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祭祀様は眠らない

2010/08/26 Thu
m25


!注意


ゲニグスR18話。
祭祀様が絶好調でパワハラ&セクハラ。
キャラ崩壊、嘘設定などを受け付けない方は要回避。


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「祭祀様」

硬い声がゲーニッツの鼓膜を揺らす。
視線を走らせていた単行本から顔を上げると、予想通りの声の主と目が合った。

「なんですか、グスタフ。こんな時間に」

真剣味を帯びるグスタフから視線を外し、手元の時計を確かめれば、時計の針は頂点で綺麗に重なり一本になっていた。
一日の間に二度しか訪れない頂の一本は昨日が終わり、今日が始まる境界線だ。
幾ら何でも直接の上司に当たるゲーニッツの部屋へ訪れる時間帯ではない。
しかし、グスタフは珍しくあからさまな溜息を漏らし片手をこめかみに添えて見せる。
やれやれと言う心の声が聞こえてきそうだ。

「こんな時間と分かっていらっしゃるのに、何故眠る準備もしていないのですか」

グスタフに指摘された通り、ゲーニッツは常の青い正装にスクエアの眼鏡を掛け、窓際で本を開いていた。
しかも、その本はつい先ほど開かれたと傍目にも分かるほど、開いたページが少ない。
これから本腰を入れて読みふけろうとしていたゲーニッツは面倒臭そうに口を開いた。

「この冬は沢山寝ましたので、もう睡眠は必要ないのですよ」

大蛇の異名を持つオロチの特性を色濃く持つゲーニッツは只管寒さに弱い。
流石に動けなくなったり、冬眠するほどではないが、寒風吹きすさぶと瞼が重くなる。
そのため、冬の期間だけはまるで人間のように夜は眠っていたが、大分寒さも和らいできた最近はベッドに潜ることも少なくなった。
人の形をした人外と呼ばれるだけあって、睡眠は娯楽の意味合いが強いのだ。
無論、全てのオロチ一族がそうであるわけではなく、オロチの影響が強い四天王に限った特性だった。
逆にグスタフのような下位の者は眠らなければ疲労回復出来ない。
そのことは幾度かグスタフに説明したはずではあるが、如何も納得しないのか、夜更かしをしているとこうして声を掛けてくる。

「それではせめてもう少し、寛いだ格好をなさってください」
「この服が一番慣れていますから」

譲歩したグスタフの頼みもさらりと一蹴される。
そもそもグスタフとてダークスーツを一分の隙もなく着こなしたまま、皮手袋まで嵌めているのからゲーニッツのことを如何こう言える立場ではない。

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