失せ物 どんなに謝っても後悔しても。 許されないことってあると思うんだ。 ずっと後悔してた。 助けてやれなかったこと。 助けを求めて差し出された手に気付かないふりをしていたこと。 そうして、誰よりもお前を傷付けていたことを。 失くしてから気付いて、後悔して、悔やんでいた。 謝りたくて、ずっと。 謝って、それからやり直したかった。 間違えてしまった場所からもう一度。 壊して、失くしてしまったものをもう一度。 「もどらない」 はっきりと、きっぱりと。 迷いのない真っすぐな目で、言われた言葉にずきりと心が痛んだ。 その痛みはきっと、廉が感じていた痛みのほんの一部で。オレが傷付く権利があるものではないと思った。 廉の顔は晴れやかで、その表情には未練なんて欠片もなく見えて、いつまでも引きずっている自分が馬鹿みたいだと。そう思った。 オレにはそんな顔はさせてやれなくて、廉の仲間の中にオレはもういないと思うとまた、ずきりと。 切ない痛みが胸一杯に広がった。 オレにはできなかったことをオレではない誰かが。 オレではない誰かが廉の隣で、廉と一緒に。 それだけで、切なくて、哀しくて、後悔は更に深くなった。 もうやり直せない、もう戻れない。 やり直せる、戻れるだなんて。 都合のいいことを夢見てた自分に呆れて、それでも傷付いた。 自分勝手なオレ。 ごめん、そう謝れば。 戻れる、そう信じてた。 オレは馬鹿だから。 自分勝手で、傲慢で、 自分のことしか考えてない、子供だった。 オレは子供だった。 好きなものを自分の手の中に納めておきたくて振り回して、結局最後には壊してしまう。 好きで、好きで、好きという想いが強すぎて。 オレは子供だった。 好きなのに、好きすぎて傷付けて。 謝っても、後悔しても。 壊れたものはもう、二度と。 手に入らない。 戻らない。 もう二度と。 |