QLOOK?A?N?Z?X????

紳士ゲーム

2010/07/13 Tue
m25



「そう言えば、先日街で例の尖兵と歩いている所を見たな」
「……………、……今度の標的は私ですか」

赤いサングラスのブリッジを中指で押えて、沈痛な声を出す。
別に否定する事でもないし、タネを明かせばそれで良いのかも知れないが、某尖兵が思考回路に介入してくると判断が鈍るのでそれは避けたい。
仮にも自分の得意分野で惨敗だけはオズワルドのプロ意識が許さない。

「まぁ、そんな事は如何でも良いじゃありませんか」
「と、言う事はあの噂は本当なのか」

どこの、どの噂ですか。と問い返したくなるのをグッと押えるが、サイキカルの言葉に疑問の眼差しを投げたデュオロンにより、聞きたくても聞けない続きがサイキカルの口から紡がれる。

「ああ、あの尖兵を以前買い物に出かけた時、花屋で見かけたんだが」
「ほう、奴が」

噂話には興味なさげだったグスタフまで、意外そうに相槌を打ってきて、心当たりのあるオズワルドは更に追いつめられる。

「たまたまその時に話をすることになったんだが――…いや、話かけたのは私じゃないんだが、………それは如何でも良い。なにやら花を買っていたぞ――…あれは確か……」
「……七夕、か」
「百合だろうな」

サイキカルの言葉にグスタフが便乗し、デュオロンがトドメを刺す。
オズワルドはサングラスを押える格好のまま、反論しない。
いや、正確に言うなら、内心を悟られそうで反論が出来なかった。
もしかしたら、今頃、牽牛気取りの誰かがくしゃみの一つでもしているかも知れない。

「それはまた奴らしい」

調子を取り戻したようにカードと共に視線を投げて、グスタフは普段頭の上がらないオズワルドを見やった。
オズワルドは自分を誤魔化すように息を漏らしながら、やれやれと頭を振った。

「…………皆さん、よくご存じですね」

ス、と腕を伸ばし、グスタフの持つ手札の上に指を翳す。
外れを引く確率はかなり低いものの、今は外れしか引け無さそうな心境だった。
しかし、それでジョーカーを引き寄せるオズワルドでもない。
「ですが、」と平静を装う声を出して、グスタフの瞳を見つめる。

「貴方も七月一日は忙しかったのではないですか?」
「ッ!」

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[Serene Bach 2.23R]