逢えてよかった






キルアはひどく不安定だ。
自信たっぷりで、堂々とした態度を見せたりするくせに些細なことでその自信は脆く崩れる。

それは大抵ゴンが絡むとき。




ゴンと自分が正反対の位置にいることを知っているから、だからなのだろう。
キルアはゴンと想いが通じ合っているのにそれでもひどく不安になる。

自分に自信がなくなる。

きれいなきれいなゴンに自分は相応しくないと。

ゴンを知れば知るほど。
近づけば近づくほどにその思いは強くなっていく。

こんな想いを知らなければよかった。
気付かなければよかったとまで思ってしまう。

決して出逢わなければよかったとは思わないけれど。


自信がなくなるたびに、ゴンの気持ちを試したくてぴったりとつっくいて、抱き締めて、キスをする。

好きだと言ってもらいたくて。
安心したくなる。





「ゴン」
「うん」
「俺のこと好き?」
「うん、好きだよ」
「俺のこと大切?」
「うん、もちろん」





何度も何度も繰り返し。
何度も好きだと言ってもらって、抱き締めて、キスをして。
そうしてようやく安心する。

自分はこんなに弱くなかったはずなのにな。

そう思う。
けれどこんな自分を嫌いじゃないのは確かで。
むしろ以前の自分よりずっとずっと。



俺、ゴンに逢えてよかった。



流石に恥ずかしいから言葉にはしないけれど。