ諭良の、おちんちんの味だ。

「もー、ぼくのおちんちんだっておいしいんだよー」

 お尻をオシッコローションの中に浸していた流斗は、諭良がぼくの手を借りてバスタブの中に収まるなり声を上げて、立ち上がる。

「ぼくのだって、昴兄ちゃんのだって、お兄ちゃんのこと好きな男の子のおちんちんはみんなお兄ちゃんにおいしいおちんちんしてるの!」

 それは素敵な事実だ。三人分のオシッコの臭いをお尻や足に纏い、しかしまだおちんちんは先ほどのオモラシが乾き始めたままの流斗がぷんと怒ったふりをしてぼくの顔面におちんちんを突き付ける。

「ね、ぼくのもおいしいよ? だからお兄ちゃんのお口でしてほしいな」

 ああ、もちろん……、と言いかけたぼくに、

「昴星も、一緒にしてあげなよ」

 バスタブの縁に腰掛けて、足先でローションに糸を引かせていた昴星に諭良が言う。

「えー……、おれの? おれのはくせーから……、おにーさんが流のちんこすんのの邪魔になっちゃ悪いし……」

「そうかな。お兄さんは昴星のことだって大好きだよ。流斗のおちんちんと、昴星のおちんちん……、小さいのと、小さくて丸っこいの、二つの味合わせたら、きっとお兄さんも嬉しいよ」

「そりゃー丸っこいけどさ……」

 オシッコの海を……、いや、海は言い過ぎか、掻き分けて昴星が壁際に立つ。流斗は縁のほう。

「ぼく、昴兄ちゃんの丸っこいおちんちん好きだよ。ぼくのよりずっとかわいいと思うな」

「そうかなー……、だったらいいんだけどさ」

「お兄ちゃんもそう思うよね?」

 同意を込めて頷き、向きを見なければ勃起していることもわからないような小ぶりのそれに指を添えて口付けをした。昴星特有のとびきり強い臭い、……座るぼくの尻や腿の下にぬるつくローションから漂う臭いでも、はっきり自己主張するのを感じる。ただそのフォルムじたいは他の二人より清楚であるとさえ言えるだろう。

「お兄ちゃん、ぼくのおちんちんにもちゅってして」

 流斗が腰を突き出す。同じように指を添えて。勃ち上がると昴星より大きくも見える流斗の包茎からは、昴星よりも大人しく優しい臭いが届く。どちらがいいということではない、どちらもいい。

「お兄さん、二人のおちんちんしてあげてください」

 手のひらに薄黄色のローションを掬い取った諭良がそれを両手ににちゃにちゃ弄びながら言う。

「ぼくのと同じように、……ううん、ぼくのよりももっと、気持ち良くしてあげてください。ぼくからのお願いです」

 諭良は昴星のことも流斗のことも、心底から大好きになっているのだ。

 もちろん、諭良はぼくのことも好きでいてくれる。だから、

「昴星、流斗、お兄さんのこと二人のおちんちんでいっぱい気持ち良くしてあげてね?」

 ローションでヌルヌルの手のひらを、ぼくのペニスに当てがう。振り返ってそれを確かめた昴星と流斗は顔を見合わせて、微笑んでぼくの顔におちんちんを突き出した。

「そっか、おにーさんおれらのちんこもオシッコも大好きだもんなー。おれらのちんこしながら諭良にシコシコされたらすっげー幸せだよな」

「うん、……いっつもお兄ちゃんと二人のときにおちんちんしてもらいながらお口でするのも楽しいけど、こういうのもいいね、……ね、昴兄ちゃんオシッコでる?」

「おう。おにーさん口開けて」

「え、あ」

 ぼくが慌てて口を開けるとほとんど同時に二本のおちんちんは噴水となる。ぼくの口どころか鼻に入りそうなぐらい勢いがいい。先ほどより色の少し薄くなったオシッコが二倍量、口の中は爽やかな塩味にあっというまに満たされて、飲み込み切れない。

「ひひ、すっげー、二人でおにーさんの口にオシッコしてんの……」

「ぼくたちのオシッコいっぱいのんだら、お兄ちゃんもきっといっぱいオシッコしてくれるよ……、ね?」

 まだ放尿の途中なのに、二人揃っておちんちんをぼくの口に突っ込もうとする。フレッシュな尿の味の向こう側から、興奮し切った少年二人の性の味がじんわりと届く。その味を堪能しつつ、ゆったりと感想を抱く余裕もないのは、諭良が両手を使ってぼくのペニスを扱き始めたからだ。

「ふふ……、お兄さんのおちんちん、すっごく嬉しそうにビクビクしてます……」

 上手だ……。右手は茎を素早く扱きながら、左手は陰嚢を包み込むように撫ぜる。かと思ったら扱く手を左手に替え、右手の指の股を使って亀頭をいじめてくる。

「昴星と、流斗と、ぼくの……、オシッコでおちんちん、すごく気持ち良くなってるんですね……。嬉しいです……、お兄さんの幸せのお役に立てるの、すごく嬉しいです……」

 いや、っていうか一番には君の手が……。

 しかし、どうだろうか。

「あはぁっ……、すごぉい、お兄ちゃんのお口と昴兄ちゃんのおちんちんとっ、ちゅーしてるのっ、すっごいえっち……!」

「んっ、これ……っ、きもちぃ……!」

 淫らな声を上げて快感を訴えるだけでは飽き足らず、頭上からは少年二人のキスの音も響いて来る。ぼくで幸せを味わう二人もまた、ぼくを悦びへと導くのだ……。

「昴星、流斗、お兄さんのおちんちん、二人ですごく熱くなってるよ……、ぼくたちのオシッコローションよりもえっちなおつゆ、いっぱい、とろとろ……」

 諭良は焦らすように先端を避け、丹念に裏筋を刺激する。二人が射精するのを待っているに違いなかった。

 舌の上の二人のおちんちんの先っぽからは、潮の味が滲み出ている。ぼくの反応を諭良の声で知り、揃ってきゅうっと硬さを増した。

「ちんこっ、も、もうっ、おれ出そう……ッ、ちんこっ、ちんこいくっ、ちんこぉ……」

 切なげに昴星が白状し、

「ぼくもぉ……、せーしでるよぉ……っ」

 いつも強気にリードする流斗も震える。

「じゃあ、三人一緒に、ね……?」

 諭良の手がぼくを擦り、何かが亀頭に当てられる。ぴちゃぴちゃという音で、それが何であるかぼくは悟った……、オシッコだ。ぼくの先端に諭良がオシッコを引っ掛けている。

 その温かい刺激と共に激しく茎を擦り上げられると同時に、口の中の二本の幼茎が弾む。

「ちんこ! ちんこいっ、でてるっせーしっ……ちんこのっ……!」

「んっ、きゅっ……ふぁあン……!」

 それを確かに受け止めながら、諭良のオシッコを浴びるぼくのペニスも限界を迎えた。

「あ……っ、すごいっ、すごいすごい、お兄さんの精液っ……」

 それがぼくの身体に落ちることはなかった。昴星と流斗が身体を引くと、諭良が顔に胸にそれを浴びながら、ぼくの陰嚢に相変わらずオシッコを浴びせ続けているところが見えた。

「すっごぉい……」

 流斗が感動のこもった呟きを漏らす。ぼくも二人分の精液を飲み込んで、思わず溜め息を吐いていた。諭良の顔はベタベタに汚れているのだが、それがかえって少年の美しさを倍増させている。……顔射の良さは判っているつもりだったけど、……すごい。

「みんなで分けよう?」

 諭良が言い、射精の余韻を楽しんでいた昴星も頷く。美少年の顔を身体を美味しそうに舐めている美少年二人。なんだろう、「祭」という単語がぼくの脳裏に浮かんだ。

「お兄さんの精液、おいしいね」

 顔を綺麗にしてもらった諭良が微笑む。それから昴星の頬っぺたにキスをして、

「昴星って、いくときいっつもおちんちんたくさん言うね」

 とからかうように言う。流斗も、

「うん、『ちんこちんこ』って言うの、昴兄ちゃんすごく可愛い」

 昴星にキスをして言う。

「……んーなに言ってねーよ……、たぶん……」

 いや、言っているんだ。さっきだって、何回言ったか……。可愛いからいいんだ、すごく。

「えーと……」

 三人のオシッコまみれの身体を支え、座り直す。ぼくと昴星と流斗、射精をした三人はひとまず落ち着いたけれど、諭良はまた激しく熱を訴えている。

「次は……、どうしよう?」

 ぼくを「幸せ」にしてくれる三人に訊くのは、何と無く間抜けな気がする。しかし、「してくれる」と言うなら三人に任せてしまったほうがいいとも思う。

「お兄ちゃんは、どうしたいの?」

 流斗に訊かれるが、……正直何とも言葉が出てこない。いや、それは到達直後のいわゆる「賢者タイム」だから、というのではなくて、本当に、三人がぼくなんかのことを好きでいてくれるというそれだけで、何だか満ち足りすぎているような気がしてしまうからだ。

「おにーさんのして欲しいことなんでもさしてあげんのに」

「いや……、まあ……、いつもして欲しいことさせてもらってると思うし……」

「でもそれは、ぼくたちがお兄さんにして欲しいことをいっぱいしてもらっているってことでもあると思います」

 うーん……。

 ……すっぽんぽんの三人がいる、三者三様に可愛らしいおちんちんをいつでも触ることが出来る、そしてぼくは三人分のオシッコに浸かっている……。

 それだけでぼくは勃起が収まらないし、……まあ、もっと、何度でも、気持ちよくなりたい、という気持ちがあることもまた、認める。

 だから、……そう、強いて言うなら、

「じゃあ……、お尻……、に……、えー、挿れ、てもいい……?」

 ということになるだろうか。ぼくの告白に、昴星がにぃいと笑った。

「じゃー、三人で順番におにーさんと繋がろうぜ! いっしょにうんこするとこも見てもらってさ、……どういう順番がいいかな?」

「流斗は最後がいいんじゃないかな」

 諭良の言葉に、「どうして?」と流斗が首を傾げる。

「その……、流斗はぼくたちの中で、いちばんお尻が小さいから。だんだんキツくなっていった方が、お兄さんのおちんちんも嬉しいんじゃないかなって」

 少し考えて、「そっか、そうだね」と納得したように流斗が頷いて、

「よいしょ」

 と洗い場の椅子の洗面器を引っ張り寄せる。

「おちんちん入るなら、お尻の中きれいにしなきゃ。諭良兄ちゃんと昴兄ちゃんでいっしょにうんちするとこ、お兄ちゃんも見たいよね?」

「いっしょに……、て」

「さっきの諭良兄ちゃんみたいにお風呂にまたがって、前と後ろに二人で並べばいっしょにできるよ」

 それはかなりアクロバティックな感じではなかろうか。昴星と諭良、顔を見合わせて、……揃ってぼくの顔を見た。

「おにーさん、おれらのいっしょにうんこするとこ見たい?」

「お兄さんが見たいなら、ぼくたち、しますけど……」

 複数の男の子が一緒に洗面器の中に排便しようとしたなら、……そもそもそんなケースがこの世に存在するかどうかは置いといて、向かい合わせか背中合わせかになって、立ってやるか、……あとはまあ、いま流斗が言ったようなやり方しかないようには思う。

「……出来るなら」

 そんなシーンを「見たい」と望むのが凄まじい変態だと思う。けれど少年たちのそういう姿を見たいと思う。ぼくは要するに、凄まじい変態であることを自覚して、それでも日々、真面目に生きている。

「じゃー……、する?」

「うん……、お尻くっつけてした方がいいのかな」

「向かい合ってしても入るよ。洗面器おっきいもん」

 諭良と昴星は結局、流斗の言うままに向かい合って浴槽の縁をまたいで腰を低く落とす。ぼくは一旦浴槽の外に出て、流斗はまだ中、洗面器を二人の肛門の下で支えている。目視した限りでは、……二人がきちんと真下に落としてくれれば、浴槽の中に二人分のものを落とすことは問題なく出来そうである。

「このまんまですると……、オシッコ諭良にかかっちゃうけど……」

「ぼくはいいけど……、昴星は……」

「おれも、別にいまさらそんなの気にしねーよ」

 二人は仲良しだ。

 三脚に委ねていたカメラを手持ちに変えて、斜め上からの俯瞰。膝同士が触れ合うほど目一杯凛と勃起した幼げな性器は震えて、その先端さえ重なり合いそうだ。しかしこうして見るとやっぱり、諭良の方が足が長い。

「あ……」

 諭良のお尻から、控えめなガスの音が届いた。諭良は恥ずかしそうに頬を赤らめて、

「ぼくの……、もう出ます……」

 告白する。

「ん……、おれも……」

 ふしゃあああ、と高らかな音を立てて、昴星の短茎から一気にオシッコが迸った。もちろんそれは諭良の身体めがけて放たれる噴水、お腹や胸ばかりではない、顔にまで至る放物線だ。

「昴星の……、オシッコ……」

 呼応するように諭良のおちんちんからもオシッコが噴き出した。

 二人とも、自分が目の前の親友にオシッコを浴びせているという事態を飲み込み切れていないようにぽかんと口を開けている。見下ろすぼくは互いの温水で身体を温め合う二人の姿が、普段より幼くなったように見えて、たまらなく愛らしい。

「昴星、諭良のオシッコおいしい?」

 ぼくの問いにはっとして、ペロリと舐めて、それだけでは足らずに飲み込む。

「ん……、諭良のオシッコ、超おいしー……。諭良は? おれのオシッコ、どう?」

「うん……、おいしいよ……、昴星のオシッコ、味濃くって、すっごくおいしい……」

 ひひ、と昴星が笑う。諭良も微笑む。

「昴星のオシッコ大好き……」

 オシッコは終わった。諭良が昴星を片手で抱き寄せて、キスをする。昴星は嬉しそうに、自分のオシッコの味になった諭良の唇へ、諭良自身の味を伝える。飛沫の音が止んで、しばらく二人が舌を絡め合う、そのものが既にいとおしいような音が浴室に響いた。

「……昴星……、ぼく、もう……、うんち出そう……」

 諭良が遠慮がちに告白する。

「ん……、おれも、出すから……、おにーさんにさ、見ててもらお……」

 昴星はまだ少しの余裕があったのかもしれない……、そう思ったのは、昴星の眉間にぎゅっと皺が寄ったから。

「んぅ……ッ」

 太ももをわななかせつつ、昴星がいきむ。

 それでも、先に肛門を膨らませて物体を放出させたのは諭良の方だ。

「あ……はぁ……あぁ……出てる……っ、お兄さんに……っ、ウンチしてるとこ、見られてるっ……」

 スマートな身体に美しい顔を思えば、こんな風に臭いものを産み出すなんてまるで嘘みたい。だけど間違いなく諭良は自分の肛門から比較的柔らかく太く、黄土色の健康的な塊を流斗の差し出す洗面器の中へ次々落として行く。

「んぅっ……、おれもっ……、出てきたぁ……!」

 ヌチヌチと肛門を拡張させながら、昴星も排便をスタートさせていた。諭良に比べてずっと硬く色も黒茶色をしたそれを、ゆっくり、ゆっくり、身体から押し出して行く。「尻尾」という表現が何よりしっくりくるような、太くて立派なものは黒光りを帯びて強烈な臭いを放ちながら昴星のお尻の下、長く垂れ下がった。流斗はそれを器用に洗面器の中へ収めていた。

「はぁン……」

「んっ、な、ゆ、諭良っ、……くぅ……っ……うんこ、っ、すんの、きもちぃ、な……?」

「ん……っ、うんち……、おにぃさんのおちんちんみたいっ……」

 二人とも、自分の排泄行動そのものに興奮し切っている。その一方で、自分の目の前、……姿形は違うにしても、鏡のように同じ嗜好と快感を表現する相手にも、激しく欲情しあっている。

 諭良の細くて先の柔らかいおちんちんと、昴星の短いおちんちん、先っぽを無意識のうちにこすりつけ合いながら、いつしか二人がキスに熱中するのも当然の流れと言えただろう。

 美少年二人の愛し合うさまをこんな風に間近で見られるって、本当に、本当に幸せなこと。

「こ、うせっ、こうせえっ、好きだよ、だいしゅきっ」

 諭良が涙を浮かべながら言えば、昴星はもう言葉もなく、時計の短針と長針のように対照的なおちんちんを擦り付け、二本の包皮の間を淫らさの証明とも言える糸で結ぶ。

 ぽとん、ころん、流斗の構える洗面器の中へ、二人の産み出した塊が落下した。それは二人の括約筋がぎゅっと引き締まった証だ。

 ほとんど互いの声を飲み込み合うようにしながら、昴星と諭良は相手のペニスへと精液を零し合う。

 オシッコもうんちも精液も同じように放った二人は、ぼくですら想像出来ないほどの大きな快感に包まれているみたいだった。ずっと屈んでいた流斗が立ち上がり浴槽から出て、

「たくさん」

 と洗面器をぼくに見せて笑う。

「本当だ。……二人とも可愛い顔して臭いのこんなに隠してたんだね」

 諭良も、昴星も、まだ強過ぎる余韻の中にいる。どうにか互いの身体を支え合いながら、昴星はタイルの上にお尻を落とし、諭良は恥ずかしそうに浴槽の縁に座る。

「こっちの長いのが昴兄ちゃんで、こっちのコロコロしてるのが諭良兄ちゃんのだよ」

「そ、そんな説明しなくてもいいよ……」

 一旦、熱が下がったように羞恥心が蘇るのだろう。クスクス笑う流斗は洗面器を下ろすと、それをひょいと跨ぐ。腰掛けに座ったぼくに、もちろん勃起しているおちんちんを突き出しかけて、くるりと背を向け、自分でお尻を掴み、アナルを左右に割り開いて見せた。

「お兄ちゃん、お尻の穴見える?」

 くすみのほとんどないピンク色の窪み、短いシワを集める場所が横に広げられ、僅かに口を開けている。

「出るの?」

 とぼくが問えば、「うん、ぼくも昴兄ちゃんみたいなの、出ると思う」と予言して、僅かに太もものあたり、力を籠める。

 ふーっ、と細く息を吐き出した流斗の肛門がにわかに膨らんだ。ぼくの目には、口を開けた流斗の暗闇の奥の塊を見ることが出来る。昴星も諭良も、ぼくの両サイドに座って、いっしょになって観察を始めた。

「うんこ見えた」

 昴星が呟き、「うん、……お尻の中、丸見えだね」諭良も頷く。一度焦らすようにそれが見えなくなったかと思った次の瞬間には、

「あっ、出てきた、流斗の、うんち……」

 ぼくの指三本を束ねたよりももっと太い塊が顔を覗かせていた。

「すげー……、流のうんこ、すげー太いや……、ゴツゴツしてて、かたそうだし……」

「えへへ……」

 肩越し振り返って、流斗は紅い顔を綻ばせる。

「だって、かたくて、ふといのしたら、お兄ちゃんのおちんちん楽に入るし、お尻もやらかくなってお兄ちゃんのこときもちよくしてあげられるもん……」

 言葉と一緒に、噴水が吹き上がる音がする。流斗のオシッコはそのまま浴槽の中に注がれて行くようだ。しかし、昴星が身を乗り出して、「ひゃん!」流斗を一つ鳴かせた。口を膨らませたままこちらへ戻ってきて、ぼくに唇を重ねる。少しの量が、ぼくへと齎された。そして残りは、ぼくのペニスへと零される。

「諭良、流のオシッコ、おいしかったぞ」

 そのまま、ぼくの煮えたぎるペニスを握って振って見せる。諭良は嬉しそうにぼくのそれへとしゃぶりつき、昴星もすぐにそこへ顔を近づけたところで、

「流、まだ出るだろ?」

「弟」に尋ねる。

「ん、いっぱい」

「じゃー、おにーさんにいっぱい見せてあげろよな。おにーさんおまえのうんこみて、すっげー興奮してる」

「ほんと……? えへへ、うれしいな……」

 流斗の硬いうんちは尻尾のように長くお尻の穴から垂れ下がる。硬いものを押し出そうとしているからか、そのスピードはとても緩やかだ。いっぱいに広がったお尻の穴はいじらしささえぼくに抱かせる。昴星と諭良はぼくの観察の楽しみに、射精へと追い込まない程度の優しい快感を与えつつ、流斗のオシッコとぼくのペニスの味を楽しんでいた。

「ん……、うんち、切れちゃうかも……」

 浴槽の縁に手をかけて膝を曲げる。お尻で、淫らにさえ見える円運動を描き、既に二人分のものが入った洗面器へそろそろと自分のものを加えて横たえて行く。昴星のもの、諭良のもの、二人分の上に載せる形で落とされたそれは、どう見ても一番「立派」なもの。

「流斗のが、一番大きいね。つやつやしてるし、硬いし」

「そうだなー……。そういうとこ流はすっげーよなー」

「兄」二人に褒められて、流斗はまた立ち上がってお尻を突き出す。

「もっと出るよー……?」

 ほんのりと赤らんでいた肛門がまた膨れて、中から「第二便」が顔を覗かせる。同じように太く硬いし、それだけに見るぼくらに興奮を催させ、流斗自身はそこに痺れるような快感を覚える。たかが排泄行為と一口に言うのは簡単だけど、これほど多様な価値がある。

「すっげーなー……、流斗、まじですげー……」

 ぼくのペニスからもう顔を上げて流斗のお尻に見惚れている昴星が右手で自分のおちんちんを弄り始めている。それに気付いた諭良も、同じく流斗の淫らすぎる排便姿を前に性欲を抑えきれなくなったように、おちんちんを扱き始めた。

「流斗。二人とも流斗のうんちするところ見て、オナニーしてるよ」

 ぼくが告げると、「えへへ」と笑ってぶら下げた「しっぽ」を少し揺らして見せる。「いいよぉ、ぼくのお尻にせーしいっぱいかけて。でも、お兄ちゃんはまだしちゃダメだよ? ぼくの中でおちんちんビクビクさせてくれなきゃダメなんだからね?」

 おあずけを言い渡されてしまった、仕方ない。ぼくは自分の前でオナニーに夢中になった二人をよそに、じっと我慢することにしよう。

「あは、諭良兄ちゃん、おちんちんすっごいあついの……」

 諭良は自分の先端を流斗の右のお尻に擦り付けながらオナニーをし、昴星はかがんだまま流斗のうんちに顔を寄せ、香ばしささえ漂わせるようなその鉄管を間近にして右手で激しく自分を虐めている。

 その昴星が、「う、あっ、出るっ出る出るっせーしっ」泣き声を上げて慌てて立ち上がり、流斗の左のお尻へと射精した。それによって便臭のみならず、幼い少年の精液の青い臭いも加わった。昴星が射精したことに気持ちが切れたのか、諭良も同じように流斗の右臀部へ余り皮の隙間から精液を漏らし、柔らかなその皮を筆の穂先のようにして、とろとろを塗りつけて行く。

「あはっ……、ぼくのお尻、せーしでべとべと……、っんん……」

 お尻をまた少し低くして、「しっぽ」を括約筋の力でちょん切る。そしてぱっくりと口を開けたままの肛門をぼくに改めて見せつけて、振り返る。

「ぼくのお尻、準備おっけーだよ。お兄ちゃんのおちんちん、ちょうだい?」

 わざとだろうが無意識だろうが、艶っぽく光る穴がヒクつく様子にぼくは魅了される。昴星が用意してくれたコンドームを、諭良がぼくに被せる。異常な快楽とそれに伴う幸福だけが価値を持つこの空間で、王様になったみたいに扱われている。

「じゃあ……、挿れるよ、流斗の……、お尻に」

 洗面器を横に除けて立ち上がり、……後ろから肌を重ねようとすることで余計に小ささを感じさせる少年に此方を向かせた。ぼくは背中を丸めて、その上で流斗も背伸びをし、キスをする。どんな風にしたらいい? とぼくが尋ねるよりも先に、

「だっこ……」

 今日これまで少しも揺れることのなかった流斗の声が始めて、年相応の幼いばかりのものとなった。

 リクエストの通りに「だっこ」して、腰掛けに座り太ももの上、キスを繰り返しながら流斗の腰を支え、流斗はその手でぼくの肉茎を自らの穴に導き、……つながる。

「っくん……っ、ん、はぁ……あぁン……」

 流斗の声は既に満ち足りているものだ。平気? とぼくが訊くことは出来なかった。流斗は深々とぼくの唇を奪い、腕足、そしてお尻の穴と、力を総動員してぼくを束縛する。それらは、ぼくとこうして結びつくことでこの子の思いが達される喜びの果てのもの。

 昴星も諭良も、こんな清純な流斗を見たことはなかったのだろう。……いや、昴星の知る、「昔の、ほんとにおりこうさんだった流斗」っていうのは、ひょっとしたらこうだったのかもしれないけれど。二人とも、声をなくして結びつくぼくらを見ていた。

「お兄ちゃん、好き? ぼくのおまんこきもちいい? ぼくね、ぼく、お兄ちゃんのおちんちんで、おまんこすっごいきもちいいよ……!」

 つまり、……流斗って子は、こうなんだ。

 ときどき怖いくらい、……それこそ、昴星と諭良どころかぼくよりも年上なんじゃないのかって思うぐらい年齢不相応な明晰な知能を発揮する、ちょっと「えっ」って思うぐらい怖いことも、必要だと思ったならしてしまう。

 だけど、当の本人はいつでも全くの自然体なのだ。「幸せ」というものにとても素直に向き合い、また自分と一緒に幸せになれる人、自分が幸せに出来る人を、心の底から愛している。そのつぶらな瞳の見据えるものがとても崇高であるがゆえに、時折恐ろしささえまとってしまうのだけど、本質は……、透明、純真無垢、今ならばぼくと結ばれ合うことを至上の喜びと考えて、甘い蜜の中にいる。

 だから、

「ぼくも、すごく気持ちいいし、幸せだよ。流斗のこと、大好き」

 ぼくが正直に答えると、本当に嬉しそうに、目に涙さえ浮かべる。それはどこまでも素直な流斗の感情の発露だ。

「ぼくの……、おまんこで、おちんちんきもちよくなってね? おまんこで、おちんちんビクビクさせてね……?」

 もう一度キス、ぼくはそのまま精液でべとべとの小さなお尻を両手で掴み、天使のような少年の願いを叶えてあげるために、揺さぶり始めた。

「ふあっ、あっ……おまんこっ、おまんこすごぉい……!」

 ぼくのペニスもすごい。流斗の狭い胎内は、まるで意志を持つようにぼくの肉茎を薄いゴム膜越しに抱きしめ、その複雑な凹凸を余すことなくカバーして絡みついてくる。ぼくの腹部で流斗の可愛らしいおちんちんは既に蜜を零し、愛らしく柔らかな包皮の縁を艶かしく濡らして光らせている。

 ぼくが我慢していたことは流斗だって先刻承知だろうし、二人の「兄」の精液を浴びた上に一番求めていたものを身体に受け入れた状態でこれ以上耐えることは幼い流斗にも難しかろう。

「流斗……」

 ぼくが声を震わせると、こくこく頷いて、

「お兄ちゃんのっ、お兄ちゃんのおちんちんのビクビクちょうだいっ、おまんこっ、ぼくのっおまんこちょうだいっ」

 遠慮のかけらもなく声を散らかし始める。その声の愛らしさ、重なる肌の温度、そしてペニスに齎される肛門の圧力、全部がぼくの幸せを、どんどん膨らませて行く。

「おまんこっ、おまんこいくっおまんこいっちゃうよぉ! おまんこぉ……っ」

 腕の中の身体に走る電流は、ぼくが走らせたぼく由来のもの。それが流斗の身体の中でぼくと繋がる部分へ押し寄せ、きつくきつくぼくを締め上げた時、ぼくの身体へと戻ってくる。

 そんな、幸福のサイクル。ぼくが射精したことにより、

「ふあっ、あっ、おちんちんっお兄ちゃんのおちんちんっおちんちんビクビクしてるよぉ……おちんちん……っ」

 流斗の身体をもう一週する。

 ぼくたちは少しの間、すぐそばに昴星と諭良のいることを忘れてしまっていたかもしれない。長い長いキスをして、流斗が微笑んでもう一度ほっぺたに唇を当ててくれる。

「昴兄ちゃんみたくなってた?」

「……ん?」

「あのね、お兄ちゃん、ぼくがいっぱい『おまんこ』って言ったらうれしいかなって……。でも昴兄ちゃんみたいにじょうずにたくさん言えなかったかも……」

「お、おれだって別にそんなたくさん言ってねー、と思う……」

 昴星は恥ずかしそうだ。諭良はくすぐったそうに微笑んでいる。

 流斗がぼくの腿から立ち上がった。ようやく本懐を遂げられたペニスの先端、「わぁ……」と諭良が思わず見惚れるような量が封じ込められている。流斗はにっこり微笑んで、

「お兄ちゃんのおちんちん、ぼくのおまんこできもちよくなってくれたのわかって、すごくうれしかったよ。ありがとう」

 って、いやぼくの方こそ言わなきゃいけないお礼を言う。ぼくは紅くなりながらゴムを外して、幸せなため息を一つ。

「続けてすぐには、出来ないですよね……?」

 おちんちんに上を向かせた諭良がもじもじと言う。昴星は、もとより諭良に譲るつもりでいるのだろう。浴槽の縁にお尻を乗せて落ち着いている。

「諭良兄ちゃんね、ゆうべ、お兄ちゃんにいじめて欲しいって言ってたよ」

 流斗が教えてくれる。「お兄ちゃんの優しいのも大好きだけど、いじわるされるとすっごいドキドキするんだって」

「諭良はヘンタイだからなー」

 ひひひと笑う昴星の言葉にも、その場所を嬲られたような気になるのかチンピクを催す。

 ……ぼくの自覚としては、あんまり意地悪をするのは得意ではない、と思ってはいる。

 けれど、そうされることで諭良が嬉しいと言うならばそうしてあげるべきとも思うわけで、……まぁ、流斗の中に出した直後でもあるし、何とかやってみよう。

「じゃあ……、そうだな。流斗と昴星は、いまオシッコ出来る?」

「ぼく出来るー」

 流斗が手を上げた。昴星も「一応、出せると思うよ」と言う。

「さっき諭良は臭いウンチいっぱい出してたよね。……正直に言って、臭いという意味ではね、珍しく昴星より諭良の方が臭かった」

「……おれいっつもそんなくさい?」

 昴星は少しの不平を挟み込んだ。まぁ、うん。

「でも、臭いの出すところ見られるの、諭良にとってはすごく興奮することなんだよね? 実際さ、諭良は見られたがりの変態だから。……座って」

 頬を赤らめた諭良は、細い身体の中央で皮の派手に余ったおちんちんを震わせながら浴槽に背を委ねる形で座る。足を広げてとぼくが求めると、素直に足を広げた。

 ぼくはその足の間に三人分の便の盛られた洗面器を置く。

「この臭いの、ほとんどが諭良のウンチだよ。……でもって、諭良は自分がもっと臭くて汚い、恥ずかしい生き物になっちゃったらどうだろう?」

「え……?」

 諭良は、ぼくの言葉を飲み込めないでいるような表情を浮かべる。

 だけど、流斗は理解していた。

「ぼくと昴兄ちゃんのオシッコで、もっと臭くしちゃったら、諭良兄ちゃんもっとうれしいよね。……諭良兄ちゃんのウンチほど臭くないかもしれないけど」

 昴星は「あー……」と納得したように自分の左足の隣にしどけなく座る諭良を見下ろす。

「なんかさー、うんこといっしょに並んでるとこに諭良が座ってて、そこにオシッコすんのって、諭良のことトイレにしてるみてーだなー」

「諭良、前に由利香のトイレになったことあったよね」

「ゆりねえちゃん? ってことは、去年にゆりねえちゃんが来たときのこと?」

 うん。あのときはまだ、三人ともぼくが関係していることは内緒だったけれど、今はもう、ぼくらの中に秘密はいらない。

「諭良、女子にいじめられんの好きだなー」

 その日のことを思い出したのか、諭良はまたおちんちんを震わせる。由利香の「奴隷」という、このマゾヒスト少年には最高に素敵な立場に置かれ、由利香の「おトイレ」としてオシッコとウンチを身体に受け止めることとなったときのこと。

 昴星はおちんちんを構えて、

「……っと、そうだ」

 思い出したようにやめる。「諭良さー、便器がオシッコしちゃダメだよなー」

 昴星は優しい子だけど、意地悪なところもある。そういう意味では三人の中で一番子供っぽいと言うことも出来るだろう。

 もう半分ほどにまで減ったローションのボトルを手に、「うつ伏せになってさ、お尻こっちに向けろよ」と命じる。

「なに……? なにするの……?」

 僅かに恐れながらもきっちりと命令に従った諭良は期待を隠せない。昴星はタイルの上でお尻だけ高く上げた諭良のその部分に、ひっくり返したローションのボトルの先を、そのままぶすりと突き刺した。

「ひぎゅっ……!」

「こぼさねーよーにしとけよー、オシッコしたら穴ゆるんじゃうんだからなー?」

 粘液は、ゆっくりと、少しずつ、……それでも確実に、諭良の胎内へと流れ込んで行く。

「あ、あっ、やぁっ、昴星っ昴星ぼくっ、お尻っ……!」

「ひひ、すっげー嬉しそう」

 うん、その声は、ぼくにもそう聴こえる。

「ほら、元の通りになれよ、うんこ漏らすなよ? オシッコしたら出て来ちゃうからなー?」

 諭良はヒクヒク震えながら、どうにかこうにか、元通り足の間に洗面器を置き、「便器」となる。先ほどまでより更に勢い付いたおちんちんから視線で辿り、お尻の穴は一生懸命に引き締めているはず、だけどかすかに、泡の溢れるような音が聴こえて来た。

「なーおにーさん、おれと流で諭良のことトイレにしていい? 流もオシッコしたいよな?」

「うん、したい!」

 流斗はぴょんと跳ねて、落ち着きを取り戻したおちんちんを摘まんで洗面器を跨ぐ。

「えへへ……、諭良兄ちゃん、きれいなおトイレだね」

 言いながら、下半身の力を緩め、ちろちろと音を立ててオシッコを諭良のお腹から胸にかけて零して行く。歳下の少年の排泄水を浴びるという、……通常の感覚ならば悦びとなるはずのない状況なのに、「流斗の……、オシッコ……」身体をわななかせる諭良の顔には、恍惚の表情が浮かんでいる。

「諭良、嬉しそうだね?」

 ぼくの問いに、こくこく、微笑みを浮かべて頷く。

「諭良兄ちゃん、ぼくのオシッコがうれしいんだ? じゃあ、もっといっぱいあげなきゃね」

 くい、とおちんちんの角度を上げる。放物線が高まり、

「あぶっ……ンっ、ぶ、はぁ、あ」

 端整な顔に尿を浴びせられた諭良は初めこそ戸惑ったものの、すぐに自分の口へ流し込まれる流斗のオシッコを嚥下して行く。「おいし? 諭良兄ちゃんはオシッコ大好きだねえ」

 ひとしきり諭良の全身にオシッコを撒き散らして流斗は放尿を終えた。しかし、まだ洗面器の上から動こうとはしない。

「んっ……、んん……」

 ぴちゃ、ぴちゃん、とお尻の穴から先ほどのぼくとのセックスで胎内に入り、そのまま残ってしまったローションが滴る。

「ん……、ね、昴兄ちゃん、もっとスッキリしたいな。おちんちんスッキリさせるの、手伝って。うんちも、もうちょっと出てきそう……」

「おー、いいよ。……ひひ、流のちんこがやらけーときにすんの久し振りだなー」

 昴星は笑いながら流斗の背中から抱きしめるように右手を回し、まだ細く天使の趣のおちんちんを優しい指付きで弄り始めた。

「お、ちょっと硬くなってきた……」

「ん……、昴兄ちゃん……」

「アンド、うんこも出てきた。しっかりしたの」

「えへ、へ……、お兄ちゃんの、お尻にもらったら、奥の方にあったのもおりてきちゃったみたい……」

 諭良の目は、昴星の手に愛撫される流斗のペニス、お尻から洗面器に落下する茶色い塊、快感に蕩ける流斗の顔……、それぞれを目にして、堪らなくなったように自らも勃起に右手を伸ばす。

「諭良、トイレがオナニーするの?」

 ぼくの投げた言葉に、ビクンと身を強張らせ、泣きそうな目を向ける。

「便器はオシッコもうんちもしないし、オナニーだってしないものだよ。それよりみんなの排泄物を受け止めるのが仕事だよね?」

 諭良の右手は、抗うように動いた。

 しかし、最後には結局、彼自身の左手によって剥がされた。苦しげにのたうつ包茎には哀切ささえ漂うけれど、他ならぬ諭良自身が望んだ扱いなのだから、ここは厳しくしてあげなきゃいけない。

「流、皮剥くよ?」

「ん……っ」

 すっかり勃ちあがった流斗のおちんちんを剥いて、僅かに亀頭を覗かせる。昴星は流斗の腰を前に進ませ、そのおちんちんの敏感な先っぽを、呆然とする諭良の鼻先に突き付ける。

「……ッン!」

 オモラシを含め、何度もオシッコをした後だ。……昴星ほどではないにせよ、そういう後の包茎の中は流斗のものであってもかなり臭いはずだ。

 形のいい鼻の頭と流斗の尿道口との間に、細い糸が伸びた。

 諭良は思わず身体を強張らせたが、欲に負けたように鼻をすんすんと鳴らし始めた。また、おちんちんが震える。

 諭良が嗅ぎ始めたのに気付いて、昴星はすぐに皮を閉じ、流斗の腰を後ろに引かせる。

「んふ……、昴兄ちゃん、おちんちん、もっとして……、ぼく、せーし出したい……」

「うん、いいよ、便器にいっぱい出しちゃえ」

 昴星の手はリズミカルな往復運動へと変わった。

「あ、あっ、昴兄ちゃんっ……!」

 おっぱいの先をいじる昴星の左手を両手できゅっと掴み声を揺らす流斗には、ぼくに抱かれるときとはまた違う種類の愛らしさがあるように見える。それは多分、本当の兄弟に近い、ぼくとの間にあるものより、より柔らかな関係によるもの。

「ひひ、流、超かわいい」

 耳を啄ばむ昴星も嬉しそうだ。

 そんな二人を見せられて、……しかも流斗のおちんちんの臭いまで嗅がされて、諭良はそれでもまだ耐えている。オシッコをしたいはずだし、お腹の中を満たしたローションだって出したいだろう、そして何より射精への強い希求がある。

 しかし、諭良にはそれらを堪えることで得ることの出来る、更に強い快楽がある。

「あはぁあ……、おちんちんっ、出るよ、こうにぃちゃっ、出るぅ」

「もっと言って。流、マジ可愛い」

「んっ、ん、おちんちんっせーしでるのぉ……おちんちんおちんちんっおちんちんでちゃうせーしっでちゃうのぉっ!」

 昴星のリクエスト通り、執拗なほどに流斗は喘ぎながら射精した。もちろん昴星は流斗の声を諭良に聴かせるのが目的だっただろう。でも昴星自身も聴きたかっただろうし、ぼくも聴けて嬉しい、流斗のエンジェルボイス。

「んっ……、昴兄ちゃん、の、指、すっごい、えっち……」

「ひひ、やっぱ流は可愛いよなー……。ちんこからせーひどぴゅって出してんの、すっげーエロかったし」

 その「どびゅ」って出たものがどこに飛んだかと言えば、もちろん正面の諭良の身体や顔に散っている。ふーっ、ふーっ、と唇を噛んで色々な欲を堪える諭良への、昴星からの加虐はまだ半分しか終わっていない。というか、昴星自身がするべきことがこれからある。流斗は「可愛かったよ」とぼくが撫ぜると、嬉しそうに膝の上に収まった。

「さーてと、じゃーおれもオシッコしよっかなー」

 悠然と言い放ち、洗面器を跨ぎ越し、さっき流斗にさせたように皮を剥いて諭良の鼻に突き付ける。……そもそも流斗でも十分臭いはずなのに、比べものにならないほどキツイ臭いに、ブルブルと諭良が震えるのを見下ろす昴星の背中が笑っている。

「ひひ、流斗のオシッコとせーしですげーくせー。でもトイレだからしょーがねーか」

 昴星は二歩引いて、どうするのかと思っていたら洗面器の上でしゃがみ込んだ。

「昴兄ちゃんもうんち?」

「んー、まだちょっと出そうだし、おにーさんにうんこしちゃったらやばいしさ。ちゃんとトイレで済ませとかないとなー」

 言いながら、昴星は諭良の硬いおちんちんの先端、柔らかい皮を引っ張る。

「んぐぅっ……!」

 苦しげに諭良のお尻が一瞬浮き、落ちると同時に下品な音ともにローションが噴射されたようだ。

 昴星が何をする気なのか、ぼくにも流斗にもわからなかった。

「あ、あっ、こ、こうせっ……」

「ひひ……、すげー皮……」

 昴星は意地悪く笑いながら諭良の皮を引っ張る。当然のことながら、茎に沿って縦方向にはみょんと伸びる一方、横方向には遊びがない。それでも昴星は両手で皮を伸ばし、ストロー状に余った先っぽに隙間を開ける。

「昴兄ちゃん、なにするのー?」

「ひひひ……、決まってんだろ、いいこと……」

 豪快なまでに答えになっていない。ただぼくには、昴星が少し腰を上げ、左手で諭良の肩越しに浴槽の縁を掴んで身体を支え、右手では諭良のおちんちんの皮が閉じないようにしている、そこへ、半勃起状態の自分のペコロスの先っぽを寄せるのを見て、昴星の意図が理解できた。

「あ、あ、やだやだ、ダメだよ、こうせっ、おねがいっ……そんなのっ」

「うーるせーなー」

 昴星の横顔は邪悪な微笑みを浮かべていた。

 内面は完全なマゾヒストと言ってしまっていいような昴星がここまでサディスティックな振る舞いを見せるということは、……それすなわち、大切な「友達」のためだ。恋人の半身を譲りわたすことになったとしてもなお、諭良の存在が側にいることを認め、幸せを分け与えんとする。昴星の優しさが、全く逆の態度となって現れているのだ。

「便器が喋んじゃねー、よっ」

「ひぃインッ」

 昴星の丸いお尻からガス放出があった。外向きの力が働いた証拠である。「ひひ……、こんぐらいでいいかなー」お尻から、流斗同様「お尻の奥の方」に残っていた細い紐状便を垂らしながら、昴星はゆっくりと後退り、

「ほら、おにーさんも流も見てみろよ」

 とぼくらに声をかける。現状、昴星のおちんちんからは緩い角度の放物線が諭良の胸にかけてちょろちょろと小さなせせらぎが生じている。ぼくと流斗が覗き込んだ視線の先、昴星は諭良のおちんちんの先っぽを親指と人差し指で潰すように摘まんでいる。……細い印象の諭良の性器の先の方は、ぷっくりと丸く、水風船のように膨らんでいた。

 そこに詰め込まれているのは、昴星が注ぎ込んだオシッコ、……三人の中で一番臭い、オシッコだ。

「ひ、んっんぐ……っ、こ、ぉせ、ひんじゃうっ、おちん、ちん、こわれひゃうよっ」

 諭良はお尻の下にドロドロのローション溜まりを広げながら、パニックに陥っていた。

「ひひ、嬉しくってしょーがねーって顔してんじゃん、……よっと」

 昴星は小丸おちんちんから、勢いを失いかけていたオシッコを一気に噴き出させる。左手で角度を調整し、諭良の顔面を直撃した途端、「んんんんんんッ!」と声にならない声をあげた諭良の身体が痙攣した。

「ひひ、バカだなーおれのオシッコでいってやんの」

 昴星が摘まんだ指を離すと、昴星が貯めさせていた昴星の尿が、まるで諭良自身のもののようにびゅうっと飛び出す。遅れて、何度も腰を弾ませながら諭良の精液が射出され、彼自身の頬や胸を彩った。

「んっ、……と。うんこ全部出たよ、おにーさん」

 昴星はぼくを振り返って立ち上がり、お尻を両手で開く。穴の周りには少しのうんちが付いているが、それでも総じてピンク色がかった肛門をぱっくりと開け、

「おれも、流みてーにせーし、『便器』に出したいなー」

 と催促する。

 昴星の足元にある「便器」は完全な「不良品」と言ってよさそうだ。昴星のオシッコ、自分の精液と立て続けに放った「パイプ」から、自分のお腹へとまた漏水している。

「偉いね、昴星は……。出すべきものをどこで出せばいいか、ちゃんとわかってるんだ?」

「うん。だってさ、おにーさんは自分がちんこ入れる相手が行儀わりーの、やだろ?」

 まあ、行儀の良し悪しでいうなら……、茶色い汚れの付いたお尻に「入れて」って言う昴星もたいがいだけれも。

「でもって、おにーさんがせーし出すの、おれのお尻ん中」

 ヒクヒクとそこを震わせて挑発する様を見て、流斗が「わぁ……」と小さく感動のため息を吐いた。

「……ね、お兄ちゃん。ぼくもあとで昴兄ちゃんのお尻におちんちん入れたいな」

 おや。流斗が珍しくそんな欲を口にした。「昴兄ちゃん、いい? ぼくのおちんちんだと、お兄ちゃんのみたくきもちよくならないかもしれないけど……」

「んー? ……ひひ、流はエッチだなー。でもいいよ、太いほうが気持ちいいけど、ちっこいの可愛がんのもいいよな」

 昴星は「流に入れたことある」と言っていた、諭良と昴星の間に、往復する矢印があるはずで、だったらまあ、昴星と流斗の間にある矢印が往復する格好であることに、何の問題もないだろう。流斗だってちゃんと男の子であるという事実はひたすら寿ぐべきことだ。

 さて、

「昴星は、後ろからがいいの?」

 ぼくは二枚目のゴムを装着し、昴星のお尻にローションを垂らして尋ねる。

「どっちからでも好きだけど、いまは後ろからがいいなー。向き合ってするとおにーさんのことおれのせーしで汚しちゃうじゃん?」

「ああ、なるほどね。オシッコも精液も、ちゃんとおトイレに出さないとね」

 そうゆうこと、と昴星は頷き、「便座」の後ろにある浴槽の縁に両手を付いてお尻を突き出す。浴室に便器があるってことはつまり、ここはユニットバスということになる。……ぼくはあれがあんまり得意じゃないんだけど。

 昴星と流斗の、二人分の尿と精液、そしてそのものからの「漏水」で汚れた「便器」を覆うような格好で待つ昴星のむっちりとしたお尻に手を当てて、ぼくは自分のペニスをあてがう。

「んひひ……、おにーさんのちんこ、あっつい……、ンッ」

 流斗より、幾分広く柔らかい胎内、それでもそのお尻の肉付きの良さを感じさせる圧力をぼくの肉茎にかけながら、更に広がる。お尻の穴の中に存在する、まさか男の性器を心地よくするためではないだろう凹凸、ぼくのペニスの輪郭をそのままそこに映し取ろうとするかのように、ピッタリと密着し、蠢く。

「すっ……げぇ、やっぱ……、おにーさんのちんこ……、超きもちぃ……!」

 喉を反らし、長い髪の先を震わせて昴星が満足そうに言葉を漏らす。ぼくは圧迫感と、腰周りに吸い付くようにすら感じられるお尻の柔らかさを愉しみながら、昴星のおっぱいへと手を伸ばした。両手で掴むとそこは男の子のものとは思えないほど甘ったるい柔らかさを持っている。両の乳首を摘まんでやれば、

「あん……っ」

 強気な態度が顔を潜め、可愛らしい声を上げる。流斗も諭良もお尻やおちんちんを弄ってあげたときには愛らしい声を聴かせてくれるけれど、昴星の場合は普段の男の子らしい男の子であるからその落差の大きさが余計にいとおしく感じられる。思わずそのお尻の中で一度自分の熱を震わせてしまった。

「うんん……、おっぱい、そんなぁ……」

「嬉しい?」

 昴星はお尻を揺すって「……んなん……、決まってんじゃんっ……、おにーさんのしてくれること、なんでも……っ、うれしいよぉ……」甘えた声で言う。

「おにーさんがっ、おれで……、おれのちんことかお尻とかおっぱいとかっ、オシッコとかうんことかで、ちんこ、かたくしてくれて、こんなふう、にっ……、おれにしたいって思ってくれんのっ、幸せ……っ」

 昴星の言葉、態度、表情……、もちろん、諭良に見せて彼を盛らせることが目的だったとは思う。けれど、それはあくまで結果論。昴星はあくまで素直に喜びを表現しているに過ぎないだろう。

「昴兄ちゃん、お兄ちゃんとえっちのときすごいかわいい……」

 うん、そうだね。昴星は君の「お兄ちゃん」で優しくて頼もしくてちょっぴり意地悪なところがある。一方で、女の子におちんちんを見られてオモラシしながら気持ちよくなっちゃうようなところもあるし、ぼくにお尻を穿られてこんなに清純になる。

「は、う、う……」

 ぼくの目からは昴星の陰になってもちろん見えないが、諭良が目の前で揺れる昴星のおちんちんの臭いでオナニーをしていることは明らかだった。

「昴星? ……オシッコ、まだ出る? みんな大好きな、昴星の臭いオシッコ」

「んっ……、まだ、いっぱい……、ひひ。おにーさん、の、ちんこでお尻、されてると、……せーしもオシッコも、ガマンできなくなる……」

 ちょろろ、と勃起した短茎からまた温水が滴る音がした。どうも、昴星の膀胱は口にした水分以上の量のオシッコを生産する機能があるみたいだ。それは性的な興奮が高まると、ますます働きを活性化させ、ほとんど無尽蔵かと思えるぐらい、大量のオシッコをして見せる。

 そのオシッコはまた諭良の身体、「便器」に注がれ、諭良をますます盛らせる材料となる。「こぉせいの、おひっこ……っ」呟きながらぐちゅぐちゅと音を立てて、びしょ濡れのおちんちんを扱いている気配がある。

「おにーさん、ちんこでさ、お尻、気持ちよくしてよ……、おにーさんのいくの、おれ、すげー好き……」

 甘く囁き、自らお尻を動かす。腰に吸い付くように弾むお尻の感触、……本当に、こんな魅力的な子はいないだろう。

「うん……、ぼくも、動きたい。昴星がちゃんとオシッコもうんちもおトイレにしたから、ぼくは昴星の中で射精しないとね?」

「ん。おれ、おにーさんのトイレになんの好き。口も、お尻もさ、おにーさんから出たの、欲しいよ」

 はじめはゆっくり、のつもりだったけどそれは本当に最初の一往復だけで、むっちりとしたお尻の内側がいやらしく絡み付いてくる感触と、

「あはぁ……、おにーさん、おにーさんのちんこぉ……」

 昴星の淫らな喘ぎ声によって、ぼくの腰はあっという間にヒートアップしていた。

「あんっ、んっす、っげ、おにーさんのっ、おにーさんのっ、ちんこすっげきもちぃっ、お尻んナカっ、すっげえっ……、ちんこっ……」

「うん、昴星の……、お尻、すっごい気持ちいい……。おっぱいもおちんちんもお尻も、全部可愛い……、いきそう?」

 きゅうんと強く引き絞られて訊いた。昴星はガクガクと頷き、「つながるっ」と叫んだ。

「つながる?」

「んっおに、さんのっちんことっ、……おれのちんこっきもちいのつながるっ、ちんこぉおっ、おっ、しゅっ、げっ、ちんこつながってるっちんこっちんこおれのっおにーさんのちんこちんこおっ、ちんこいくっいくいくっ、ちんこいくうぅっ」

 また盛大に何度も「ちんこ」って言いながら、昴星が全身を脈打たせて達した。ぼくはその脈動に合わせて自分の「ちんこ」を昴星の中へ弾ませた。

「おはぁ……! ちんこぉ……、ちんこぉ、つながっひゃっ……、お、にぃさんっ、ちんこ……っ、おれのちんこ……ちんこ……っ」

 抱き心地という点では誰の追随も許さない身体を後ろから抱き支えたまま、髪の匂いを楽しんでいたぼくの下半身へ微かな振動があった。

「オシッコ、止まらなくなっちゃったね?」

 まだ勃起の収まらないおちんちんから飛び出すシャワーを諭良に浴びせながら、

「んひひ……、オシッコいっぱい……、だってさ、だって、おにーさんに可愛がって、もらえたらさ、ちんこ、うれしいもん……、ひひ……」

 少し幼げになった声で笑った。

 肉感的な裸と接続を解いて、昴星を腰掛けに座る流斗の隣に座らせる。「きもちよかった?」と嫉妬の感情なく訊く流斗に、「ん、よかった」と、さすがに少し恥ずかしそうに昴星は応える。

 さて。

 その昴星の身体の影にずっとあって、オシッコ精液いっぱい浴びた諭良である。……何と言うか、清潔感溢れるハーフの美少年、流斗を「天使」と評するならどこか「妖精」のような色香の漂う普段の少年の姿からは大きくかけ離れた姿に成り果てている。顔も身体も、二人の体液を浴びなかった場所が少なく見えるし、お尻の下にはローションを漏らしている。腸液と混じり合ったか、ローションは薄い黄色に濁り、ところどころ、昴星が洗面器に吐き出したような塊を見つけることも出来た。

 率直に言えば、汚いのだけど。

 ぼくはコンドームを外し、洗面器を退かし、跪いた。

「臭いね、諭良。顔も身体も、いつもはそんな臭くないおちんちんもオシッコまみれですごく臭い」

 ぼくの言葉に反応するように震える諭良は、それでも昴星の身体の下で、一体何度も気持ち良くなってしまったんだろう、それでもまだ、皮の余ったおちんちんをヒクヒクさせているのだ。

 背後では、昴星と流斗がキスをしながらお互いのおちんちんを愛し合い始めた気配がある。ぼくは排泄物の臭いを纏った諭良の頬を撫ぜて、

「最高のごちそうだ。昴星と流斗と、諭良自身のオシッコと精液で、とびっきり美味しそうになったね」

 ためらいなく諭良の唇に唇を重ね、……昴星の中で射精したばかりだということさえ忘れてしまったような、自分でも驚くぐらい濃厚なキスをする。

「お、にい、さんの、ために、ぼく、……こんなに、汚れました、オシッコまみれの、ぼく……」

 首筋も、薄い胸板も、しょっぱい。ところどころに散った、もう誰のものがわからない精液とオシッコのカクテル、それが、舌を痺れさせるぐらい甘露。

「おちんちん剥いて見せて。……それとも諭良は皮がだらしないから剥けないかな?」

 諭良は包皮の隙間からまたせせらぎを零していることに自分でも全く気付いていない。勃起もまるで収まる気配がない。皮を摘まんで、同じく真性包茎の昴星たちよりもずいぶん手間取りながら、放尿中の皮をめくって亀頭を覗かせた。……やっぱり、普段より相当臭くなっている。三人の中で一番刺激的な臭いの昴星のオシッコを其処に注がれたのだから、当然といえば当然かもしれない。加えて、彼自身の何回分かの精液もまだその中に残っている。

「ぼくの、臭いおちんちんです……」

「うん、……本当に臭い。昴星のおちんちんよりもっと臭いよ、こんな恥ずかしいおちんちん見たことない」

 その言葉にも、残尿を散らして諭良は感じる。一口に収めてみると、……何という味だろう。どこか炭酸めいた刺激さえ舌に感じた。

「うんちまで漏らしちゃったね、……本当にだらしない子。お尻の穴の中、ちゃんと我慢しておくように昴星に言われてたのに。……見せて」

「は、い……」

 諭良は膝を滑らせながら浴槽の縁に頼ってぼくに汚れたお尻を向けた。ローションで粘っこく光るお尻の中心で肛門は一応口を閉じてはいるものの、指を当ててみるとすんなりと奥へと導いてくれる。

「すごいね……、トロトロだ、女の子みたいに濡れてる」

 ほの暖かい胎内の滑りは格別だ。この中に入ったら……、と思うだけで、ぼくはもうすっかり臨戦態勢整って、すぐにゴムを装着する。

「諭良は知ってるよね? 女の子のここ、なんて呼ぶか……」

 言うまでもなく、態勢が整い切っているのは、ぼくより諭良の方だ。

「お……まん、こ……?」

「そう。諭良のここはえっちなこと考えるとどんどん濡れてきちゃう、はしたないおまんこ。……だいたいさ、オシッコかけられてオナニーしちゃうような恥ずかしい子、もうまともな男の子じゃないよね。ここに男のおちんちん入れられたくって仕方が無いわけだし」

「だらしない」その場所、しかし括約筋はちゃんと働いている。その証拠に、入口へぼくがゴム越しの亀頭を擦り付けるだけで敏感に窄まって見せた。

「ああ……、お兄さん、おちんちんっ、おちんちんぼくの……、ぼくの、おまんこにっ、おまんこに入れてくださいっ」

 恥ずかしがりつつも、一度はっきりとその言葉を口にしてしまったことで諭良はまた一つ壁を越える。極端なほど淫らな腰つきで、うにうにと肛門で亀頭を刺激してくる。

「はいはい、……そんなに焦らなくたってちゃんと入れてあげるよ」

 昴星よりずっと背が高いのに、昴星より細い腰を両手に捉える。そして昴星よりも小さくて、ちゃんと「男の子」ってことが判るお尻の中へ、……腰を進めた。

「うああ……!」

 濡れそぼった胎内は、よく滑る。それでもまだ窮屈さを残していた。……太い便をひり出してから一定程度の時間が経過しているから仕方が無い。もちろん、ぼくにとっては好ましいことでしかないのだ。

「ああ……、諭良の中も気持ちいいね。うんちオモラシしちゃうおまんこ、最高だよ」

 百パーセントうんちではないにせよ、それの混じったローションを冷たいお尻に塗り広げて告げる。元からとても滑らかな諭良の肌がいっそう艶かしい感触となり、諭良は諭良で、自分がした粗相を改めて教えられるような気持ちになるのだろう。

「お兄さんのっ、おちんちん……、ぼくの、おまんこ、すっごく、熱いですっ……」

 お腹の中にローションで浣腸というのがあまり身体にいいことでは当然わかっている。直腸の温度って、冷やしちゃまずいはずだ。だから早いところ「オモラシ」したのは良かったし、ぼくの熱であっためてあげた方がいいに決まってる。

「諭良、気付いてる? ……恥ずかしいこと言うたび、おまんこでぼくのこと、すごく締め付けてる」

「だってだって……、お兄さんのっ、嬉しいですっぼくっ、お兄さんのおちんちんでいじめられるの、すごくっ、しあわせ……!」

 言葉責め、ともちょっと違うか。諭良は自分が淫らな言葉を口にするという状況に深く感じ入っている。普段は上品で、……高貴な感じ、それこそ気品さえ漂わせているような子だし、そう在ることを自分に課している。だから余計に自分の意識とのギャップが大きくなって、心は燃え上がる。

「ねえ、諭良?」

 ぐ、と置くまで突き入って、囁きかける。

「うんちでグチュグチュのおまんこをさ、こんな風に男に犯されてるのに、まだ『おちんちん』なんてお上品な言い方するんだね?」

 ぼくの背後では「あ、あっまたちんこ! ちんこっちんこいくちんこいくぅ!」昴星が下品に、そしてもちろん可愛らしく喘ぎ散らしている。

「だ、だって……、お兄さんの、おちんちん……」

「ほら、まただ。……こんなのが嬉しい子は、『おちんちん』なんて言葉は使わないよ? もっと下品に喘がなくっちゃ……、ね?」

 耳元に、囁き聴かせる。

「そ、んな……」

「言えないの? ……そんなことないよね? 二人にもさ、聴かせてあげるといいよ。諭良ははしたない子だもんね?」

 ぼくはぼくと繋がったままの諭良を後ろから抱え上げ、浴槽の淵へと座る。流斗の熱を受け止めた昴星と、昴星の中で心地よくなった流斗がぼんやりと顔を上げる。二人ともまだ、快感の余韻の中にあるようだ。

 けれど、

「こうせい……、りゅうと……っ」

 震えながら、それでも微かに笑っているのがはっきりわかる声で諭良が言う。

「……ぼ、くのっ、……お兄さんに、おまんこ、……うんちオモラシしちゃったおまんこで、きもちよく、なってる、ぼくの……、おちんぽ……!」

 諭良はその言葉を口にするだけで射精しそうな震えを催す。足を思いっきり広げた格好、昴星たちにはぼくを咥え込む諭良の「おまんこ」がいっぱいに広がっている様子もよく見えるだろうし、もちろんいつもながら、勃起しても皮の垂れた「おちんぽ」も、タマタマの裏側から含めてよく観察できるはずだ。

「おちんぽ……っ、ぼくのおちんぽっ、おちんぽ見てぇ……!」

 垂れ下がっていた皮の先が膨らむように上を向き、ストロー状になり、オシッコが噴き出す。頻尿で全くの透明な液体となったそれは、それでも臭く暖かく、諭良の身体を濡らして行く。

「おっ、オシッコ……っ、おちんぽからオシッコしてるのっぼくのっおっ、おちんぽからオシッコっオシッコいっぱいっオシッコおちんぽっ、おちんぽから出てるよぉっ」

「すっげ……」

 流斗との接続はもう解かれている。落ち着きかけていた昴星のおちんちんがまた硬くなるのが見えた。

「諭良兄ちゃん、すっごい、恥ずかしいの……、恥ずかしくってきもちよくなってるの?」

「うんっんっ、おちんぽっおちんぽ見てっぼくのおちんぽぉ」

 太腿を抱えるぼくの腕の支えに頼り切ってお尻を揺する。それに合わせて諭良の「おちんぽ」から噴出するオシッコは自由な起動を描き、足元に跪く昴星と流斗にも降りかかる。

「おちんぽ! ぼくのっ、恥ずかしいおちんぽっ、きもちぃっきもちぃよぉお……」

 オシッコをしながら、諭良が達するのがわかる。しかしそこを優先的に流れる液体のせいで、諭良は全身を痙攣させながらも射精をするには至らない。

「お、ひぃっんっ」

 細い喉を反らした諭良に「いっぱい聴かせてあげなよ、もっと、もっとさ」ぼくは囁いて命じる。

 諭良はぼくの思うまま、言葉を紡いだ。

「お、ちんぽ、おちんぽっ、お、ひっんぽぉ……っ、おちんぽぉ……!」

 オシッコの噴水はようやく止んだ。ビリビリと電気的な震えが走ったのに遅れて、諭良の包皮の隙間から、ダラダラと精液が溢れて垂れ流れた。

「ひぁ……あ……、いっ、ひゃった……、おひんぽぉ、オシッ、これっ、せぇえき、おもらひっ……」

 昴星と流斗は諭良に魅入られたようにおナニーをしていた。

「諭良兄ちゃん、すっごい、すっごいえっち……」

 諭良の股間に顔を突っ込むようにしながらうっとりと自分のおちんちんを扱く流斗も、

「ん、んっ、ちんこっ……ちんこぉ……、……、ちん……ぽ、ちんぽ……っ、ちんぽっ」

 諭良の味わう快感を羨んだように、その単語を真似しながら自分の「おちんぽ」を扱く昴星も。

「みんな可愛いなぁ……」

 としみじみ、ぼくに幸せを抱かしめる存在だ。極端なくらい淫らで、汚れることにためらいがなくって、……そして何より、ぼくのことを、ぼくなんかのことを好きでいてくれる趣味の悪さも併せ持っていてくれる三人。

 可愛くないはずがないでしょう……。

「諭良、いくよ。諭良のおまんこに出すからね……?」

 諭良の太腿を抱えて揺すり、ぼくも立て続けに三回目の射精を果たす。美少年三人と「恋人」になるということはすなわち、三人を等分に可愛がらなければいけないということであり、……ぼくの精巣の能力が試されることになる。

 でも、身体の負担は一日休めばどうにかなってしまうもの。だから何にもこだわらず、愛させてもらえばいい。愛しい子たちの幸せのために。

「おっ、おまんこっ、おまんこにぃっ、お兄さんのっ……、おにぃさんのおちんぽぉっ……!」

 諭良が声を上げ、流斗も諭良の足に引っ掛けるように射精し、昴星も流斗の背中目掛けて射精。これで一旦は区切りを付けていいだろうか。とりあえず、浴室全体が汚れてしまったわけで、……オシッコの溜まった浴槽、諭良が胎内のローションをこぼしてしまったタイル、このまま続戦するのはあまり身体にも良くなさそうだから、一応掃除をして、それから改めてお風呂を沸かして、……その後はそれから考えればいいかな。


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