洗面所のドアを開けたところで、
「わ!」
と陽介が声を上げたのが聴こえた。
「おー……、すげー、やってる」
くんずほぐれつという言葉がしっくりくる。陽介は瑞希のフェラチオを受けながら由利香のおっぱいを吸い、由利香は瑞希のおちんちんを手で愛撫している最中だった。
「三人でするの、お兄ちゃんと昴兄ちゃんいっしょにときどきするけど、女の子もいっしょだとやっぱりちょっと違くなるねぇ」
流斗は学習ごとのように感想を漏らし、才斗は両手を二人に拘束されている分、女子の前ながらおちんちんを隠せなくて真っ赤だ。その股間を陽介と瑞希が見て、「えっ」「えっ」なんて声を漏らし、そのリアクションを、
「大きくなってないのに……、すごい……」
由利香が総括する。
「ひひひ、でけーだろ、才斗のちんこ。でかいだけじゃなくって強くておいしいんだぜ!」
誇るように言う昴星の股間には、この中で一番小さくて臭いおちんちんがぶら下がっているわけだ。お楽しみ中に闖入したことを責める言葉もなく、陽介たちは三人とも、恥ずかしそうに身を離す。
「なかよしになったんだね」
流斗が全てを包含する言葉をやすやすと口にした。紅くなった少年二人の代わりに、
「はい」
と由利香ははっきりと応える。
彼女はぼくを見て言う。
「お兄さまのおかげです、……由利香は、すごく幸せです」
「ぼくは何もしてないよ……」
「いいえ、……お兄さまの元に集まったわたしたち、……本当は喧嘩したっておかしくなかったと思うんです。それこそ、お兄さまと二人きりで遊んでしまったこと、流斗くんや昴星くんに怒られたっておかしくないことだと思っていました。でも」
「だってさ、おにーさん、いいやつだもん」
昴星が、また我がことのように誇らしく言う。
「ちょっぴりヘンタイだけど、おにーさんがおれらのこと、すげー大事に思ってくれてんのわかるし、エロいことしてないときでもさ、おれらが幸せになれるようにって、おにーさんそればっか考えてくれてんだ。なー、才斗、そうだろ?」
才斗が憮然としているのは、その背中からでもわかる。しかし少年は、恋人の言葉を否定はしなかった。
「お兄ちゃんは、みんなのお兄ちゃんだよ」
流斗が言って振り返る。「ぼく、お兄ちゃんのこと大好きだからお兄ちゃんのおよめさんになりたいって思う。でも、おんなじくらい、みんなに優しいお兄ちゃんでいてほしいって思うし、いま、ほんとうにみんなに優しいお兄ちゃんだって思うよ。陽介兄ちゃんたちもそう思うよね?」
陽介と瑞希は顔を見合わせる。
言葉を発したのは、陽介のほうだった。
「……あんたみたいなやつ、はじめてだ」
唇をとんがらがして、でも、言う。
「あんたみたいにヘンタイで、……でも、おれと瑞希のこと、ちゃんと認めてくれた大人、はじめてだ。あんたが最初に認めてくれたから、……おれら、自信になったし」
「それに、……由利香もお兄さんのこと、どれだけ好きか、教えてもらいました。……お兄さんは心の底から由利香やぼくらのこと、思って、しんぱいしてくれてる人だって……」
恋人の言葉を追うように、瑞希も言った。「ありがとう、ございます」と。
「ええ……、ええと、ちょっと待ってみんな、落ち着こう……」
身に余る、という言葉がこれほどしっくりくるような事態、そうはないだろう。ぼくの目の前には六人の少年少女がいて、みんな、裸なわけだ。それはとても好ましい景色。それだけでいい。
その上で、彼らから「ありがとう」なんて言葉を受け取る資格がぼくにあるとは、正直思えないのである。
だってぼくはただの、ショタコンの、ついでにもう、ロリコンの、変態だ、オシッコもうんちも大好きな。
「いーんだよ、おにーさんはおれらみんなに好かれてんの!」
昴星が才斗の腕を離して、ぼくの胸に抱きつく。
「なー、おにーさんにみんなでオシッコかけてやろうぜ! おにーさんおれらのオシッコ大好きだから」
「やっぱりヘンタイじゃねえか……」陽介が呟く。事実だ。
「っていうか、オシッコなんてそんな……」
「いーから出せ! うんこする気になって出せばちょっと出る!」
「う、うんこ……」
「ほら、お兄ちゃん、横になって」
浴槽の縁に陽介と瑞希が並んで腰掛ける。由利香は鏡の前にお尻を乗せ、浴槽に横たえられたぼくの頭の上には昴星と才斗、左脇には流斗。
「才斗からしろよ」
「やだよ! なんでおれがっ……」
「おまえがやれば陽介たちもするだろ、それにさっきおれの口の中でちびりそうになってたじゃん、ガマンしてんだろー」
才斗は無理やりに昴星と流斗によって、ぼくの顔面を跨がされ、そのまま和式スタイルに腰を沈められる。
「うう……!」
包茎ではある、けれど、皮はほとんど余らず、通常の状態でも亀頭が覗ける。まだ発毛は見られない(というか、生えたのを見つけるなり昴星が剃ってしまうと言っていたっけ)けれど、フォルムは何となく、中学生の趣がある。
「そんな……っ、ジロジロ見ないでください……」
怒ったように言うけれど、顔は真っ赤だ。昴星と流斗以外の者の前でおちんちんを見せることへの恥じらいが聡明な少年を焦がしている。オシッコをするとなれば、それは倍加されると言ってもいい。
しかし、昴星の言葉の通り、少年の膀胱の中にはオシッコが溜まっていたのだろう。尿道口が潤んで涙を零し、ぼくの首に垂れる。色味の濃いオシッコは、すぐにぼくの顔を濡らす飛沫となった。
「ね、お兄ちゃん、才兄ちゃんのオシッコおいしいでしょ?」
答えにならない、言葉にならない。……なんだ、この子のオシッコは……。驚きがぼくを満たす。味がすごく濃い。臭いもそれなりにあるけれど、しょっぱいだけでなく深い味がする。さすがに酸味はないと思うけど、塩味甘味苦味は揃っている。オシッコであることは間違いない味なのにやこれは一体なんとしたことか。そう例えば海洋深層水から抽出した塩に甘い丸さが伴うように……。
ぼくはオシッコについて何をソムリエみたいなことを。しかし急スピードにそれだけの言葉をぼくの脳裡に浮かび上がらせるほどの味がしたというのもまた事実だ。
もっと飲みたい、もっともっと飲みたい。そう思ったのに、才斗のおちんちんからの放水は終わりを迎えた。寂しさ、名残惜しさがぼくを包む。これだけのオシッコを飲みたいときに飲める昴星は、何て幸せな子だろう。
「おにーさん、才斗はオシッコだけじゃなくってちんこもせーしもおいしいんだぜ」
昴星の言葉に、才斗が咄嗟に立ち上がろうとする。しかし、「ダメだよ才兄ちゃん」と流斗が背中を押す。
「うあっ……」
才斗の柔らかなおちんちんが、すっぽりぼくの口の中に収まっていた。残尿のささやかな味が、また舌の上に広がる。
美味しい。
「やっ、やだっ、やめてっ、お兄さんほんとにっ」
才斗の抗いに、ぼくは耳を貸さなかった。大きいとは言え包茎でもあるから、それなりに汚れていて仕方がないとは思うのだけど、才斗の亀頭は思わず恍惚としてしまうような香味がある。……トリュフだって言ってみればホコリ臭いキノコのカケラだ。ぼくは才斗のキノコの方がずっと美味しいと思う。
「ひひ、才斗勃起してる。おにーさんのフェラすっげー上手だもんなー」
「うん、おちんちん溶けちゃいそうなくらい気持ちいいのに、どんどん硬くなってわオシッコもう出なくてもちびっちゃいそうになるよ」
才斗の口からは、もう意味のある言葉は出てこない。その代わり、変声期までまだほんの少し時間のある、男の子らしい喘ぎ声が呼吸に交じって溢れてくるばかりだ。
いつもクールで颯爽とした才斗の反応は、昴星や流斗に負けないぐらい可愛いものだ。
「すごい……、才斗くんのお尻の穴、ヒクヒクしてるの丸見えです。すごい気持ちよさそう……」
彼の真後ろにいる由利香が感動したように呟く。
「そう思うんならさ、おまえも手伝えよ」
昴星の命令に「はい」と応じた由利香が、ぼくの身体に肌を重ねた。
何をしたのかは、すぐわかる。
「んぁあっ、やぁっ、やだぁあっ!」
年下の少女にアヌスを舐められて、才斗は勢いよくぼくの口の中へ、オシッコよりも更に甘美なる精液を注ぎ込んだ。どくんっ、どくんっ、その鼓動は昴星たちに比べて遥かに強くて、「男」をぼくに感じさせる。もっとも、ぼくは才斗の精液を一滴も逃すまいと無心でおちんちんを吸っていただけだ。
「男の子のお尻の穴、こんなヒクヒクするんですね……」
由利香が顔を上げてそう感想を口にした。
「何だか、すごくえっちな感じ、しました……」
「陽介兄ちゃんたちにもしてあげたらいいよ、お尻の穴ぺろぺろされるのぼくも大好き、男の子はみんな大好きだよ」
流斗の言葉に、「……わたしも、大好きです」と小さな声で由利香は告白した。
「由利香、あの、ぼくたちはね、別にいいから……」
「っていうか、おまえ大丈夫かよ、そんなとこ……、汚くねえのかよ」
二人の兄に、由利香は頷いたのだと思う。
「味は、ほとんどしません。才斗くん、きっと、とても丁寧にお尻を拭いているんだと思います」
確かにこの子のブリーフのお尻が汚れているイメージはない。
「もう、もうっ、離して……っ、お願いしますっ……」
才斗がすすり泣くような声で請う。いっそまた勃起するまで咥えていたい気さえしたけど、あまり無理をさせてはいけない。
「どう? お兄ちゃん、才兄ちゃんのおちんちんすごいおいしかったでしょ?」
ぼくはしばし呆然として、ただ流斗を見上げてこくんと頷く。
「ぼくもオシッコしたくなってきちゃった。でもぼくのはいつも飲んでもらってるから……、陽介兄ちゃんと瑞希兄ちゃん、どっちかオシッコ出ない?」
急に矛先を向けられた二人がビクンと跳ねる。
「二人とも、出来ます」
答えたのは由利香だ。
「瑞希は、さっきちょびっとだけパンツを濡らしていましたが、陽介は一滴も出していません。それに、瑞希もまた出せます」
「じゃあ、どうしよう、……瑞希兄ちゃん、いっしょにオシッコしよ。瑞希兄ちゃんのおちんちん、ぼくと似てると思わない?」
流斗が同意を求める。答えたのは昴星だ。
「そういえばそうだなー、細っこくて白いの、そっくりかも」
「ね、瑞希兄ちゃん、しようよ。お兄ちゃん、起きて」
まだ口の中に才斗の尿性器精液の鮮烈な印象が残っている状態で、どこまで二人のオシッコを味わうことが出来るだろうか。しかしぼくはともかく起き上がった。
「ほ、ほんとに、ぼくもしなきゃダメなの……?」
瑞希は両手でおちんちんを隠して言う。しかし、もちろん周囲は許さない。
「いーじゃん、女子に見られたちんこだろ、いまさらおにーさん相手に隠すようなもんじゃねーよ」
「そうだよー、お兄ちゃんにちゃんと『ありがとう』しなきゃ。陽介兄ちゃんもいいよね?」
流斗の腰の影で、陽介がどんな顔でどんなリアクションをしたのかは見えない。ただ、瑞希は覚悟を決めたように、手を後ろに回す。
「本当だ……、二人とも、そっくりだね」
顔の前に、二本のおちんちん。厳密なことを言えば、やはり二つ年上の分、瑞希の方が大きいし、細かなところの違いを挙げて行けばきりがない。だけど男の子のここをぼくなりに分類しようとしたならば、この二人は間違いなく同じ棚に入る。皮の余り方、白っぽさ、カリ首の、皮の上からの覗かせ方などなど、概ねの特徴が共通しているのだ。
……学問の大半は分類学で、それだけに誰もがやりたがる。きっと先人の中にも男の子の股間に並々ならぬ興味を抱いた者があって、集大成にまとめているかも。
「匂いも、ちょっと似てるかな……」
ぼくはこんなにまじまじ見るのははじめての瑞希の陰茎を前に、そもそも瑞希だってぼくのことをよく知らない、ぼくも瑞希のことをまだ知らない、それなのにこの子のおちんちんに詳しくなることは、そのままこの子に詳しくなることのように思っていた。
「陽介、……触ってもいいかな」
瑞希の恋人に、ぼくは許可を求めた。「勝手にしろよ」とぶっきらぼうな返事があった。
「いい?」
緊張しきった顔の瑞希だったが、首を横に振ることはなかった。指で摘まんでみると、やはり感触も流斗に似ている。右手に瑞希、左手に流斗と摘まんで優しく揉んでみると、「本当に、そっくりだ」と同分類のおちんちんに感動さえ覚える。
「あっ……」
鼻を当ててみる。皮被りの瑞希のそこは、多分、陽介たちによって何度か出した後なのだろう精液の臭いと、それでも塗りつぶせないはっきりとした尿の臭い。そんなところまで、よく似ている。昴星のものに比べればずっと控えめであるとはいえ、それは昴星がちょっと特別なのだ、……皮を被った少年たちの亀頭は誰のだって多かれ少なかれ垢が溜まり、湿っぽく、臭い場所であって当然なのである。だから流斗の(そして瑞希の)おちんちんのにおい、ぼくは好きだし「いい匂い」って言うけれど、「芳香」とまでは呼ばない。臭いの問題はそれぐらい繊細な尺度でのみ、はじめて語られる。
「瑞希兄ちゃん、オシッコガマンしてるでしょ」
流斗が意地悪く「兄弟」のように似通ったフォルムをもつ瑞希に言う。瑞希は少し躊躇いを見せたが、それを認めた。才斗が先にして見せたことが効いているらしい。
「ぼくももう出ちゃう。いっしょにお兄ちゃんのお口にしよ?」
流斗が茎の先をぼくの口に向ける。ぼくが口を開けると、すぐにそれは噴き出した。……さっき出したばかりだから、あまり溜まってはいなかったはずで、温かいが色も臭いも味も薄く、さっぱり、あっさりとした飲み口だ。多分この味なら、オシッコを飲むのが初めてという人も抵抗なく飲み下せるはずだ。
「はやくー、ぼくもう終わっちゃうよー?」
流斗がそう催促したところで、
「ご、ごめんなさいっ……」
謝りながら、瑞希もおちんちんの先から思いのほか元気いっぱいのオシッコをほとばしらせた。こちらはガマンしていた分だけ色が濃く、鮮やかな金色、温度も心なしか流斗より高いし、味も臭いも強い。ワインで言うと「どっしりとしたボディ」といったところだろうか。……ワインなんてめったに飲まないからわからないけど。
「すごぉい、おんなじおちんちんなのにぜんぜん違う色のオシッコしてる!」
そしてその二筋の聖水はぼくの口の中でミックスされる。流斗は瑞希を待って途中でオシッコを止めていたけど、そのブレンドのために再びの放水をしていた。瑞希は「ごめんなさい、お兄さん、ごめんなさいっ」と震え声でまだ謝り続けていたが、オシッコはジョボジョボとぼくの口へ注いでいる。真っ当な神経を、瑞希はちゃんと有しているらしかった。
というか、
「えへへ、お兄ちゃんのおちんちんにシャワーだよっ」
オシッコをまた止めたと思ったらぼくのペニス(もちろん勃起しっぱなしだ)へと振りかける、勢いはさほどでもないけど、温かく、かすかにくすぐったい。
「ほらっ瑞希兄ちゃんもっ」
「わっ、わっ、ちょっと!」
瑞希のオシッコが暴れた。流斗が先っぽを摘まんで、ぐいとぼくの下腹部へと向けさせる。
「やっ、ダメだってばっおちんちん破裂しちゃうっ」
ひどいけど、自分なら大丈夫、だったら同質の持ち主だって平気と信じて、流斗は「ね、お兄ちゃん、おちんちんうれしい?」
ぼくに訊く。
「もちろん、すごく嬉しいに決まってる。……ありがとう、瑞希のオシッコ、あったかくて気持ちいいよ。本当にガマンしてたんだね、まだ止まらない」
ぼくが、ぼくの腰を跨いで放尿する瑞希のスマートなお尻に向けて言うと、……やっとすべて出し切ったのだろうか、俄かにシャワーが止んだ。流斗のは、さすがにもう少し前から終わっている。
しかし、水音はまだしているのだ。
瑞希の正面には鏡を背にした彼の「妹」がいる。
「あっ、ダメっ、ダメだよっ、由利香ぁっ」
自分の裸を見て反応してしまう「兄」の前へ由利香は降り、膝で立って、
「ほんとに、いっぱい出てる……、瑞希のオシッコ、すごくあったかいよ……?」
寧ろ進んで浴びている。ようやく音が止んだと思ったら、今度はにちゃっにちゃっとリズミカルに扱く音が響き始める。
「やっやだっ由利香っ、由利香だめっ」
「さっき、瑞希、由利香のおっぱい触って、すごい硬くしてたの、嬉しかったから」
恐らく由利香は瑞希のおちんちんをほのやわらかな乳房に押し当てながら扱いているのだろう。「すげー、エロい……」と覗き込んだ昴星が呟く。流斗もこっくりと頷いて、「お兄ちゃん」とぼくを手招きした。陽介もそれを、紅い顔して見ている。
「やぁあっ……!」
由利香の勃起した乳首に当てられた瑞希のおちんちんが跳ねた。勢いよく飛び出した精液は重たく濁って、彼女の胸ばかりか口元まで飛び散る。ぼくはバランスを崩した瑞希を後ろから抱きとめ、「ごちそうさま」と囁いた。
「陽介」
由利香は立ち上がり、浴槽の縁に座るもう一人の「兄」の頬を両手で包む。「瑞希のおちんちんから出た精液。……半分こしよう?」
陽介も、もう勃起していた。才斗よりは一回り小さい印象ながら、太さは才斗以上である。由利香は陽介の舌に舌を絡めながら、陽介の足の間に手を入れ、巧みな手つきでおちんちんを愛撫している。
「今度は、陽介の番だよ? ……由利香の大事なお兄さまに、陽介のおちんちん、あげられるよね?」
妹的存在の少女にそう促されて、陽介は紅い顔を悔しそうに歪めて、頷く。
「ってか、おれもまたしたい!」
昴星がぴょこんと立ち上がって言った。「由利香もしろよ、三人で一緒にさ」
どうやって。
その答えを、きちんと昴星は用意していた。というか、こういうことになるとわかった時点で予定していたに違いない。
促されて再び仰向けになったぼくの左で昴星が膝で立つ。
右に陽介が膝を付き、ぼくの顔を跨ぐように由利香が、足の間の割れ目を見せる。
「これでさ、由利香にオシッコかけて、由利香もオシッコしたらさ、三人分おにーさんの口に入るだろ」
よく考える。そのために使う脳の何パーセントかでも勉強に回せば、試験の点に苦労することはなくなるだろうに。
「おまえ、由利香にしょんべん引っ掛けるつもりかよ!」
「いいじゃんか、おまえと一緒にすんだし、瑞希だって引っ掛けてただろ」
「あの、わたしは昴星くんの言うとおりでいいと思います。……わたし、平気だよ、陽介のオシッコも、欲しい。二人にオシッコかけられるって思うだけで、どきどきする……」
少年たちが興奮しているのは一目瞭然、だけど、由利香が同じように興奮していることも、ぼくの目には見えるのだ。
「お兄さま」
彼女はぼくを見下ろして、恥ずかしそうに微笑む。「由利香、立ったままオシッコするなんて初めてです。上手に出来るかわからないですけど、ちゃんと二人のオシッコ、届けられるようにしますね」
ん、ぼくはその味を想像して興奮する。
「瑞希兄ちゃん、才兄ちゃんもこっち」
流斗が二人の兄を誘って、ぼくのお腹にまたがった。「おちんちんのちゅーしよ、お兄ちゃんと」
「な、なんでおれまで」
「いいの! みんなでやらなきゃ意味ないし、みんなでやったら何倍もお兄ちゃんうれしいよ」
流斗の硬い熱がぼくの亀頭に押し当てられる。「ね? すごくえっちでしょ?」遅れて、才斗と瑞希のおちんちんもぼくの茎に当てられた。
「……おまえ、それで立ってんのかよ」
陽介がぼくの頭上で昴星のおちんちんの小ささを咎めた。
「う、うるせーな、おれのはまだこれからでかくなるの!」
「本当かよ。そんな赤ん坊みてえなちんちんで精液なんか出せんのかよ」
「出せるわい!」
二人の、「微笑ましい」と言ってきっといいはずの話を聴いていると、「昴星くんのオシッコも精液も、ちゃんとたくさん出せますよね?」由利香が慰めるように言う。
「わたし、もうオシッコしたいです」
「……わかったよ」
陽介は溜め息で躊躇を吹き飛ばした。「出しゃいいんだろ、出しゃ」
勃起状態のおちんちんからの放水は、まず陽介から始まった。ぼくに数滴垂れた金色の雫、すぐに放物線に変わって、由利香の身体で跳ねる。それが由利香の体を伝って割れ目を濡らし、ぼくへと滴る。今日ここまで口にしてきたオシッコとしては、臭いも味も一番平均的と言える。オシッコらしいオシッコで、それが年の割には大きめの陽介から放たれるものだという思いは、
「あっ」
「えへへ、お兄ちゃんおちんちんピクってした……、すっごいえっち」
ぼくとおちんちんで「ちゅー」する流斗にも伝わり、少年に腰を動かさせる。
「おれも」
昴星は飛沫のようにドリル状の余り皮から一気に放出した。
「うわ」
陽介が思わずそんな声を上げる。
「くせえ! 何でおまえのそんなくせえんだよ!」
「フン、知るか! 才斗もおにーさんもこのくせーの好きなんだよ!」
実際、一際臭い。まだ由利香からのバトンを渡される前なのに臭いは届き、陽介のものと混じり合ってぼくの口に滴る段に至っては、その強烈な尿臭に頭がクラクラするほどだ。
「んっ……」
由利香も放尿を開始した。何割かは太腿に伝って、しかし力感のある一条が、まっすぐにぼくの口へと注ぎ込まれる。女の子なのに「立ちション」がすごく上手にできている。
「お兄さま……、ちゃんと、届いてますか? 陽介と、昴星くんと、由利香のオシッコ……」
飲み込むのが間に合わないほどの、少年少女三人分のオシッコ、混じり合って素晴らしい味わいとなる。流斗が「二人とも、お兄ちゃんのタマタマして」という声が聴こえる。流斗の手がぼくの茎を掴み、幼い茎と重ねて扱きはじめた。才斗も瑞希も、ぼくの陰嚢を優しく摩ってくれる。
満ちるのを感じる。そしてぼくは、何かを飲みながら射精すると、結構まずいことになるということを知った。
「あはっ、お兄ちゃんのせぇしっ、すごいっすごいいっぱいっ」
危うく飲んだもの全部出してしまいそうになった。なにせ、まだ三人のオシッコはぼくの口へと注がれてくるのだ。……吐き出してしまうなんて、そんなもったいないことできるはずがない。むせるのを堪えて何とか全て飲み切ると品のない話だがげっぷが出た。
「すっげえくせえ」
うんざりしたような声で陽介が文句を言う。
「おまえ、よくこんなくせえの出せるな。ちゃんとちんちん洗ってねえんだろ」
「ん、んなことねーぞ、ちゃんと洗ってるもん! 才斗に洗ってもらってるからきれいだし、皮だってちょびっとは剥けんだぞ!」
「本当かよ。勃起してんのにそんなちっこいんだろ、見せられるだけの中身なんてあんのかよ」
「失礼なやつだな! 見てろよ……」
「兄」と「昴星くん」のやり取りを、由利香はクスクスと笑いながら見ている。「お兄さま、男の子っていつもこんなお話してるんですか?」
いや、普通はするまいよ。
「……ほらっ、ほら見ろ! ちゃんと剥けるだろ!」
「くっせえ!」
「何度も何度も臭いって言うな!」
「事実だろっ、くせえもんくせえっつって何が悪い!」
「昴兄ちゃんのおちんちんは臭いからいいんだよ」
ぼくの性器に精液を振りまいて流斗は笑って振り返る。
「才兄ちゃんもぼくもお兄ちゃんも、みんな昴兄ちゃんのすっごいくさいおちんちん大好きだもん」
流斗まで何度も「くさい」を連発する。
「わたしは、昴星くんのこの臭い、好きですよ?」
由利香が、昴星が頑張って剥いた皮の中に指先を当てる。
「昴星くんに教えてもらわなかったら、わたし、オモラシできるようにならなかったと思います。昴星くんが率先してすごい臭いのオシッコ見せてくれたから、わたしもお兄さまのために出来るようになったんです」
「ううぅ、おまえらみんなおれのこと臭いって言い過ぎだ!」
しかし、「事実だろ」と才斗がぼそりと言う通りである。
「ほら、瑞希兄ちゃんもかいでごらんよ」
「い、いいいいよっぼく臭いのやだ」
「そんなこと言わないで、ほらっ」
無理やりに、昴星のおちんちんに顔を近づけられて、「うわあっ」瑞希は驚愕に声を跳ねさせた。そう、びっくりするんだ、最初は。
まして、いまはオシッコ直後。先ほど陽介の前で剥いて見せた途端に臭いが弾けたように、皮の中へ戻った残尿が強い臭いを発し出したところである。
「なんっ……なんでっ、なんでこんなすごい臭いになるの……?」
「知るかよ!」
「確かにね、昴星のは臭い」
「おにーさんまでっ」
ぼくは起き上がって、昴星を後ろから膝に乗せた。才斗も流斗も何も言わない。ただ流斗や瑞希、由利香よりも重さがある。
「でもさ、これ、嫌な臭いだと思う? 陽介、どう?」
「そ、そんなの……」
臭い臭いと非難された昴星も、その臭いを嗅いだ陽介も、おちんちんは小さくなっている。陽介は困惑顔で言葉を探すが、少年の持ち合わせの中には入っていないらしい。
「瑞希も、びっくりしただろうけど、嫌な臭いとは思わなかったんじゃない? 実際に本当に臭いものを嗅いだら、気持ち悪くなっちゃうと思うけど」
瑞希は、自信なさげに頷いて、「確かに……、あの、すっごい臭いって思ったのは事実ですけど……」変なこと言ってるのかな、と他の少年少女に視線を巡らせて、
「でも……、嫌な臭いじゃないような、気がしました……」
「そうだよね。じゃあ、それはどうしてだろう?」
瑞希は「わかりません」と肩を落とす。
「陽介は、瑞希のオシッコも好きだよね?」
むっ、と唇を尖らして、素直に認めはしないがその態度で答えになっている。
「瑞希も、陽介のおちんちんを臭いって思わない。そして二人とも、由利香のおまんこの臭いは嫌じゃないよね?」
「さっき二人とも、由利香のおまんこ舐めてくれました」
由利香は恥ずかしそうに、しかし嬉しさを隠せずに言う。彼女には、ぼくの考えていることはもうわかっているようだ。
「みんな、昴星のことが好きだからだと思うよ」
「えっ」
瑞希が驚いたように目を丸くする。
「昴星が好きだから、昴星のおちんちんの臭いが嫌じゃない。才斗が最初に昴星の臭いに反応したのは、才斗が昴星のことがそれより前から大好きだったから。流斗もそうだよね? そしてぼくは、ずっと昴星みたいな男の子の臭いに興味があったから、臭いのがすごく魅力的に思えた。由利香も、そりゃ最初は驚いたかもしれない、でもいまは昴星のこと好きだよね?」
彼女は、はっきりと頷いた。
「それと同じ。陽介も瑞希も、自分たちのことを大事に思ってくれた昴星のことを好きなんだ。……すごい素敵なことだと思うよ。みんな、お互いのことを大事に思い合ってるってことなんだから。それを、昴星のおちんちんの臭いが証明してる」
「ぼくたちみんな、お兄ちゃんのおちんちんのにおいも大好きだよ」
流斗が言う。
「才兄ちゃん、そうだよね?」
「お、おれに訊くのかよ……」
「うん。一番ににおいがわかるの、才兄ちゃんだもん。才兄ちゃん、お兄ちゃんのおちんちんのにおい嗅いで確かめてみてよ」
散々「臭い」と言われた昴星はしょんぼりと立ち上がって才斗に場所を譲る。「ちゃんと洗ってんのに……」とぶつぶつ言って、隅っこにあぐらをかき、自分のおちんちんをつまんでいる。
「……ほんとに、嗅ぐのか……?」
才斗はまだ戸惑った顔でいる。ぼくの、流斗の精液を浴びたペニスは少年の前に力を失っている。ほとんど流斗の精液の匂いしかしないんじゃないのか。そう思っていたけれど、才斗はタイルに手をついて、ぼくの股間に恐る恐る顔を近づけた。
「どう? 才兄ちゃん」
確信を持って、流斗は訊きながら才斗の後ろへ回る。「お兄ちゃんのおちんちん、いい匂い?」
才斗はしばらく動かなかった。鋭敏な鼻を持つ少年の股間に、流斗がこっそり、手を伸ばした。
「あっ! こ、こらっ」
「えへへ、才兄ちゃんのおちんちんおっきくなってきてる、才兄ちゃんもお兄ちゃんのおちんちん大好きだってー」
みんなに向かって流斗は言い、才斗は真っ赤になった。昴星の恋人までぼくの匂いを好きって思ってくれるなんて、こんな幸せがあるだろうか。ぼくは才斗にキスしたい衝動を抑えて、「ありがとう」と彼の短い髪を撫ぜた。
「由利香も、お兄さまのおちんちん、大好きです」
由利香は後ろからぼくに抱きついて、甘える。「お兄さまのおちんちんは、由利香のこと、すごく、幸せにしてくださいます。由利香だけじゃなくて、ここにいるみんなのことを、幸せでいっぱいにしてくださるんです」
ぼくの背中におっぱいを押し付けて、甘く囁く。そして手を伸ばし、ぼくのペニスに触れた。
「だから、由利香はお兄さまのおちんちんが大好きです」
「ぼくも! あのね、ぼくいいこと思いついたよ!」
流斗の思いつきが悪かったためしがない、もちろん、良かったためしもない。すっぽんぽんのまま、小さなおちんちんを弾ませて流斗は浴室を出て行く。そしてすぐ戻って来た。
「向こうのお部屋よりもこっちの方があったかいね」
「なんだそれ……」
流斗が手にするものを見て、陽介がぽかんと呟く。
「パンツ……?」
「昴星の」
才斗が溜め息交じりに答えた。「昴星が、オモラシしたパンツ。……いや、オネショだ。そうだな?」
さすがに才斗は一目で見抜く。
「うん、旅行のときに昴兄ちゃんがオネショしたときのパンツ。これ、さいしょは白かったんだよ。でも昴兄ちゃんがいっぱいしちゃったからもとから黄色かったみたいになってるの」
「すごい……」
「きたねえ……」
瑞希も陽介も圧倒されたように呟くが、そこにあるのは純粋な驚きだけだ。実際問題、その一枚があるだけですでに六人分のオシッコの臭いが漂っているはずの浴室の中にプンと新しく臭いが発生したように感じられるほどだ。
「うー……」
昴星は真っ赤になって縮こまる。
「これをね、昴兄ちゃんにはいてもらおうと思いますっ」
「んなっ」
流斗の宣言に昴星は飛び上がる。「なんっ、なんだそれっ……」
「だって、昴兄ちゃんにオモラシパンツってすごく似合うんだよ?」
じり、と流斗は乾いた尿臭を放つブリーフを手に、昴星ににじり寄る。昴星にはもう逃げ場がない。
「素直に穿けよ。パンツは穿くためにあるもんだろ」
才斗が昴星を捉える。
「わたしも見てみたいです。ほんとうに似合うのかどうか……」
「っつうか、きたねえパンツが似合うってどんな話だよ」
「あの、お兄さん、ぼくらの替えのパンツは、ちゃんときれいなやつですよね……?」
もう誰一人として股間を隠していないことに、みんな、気づいていない。それだけ心を許しあっている証拠だ。
「ほら、足上げろ」
「ううう……、ちんこ病気したりしねー……?」
「終わったらちゃんときれいに洗うからだいじょぶだよー」
恋人とその従弟に恥ずかしいパンツを穿かされた昴星の姿、……多かれ少なかれの黄ばみは常に付着しているようなブリーフは見慣れているし、オモラシした直後のびしょ濡れブリーフ姿も何度も見た。
しかし、ここまで汚れたパンツを穿いた姿というのは、よく考えてみればぼくがわざわざ「これ穿いて」ってお願いしなければ実現しないのだ。そう考えると、流斗のアイディアはやはり、素晴らしいものだと言う他ない。その上昴星は滅多にないくらいに恥ずかしそうな表情を見せてくれている。普段の強気な顔もとても可愛い、けど、そういう顔になると元々女の子みたいに可愛い顔をしているわけで、たちまちはかなげになってしまう。
「すっごくよく似合ってるよ、昴兄ちゃん」
「……うるせー」
「わたしもそう思います。昴星くんのいいところが、すごく際立つみたいです」
「お、おれのいいところってこんな汚いパンツ穿かなきゃ見えねーのかよ!」
六人でぐるり昴星を囲む、昴星は三百六十度隠すところなく自分のオモラシパンツを晒すこととなっている。
加えて流斗は昴星の恥ずかしい秘密を更に詳らかにしてしまう。
「昴兄ちゃんね、ほんとは恥ずかしいの好きなんだよ。学校の女の子たちにおちんちんとかオモラシとか、あとうんちするとことか見せて何度もせーし出しちゃうの」
「わっ、バカそれはっ……」
流斗がにこにこしながら披露する昴星の秘密、先日のスカイプでのときのこと。確かにあのとき、マゾヒストの本性をこれ以上ないほど積極的に晒した昴星の姿は非常に印象的だった。
「そんなこと」
「……したのかよ」
「したよ」
才斗がフンと突き放したように言う。そもそも昴星がマゾヒストの気質を持っていることに最初に気づいたのは恋人である才斗だ。
「他校の女子の前でオモラシしたり、うんこしたり……、泣いてるくせにちんこガチガチにしてた」
「才斗までっ……、言うなよな! 怒るぞ!」
だいたい「怒るぞ」ってセリフは、もう既に怒ってる人間の口にする言葉だ。しかし昴星は震えて泣きそうになりながら言うので、愛らしさばかりが浮き出てしまう。
「さっきの続きだ。……陽介も瑞希も、もう一回さ、昴星の臭いが本当に臭いかどうか確かめてごらんよ」
「……こんな黄色いパンツ、嗅ぐんですか?」
「だって、このパンツには昴星がいっぱい詰まってる」
すっかりおちんちんの落ち着いてしまった二人は顔を見合わせて、……まず、陽介が先に臨むと決めたらしい。
「いいっ、いいってばっ、どうせくさいからっ」
逃げようとする昴星を拘束するのは才斗の仕事だ。後ろから腕ごと抱き締めて、「ほら陽介、早くしろよ」と催促する。
「ん……、う、やっぱすげ……」
顔を顰めたのが右斜め後ろからでもわかる。ブリーフって、トランクスに比べるとしっかりした厚みがあるぶん、汚れを溜め込みやすい。後ろの、いわゆるウン筋があまり表に現れないのもブリーフの生地の厚さによるところが大きいけれど、臭いは繊維の奥深くまで浸透して、例えば昴星のように元々臭いの強いオシッコをするような子の場合、より強烈な臭気保存性を持つ。
「臭い?」
瑞希が不安そうに訊く。
「くさい」
陽介は即答した。が、「でも……、何だろ、……くせえんだけど、何か、平気っていうか……。おまえも自分で嗅いでみろよ」
緊張の面持ちで、恋人が首を傾げて譲った場所に膝を揃えて座り、恐る恐る、鼻を寄せる。
「あ……っ、何だろこれ……」
そんな声を、瑞希は上げた。「ぼく、このにおい嗅いだことある……」
「才斗くん、わたしも、いいですか?」
昴星はもう反撃の気力を失ってしまったみたいだった。才斗が由利香のために退いても、下半身を三方から嗅がれる状況では反撃のしようもないというのが本当のところかもしれない。由利香は昴星のむっちりとしたお尻を包む巨大なシミに遠慮なく鼻を当てて、すん、と嗅いだ。
「わたしも……、この臭いを知っています」
「だよね、由利香もそう思うよね! ほら、陽介ももう一度」
「うーん……」
陽介は顔を少し離して鼻をヒクヒクさせていたが、やがて意を決したようにぐいと昴星のおちんちんの膨らみに鼻を押し付けて、勢いよく吸い込む。二秒、動きを止めて、
「ほんとだ! この臭い、おれも知ってるぞ!」
霧の晴れたような顔で言った。
「でも、何のにおいだろ……」
瑞希はまたすんすんと鼻を近付けて、まだ納得いかないような顔で「ねぇ、昴星くんの……、直接、嗅いでもいい?」と訊く。
「いいよ。好きなだけ嗅げ」
才斗は我が物として昴星のおちんちんを瑞希に明け渡す。昴星が不平を言う暇もない。瑞希は窓から、縮んだままの昴星のおちんちんを引っ張り出す。
「やっぱちっちぇえな」
「うん。……小さいのも関係してるのかな……」
まだ湿っぽいおちんちんに、瑞希はもう積極的に鼻を当てる。「甘いような……、気がする」
「でも、やっぱしょっぱいにおいもするよな」
「うん……。なんだろう……、本当にわかんない、でも」
「……確かに、知ってるにおいだ。ただのしょんべんのはずなのに……」
「皮、剥いてみるね……?」
片手だけでは簡単に剥けない、それだけ昴星のおちんちんは恥ずかしさに身をすくめている。それでも優しい瑞希の指に捲られて、昴星は涙目でじっと堪えている。
「……ここからも、同じにおいだ……。でも……、あれ? パンツの方がわかりやすく知ってるにおいがしてたよね?」
「お兄さま」
ずっと集中して昴星のお尻に顔を埋めていた由利香が、その腰から顔を覗かせた。ぱっと明るい顔になっていた。
「由利香、わかりました。昴星くんの臭いの正体」
ぼくは悠然と頷き、膝の上に乗ってきた彼女の髪を撫ぜる。
「うん、何だと思う?」
ぼくは、正解を知っている。
正確に言えば、「知っている」というか、さっき「知った」という方が正しい。なぜ少年少女たちが共通してその臭いを「知っている」のか。
そして、ぼくもその臭いが記憶にあるのか。
「昴星くんのパンツは、……由利香のお布団と同じにおいがするんです」
ぼくには至極スムーズに納得できるその形容は、しかし少年たちには怪訝な顔をせしめるものだった。
「ゆ、由利香のお布団、こんなオシッコのにおいがするの……?」
いたたまれないような表情で訊いた瑞希に、由利香は慌てて「ち、違うのっ、そうじゃなくって……」言葉を探す。
「みんな、ちっちゃいころはオネショしちゃったりオモラシしちゃったりするよ、……ぼくや昴兄ちゃんは、いまでもしちゃうけど」
賢く優しい流斗が由利香の言葉を補う。「みんなのお布団は、いまは違うのかもしれないけど、むかししちゃった失敗のにおいがしみこんでて、……だから昴兄ちゃんのおちんちんからは、ぼくらみんながずっとお布団でかいできたなつかしいにおいがするんだよ」
それは見事なまでに完璧な説明だ。やはり流斗は頭がいい子である。
「うー……」
昴星は相変わらず恥ずかしそうだが、陽介は「なるほどなあ……」と感心しながらまた鼻を当てて嗅ぐ。
「才斗くんは、それ、知ってたの?」
と瑞希が訊いた先で、才斗は腕を組んで考え込む。頭から出たフキダシに、「そうだったのか……」って書いてあるのが読める。
「……じゃあ、昴星くんのオシッコは、ちょっと臭いが強いだけで、由利香たちと同じ臭いがするってことなのでしょうか」
由利香が昴星の腰の脇から顔を覗かせてぼくに訊く。
「そうだろうね。昴星もみんなも、基本的にはやっぱりオシッコだから、臭いは同じだよ。ただ昴星のオシッコは、やっぱりみんなよりちょっと臭いが濃い。量も多いしね」
「確かに、……お尻の方まで、すごくしみています。色も、黄色だけど、オレンジっぽく見えますし」
「なあ、なんでお前こんなにしょんべん濃いんだよ?」
「し、知るかよっ、……生まれつきだ! ひゃっ」
由利香がまたお尻の谷間に鼻を突っ込んだらしい。昴星は腰を跳ねさせ、陽介の鼻に小さくて柔らかな膨らみを押し付ける格好になる。陽介はもう虜になったようにまた鼻を押し付けて深く呼吸を繰り返し、瑞希は「ぼ、ぼくにももっと嗅がせてよ」と陽介に求める。結局二人は昴星の黄ばみを挟み込むように鼻を当てて、すんすんと執拗に臭いを求めている。
「ね、お兄ちゃん、昴兄ちゃんのにおい、いいよね」
ぼくの膝に収まって流斗が言う。ぼくは心からその意見に同意する。これほど魅力的な臭いは、そうはない。排泄物の臭いではあるけれど、昴星はみんなに愛されている。これは素晴らしいことだ。
「あれ? ……ねえ、昴星くんのおちんちん……」
瑞希が呟く。陽介もはっとした顔になって顔を離す。
「そりゃあ……、それだけみんなに嗅がれちゃったら、昴星だって恥ずかしいよね」
恥ずかしいと思うがゆえに昴星が示す反応に、陽介と瑞希は顔を見合わせる。小さな膨らみは小さなまま、きっちりと角度を変えて硬さを帯びているのだった。
ずっと考え込んでいた才斗が思考を中断して、「おい昴星、その『臭い』の元、三人に嗅がせてやれよ」と口元に意地悪な笑みを浮かべて言う。
「どうせ、そろそろ出したいんだろ?」
「さっきしたばっかじゃねえか……」
陽介が戸惑った声を上げるが、「こいつはいくらでも出せるんだ。だから寝てる間にも無意識のうちに出て、しょっちゅう布団をビショビショにする」と説明する。
「わたしも、……見たいし、嗅ぎたいです。昴星くんのオシッコ、好きですよ?」
「やだ! そんなんっ……、なんでおれだけオモラシなんかしなきゃなんねんだよ!」
「ぼくらもみんなしたら、昴兄ちゃんもオモラシするんだ?」
流斗がひょいと立ち上がって言う。昴星が一瞬戸惑って言葉を探しているうちに、流斗はさっさと部屋に戻って、……三十秒とかからず、全員分のパンツとタオルを持って戻ってきた。
「お、おれたちの分もかよ!」
「そうだよっ、そんな、ぼくたちさっきしたばっかりだし!」
「でも、ちょびっとなら出せるよね? はいこれ才兄ちゃんのパンツ」
「おれもか……」
「わたし、出せます。……由利香のオモラシ、お兄様、見てくださるなら」
由利香が率先して身体を拭き、白いパンツに足を通す。年下の少女がそうする以上、兄二人も黙っているわけにはいかないと思うらしく、陽介と瑞希もそれに倣った。瑞希はさっきちびった分がもう黄色くなっていて、恥ずかしそうだ。ただ股間が薄く黄色いのは陽介も同じで、この二人は一昨日からパンツを替えていないはずだから仕方がない。
「陽介、瑞希、ちょっといい?」
二人を手招きして、ぼくの前に立たせる。二人はある程度、何をされるか想定しているらしい。恥ずかしそうに手を後ろに回して、ぼくを待つ。
陽介、瑞希の順に膨らみの臭いを確かめる。どちらも同じようにいい臭い。そして、
「二人も、昴星と同じカケラを持ってるよ」
とぼくは教える。
「で、でもぼくたちのは、そんなに濃くないと思います」
「そうだよ、おれたちあんな汚くしてねえし」
「……さっき言ってただろ、濃さが違うだけで、みんな同じだって」
溜息交じりに、才斗もブリーフを穿いて、「ちゃんとおれの分も替え、あるんですよね? 150ですけど」とぼくに訊く。150、諭良の替えが、才斗と陽介にはジャストフィットのはずだし、昴星と瑞希には昴星が普段穿く130で入る。問題は由利香だけど、泊まりの支度をして来た彼女はちゃんと持っているはずだ。
「えへへ、じゃあぼくオモラシするよー」
「お」
ぼくの顔にお尻を押し付けて立ち、流斗がそう宣言した。
「ほかに誰か出せる人いる? いっしょにしようよ」
由利香が「出せます」と手を上げた。
「お兄ちゃん、ぼくとゆりねえちゃんでオシッコかけてあげる」
二人は、ぼくの腰を跨いで向かい合う。
「ね、ゆりねえちゃん、おっぱいしていーい?」
質問中にはもう、流斗は由利香のおっぱいに触っているようだ。「わぁ……、やっぱりやわらかぁい」
「もう……、流斗くんは甘えんぼなんだから……」
「うん、ぼく甘えるの大好きだよ。だって子供だもん! だからオシッコだってパンツの中に出しちゃうんだー」
下着に封じられた空間から水音が響き始めた。ごくスムーズな失禁、……慣れたものだ。間も無くぼくのペニスに、温かな雫が滴り始める。
「わたしだって、子供です……」
由利香も、もう、慣れたようだ。膝を微かに震わせて、流斗と手を繋いでオモラシを始める。
「わあ……、オモラシ、してる……」
妹の失禁に、瑞希の口からは言葉が漏れた。陽介は何も言わない。
「おまえも、するんだよ」
才斗がぶっきらぼうに言い放ち、ぼくの顔を跨いだ。「……あんまり、出ないし、したくないですけど」と不機嫌な顔で言い捨てると、スマートなお腹に手を当てて恥ずかしそうに力を抜く。……最高の甘露を待ち構えて、ぼくはすぐ口を開けた。
「……っん……」
「才兄ちゃんのオモラシだ……、あのね、才兄ちゃんはめったにオモラシしてくれないんだよ」
そうだろう、プライドのきちんと備わった子だ、ぼくなんかにおちんちんを見せるのだって嫌なはずだ。それでもいまは、ここにいるみんなの幸せを願って自ら下着を濡らし、ぼくの口へと温かな蜜を垂らしてくれる。感謝しながらぼくは貴重な露を味わう、……やっぱり、おいしい、脳の芯が痺れるような味だ。
「ゆりねえちゃん、ぜんぶでた?」
「はい……、オシッコ、全部出ました」
「ほら、昴兄ちゃん、ぼくらちゃんとオモラシしたよー」
いそいそと濡らしたブリーフを脱いで流斗は催促する。由利香もまた裸になり、ぼくの顔にオシッコを注ぎ切った才斗も汚いものを扱う手付きでブリーフを摘まんで脱ぐ。流斗が三枚ある風呂の蓋の一枚を下ろして、その上に並べる。……もちろん三人分のオシッコの臭いが漂っているわけだが、それは優しいと言っていいほどのささやかなもの。もっとも、この浴室の中自体がもうずいぶんオシッコ臭くなっているせいで、嗅覚披露を起こしている可能性も否定出来ない。
「それとも、陽介兄ちゃんたちがするまでガマンする? そっちの方がオシッコいっぱい出てくるかもしれないよねえ」
言って、流斗はパンツを穿いた二人に視線を送る。
「……ほんとに、すんのかよ……?」
瑞希のオモラシは見せてもらったことがある。きっと、陽介と二人きりのときにも何度かしたに違いない。一方で陽介が瑞希に請われてそれをしたとは考えづらく、才斗以上に希少価値の高いオモラシになるに違いない。
「陽介兄ちゃん、オモラシお兄ちゃんに見せてあげてよ。ぼくらが見てるより恥ずかしくないでしょ?」
「ど、どっちも恥ずかしいに決まってんだろ、っていうか、まだそんな出ねえしっ」
「だいじょぶだよ、ぼくらいつもたくさんしてるよ? ゆりねえちゃんも出来たのに、陽介兄ちゃん出来ないの?」
流斗は天使のようににこにこ微笑みながら、悪魔のように言う。タチが悪いとはこういうことを言う。もちろん、ぼくにとっては誰より可愛い、紛うことなき天使の言葉であるけれど。
「陽介」
瑞希が、きゅっと陽介の手を握った。「いっしょに、しよ……。ぼくも、出すから……」
恋人の言葉こそ、もっとも効果的な力となるに決まっていた。陽介は結局渋々ながら頷き、先ほどのようにぼくの前に並んで立つ。右に陽介、左に瑞希。
「目ぇ、つぶって。見られてるの、かんじなくなるから……」
既に失禁に慣れた瑞希が囁いて陽介をリードする。こく、と頷いた陽介が、ぎゅっと目を閉じる。
「そしたら、……お尻から力抜いて……、ちんちんゆるめて、……お腹の下のほうに溜まってる水を、少しずつでいいから、ちんちんのほうに持ってくる感じで……」
瑞希の言葉は細かい。昴星から瑞希に受け継がれたやり方が、今度は瑞希から陽介へと伝わって行く。これを「文化」とは言わないけれど、それでもある種の「伝承」がこうして行われている。
先に、瑞希のおちんちんの膨らみにスポットが生じた。
「陽介……、ぼく、出てきた……、オシッコ……」
さっき汚してしまった場所より少し下なのは、先ほどは由利香の裸を見て、おちんちんが上を向いていたから。じわじわと、ゆっくり、広がって行くのは先ほど同様黄色い尿。昴星や流斗よりふっくらした膨らみをよりリアルに浮かび上がらせながら。
「あ……」
陽介も、ひくんと震えてそこにシミを形作る。
「陽介? 陽介も、出てきた……?」
「出てきた……、しょんべん、出てきた……っ」
気の強い少年の、何年ぶりになるのかわからないがとにかく久し振りのオモラシだ。
意外だったのは二人ともさっき放尿したばかりなのに、それなりの量でパンツを濡らして見せてくれたことだ。
「目、開けて……、見てみよう? ぼくと、陽介の、オシッコ……」
恐る恐る、陽介は瞼の鍵を開ける。そうっと濡れたブリーフに視線を下ろして「うお……」と声を溢れさせた。
「どうだった?」
二人のフレッシュなオシッコの臭いを愉しみながらぼくは訊いた。陽介は真っ赤な顔で、「きもちわりぃ……」と唇を尖らせる。彼の恋人はそうは思っていないらしく、自分のオシッコの中に溺れたおちんちんを硬くしつつあった。恋人といっしょにオシッコを漏らしたという事実が、それだけ嬉しいに違いなかった。
「ぎゃ」
「あう、お兄さっ……」
二人の濡れた膨らみに触る。瑞希のものはもう硬い一方で、陽介のそれは恥ずかしさに縮み上がっている。順にしばらく愛撫してから、
「うあっ」
陽介のそれに口を当てて、吸い上げた。しょっぱさが強いオシッコの中に、縮こまっていてもしっかりとしたおちんちんの存在感がある。
「や、やだっ、やめろよっ」
慌てて腰を引いてしまった。初々しい反応はそのまま可愛らしいと言い換えることが出来る。
「ぼくにも陽介兄ちゃんのオシッコちょうだい」
「ひゃあ!」
流斗が後ろから、濡れた陽介のブリーフに口を付ける。瑞希も膝を付いて、「はじめて……、陽介のオモラシ、見ちゃった」紅い頬を綻ばせて、ブリーフの窓から濡れたおちんちんを引っ張り出す。ちゅるんと一口に収めて、「んんン……」恋人の味をしっかりと確かめながら、自分の窓から勃起したおちんちんを取り出して、ぐちゅぐちゅと皮の鳴る音を立てながらオナニーを始めてしまう。その手を、由利香が止めた。
「昴星くんのオモラシ、見なくていいの?」
思い出したように、瑞希が昴星を見る。陽介も。
「ほら、昴星。……みんなしたよ? あとは昴星だけだ」
昴星の膀胱がどういう状況かは、ぼく、才斗、流斗にはわかっている。そもそももう黄色く汚れたオモラシパンツを穿いているのだから、恥ずかしさなんてもう超越しているはずだ。
覚悟を決めたような顔で、……それでも膝は震えている。六人に見られながら、リクエストされてオモラシするなんて初めての経験だろう。
「わ、かったよぉ……、すりゃいいんだろ……」
陽介と瑞希を抱き寄せて、両膝に座らせる。二人の体温が濡れたブリーフごしに届いた。もちろん陽介は嫌がったけど、逃げるのは諦めたらしい。
「昴兄ちゃんのオモラシ、すごいんだよ」
「すごくねーよ! っつーか、すごいオモラシってなんだよ!」
「見ればみんなわかるもん。早く早くっ」
愛らしい「弟」に強請られて、もう昴星に逃げ場なんてない。
「……うううー……」
目を閉じる、柔らかなお腹に手を当てる。
始まった。
「うわ……、すげえ……」
密やかな音、ではない。本当にもう、「ぷしゃあああ」って、ダムからの放水みたいに、一気にブリーフの中で迸って、元あった黄ばみを濃く汚して行く。ビチャビチャと足元に雨を振らせる、……やっぱり、したかったのだ。
「どうして……、さっきいっぱいしたばっかりなのに、すごい……」
瑞希も呆然と呟く。二人して、さっきの流斗の言葉を裏付けるリアクションだ。
「それに、臭いもすごいです……、やっぱり昴星くんのオモラシ、すごい……」
タイルの目地を縫って広がるオシッコの水溜りに膝を濡らしながら、感動したように由利香は言う。
「すごいよね、……オモラシがこんなえっちなものだなんて、みんな知らなかったでしょう?」
左手で瑞希のおちんちんに触れても、少しも拒まれなかった。勃起した瑞希は明らかに昴星のオモラシにエロスを感じている。
由利香ははしたなく開いた自分の足の間に指を伸ばしていた。割れ目に中指を沿わせ、奥へと進ませ、「は、あ……、ンっ……」くちゅ、くちゅ、と鳴る音は昴星の大量放射の音にも負けない。ぼくは右手を陽介のおちんちんに伸ばした。……驚いたことに、陽介も勃起しているのだった。ぼくが指を当てると一瞬身を強張らせたけれど、どっしりとした握りごこちのそれを上下に動かすと、抗いはもうなかった。
「あ、あ……っ、オシッコ……、ぜんぶ……、もらしちゃった……」
やっと昴星の失禁は終わった。ぶるるっと震えた身体の中心、元あったシミよりもう一回り大きな濡れシミの真ん中で、小さなおちんちんが上を向いている様は、吸い付くようなブリーフの布地によって明らかだった。
「わかんねぇ……、何でしょんべん漏らしておまえ勃起してんだよ」
ぼくの右手に性器を弄らせながらも、怪訝そうに陽介は言った。
「ぼくも……、しちゃうとき、あるよ」
答えたのは陽介の恋人だ。ぼくの左手は、もうガマン汁でぬるぬるしている。
「恥ずかしくて……、いけないことしてるって思うんだけど、そう思うと余計に、何だかちんちん硬くなっちゃうんだ……」
「だってオモラシ気持ちいいもん」
流斗が言う。昴星の気持ちを一番よく理解できるのは、昴星からスキルを受け継ぎ、たくさんの経験を積んだ流斗に違いない。
「オシッコあったかいし、おちんちんにパンツがピターってくっつくの、すごくえっちなきもちになるんだよー。陽介兄ちゃんはそう思わなかった?」
「……わかんねぇ」
昴星は全てを放出した余韻でぼんやりしている。でも、忙しいのはこれからだ。昴星が何のためにオモラシを見せたかと言えば、
「ほら、行けよ」
トン、と才斗が背中を押した。よろめきながら、昴星は膝に一組の恋人を乗せたぼくの前に至る。
「すっげぇ、くせぇ……」
黄色く染まったブリーフは、近くに寄ると一層強い臭いをぼくらの鼻に届ける。ほんのりと香っていた陽介と瑞希のオシッコの臭いはたちまち塗りつぶされてしまった。
「臭い」は、事実。だけど、陽介は顔を背けたりはしない。
「昴星くん、すごく、いいにおい」
由利香は昴星のお尻がずいぶん気に入ったらしい。湿ったブリーフに頬を摺り寄せながら前に手を回して、
「あ、あっ、由利香っちょっとっ……」
窓から硬くなったおちんちんを引っ張り出す。
「ほら、……陽介、瑞希、昴星くんのおちんちんだよ……」
由利香の指の巧みな愛撫を受けて、昴星は恥ずかしそうに声を堪えようとする。由利香は構わず摘まんだ昴星のおちんちんの皮を捲り、桃色の濡れた亀頭と内側に詰まった刺激的な臭いを二人に解き放った。
「すごい……、これ、ほんとにオシッコの臭い……?」
昴星を見上げつつ、オシッコに濡れた下着に指を平気で当てて瑞希が昴星を見上げて訊く。
「全然垢もついてねえのに、こんな臭いすんのかよ……」
陽介も、自分に比べてずっと小さい昴星のおちんちんに呟く。
「ほら、二人とも。……オシッコの味だけするの、今だけだよ。すぐに瑞希みたいにぬるぬるにしちゃうんだから……」
瑞希の茎をそのぬるぬるで撫ぜて震わせて、ぼくは催促する。二人は顔を見合わせて、……はっきりと頷いた。
「ひぁ……」
二人の、「友達」の舌に、昴星がピクンと身を震わせる。
「わぁ……、すごい、味が濃いよ……、ね、陽介もそう思うよね……?」
「ん……、なんか、身体に悪そうなぐらいしょっぺぇ……」
「でも、……まずくない……、昴星くんのちんちん、おいしいかも……」
臭い同様その味も、二人を虜にしてしまう。
「よかったな、昴星。おまえ、みんなに好かれてるぞ」
才斗は聡明な顔にはあまり似合わないニヤニヤ笑いを浮かべて浴槽の縁にお尻を乗せて言う。恋人が自分以外の三人に愛されていることを、妬むよりは喜んでしまった方がいいと開き直ってしまったようだ。それは少年らしくしなやかな心の反応だ。その気になれば才斗は、いつでも昴星の臭いも味も独り占めしてしまえる立場にいるのだから、心に余裕があるのかもしれない。
「ん、っ、ぅンっ、んはっ……」
刺激的な臭いと味を放つ先端を二人の少年が愛しむ。当然の事として愛し合う二人は時折キスをし、舌を絡めあう。
「すごーい、陽介兄ちゃんも瑞希兄ちゃんも、お口すごいえっち……。ぼくもおちんちん欲しくなってきちゃった……」
ぼくの膝の上を二人に取られてしまった流斗である。
「ゆりねえちゃん」
昴星のお尻に顔を埋めて、足の間から昴星のタマタマを愛撫していた彼女は「はい?」と年下のご主人さまに振り向く。
流斗は才斗の足元に座っていた。
「ね、いっしょに才兄ちゃんのおちんちんしてあげよ? すっごくおいしいの、ゆりねえちゃんにも分けてあげる」
陽介の頭の影で見る。才斗は従弟と年下の少女、二人を足元にして、ほとんど抵抗を感じさせない顔になっている。
「さいしょ、ゆりねえちゃんにさせてあげる。才兄ちゃんのオシッコ、おいしいよ」
「はい……、においも、すごくいいです。それに才斗くんのおちんちん、すごく大きい……」
「ね、ぼくのいとこのお兄ちゃんなのに、ぼくのとぜんぜん似てないんだよ」
「流斗くんのは、きっとこれから大きくなるんです」
「そうなのかなぁ。でもぼく、ちっちゃいまんまでいいんだ、ちっちゃいほうがお兄ちゃんにかわいがってもらえるもん」
えへへ、と流斗はぼくに笑顔を向ける。いつか、やがて、大きくなったって可愛がるつもりでぼくはいるのだった。
由利香が、才斗のおちんちんを頬張る。
「んっ……」
ぴくん、と才斗が震える。まだ力感に乏しかったおちんちんが、由利香の口の中でサイズを増して行く……。
「才兄ちゃん、ゆりねえちゃんのお口すごいでしょ」
流斗は自分のことのように誇らしげだ。
「……すごい、な」
才斗は従弟の発言を素直に認め、彼女の髪に手を乗せて、まるで自分の妹にするみたいに優しく撫ぜる。
「こんな……、上手だったのか」
由有理は才斗のおちんちんに夢中になりながらも、恥らうように「んん」と鼻を鳴らす。
「ありがとな……、昴星のこと、してくれたんだよな。……こんな気持ちいいなら、あいつも幸せだったと思う……」
その言葉には、才斗の昴星を思う気持ちの量と質がぐっと詰め込まれていたように思う。愛しい恋人の幸せを願って、……それがより大きなものとなるためだと思うなら、ぼくのようなものだって活用し、幸せを膨らませようとする才斗の姿勢に、ぼくは感動さえ覚えた。
由利香も含めて、……この少年たちは、みんな多かれ少なかれそういう強い心の芯を持っている。
「……ガマン汁出てやんの。おれらの、そんな気持ちいいのかよ」
陽介がからかうように昴星の亀頭に指を当てて、「ほら、見ろよ瑞希、超ぬるぬるしてる」と昴星の包皮の隙間に指を突っ込み、内側から音を立てて抜いて、引く糸を見せる。
「いま、ちゅぽっていったね。……ほんとだ。昴星くん、ぼくたちでこんなに興奮してるんだ……?」
陽介が瑞希にその指を差し出す。瑞希はぱくんとその指を咥え、糸を引く唇で「こっちのおつゆも、臭くておいしい……」と微笑み、陽介に唇を重ねることでその味を教える。
「う、うるせえ、おまえらだって勃起してんじゃねーか! おれのちんこ、臭い臭いって言ってたくせに!」
二人のおちんちんだって、特に瑞希の方はぬるぬるだ。
「三人でいっしょにいくかい?」
ぼくは二人の頭の間から、昴星のおちんちんを一度しゃぶって「あう」と昴星の素直じゃない言葉を止めてから訊いた。
「一緒に気持ちよくなったら、三人は心の底から友達だよ」
陽介と瑞希は昴星を見上げ、それから互いの顔を見て、
「おねがいします」
と瑞希が代表して答えた。
「ぼく……、ほんとはもう、ちんちんいきそうです。お兄さんが陽介とぼくのいっしょにするの、大変じゃなかったら……」
ぼくは答える代わりに、二人のおちんちんを同時に、リズミカルに扱き始めた。陽介の方を、強めに握る。そうしないと瑞希だけ、先にいかせてしまいそうだから。
二人は再び昴星に口を付けた。陽介が息を震わせながら昴星の皮を剥き、瑞希は鼻から声を溢れさせながらちろちろと亀頭を擽る。
「ん、あっ、ンなっ、先っぽばっかぁ……っ、しっこ、オシッコ、出そうになるっ……」
その声は、かえって二人を煽るものにしかならなかった。陽介まで加わって二人掛かりに小さなおちんちんの亀頭をくすぐっているうちに、
「ひ、ィンっ」
あっけなく昴星は二人の顔に向けて「臭い」オシッコを撒き散らした。量は多くない。ぼくは二人のおちんちんを扱く手を加速させた。解放のために緩んだ括約筋が次に引き締まるときには、もう精液が噴き出すことは容易に察することができたから。
「あ、あっ、……ちんちんっ、ちんちんきもちぃ……っ」
ぎぅ、という力が瑞希に篭る。その力に呼応したように「おれ、もっ……出る……」搾り出すように陽介も声を上げた。
「ふぁ、あっ、せーしっでる、せーしでるっ、でるっ!」
二人に搾りたてのオシッコを飲ませたばかりのおちんちんから、昴星も一気に白蜜を噴き出させた。
厳密に言ってどうだったかなんて関係ない。三人は同時にいったのだ。
三角形は多角形としては円から一番遠い図形である。でもこの三人の頂点はいずれも角が取れたまろやかなものだ。
とても、優しくて、丸い。
「……気持ちよかった?」
ぼくに、二人ともすっかり身を委ねている。ほとんど無意識の素直さで、二人が頷いた。
「二人が一生懸命してあげたから、昴星もおいしいのいっぱい出したんだよ。……どう?」
「とろっとしてて……、なんだかちょっと、あまじょっぱくって……」
「……おいしかった。……何か、緑っぽい臭いがした気がする」
「うん……、ぼくも、そう思いました……」
昴星はタイルの上にぺちゃんとお尻をついた。
開かれた視界の向こう、流斗と由利香の二人がかりのフェラチオに、才斗も屈した。
「はぁ……、ほんとに、すごく美味しいです……、才斗くんの精液、すごく、えっちな味……」
由利香は口の中でねばねばを転がしながら、またオナニーを始めている。口の中の精液をこくんと飲み込んだ流斗が「お手伝いしてあげる」と、タイルに手を付き、「お尻、こっち向けて。ゆりねえちゃんの大好きなとこ、ぼくがいっぱい気持ちよくしてあげるー」
「うー……、すっげー恥ずかしかった……」と零す。
「でも、昴星のえっちなオモラシ見て、みんなすごく興奮したんだよ? ほら、陽介も瑞希もこんなにたくさん出た。……みんなやっぱり若いから、おちんちんも元気いっぱいだね」
昴星の視線はぼくのペニスに向く。……まあ、「おにーさん」って呼ばれたいぐらいにはそろそろおっさんだけど、実際そう呼んでもらえるぐらいには、まだ若いつもりのぼくである。
「……おまえら、立てよ」
昴星がぶつりと呟く。座ったまま、ブリーフを脱いだ。
「おまえらにさんざん臭い臭い言われたからな、今度はおれが臭いって言ってやる!」
それは優しい「お返し」だ。二人は立ち上がり、
「おれたちのは、おまえのほど臭くなんかねえし」
「うん。だから昴星くんのみたいにおいしくないと思うよ?」
「知るか! それ確かめるためにするんだ」
昴星は陽介のものにしゃぶりつく。
「うお……」
陽介の腰が戸惑ったようにぶれた。精液を吸い上げる音が聴こえてくる。
「な、んだこいつの……」
「気持ちいいの?」
恋人の問いに、陽介は悔しげに躊躇いながら頷く。
「……すっげぇ……、舌、超器用だ……」
「ふん」
昴星が口を外したらしい。「おまえのだってくせーじゃん。それにだらしねーな、才斗もおにーさんももっとガマン強いぞ」
「こ、昴星くん、ぼくのちんちんもしてよ……」
ふふん、と昴星は得意げに笑う。
「また勃起してんのかよ、ヘンタイ」
きつい言葉とは裏腹に、優しく頬張る。
「あ、あっ、ほんとだっ、すごい……、昴星くんのお口すごい気持ちいいよ……っ」
味を貪欲に求めるがゆえに上達したフェラチオ、実際、二人より大人のぼくだって長いこと耐えるのは至難の技だ。
「口だけじゃないぞ」
才斗が後ろから言葉を投げた。「尻の中だって、すごい。……そうですよね?」
言葉の終わりはぼくに向けられていた。反射的に昴星が振り向く。……まあ、バレているだろうな、とは思っていた。
「そうだね。……昴星のお尻はむっちりしてて、すごく、気持ちがいい。流斗のお尻も小降りで引き締まってて、すごく大好きだ」
「そう……、流斗の尻も気持ちいいのか」
独語した才斗に、由利香のお尻を舐めて彼女を感じさせていた流斗が振り返って、お尻をふりふりと踊らせる。
才斗が洗面器を、一度ぼくに「これ?」と確認するように視線を送ってから引き寄せた。
「ほら、昴星、流斗、……あと、其処が好きなら由利香もか、やれよ」
「やるって、……何を?」
瑞希がポカンと訊く。
「瑞希は、お尻を使って陽介と繋がったことはある?」
瑞希はぼくを振り返って「ありません……、そういうやり方があるのは知ってますけど……、ぼくらにはまだ早いと思って。それに……、汚いところだから、陽介もきっとしたくないよね?」
そんなことはないだろうと思うが、陽介はこっくりと頷いた。
「早い、か。流斗はいま何年生だっけ?」
「四年生」
「だよな。おまえたちより二つ年下の流斗が平気でできること、おまえにできないことないと思うけどな」
瑞希は困ってしまった。
「それと、さっきの質問についての答えだ。昴星、見せてやれよ」
「うぇ……、やだよ……、だっておまえらぜってーまた臭いって言うし!」
「事実として臭いんだから仕方ないだろ。流斗も由利香もするんだから、多少はおまえの臭いのもカバーされるんじゃないか?」
才斗はずいぶん雑なことを言っているのだが、彼の口から出てきた言葉というのは不思議とまともな神経に基づいて発されているように聞こえる。
「由利香……、お尻に、お兄さまのおちんちん、欲しいです」
由利香がこちらに向き直って言った。
「流斗くんに、してもらってるだけで、……ガマンできなくなっちゃいました……」
「ぼくもお尻して欲しい! 才兄ちゃんがしてくれるなら、いっぱい欲しいな」
「……昴星は、陽介にしてもらったら?」
ぼくが声をかけると、昴星は悔しそうに、しかしこっくりと頷いた。
「でも、三人いっしょになんて……」
「かんたんだよ。ほら、昴兄ちゃん、前したときみたいにすればいいんだよ。くっついて」
流斗のリードによって、三人は計六本の味を広げ、互いに腰を突き出し、足元の洗面器が肛門の下にくるよう計らう。……どうだろうな、肛門って斜め下を向いているから。
「ああ、ちょっと待って」
三人同時の立ち排便、見てみたい気もしたけど。
「流斗は、出すとこ見てもらいたいんだよね? だったらさ」
ぼくは才斗の隣、浴槽の縁に腰掛ける。「ほら、前やったみたいな形ですればいい。昴星も由利香も、まだガマン出来るよね?」
二人が頷く。「陽介、洗面所の開きにコンドームとローションがあるから、持って来てもらえる?」
陽介は、それでもまだ何を始めるのか図りかねたように首を傾げながらそれを持ってきた。「コンドームって、こういうのなんだ……」瑞希の初々しい呟きが聴こえて来た。
流斗がいそいそとぼくの膝に足を広げて跨る。早速キスを求めて、「お兄ちゃん頭いい。大好きだよ」と褒めてくれる。ついでに、「おちんちんも、ごほうびにちゅー」とぼくのとまるで大きさも形も違うそれの先端をくっつける。
「なぁ……、何すんだよ」
「うんち」
答えたのは、由利香だ。
「う……?」
「お尻に、おちんちんが入るんだよ? しっかり広げておかないと、入れられる方も入れる方も痛いし、お腹の中きれいにしておかなきゃ」
「ん……、ぼく、出るよぉ……」
流斗のおちんちんからオシッコが噴き出し、ぼくの下腹部にかかる。流斗はその液体を擦り込むように両手でぼくのペニスを愛撫しながら、「あ……、出てきたぁ……」震えつつ、特有の臭いを足の間から発する。
「ええ……」
「マジかよ……」
二人が息を飲むそばで、「すごい……、流斗くん、お尻の穴いっぱい広がってます……」由利香が感動したように言う。
「んへへ……、おっきいの出てるの、自分でもわかるよぉ……」
ぱたん、と音を立てて流斗のうんちが洗面器に落ちた。
「ほんとに、うんこしてる……」
気圧されたように瑞希が呟くが、流斗はまたぼくとのキスに夢中だ。他のみんなに見られながらの排便はこの子にとって十分に刺激的な体験なのだ。
二つ、塊の音を立ててから、「はぁあ……」と流斗はすっきりと満ち足りたような溜め息を吐いた。
「ほんとはこのまんまお兄ちゃんのおちんちん入れて欲しいけど、いまはガマンするね。……でも、今夜はいっぱいしてね?」
「今夜?」
「ん。お泊まりしたい……、ダメ?」
ダメなわけがないでしょ。ぼくはキスで愛しい流斗に答えた。
「はい、次昴兄ちゃんだよー」
「おまえ、いっつもこんな風におにーさんとのときうんこしてんの?」
「いつもじゃないけど、ときどき。お兄ちゃんに抱っこしてもらいながらするの、うれしいんだー」
昴星はぼくの膝に跨って、「おれも、……今日だけじゃなくって」と言う。もちろん、と答える代わりに、やっぱりキス。
「言っとくけど、臭いぞ」
才斗が流斗にコンドームを被せられながらからかう。
「昴星くんも、うんこするの?」
「うるせー! だってしなきゃ入れらんないんだからしょうがねーだろ!」
やけくそのように言って、大きなガスの音を立てた。「もう、くせぇ……」と陽介が顔をしかめる。
「二人も、いっしょに見よ? ……昴星くんのうんち、すごいの」
由利香に誘われて、二人は嫌々ながらも昴星の足の下を覗き込むポジション。
「恥ずかしい?」
顔の真っ赤な昴星に囁く。
「決まってんだろっ……」
ぼくの肩に縋り付いて昴星は低く呟いた。強気なこの子も、照れてるこの子も、本当に可愛いものだ。
「でも、おちんちんまた硬くなってるね。……見られると感じちゃうもんね?」
「うるせ……、おにーさんのいじわるっ……」
「うっわ……」
「すごいっ、すごい、なにこれ……!」
昴星のパンツは、由利香の言葉を借りるなら「お布団の匂い」ということだけど、さすがに布団の中で排便した経験はぼくを含めてない。だから、これはもうシンプルにうんちの臭いということになる。
果てしなく臭い。
それは間違いないことなのだけど、二人は鼻を摘まむのも忘れて昴星の排便をじっと観察していた。
「すっげぇ……、肛門ってあんな広がんのかよ……」
「うんこ、すっごい太い……、こんな大きいうんこなんて、見たことないよ……」
二人に見られてるよ、ぼくは囁くが、昴星はもう言い返す気力もない。見られながら太い便を排出することで生じる快感に翻弄されるしかない。
「尻尾みたい……、だね……、あっ、切れた」
流斗が既に落とした二つの塊の上に長々としたものを落とす。そうすることで、
「流斗のと、ぜんぜんちげぇ……、流斗のも太いけど、もっと、ずっと……。こんなの腹ん中に貯めてんのかよ……」
「色も……、流斗くんのよりぜんぜん濃いよ……」
二人の観察に「横の比較」というものをさせる要素を加えてしまうわけだ。それほど溜め込んでいた訳ではなかろうけれど、いつもながら「大漁」のうんちを、恥ずかしがりながら昴星はたっぷりと出し切ってしまった。
もちろん、勃起したおちんちんから噴き出させたものでぼくの下腹部を温めてくれながら。
「陽介、やり方わかる? ……指入れるのに抵抗あるならゴム使っていいけど」
こくん、と頷いて、陽介はぼくの膝から降り、
「すげえ……、まだケツの穴開いてる……」
「ん……、でも、あんまり汚れてないね……?」
「昴星くんのうんちは、すごく健康的だから……。すっと切れて、お尻の穴がきれいなんだよ」
由利香の言葉に二人は一応の納得をする。覗き込む二人して、おちんちんは昴星にしゃぶりつかれてからずっと硬くしたままだ。
ぼくの右足もとでは才斗が流斗に挿入している。
「ふぁあ……、才兄ちゃんのおちんちん、すごいあついねぇ……」
「お兄さま」
由利香が頬を赤らめて、こんな状態でもまだ清楚さをはっきり残してぼくの膝に乗る。ぼくに身体を支えさせて、両手で自分の足の間を開いて見せる。ピンク色の其処は、彼女自身が長らくいじっていたから、たっぷりと蜜を零している。
「由利香の二つのおまんこの、どちらに入れたいですか……? オシッコの出る方も、うんちの出るほうも、お兄さまのものです」
「そうだなぁ……、由利香はどっちも気持ちいいから、迷うよ。由利香に決めてもらった方がいいかな」
由利香は、ぼくにキスをして、「どっちも……」と甘える。
「わかった。……じゃあどっちも」
ぼくはゴムを装着する。由利香は嬉しそうに微笑んで、ぼくが抱き上げる手に従って、オシッコの出る方にぼくを導く。……濡れた由利香の入口はごくすんなりとぼくのペニスを飲み込んだ。
「お兄さま……、由利香、もう漏れちゃいそうです……」
寒さを忘れたように、由利香は薄っすらと汗さえかいている。それが甘酸っぱい匂いとなって、流斗と昴星のうんちの臭いと混じり合って、例えようのないほど魅力的なものとなってぼくの鼻を擽る。
「いいよ。……はしたないぼくの妹、好きなだけオモラシするといい。男の子たちの見てる前でね」
「昴星くんにも同じことを言ったんでしょう……」
由利香は唇を尖らせて、「お兄さまはいじわるです。……きっと昴星くんはこう言ったんでしょう?」キスして、少しだけ微笑む。その身体に震えが走るに至っては、もう笑う余裕もなくなってしまったけれど。
「ああ……、由利香のオシッコ、あったかい……、いや、熱いぐらいだ」
湯気の量は少年二人と変わらないけれど、何故だろう、そう感じる。尿の華やぐような香りが広がるのに遅れて、由利香はぼくにしがみつく指先を強張らせた。
「うんち出る?」
「は、い……、出ますっ」
「そう。……由利香のうんちもきっと臭いよね。まあ、同じ人間の身体から出るものだし、女の子だからって関係ないか」
それでも出てくるものは、男の子二人のものに比べれば少しばかり「少女」を感じさせるものだということを、ぼくは知っている。眉間にしわを寄せてぼくのものを無意識のうちに締め付ける由利香を見ていると、なんだかイタズラ心が湧いてくる。もっともぼくがするのは、
「あん!」
ツンと尖った小さなおっぱいの先っぽを指で摘まむだけだけど。
「や、あっ……いまはっ、いまはおっぱいしちゃダメぇっ……」
一際高い声を上げた彼女に、才斗に挿入されて喘いでいた流斗も、昴星のお尻にいままさにゴムを付けたおちんちんを挿し入れようとしていた陽介も、顔を向けた。
「いやっ、やぁあああンっ」
オシッコをしたばかりの由利香のおまんこから、短く二度、噴水が生じるとともに、ぼくのペニスはきつく締め上げられた。……さっきから何度もオナニーをしていたから、もともと余裕がなかったのだろう。由利香の到達は、しかしぼくが想定していたよりもずっと早かった。
「あ、あ……、だめ……っ、見ないでぇ……」
彼女の緩んだ肛門から、スルスルとスムーズな音を立てて便が洗面器へ降り積もって行く。
「ゆ、由利香がうんこしてる……っ」
瑞希は完全に見とれていた。陽介も妹の排便姿を見て、ごくりと唾を飲む。
「ゆりねえちゃん、ガマンしてたんだよね……?」
流斗が言う。「お尻におちんちん欲しくて、いっぱい出せるようにためてたんだ。……ぼくも、お兄ちゃんにおちんちんもらうときは、お腹の中にいっぱいうんちためちゃうよ」
由利香は羞恥に震えていた。きっと彼女の肛門はいま、とても敏感になっている。
そこをぼくが愛してあげてもいいし、愛してあげたいと思うけれど、優しく、それでいてしっかりと包み込んでくれている場所から離れる気は起きなかった。
入れてあげられるとしたら、
「瑞希、……由利香のうんち見て、すごく興奮してるね?」
昴星の相手は陽介がする。となると、瑞希は一人余ってしまうわけだ。
「え、え……、う」
「おちんちん、痒い?」
排便する由利香の肛門に見とれながら、少年の右手が自分の性根を落ち着きなく弄っていたのを、ぼくは見逃していなかった。
「ゴム付けてさ、……由利香のお尻に入ってごらん」
びく、と瑞希は震えて、慌てたように「いい、いい、いいですっ、だって……」首をぶんぶん振る。
そんな彼を後押ししたのは、
「いいじゃねーか、……おまえ、どんだけ陽介が気持ちよくなれんのか、自分のちんこで試してみればいいだろ」
昴星だった。
「おれはいまからこいつに、お尻ん中が気持ちいいこと教えてやるんだ。おまえのことしたいってこいつが思うようにな。……おまえだって、ちんこお尻に入れたら気持ちいいってことわかったら、こいつに入れさせてやろうって思うだろ」
そう、ぼくが意図したのはまさにそれだ。
「……おまえは、知ってんのかよ?」
「あたりまえだろ、流斗の中に入ったことあるもん。流斗が気持ちいいって教えてくれたから、おれもっと才斗に入れさせてあげたくなったんだ」
「……瑞希?」
ぼくは訊く。瑞希はどうしたらいいかわからないような、泣きそうな顔になっていた。
そんな恋人のために、
「早くしろよ」
陽介が、ゴムの個包を破って瑞希に被せる。
「由利香、待ってんだろ」
由利香はぼくに支えられながら、恥ずかしさを堪えてお尻を割り開いて見せる。
「わたしの、お尻……、うんちしたばっかりで、……汚れてるけど……」
ぼくに伝わってくる彼女の淫らな脈動は、感動的なものであると断じてしまっていいだろう。
「でもっ……、わたし、瑞希のおちんちん欲しい……、瑞希の初めてになれるの、すごく、嬉しいから……」
「おれなんてこいつだぞ」
「こいつとか言うな! ちんこ硬くしてるくせにっ」
瑞希は言葉に導かれるように、よろよろと歩を進める。才斗が三人分のうんちの盛られた洗面器を脇へ押しやる。
「由利香……、由利香、ぼく、……っ、由利香のお尻に入りたいっ」
こく、こく、由利香は頷き、すぐに背中を反らした。
「……おまえも、とっとと入れろよ」
「うるせえな、わかってるよ」
由利香の肛門に押し当てたおちんちんを、恐る恐る、進めて行こうとする。しかしその慎重さはすぐに失われた。
「あ!」
由利香の中に、勢いよく瑞希が挿入したのをぼくも感じる。深々と妹の胎内を穿ったところで、「あはぁ……」瑞希は息を震わせた。
「どう……? 瑞希、気持ちいい……?」
がくがく、頷くことだけではまだ足りない。
「じゃあ、ちゃんと教えてあげなきゃ……。言葉にしなきゃ伝わらないよ?」
いや、もうとっくに伝わっているけれど。
「ゆ、由利香のっ、由利香のお尻の中……、あったかい……あったかくって、……すごい気持ちいいよ……っ」
「み、ずき……っ」
「ちんちんっ、とけちゃいそうっ、由利香のお尻の中っ、すっごいきもちいいっ」
「んんっ……瑞希のっ、おちんちん、すごいあついよ……! 由利香の、お尻、すごく気持ちいいの……」
「う、……動いて、いい? ……由利香の中に、出して、いい?」
こくん、由利香が頷く。それだけ待って、瑞希は拙く腰を振り始めた。
「う、はぁ……」
昴星の中に突き入って、陽介も息を震わせていた。「な……んだ、これ……っ、すっげえ……!」
「ふ、ひひ……、たりめーだ、おれの、お尻の中で、才斗が、おにーさんが、何度、射精したと思ってんだ……」
強気を取り戻した昴星がそう言う顔は、文句なくセクシーだと言っていい。男の子としてはずいぶん柔らかなお尻に、陽介のおちんちんはしっかりと繋がり、動きを止めている。
昴星は続けて言った。
「でも……、瑞希ん中は、もっと気持ちいいんだ……、おまえにとって、……絶対」
由利香のお尻の中を不器用に往復する瑞希のおちんちんの先は、ぼくと繋がる由利香の胎内にこつこつとノックするように響かせる。
由利香の膣圧は肛門の鋭さとは事なり、もう少しかよわい。それでも彼女が、幼馴染の興奮に煽られるように燃え上がっていることをぼくは感じることができた。瑞希は由利香の両のおっぱいに手のひらを当て、その感触を愉しみながら、
「出るっ……、出るっ、出るよぉおっ」
声を散らして、脈動を由利香の中へと叩き込んだ。
「あう!」
由利香の胎内で弾んだ熱に、由利香も小刻みに痙攣する。あくまでサブ的存在でしかないけれど、ぼくともまだ繋がっているわけで、……二つの「おまんこ」の中を同時に穿たれることは、彼女にとってはこの上ない幸せであったに違いない。よかった、とぼくは、心から由利香を祝福したい気になった。
「は、あっ、あ! っンっ、いくっ……もぉいくっ……! ふぁああっ」
陽介が、腰を叩きつけるリズムに合わせて昴星のおちんちんを愛していた。昴星が背中を弓なりに反らして射精すると同時に強く引き締まった括約筋に委ねる形で、陽介も歯を食いしばって昴星の中へおちんちんから精液を放つ。ぼくや才斗が与えるものとはまた違った類の快感が少年の中に溢れたはずだ、……友情の成り立つ幸福と一緒に。
さて……、才斗は流斗の中で既に果てた。流斗も才斗に幸せへと連れて行ってもらった。昴星と陽介は先に書いたとおり、瑞希は由利香の中で射精したし、由利香も瑞希でまた達した。
ぼくだけ、取り残されてしまった。いや、別に恨み言を言うわけではないんだけど。
由利香とはまだ繋がっているけれど、さすがに幼い彼女に三度連続の酷使を強いることは、兄という立場としても出来かねる。
瑞希が由利香から抜いたのを見て、ぼくはそっと由利香を抱き上げた。射精はまだ遠いけれど「気持ちよかったよ、由利香、すごい可愛かった」と微笑んで口付ける。由利香は少し申し訳なさそうな顔でいたけれど、ぼくの気持ちはちゃんと伝わったはずだ。
「瑞希は、これでお尻に入れる悦びがわかったよね? ……今度、陽介にも入れてあげたいって思った?」
落ち着きを取り戻したおちんちんに精液の膨らんだゴムを垂らして、瑞希はこっくりと頷いた。
「ぼくのところにある、コンドームとローション、持って行っていいよ。……くれぐれも、自分の身体を大事にするんだ。いいね?」
陽介も、一緒になって頷いた。一組の恋人が最も幸せな形で結ばれ合う、それがセックスだ。男同士だとかそんなこと関係ない。魅かれ合う気持ちのあることが、何よりも大切。
ぼくはゴムを外し、一人ひとりの肩にお湯を掛けた。ぼくのペニスも一応は落ち着きつつあった。流斗が泊まって行ってくれるなら、いま一度の射精に拘泥するのはナンセンス。ぼくはぼくの恋人と、幸せなセックスをすればいいのだ。
「ね、みんなで最後に記念写真撮ろうよ」
流斗がぴょこんと立ち上がってそう提案した。「ぼくたちみんなでえっちして、いっぱい気持ちよくなったんだもん。いいでしょ?」
それがぼくのためでもあることは、判る。反対する手は挙がらなかった。
「……どうせそれ見て、するんでしょ」
才斗がぶつりと言う、まあ、その通りなのだけど。
流斗がひょいひょいと浴室を出て、カメラを持って戻ってきた。はい、と、ぼくに手渡すなり、「ゆりねえちゃんとぼくと昴兄ちゃんは前で、陽介兄ちゃんと瑞希兄ちゃんと才兄ちゃんはうしろ。みんなおちんちん隠しちゃダメだよー」と采配し、才斗が脇によけていた洗面器を前に置く。
「はい、いいよお兄ちゃん、撮ってー」
才斗と陽介と瑞希は恥ずかしそうだ。しかし、流斗の言葉に逆らって前を隠す子はいない。五本のぷるんとした茎と、一本の神聖な筋。勢ぞろいして、一人ひとりみんな違う、けれど、みんな、本当に可愛い。
シャッターを三度切って、集合写真を撮り終えたところで、「今度はね、みんな一人ずつ。ぼくから撮って」
流斗が立ち上がる。洗面所へ続く磨り戸の前に立って、笑顔でピースする。
ぼくの恋人は本当に可愛らしい、天使のような笑顔に、まだまだ幼い身体つき。足の間に細っこいおちんちんを恥ずかしげもなくぶら下げて。
見たければいつでも見られる裸の立ち姿を一枚、それから、おちんちんにフォーカスして、もう一枚。流斗はお尻を向けて振り返る。ほんのりピンク色をして、まだまだ全然寒くなんてないよとぼくに教える。
また振り返ったところで終わりかと思ったら、後ろに手を回したまま腰を突き出す。
「最後にもういちまいっ」
言いながら、おちんちんの先から薄い色のシャワーをタイルに降らせる。一枚では済まなかった。
「お、おい、ひょっとして……」
「おれたちも、それ、撮るのか……」
陽介と才斗が呆然と訊く。オシッコの終わった流斗が、何を当たり前のことを訊くのかと言う顔で頷く。
「だってお兄ちゃんはオシッコ大好きだよ? みんなお兄ちゃんがいたから幸せになったのに、お兄ちゃんのためになることしたくないの?」
「で、でも……、昴星くんじゃないんだからそんなしょっちゅう出ないよ……」
「おれのちんこだらしねーみてーに言うなよ!」
「本当のことじゃないか……」
「次、ゆりねえちゃん。ゆりねえちゃんオシッコいっぱいしちゃったよね? 出せる?」
由利香はにこりと微笑んで「出来ます。少しだけですけど……」流斗の立っていた場所に立って、ぼくのカメラに向けておすましした笑顔になる。
「……お兄さま?」
「ん?」
全身、おっぱい、筋、そしてまた全身、撮るぼくに、由利香が訊く。「由利香の、裸の写真で、……いっぱいしてくださったら嬉しいです」
お尻を向けて、さっき瑞希が入っていた場所を突き出す。
「お兄さまと離れていても、お兄さまがそうしてくださってるって思ったら、きっと、……由利香はずっとお兄さまの妹でいられる気がします」
後ろ側からの少女の性器にぼくがシャッターを切ったところで振り返り、しゃがみこんだ。「……んっ……」と少し力を入れたところで、彼女のおまんこから少々の尿が散った。
「ごめんなさい、少ししか出ませんでした……」
けれど彼女はすぐには立ち上がらないで、指でそこを広げる。じんわりと濡れたピンク色の肉まで、ぼくは永遠の記憶に残す。
「……ありがとう、由利香。すごい可愛かった」
はにかんだように立ち上がって、「陽介、瑞希」と二人を呼ぶ。
二人は仕方なさそうに、並んで立つ。こうして改めて見比べると、瑞希は細く、陽介は頑丈そうな身体をしている。瑞希のことを、きっと陽介はしっかり守っていけるはずだ。
「二人とも、まだ元気だね。由利香の見て勃起した?」
瑞希が隠しかけるが、どうにか堪えた。陽介は憮然と唇を尖らせて、そのままでいる。二人のおちんちんをしっかり撮ってから、
「……陽介は皮剥けるんだよね?」
ぼくが訊いたら彼は唇を尖らせたまま、おちんちんを摘まんで亀頭を晒す。そんな大人になりかけの少年のペニスも、なかなかいいものだ。
「……おれも、尻撮るのか?」
「うん。二人でお尻見せて」
「おれのなんか撮ってどうすんだよ」
ぶつくさ言いながらも、陽介は瑞希と揃ってこちらにお尻を向けてくれた。大小二つのお尻、瑞希の方が小さく柔らかそうで、陽介のそれはどっしりとして、引き締まっていた。
「オシッコは、できる?」
再びこちらを向いた二人は顔を見合わせて、ためらいがちに頷いた。恥ずかしさから力を失ったおちんちんをそれぞれ改めて撮影したら、ひくんと微かな震えが走り、……ちょろちょろと、ほんの僅かなせせらぎが足元に零れた。
「げ、足にかかった……」
「もう、……今更だよ。ぼくたち、オモラシしちゃったんだよ?」
「そうだけどさぁ……」
甘い苦笑をいざなうようなやり取り、二人揃って抱き締めてあげたいぐらいに愛おしいものだった。
「あとは、才斗と昴星だね。……どっちからする? 二人一緒でもいいけど」
「おれのはしょっちゅう撮ってんじゃん。だから才斗一人の方がおにーさんいいだろ」
才斗は恨めしげに昴星を睨んでいた。まだ「二人一緒に」のほうがよかったらしい。
こういうシチュエーションに一番不似合いなのが才斗だと言っていいだろう。陽介だって、今後はいつかは瑞希を自分の身体の中に受け入れる時がくるかもしれない。けど、今のところ才斗が昴星にそうされたという話は聴かない。昴星が現在の関係に不満を抱くことはないだろうから、ずっとこのままだろうと思う。
まあ、人にはそれぞれ向き不向きっていうものがある。流斗たちがぼくにオモラシを見せるのが好きでも、ぼくに「オモラシして」って求めてこないのは、まさにその部分を理解しているからに違いない。
「才兄ちゃんの撮るの、はじめてじゃない?」
流斗は目をキラキラさせて言ったのに、昴星が首を振った。
「んーなことねーよ、五年の頃に何度かある。才斗がオネショしたときとか」
「オネショ?」
「才斗くんが?」
一番しっかりしているように見える才斗がそんな失敗をするなんて。ぼくも含めて、驚かされる。
「昴星ッ……」
「おれと二人っきりのときはときどきオモラシもするんだぜー。っていうか五年の頃に一瞬だけ才斗もオモラシにハマりかけたんだ。そうだよな? 才斗」
昴星は恋人の秘密をふふんと得意げに披瀝していく。
「……うるさいだまれ」
才斗は真っ赤になってぼくの前に立った。陽介よりも大きいはずのおちんちんが、縮まっている。「ったく、しょーがねーなー」と昴星が身を乗り出して、才斗のおちんちんに手を伸ばす。くにゅくにゅと恋人の手に揉まれているうちに、ほんのり、大きくなって、才斗らしいしっかりとした印象のものに育つ。
「才斗も皮剥けるよ。おにーさん撮るだろ?」
にう、と亀頭を晒させる昴星を怒ったように睨みながらも、才斗はぼくがシャッターを切るたびに頬を強張らせる。「あと、才斗のキンタマ」昴星はおちんちんを持ち上げて、そっちもぼくに撮らせた。
「ほら、後ろ向けよ」
「う、うるさい、わかってるよ!」
才斗は大いに恥ずかしがりながらお尻を向け、膝を震わせて突き出す。……何て少年らしい、スマートな体型だろう。ヨーロッパの血を引く諭良に負けないぐらい足が長く、背も諭良より高い。綺麗な裸だった。
「はい、そしたら最後オシッコすんだぞ」
「……昴星、後で覚えてろよ……」
凛々しい顔を歪めて再び向き直り、元の通り皮を被ったものを突き出すと、お腹に力を入れて、
「おいしそう……」
と由利香の言うとおりの黄金水を滴らせる。実際、才斗のオシッコは一滴だって便器に無駄に注いでしまうのはもったいなく思えるような甘美なものだ。だから最後の一滴は、
「ちょ、ちょっと、お兄さんッ」
ぼくが頂いた。……うん、やっぱり素晴らしく美味しい。
「最後、おれな。おにーさんもう見飽きてるだろうけどさ」
「そんなことないよ。……昴星の小さなおちんちん、ちょっとぽっちゃりしたお腹、すごく可愛いもの」
「うーん……、あんま嬉しくないような気がする……。なー、まずオシッコしていーい?」
「まだすんのかよ……」
陽介が呆れたように呟いても昴星はもうめげなかった。
「陽介は……、ぼくが昴星くんみたいにオシッコたくさん出来たらいいって思う?」
「それは……」
「オシッコは、しあわせのしるしだよ。ぼくオシッコするの好きだし、お兄ちゃん喜んでくれるからここ来るときオシッコガマンするのたのしいよ」
「わたしも、……喜んでくれる人がいるって思うと、オシッコするの、なんだな嬉しくなります」
少年少女たちのそんなやり取りは、話題がこと「オシッコ」のものであっても優しく響く。
「その前に、可愛いおちんちん撮らせてもらえる?」
「いいよー、……よく飽きねーな、こんなちっこいのに」
ぷるん、と指で弾いて震わせて、腰をくいと前に出す。……確かに、ちっこい。精液とオシッコが色濃く臭い立つ。でも、ぼくが初めて触ったのはこのおちんちん、いまでもこうして間近に見せてもらえるのだから、宝物だ。正面から、上から下から斜めから撮影して、「じゃあ、いいよ」と正面から昴星の放尿を撮ることに決める。
「ひひ、じゃー出すよ」
それほど力を入れた様子もないのに、六人の中で一番臭いの強いオシッコはじろろと足元に流れ出す。それを夢中になって撮っているぼくの足に、昴星はふざけてオシッコを引っ掛ける。それが楽しいのか、昴星はますます調子に乗って、
「ひひ、おにーさんのちんこにシャワー!」
ぼくの、……もちろん由利香を撮る辺りから勃起していたペニスに向けてオシッコの雨を振らせる。
「ひひひ、おにーさんのちんこ、おれのオシッコかけられてびんびんになってる」
「あたりまえだよ、だって昴兄ちゃんのくさいオシッコだよ?」
「……やっぱそう言われるといやだな……」
昴星は放尿を終えて、むっちりとしたお尻を向け、自分で割り開いて見せて、……ぼくが二枚撮ってから、足の間から顔を覗かせる。「ひひ……、おにーさん、入れたい?」
「あ……、でも、いいの……?」
「だってさー、おにーさん、おれのうんこの出る穴見てちんこガチガチじゃん……、いや、違ぇな、おれたちみんなでおにーさんが感じてんだ。おれたちみんなが大好きだからさ」
「昴兄ちゃんに入れる前に、ぼく、お兄ちゃんのおちんちんなめたいな!」
流斗が手をあげた。「だって昴兄ちゃんのオシッコでいっぱいのおちんちん、すっごいおいしそうだもん! ね、才兄ちゃん、いっしょにしよ?」
「な、何でっ、おれはいいよ!」
「昴兄ちゃんのオシッコ、きらい?」
「好きだけどっ……」
「好きなのか」
「才斗くんも……、やっぱり」
「お兄さま、由利香やっぱりさっきの続き、していただきたいです。由利香のおまんこ、三つ全部使って、気持ちよくなっていただきたいです」
「ちょっと、ちょっと待てっ、最初にして欲しいって言ったのおれだぞ!」
「早いものがちらぉん、……んへへ、おにいひゃのおひんひん、らいしゅきー」
これでは、とてもじゃないけど終わらないぞ。流斗が無理矢理に才斗にもぼくのを舐めさせ、由利香はぼくにキスをしながら右手を足の間に導く。
「すごい、ね……」
瑞希が、呆然と呟く声が聴こえた。「こんな……、こんな世界があるんだ……」
「……お前こそ今更じゃねえか」
陽介が唇を尖らせて、「おれもだけど。……おまえ、うんこしろよ」洗面器を指差した。
「……陽介……、本気で、言ってるの……?」
「本気でなきゃうんこしろなんて言うかよ。……見せろよ」
恥じらいながら、瑞希が洗面器にお尻を突き出す。……それほど太くはないものが、勢いよく便器と化した洗面器に、四人目の産物として加わる。
……ああどうしよう、本当に終わらない。
しかしぼくが戸惑うのは、生み出され続ける幸せの大きさに対してだ。ぼくは大したことは何もしていないのに、可愛らしい天使たちに、ここまで幸せにしてもらえていいのかどうか。
「……流斗、と、才斗……っ、出るよ……!」
この後、……由利香の発言が本気に基づくものならば、彼女の「三つの」場所を使って最低三度。もちろん、昴星にもあげなきゃいけない。そうなれば、流斗だって欲しがってくれるだろう……。
……しかし、昴星と流斗のオシッコがその膀胱から無尽蔵と思えるほどに生産されるものだとすれば、ぼくの性欲もまた、同じ。天使たちの愛をただ受けているばっかりではバチが当たるだろう。
だから、頑張らなくちゃ。
由利香がぼくのペニスを肛門へとあてがう。入れられたいという昴星の欲を、ひとまず才斗が満たし、才斗は昴星にもコンドームをはめさせ、由利香のぱっくりと開いて濡れる場所へと導く。傍では陽介によって瑞希は初めての悦びを知り、ぼくは流斗の望むままに、ぴんと背伸びをしたおちんちんを摘まんで動かしている。
終わらなくたっていい!
そう思えるほどの幸せが、ものすごい臭いと共に浴室の中を満たしていた。