四物語
2010/09/02 Thu
m25
グスタフほどではないにしろ、優秀なエージェントで日々忙しく駆け回っているユウキは、その暴挙に当然の如く怒りを露にした。
『なんですか!俺だって疲れてるんですよ!?』
『…すまん』
グスタフはベッドの上で、アビスはベッドの下で正座を組まされ、寝起きで機嫌の悪いユウキに揃って怒鳴られた。
グスタフがベッドに入ったのは深夜の二時過ぎで、ちらりとみた時計は四時を指していたから、ユウキの睡眠時間は最長でも二時間しか得られていないわけだ。
そんなささやかな眠りをグスタフの隣に求めた気持ちも、それを行き成り叩き起こされた怒りも分かるから
グスタフは黙って怒鳴られる他なかった。
『大体俺以外をベッドに入れるなんて、どういう了見ですか!浮気なんですか!?』
『違う!そもそも私はコイツを部屋に入れた覚えはない!!』
『グスタフさんの隣は安心するの〜』
『黙れ人外!!』
怒鳴るユウキの大きな目の端に涙が溜まるのを見て、グスタフは焦って否定したが、横からそれを台無しにするようなことを言ってくるから堪ったものではない。
結局ユウキは完全に臍を曲げてしまい、真夜中だというのに自宅に戻ると出て行ってしまった。
アビスを追い出してすぐにユウキの家に向かったが、篭城されてドアの前での説得を余儀なくされた。
二時間粘ってドアを開けさせたが、泣き腫らした瞳を見て罪悪感に苛まれたのは記憶に新しい。
はぁ…、と、重い溜息を吐くグスタフに掛かるように、机を叩く音が聞こえる。
不機嫌を露にグスタフが視線を投げると、サイキカルが机に突っ伏して手で卓を叩いてた。
その肩は細かく震えており、声も出ないほど笑っているのが見て取れた。
「………サイキカル………」
低い声で名を呼ぶが、聞こえているのかいないのか、サイキカルからの反応はない。
絶対零度の視線を投げていると、取り成すようにオズワルドが手を上げた。
「…っまぁ、まぁ、グスタフ……そう、尖らずに……っ」
「………………」
本人は取り成しているつもりなのだろうが、顔を逸らし、
口元を片手で隠しているのであればサイキカルの反応とそう変わらない。
唯一反応の薄いデュオロンと言えば、興味が薄い内容だったのか、カウンターへと視線を投げていた。
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