師走の恋人
2010/12/03 Fri
m25
そう思って言えば、オズワルドがゆっくりと振り返る。
半分以上落ちた瞼が影を作り、酷使された身体を持て余して酷く気だるげな様子だった。
頬に掌を当てれば、甘えるように擦り寄って瞼を下ろしてしまう。
「……頭を洗って頂けますか?」
「喜んで」
オズワルドが零した甘えに、ジェネラルはキスで応えると、湯気で詰まった浴室の扉を開けて紳士のようにエスコートした。
食事を終えて、ミルクをたっぷりと入れたミルクティを飲み干せば、オズワルドの瞼がゆっくりと瞬きを繰り返す。
ジェネラルは食器を食洗機へと並べてタイマーを仕掛けると、そのままキッチンから出てオズワルドの傍らへと片膝を付いた。
すると、まるで待っていたかのように腕が首へと回り、オズワルドの身体が傾いていく。
「すまない、待たせた」
「―――…い…え……ありがとう、ございます……」
白河夜船に足を掛けながら、それでも掠れた声で応じる姿が愛しい。
ジェネラルは温まった身体をひょい、と抱き上げると、リビングの照明を落として寝室へと向かった。
腕の中でオズワルドがひっきりなしに欠伸をかみ殺し、時折長い指で目を擦っている。
ジェネラルはその仕草に苦笑し、指先へと唇を寄せた。
「瞳を傷めるぞ」
「……は…い……」
とろとろと眠りの淵へと沈んでいくオズワルドの意識はあと幾らも持たないだろう。
ジェネラルはオズワルドを抱いたままベッドへと上がり、諸共シーツの海へと身を投じた。
身体を痛めないように寝姿を整え、頭の下に柔らかい枕を敷いてやると、呼気が分かりやすく深くなる。
風を立てずに毛布を掛けて、隣に寝そべればオズワルドの手が探し物をするかのように毛布の下で蠢いた。
「―――…閣下……?」
意識は殆ど眠りに囚われているくせに、危うい線で意識を保っている。
その理由を知っているジェネラルは小さく笑うと、オズワルドの手を大きな掌で包み込むようにして繋いだ。
手から伝わる温もりに漸く満足したのか、オズワルドはそのまま意識を霧散させた。
まるで泥のように眠る姿は無防備で、それほど心を許されているのだと思えば胸が暖かいもので満たされる。
ジェネラルは小さく笑って、そっとオズワルドの耳元に唇を近づけた。
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