QLOOK?A?N?Z?X????

Awesome GOD

2010/10/01 Fri
m25


グスタフがオルガンを弾きこなすことが出来ると言うのも意外だったが、
義理の娘に負けず劣らずの腕前だったことに更に驚いた。

「貴方も弾けたのですね、信者の方々も物珍しそうに見ていましたよ」
「大したことではございません。それにレアスに比べればぎこちないものでした」
「そうでしょうか?」

ふ、と口元に笑みを湛えながら笑うゲーニッツは、グスタフに注がれていた数多の視線を思い出す。
好奇心の他に、少女からの情景やら、青年からの羨望やらもあった。
当のグスタフは気付いているのか、気にしていないのか分からなかったが、
決して気分の良いものではなかった。
普段、逸れることなくことなくゲーニッツを見つめている瞳すら、白と黒の鍵盤を追いかけるのに忙しい。

「私の―――」

食い下がるゲーニッツの言葉尻を受け取り、グスタフがゆっくりと唇を開く。
低音の声はあれだけ素晴らしいと感じた演奏よりも心地良い。

「私の音色は天上の神に捧げるものでなく、祭祀様に捧げるものですから」

はっきりと告げられて、ゲーニッツは僅かに目を見開いた。
さらりと、当たり前のように断言された言葉を飲みこんで、脳で咀嚼し嚥下する。
腹の中にその言葉が落ちて、じんわりと腹部が熱くなる。
ゲーニッツは取り繕うように咳払いを漏らすと身を翻し、グスタフから顔を隠す。

今度は幾ら義娘が不在であろうと、グスタフをオルガンの前に座らせるのは止そうと思った。
ゲーニッツに捧げられる音色であるなら、欠片ですら誰かに聞かせたくなかった。
確かに生まれる独占欲を抱えて、音も無く深々と頭を下げる部下の熱い視線を背中で受け取った。

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[Serene Bach 2.23R]