謝罪の拒絶








「ごめんな、さい」


震える声で謝った。
どんな目で見られるのかと思うと怖くて顔を上げられない。


怖かった。


同級生や先輩たちと同じような目で見られて罵られるんじゃないかと思うと怖くて怖くてたまらなかった。
そうされるだけの理由が自分にはある、頭ではわかっていても怖かったのだ。

「廉」

かけられた言葉は昔と同じように温かくて優しかった。
それが辛かった。
かけられた声は昔と同じ優しさが溢れていたけれど、それでも顔を上げることができなかった。
嫌われるのも怖いくせに、優しくされるのも辛い。
なんて自分勝手なんだろう。
自分勝手で我儘で醜悪な。
目の前にいる、優しくて大切な人をずっと傷付けてきたくせに、この期に及んでまだ自分が大切なのかと思うと情けなくて涙が滲んで視界がぼやける。
顔が、上げられない。

「廉」

変わらぬ優しさでかけられる声に応えたい。

けれど。

声が震えるのを抑えられなかった。




「ごめんなさい、かのうくん…」





震える声で只管に。
けれど、涙を流すことだけはなんとか堪える。
鼻の奥がつんとした。

あぁ、泣きたいんだ

だけど泣くわけにはいかない。
涙を流す資格すら、自分にはないんだから。




「ごめんなさい…ごめん、なさい…っ」