一方通行







気がつけば頻繁にスキンシップを求めてる。

背中をぴったりとくっつけて圧し掛かってくるような体勢だったり、やっぱり背中から肩に手を回して頬を寄せ合ったり。

「キルア、重いよ」
「気にすんな」
「もー…」

ぶつぶつと文句を言いながら、ゴンもなんだかんだで甘んじて受け入れている。ゴンもスキンシップは好きな方だから。

「なぁ、俺さーゴンのことめっちゃ好き」
「俺もキルアのことすきだよ?」
「うん、知ってる。けどさ、ゴンのすきと俺の好きって微妙に違うと思うよ?」
「なにそれ」

すきに違いなんてないだろうに、背中にキルアの温もりと重さを感じながらそうゴンは笑う。
そんなゴンを見てやっぱり、違うとキルアは言った。
何が違うのか、不思議に思って振り向いて向き合う。

「なにそれ、わかんない」
「うん、わかんなくていいよ」

ゴンはそのままでいい。
そう言って、今度はキルアが笑った。

綺麗な、綺麗な。
けれどどこか切ない。
そんな笑顔。

瞬間、胸が軋んだ。
何故なのかゴンにはその理由が判らなかったけれど。

「キルア…?」
「ゴンのこと好きだよ」

もう一度そう呟いてまた笑った。
二度目の笑顔はいつもと同じ。
ほっと安堵して、前を向く。


「うん、俺もすきだよ?」
「うん、知ってる」




ゴンのすきに境界線がないことを知ってる。
だから。

「好きだよ」
「うん、わかったってば」



背中から伝わるのは温もりだけで。
キルアの想いは伝わらない。
一方的だと思った。
けれどゴンは今のままでいい。

ゴンはずっと今のままでいればいい。
傍にいられれば、俺はそれだけで。
好きだと言えればそれだけで。






「好きだよ」
「俺もすきだってば」



望まないから、だから。
好きだと言葉にするだけ。