紳士ゲーム
2010/07/13 Tue
m25
「度々仕事を押しつけて、足しげく通っている癖にか」
「若いと良いですねぇ、年下なんですか?」
主題のカードではなく、サイキカルを睨むグスタフの声は低い。
それでもサイキカルは気にした風でなく、オズワルドの言葉に答えた。
「ああ、まだ十代だそうだ。随分と活きが良い」
「未成年とは………、貴方も隅に置けませんね。グスタフ」
「アレはそんな相手ではない」
グスタフが懸命に否定しても、三人称にアレと言う親密的な表現を用いては、
そんな相手だと言う事を公言しているようなものだった。
普段とは違うグスタフを見て、オズワルドは笑みを深めた。
「随分と激しい趣向変えですが、それだけその子に魅力があるのでしょうね」
「違……ッ」
「ショタコンか」
シレッとした口調でデュオロンにまでからかわれて、グスタフは三対一である現状を把握した。
ク、と苦しげに息を吐き出して、元凶であるサイキカルからカードを一枚奪い取る。
「勝手にくっ付いてくるだけだ、アレもその内飽きる」
まるで自分に言い聞かせるように言う時点で、相当戻れない場所に居るのだなぁと、三人は心を一つにする。
ジッと視線を向けた先で、グスタフは手の中で笑うジョーカーを睨んでいた。
「まぁ、グスタフが良いと言うなら私は応援しますよ。面白そうですし」
不純な動機でエールを投げかけるオズワルドは、グスタフから向けられたカードに目を向けて吟味を開始した。
目を細めて見やれば、ジョーカーが最初何処に居て、誰に乗り換えたのか、一目瞭然だ。寧ろ、分からない方がどうかしている。
「―――……貴方も、人の事は言えない口ではないのですか」
「……………」
余りに洋々とした口調に、グスタフもサッと水を向ける。
口調こそ、年上に対して敬語だが、多分に含みを持っている言葉だった。
しかし、流石に年の功なのか、片眉をピクリと揺らしただけで、オズワルドにそれ以上の動揺は広がらなかった。
「さて……、何のことかな?」
一瞬の動揺を隠して、サングラス越しの瞳を撓めるオズワルドは流石だった。
けれど、再びデュオロンが口を開いたことにより、そのポーカーフェイスは崩れることとなる。
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