すきだよ



ゴンが好きだ。
だからごめんな。



そう言ってキルアが泣いた。
泣きながら、好きだと言った。

その次にキスをされた。
それまでも親愛のキスをしたことは何度かあったけれど。
親愛のキスとは明らかに違うキスを。

身体を押さえつけられて、キスをされて。
シャツの裾から手を入れられて。

ぽたり、と頬が濡れた。
キルアの涙だ。
はたはたと涙を流して、謝りながら、それでも手を緩めない。止めない。

「…なんで、キルアが泣くの?」
「なんでだろーな…」

涙を流すキルアを綺麗だと思った。
整った顔立ちなのは知っていたけれど、ゴンの知るキルアはいつも自信に溢れていて泣くなんて想像できなかったから知らなかった。
涙を流すキルアは綺麗だった。



「キルア、痛い」
「うん」
「離して」
「駄目」
「逃げたりしないから」
「…」
「キルア」



一呼吸おいて、押さえつけられていた手の力がふっと抜けた。



キルアの表情は怯えているように見えた。
泣きながら、怯えている。



「キルア」

その名を紡いでそっと手を伸ばす。
触れるとキルアの頬は濡れてはいたけれど温かい。

首の後ろに手を回して顔を近づけて、そっと舌先で涙を拭った。


「ゴン…?」
「キルアが泣くから」

信じられないものをみるような目でキルアがゴンを見詰める。
ゴンは笑っていた。



「俺も好きだよ?」
「?」



ゴンの言葉が理解出来ない。
そんなキルアがなんだかとても可笑しくて、ふっと微笑んで。
今度はゴンからキスをして。




「俺もキルアのこと好きだよ」